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見えても怖い、見えなくてもなお怖い。「バイオハザード RE:2」試遊レポート

武器のご利用は計画的に!

1月25日 発売

価格:
7,222円(税別、PS4/PCダウンロード版)
7,280円(税別、Xbox Oneダウンロード版)
7,800円(税別、PS4パッケージ版)

 「PlayStation E3 2018 Showcase」において発表された「RESIDENT EVIL2(日本名:バイオハザード RE:2)」。開発中であることは以前から言及されていたが、タイトルとともに2019年1月25日に発売されることが明かされ、会場は大いに沸いた。

 「バイオハザード RE:2」は、1998年に発売されたオリジナル「バイオハザード2」の舞台設定やキャラ設定はそのままに、「バイオハザード7」でも使われた「RE ENGINE」を用いてフルリメイクを施した作品だ。

【「バイオハザード RE:2」プロモーション映像】

 E3の会場では試遊台が設置されており、PS4デモ版のプレイが可能となっていた。早速筆者もプレイしてみたのだが、率直な感想として、試遊中生きた心地がしなかった。

 主人公はレオン・S・ケネディで、ラクーン警察署から物語が始まるのはオリジナルと同一。しかし、近代の「バイオハザード」シリーズのシステムを踏襲してTPS視点となっており、レオンの肩越しにカメラが付いてくるような形になる。また、操作はオリジナルのような左右キーで転回、上下キーで前進後退というラジコンのような操作ではなく、PS4版は左ジョイスティックで移動、右ジョイスティックで視点移動、という形になっていた。

物語はラクーン警察署から始まる

 カメラは結構近め、かつ正面が"よく見えるように"配置されているので、目線はレオンのものに近い。そのため、ゾンビと相対する際には彼らの顔を正面から見ることになるし、惨状を目撃する際にも当事者の目線で現場に居合わせることになる。

 また、カメラが近いということは背後や側面に死角が生まれるということで、曲がり角や物陰をうっかり見過ごそうものなら、ゾンビが突然襲い掛かってくることもある。常に周囲を警戒していなければならないという緊張感が、精神をゴリゴリと削ってくるのだ。

 音響もかなり凝っていて、どこからともなく聞こえてくるゾンビのうめき声、物音、スキマ風、そして水音など、その全てが恐怖を掻き立てる。

 なかでも明かりの届かない暗所はレオンの所持しているフラッシュライトの限られた明かりを頼りに進んでいくことになるのだが、これがもう本当に怖い。

 グラフィックスが綺麗なだけに、ライトに照らされた部分には死体や得体のしれないドロドロした塊が鮮明に映し出される。一方視界の外からは恐怖を掻き立てるサウンドが耳に飛び込んできて、ふと振り返るとまたも目の前にゾンビが迫っていたりして、ひと時たりとも気が抜けない。

暗所の視界はかなり狭い。このドアの先に何がいるのか……

 また、ゾンビはかなり耐久力が高く、きちんと頭を狙って効率よく倒していかないと弾薬がすぐに尽きてしまう。ゾンビがこちらに気づいておらず一方的に狙える状況ならまだしも、完全に敵意むき出しで迫ってくるゾンビを的確に狙うのは精神的にもなかなか難しいものがある。

 少しストーリーを進めると先輩警官であるマービン・ブラナーからコンバットナイフを渡されるので、ここからは少し楽になる。というのもナイフは攻撃範囲が広く、多少適当に振っても攻撃が当たるので、仮にゾンビに接近を許してしまっても十分に対応ができるからだ。ただし、ナイフにも耐久力が設定されており、一定回数以上使用すると壊れてしまう。

ゾンビはかなりタフ。倒したと思って油断すると、起き上がって背後から襲われたりする
負傷しているにも関わらず、自らを護るためのナイフをレオンに託す先輩警官マービン・ブラナー

 実は試遊中、筆者は早々にハンドガンでのエイムを諦め、"ナイフブンブンプレイ"に移行して進めていた矢先にこの事実に直面した。ナイフのおかげで若干精神的に余裕が出てきた矢先の出来事で若干泣きそうになったので、武器は全て有限であるということはお伝えしておきたい。

 ちなみに、ハンドガンの弾が尽き、ナイフも壊れたレオンにゾンビに立ち向かう術は一切無い。ゾンビをなんとか躱して武器を調達するか、あるいは……そのままそこで死ぬか。この事実がひとつひとつのプレイに慎重さを要求し、精神的な圧力となってプレーヤーに襲い掛かってくるのだ。

 「怖さ」と一口に言っても、物陰からウワー!といきなり何かが出てきてビックリするような怖さから、「なんか出そうなんか出そう……」という疑心暗鬼で精神をすり減らすような恐怖、あるいは血みどろドロドロで生理的嫌悪感を伴うような怖さなど様々だ。

 「バイオハザード RE:2」は序盤のテストプレイだけでもその恐怖全部盛りといった感じだが、とりわけ筆者は「見えないところに何かいるんじゃないか」、「音がするけど何もいないように見える、本当にいないのだろうか……ほんとに?」という疑心暗鬼が怖さを生み出していたように感じた。

 そしてゾンビをはじめ、何かに遭遇するときはリアルなグラフィックスで描かれた"ソレ"がまさに目に見える恐怖となって襲い掛かる。ゾンビはもちろん顔が怖いし、海外版での体験ということもあり、時にはヒトの内臓が飛びだすようなグロテスクなシーンもある。

 「バイオハザード RE:2」はグラフィックス、そして音響、"視界"の効果によって、新たな恐怖を引っ提げて戻ってきたといえる。筆者がかなりのビビりであることを差し引いても……この恐怖は本物だ。

警察署の謎はオリジナルのものをモチーフにしつつ、新たなものに刷新されている
窓からゾンビがコンニチハ。素通りしたら案の上侵入してきて盛大にビビる
あまりに無惨な最期を遂げる人や、エグい方法で吊るされる人も。描写がリアルなだけに生理的な恐怖を植え付けられる