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「攻殻機動隊」の世界をVRで体験! 対人戦を戦い抜け!

「VR ZONE SHINJUKU」に新たなアクティビティが登場

12月6日 開催

会場:VR ZONE SHINJUKU

 12月9日からVR ZONE SHINJUKUで稼働を予定している「近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊 ARISE Stealth Hounds」。VRゴーグルを装着して空間を自由に動き回る「フィールドVR」となっており、人対人のチーム戦を行なうアクティビティとなっている。今回オープンに先駆け、プレス向けの内覧会が12月6日に開催された。その模様についてお届けしていこう。

【VR ZONE SHINJUKU / 攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds】

チームαとチームΩに分かれての戦い

 本作は最大8人(4人対4人)で戦うことができるチームバトル制を採っている。チームαの特殊部隊側、チームΩのテロリスト側に別れて戦う。内覧会ではスタッフの方が各チームに1人入り、プレスが2人ずつ配置されるという3対3での対戦となった。

 まずはブリーフィングから始められる。今回プレーヤーは草薙素子が招集した特殊部隊のルーキーとしてテロリストのアジトに潜入して敵を制圧する、というのがストーリー。特殊部隊側のチームαは、テロリスト側のチームΩを倒すことが目的だ。チームΩは逆に、攻めてくるチームαを倒していくことになる。またミッション途中で登場するアタッシュケースにアクセスしてハッキングし、情報を奪うことも必要となる。

 戦いはまず、チームαが設置されている爆弾を破壊することから始まる。そこで進入路が開くので、あとは対戦スタートだ。途中から登場するケースは、左手を当てることでハッキングが始まる。対戦に使うハンドガンだが、弾数が決まっており、撃ち尽くした場合は、持ち手下のボタンを押すことで補充(リロード)する。

テロリストのアジトに潜入して敵を倒すのがミッション
敵を倒すこととケースをハッキングするのがポイント
爆弾を破壊してスタート
攻殻機動隊とテロリストのスーツはこのようなイメージ
左手をケースの中に入れてハッキング
ハンドガンの弾が切れたら、下のボタンを押してリロードする

 また、チームαの攻殻機動隊側は「光学迷彩」が使えるようになっていて、ゲームがスタートしてから一定時間後にはハンドガンの後ろに青い表示が見えるようになるので、そのボタンを押すことで発動する。これを使うと相手からは見えない状態になる。

 なお体に3発食らうか、ヘッドショットを決められると戦闘不能になる。その場合はリスタートポイントを探して復活しなければならない。このポイントは特定の場所に出るわけではなく、そのたびに位置が変わるので注意しなければならない。

 ちなみに安全面を考慮してのことだと思うのだが、移動はゆっくりとしなければいけない。走ったりするのは絶対にダメ。あわてて動くと敵にその姿が筒抜けとなり、的になってしまうほか、やられた後もゆっくりとリスタートポイントに行かないと、復活に時間がかかるようになっている。移動できる範囲も決まっているので、そこから出てしまいそうになった場合や、人とぶつかりそうになったときには危険表示が出る。

光学迷彩を使って戦略的に戦うことが重要
戦闘不能の場合はリスタートポイントに移動して復活する
走ると画面のように、壁越しでもシルエットが見えてしまう
警告表示が出た場合はその場で立ち止まって周囲を確認する

 さてこのように一通りブリーフィングが終わったら、チームとニックネーム、身長、性別をiPadに登録する。これは後で、アクティビティの結果がVR ZONE SHINJUKUのWebサイトで確認できるようになっているので、自分の戦績を知ることができる。これは後ほど紹介しよう。

チームをまずは選択
ニックネームなどの情報を入れて登録完了

マジでリアルな「攻殻機動隊」の世界にうっとり

 さてそれではいよいよ対戦へと移ろう。装着するセンサーは両すねと腰、利き手と反対側の腕に付けるものの4種類。これにHTC Viveとマイク付きヘッドフォン、ハンドガンを装備したら準備完了だ。筆者は今回チームαとなった。2番目なので、コールサインはα2。なんか本物っぽい。会場は20×11mといった広さ。学校の体育館の半分くらいの面積だろうか。そこに四角く仕切られた白い線が引かれており、それがプレイエリアとなる。

これが装着するもの。バックパックはMSI製のランドセルPC
パーツを並べるとこんな感じ
すべてを装着するとこんな感じ。LEDがなんかサイバー
まずは両脇に別れてスタート

 ではプレイスタートだ。チームαではまず、草薙素子から改めて状況説明が行なわれる。キャラクター的には2D表示なのだが、画面がそこに現われてしゃべっているかようだ。プレイがスタートしたら爆弾を破壊して戦闘開始だ。VRで表現されている世界は本当にそこにあるかのようでとてもリアルにできている。言ってしまえばViveで目隠しをした状態で歩いているのに、そんな感じはまったくしない。

 廃工場のような場所を進んでいく。エリアは意外と狭いので、すぐに敵と遭遇。レーザーポインタで照準が取れるので、できるだけヘッドショットを狙って1発で倒したいところだ。しかしこちらが撃ちやすいということは、もちろん撃たれやすいということ。意外と簡単に死んでしまったのはちょっと残念だ。倒されるとメッシュの表示になり、リスタートポイントへ向かわなければならない。味方チームにサバイバルゲームに慣れた人がおり、結構敵を倒してくれたので有利に進められた。

 プレイ時間は25分ほどだったのだが、あっという間に終わってしまった感じだ。中でも難しかったのがゆっくりと動くこと。敵に出会うとどうしても急に動いてしまい、余計に見つかって撃たれることが多かった。このゲームは特に慣れが必要な感じ。何回かプレイしていくうちにコツをつかめば、上達していくことができるだろう。

草薙素子からの状況説明
画面内はこんな感じで展開される
光学迷彩になった状態
これが結果。筆者の分は真ん中。まあまあといったところか
【「近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊 ARISE Stealth Hounds」1人称視点動画】

開発担当者にミニインタビュー

左から田宮幸春氏、ローム・チャールズ氏、小山順一郎氏

 体験会の最後には、プロジェクトを統括しているバンダイナムコエンターテインメントの小山順一郎氏(コヤ所長)と田宮幸春氏(タミヤ室長)、本作のプロデューサーであるローム・チャールズ氏(CJ)にインタビューすることができたので、その模様をお届けしよう。

――VRで対戦型のアトラクションをやろうと思ったきっかけは何ですか?

チャールズ氏: 対戦ゲームを作りたかったんですね。ほかのコンテンツを見ても、対戦型のフィールドVRはないんです。海外でも対戦ゲームはありますが、もしVRでやるとどういうことができるのかと。何倍も面白いものが作れるのではとなり、小山と相談しながらこの形になりました。

田宮氏: CJは西海岸の出身で日本のアニメやゲームが大好きでバンダイナムコに来ちゃったくらいの人間なので、「攻殻機動隊」も大好きで。VR ZONEの中での位置づけとしては、セガさんが「ZERO LATENCY VR」という歩き回れるコンテンツをやられていますが、VR ZONEとしても「動き回れます」というコンテンツを、我々なりに挑戦する形で1つアクティビティを作りたかった。それが集まって今回の形になりました。

――人対人をやりたいということがあっての「攻殻機動隊」なのか、それとも「攻殻機動隊」をやりたくて対人戦を採用したのか教えてください。

チャールズ氏: フィールドVRのスペースとしてこれくらいあるがどうしましょう、という話になって、ほぼ同じタイミングで決まった感じですね。自分も「攻殻機動隊」は大好きですし。「攻殻機動隊」の世界で対戦したら最高だろうと。

――技術的なチャレンジは何かありますか?

チャールズ氏: フィールドに8人入ってフルボディをトラッキングするのはとても大変でした。今回はしゃがんでも足を上げてもトラッキングされますし、ヘッドショットを狙い通りに決めることができます。それができたのでこのゲームは成立しました。

小山氏: 苦労しましたよね。ほかのゲームだと腕を上げて銃を構えてもふらふらして一致しないんです。自分たちが最初やった時もそうでした。なのでマシンガンでばーっと撃ちまくる感じになってしまうのですが、ハンドガンできっちりと調整して撃ちたかったので、ぴったりそこに止めるのは時間がかかりました。

田宮氏: 基本的にはモーションキャプチャーの精度を何とか上げてほしいというところですね。メーカーの方ともやり取りしながら、本来ならここまで性能が出るはずというところまで、配置やもろもろ……。デバイスのプログラムにも手が入りまして、追い込んだ感じですね。

 あと運営上もチャレンジがありまして。対戦の銃撃戦をするのですが、これは自由に動き回れるのが特徴です。それ故にぶつかってしまったらどうしようとか。皆さん目隠しして歩き回っているわけですから、ハードルが高いと思っていて。この形でできれば面白い物になるという確信はあったので、8人入って銃撃戦ができるように作ってはいますが、スタートはまず4人のお客様とナビゲーター2人で絞らせていただいて。本当に一般のお客様がどれくらいの動きをされるのかを見ながら、安全を確認しつつ、お客様を増やしたり、ナビゲーターを抜いたりといった方向に進めればと思います。

――今回やりたかったけど実現できなかったことや、今後の展開についてお聞かせください。

チャールズ氏:最初の企画ではロケットランチャーを入れて壁を壊していくとか、フィールドで爆発したりするもの。あとはロジコマ(ロジスティクス・コンベイヤー・マシン)によるハッキングですね。

田宮幸春氏:フィールドにありましたよね。企画書では縦横無尽にロジコマが動いていたんですよ。

チャールズ氏:ハッキングして相手チームを攻撃するとか。カメラがいっぱいあって、それをハックすると見えるとか。首の後ろからコードを出すのもやりたかった。ただし挑戦の要素がたくさんありましたので、そこまでできなかったですね。これから運営面での安全性を見ながらどこまでできるかを考えていきたいですね。まずは運営が最優先ですね。

小山氏: こちらのアクティビティはどちらかというと体験の要素が大きいと思うんですね。これはスポーツみたいなものなので、今日プレイされた方はまだ深いところまで見えていないかなと。いろいろなプレイがありますよね。銃を物陰から出したらバン!と撃たれてしまうので、しっかりと隠れながら撃たないといけないとか。いろいろな攻略法がある。

田宮氏: 全身をキャプチャできているということは、体の動きをいくらでも工夫できるということですね。実際に銃撃戦をするときは、人はどう体を守りながら効率的に攻撃できるのか、その工夫がそのまま生きる状態になっているので、やっていただければやっていただくほど、動きが洗練されていきます。待ち伏せがやっぱり強い感じなんですね。そこから光学迷彩が生きてくる。

小山氏: 曲がるときは絶対隠れたりして。

田宮氏: そうなると心理戦も含めて、銃撃戦が面白くなってくる。それが想定されたアクティビティになっています。

――もっと人数が増えたり、あるいは立体的にプレイする可能性はありますか?

田宮氏: 技術的にはできる状態です。あとはVRならではですが、高いところに行った気になっているけどそのまま平面ですみたいな。現実よりも面白い状態で銃撃戦ができるというものをこの世界では作れると思います。

小山氏: いまはニューポートシティみたいな感じですが、ロシアの、フィールドの真ん中にあるコンクリート施設で、向こうには戦車がガラガラと動いているとか。中は狭いけど外に行ったらすごい攻撃が来るみたいなこともできますね。

――マップはこのパターンで当面は行くのでしょうか。新マップの導入などは考えておられますか?

チャールズ氏: まずは運営をしっかりとして、4人対4人でできるようにすることが大事ですね。それからの話となります。

――足のトラッキングは珍しいですね。

チャールズ氏: あれは難しいんですね。実は。腰の状態も見ているので、足の全体の動きがわかります。

田宮氏: 甲に付けているのは運用面も考えてのことですね。ハードのメンバーにいろいろ検討してもらったのですが、「高所恐怖症」のように足に付けるタイプだと、皆さんに靴を履き替えていただく必要も出てきてしまうので、足のデータをちゃんと取りつつ、いろいろな服装の形に対応できるとなると、1回そこに落ち着けてみるかと。今回のシステムがベストでないかもしれませんが、今のところはこの形です。

――天井のセンサーはいくつあるのでしょうか?

田宮氏: カメラが60個ほど付いています。3点測量の考えで、複数のカメラで1つのLEDを見たときに3次元上の位置がわかるようになっています。

――最後に今後の意気込みをお願いします。

チャールズ氏: ぜひ友達と来て、「攻殻機動隊」を楽しんでよー!

小山氏: 我々は今後「VR ZONE Portal」というものを一気に作っている最中で、それがてんてこ舞いです。VRというと首都圏が中心ですよね。それをあちこちに広めていくのが大事だと思って、それを頑張ります!

田宮氏: VR ZONEとしては、2階にあるコンテンツがアトラクション的というか、わっと体験してわっと驚くといったことに重点を置いたタイトルになっているので、今後VRコンテンツがどういう形でお客様に受け入れられるのか、どう発展していくのかというのが裏テーマとしてあります。こっちも広まってくれるといいなと思っています。

アクティビティ概要

使用チケット:専用チケット
体験料:2,800円(税込)
※別途入場券(800円)の購入が必要
体験人数:最大8名
※サービス開始直後は4名での体験となる
所要時間:30分(ブリーフィング含む)
対象年齢:13歳以上
機材協力:HTC Corporation、MSI