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【スマホアプリ今日の1本】RPGとゴルフが融合した全く新しいゲーム「RPGolf」

モンスターをゴルフクラブでなぎ倒し、目指せナイスショット!

【iOS版】

11月16日 配信開始

【Android版】

12月7日 配信開始予定

価格:360円(税込/買い切り)

 2DRPGとゴルフ、決して交わることのなかった2つが(何故か)運命の出会いを果たしたのが、ArticNetとコーラス・ワールドワイドによる新作iOSアプリ「RPGolf」だ。現在はiOS版が先行して配信されているが、Android版も12月7日に配信予定となっている。

 「RPGolf」では、モンスターに占拠されたゴルフコースを解放すべく、勇敢でゴルフ好きな少女が戦いを挑む。「ゼルダの伝説」シリーズのような見下ろし方2DRPGをベースに、ゴルフクラブ片手にモンスターを殴り倒しつつ、進んだ先でゴルフをする……という斬新なゲームで、良好な操作性と昔懐かしいドット絵が素晴らしい。

「RPGolf」の3大ポイント

・RPG+ゴルフという斬新な組み合わせ
・レトロな8ビットのドット絵
・昔のゲームを思い出させるような、歯ごたえのある難易度

【RPGolf Trailer】

「RPGolf」において、ゴルフクラブはゴルフをするためだけの道具ではない!

 プレーヤーはラスボスと対決するために、全9ホールでゴルフをし、パー以上のスコアを出さなければならない。ホールとホールの間にはダンジョンや謎解きがあり、当然のようにモンスターもいる。ゴルフコースや道中にいるモンスターをゴルフクラブで殴り倒し、レベルアップをしながら次のホールへ進んでいく、というのが本作の基本的な流れだ。

ゴルフのスコアのためにも、モンスターを倒す必要がある

 戦闘はゴルフクラブでぶん殴るだけ。ゴルフもグリーンの芝を読むような難しい要素はなく、操作はシンプルでストレスはないが、かといってクリアが容易なゲームという訳ではない。

 マップは広大で、1つのホールをクリアしたら次のホールへと進むことになるが、道中にはカギのかかった扉などもあり、通るためにはカギや魔法のアイテムの探索が必要になることもある。フィールドやダンジョンに登場する雑魚モンスターも意外と手強く、戦闘ではガンガンライフが削られていくが、回復できる場所は限られている。その上ライフが少ないとショットの飛距離も下がり、ゴルフパートの難易度が跳ね上がるどころか、ボールが全く飛ばずクリアできないなんてこともある。

マップは広大だが、道なりに行けば迷うことはない。また、今いるマップの全体像の確認や、マップ同士のつながりの確認もできる
随所にパロディネタも。どこに何を受けたって……?

 かといってHPを温存するため、モンスターをスルーして進んでしまうとレベルが上がらず、ゴルフパートをクリアするために必要なステータスまで到達できなくなってしまうというジレンマがある。また、いくらレベルが高くても装備が整っていなかったり、適切なステータスの振り分けができていないとゴルフパートのクリアが難しくなる点にも注意が必要だ。

 このあたりはしっかりとしたレベル上げや装備の更新、そしてHPや回復薬といったリソースの管理などをきっちりとこなさなければ先に進めないという意味で、クラシックな古き良き(?)RPGのちょいムズな難易度設定と近いものを感じた。

 ちなみに、戦闘においてなにより恐ろしいのは毒で、ライフがどんどん削れていくどころか、HP1で止まるような甘さはなく容赦なく死ぬ。しかも毒消しでしか回復できず、その毒消しも宝箱か街で購入することでしか入手することができないため、毒消しがなく街から離れた場所にいるとどうしようもなくなってしまう。そのため、街に立ち寄ったら毒消しを大量購入することをお勧めする。

各ホールにはセーブポイントと自動販売機(お金を払えばライフを回復)が設置されており、レベルアップでもライフとMPは全快する
街にあるバーではポーションなどの他に何故かゴルフクラブも売っている。この世界の住人はゴルフ脳なのか……

 RPGらしい部分もきっちりと組み込まれており、「RPGolf」には魔法のアイテムやボス戦も存在する。魔法のアイテムには炎の球を飛ばせるようになる手袋などがあり、モンスターにダメージを与えられるだけでなく、次のホールに進むためのキーアイテムになっていることもある。ライフ同様、MPの消費も激しいので乱発はできないため、いざという時に備えて温存しておきたい。

 ボスの難易度もなかなかで、行動パターンをしっかり把握しなければ倒すことはできない。動きを覚えて対応して倒すという流れでは、「ロックマン」シリーズのような緊張感あるボス戦を味わえるはずだ。

ダンジョンに登場する雑魚モンスター。結構な距離を突進してくるのでなかなか厄介だ
蜘蛛のボス。パターンを覚えて対応しなければダメージを与えることはできない

 また、本作はオートセーブではないため、HPが0になると最後にセーブした場所まで戻される。そのため、雑魚敵相手でも気が抜けず、ホールをクリアしたり、ボスを倒した後は近場のセーブポイントまで帰るなど、スーパーファミコン時代のゲームでやっていたような安全策をとる必要が出てくる。

 こういったシステムを面倒くさいと感じるプレーヤーもいるだろうが、個人的にはこれはこれでノスタルジックな感傷に浸ることのできる要素だと感じた。

 懐古的なシステムの一方で、セーブデータがiCloudに自動的に保存されるのはありがたい。 iPhoneからApple TVなどへデータを引き継げるので、様々なデバイスで遊ぶことができる。

 本作の難点を挙げるとすれば、マップが広大すぎることと、その割に探索しても実りが少ないことだ。確かに探索すれば冒険を楽にできるレアアイテムをゲットできることもあるのだが、そのレアアイテムの数に対してマップが広すぎるため、探索にはそれなりの根気と時間が必要となるにも関わらず、収穫や発見が少なすぎるのである。

 総評として、グラフィックやサウンドといったビジュアル面だけでなく、ゲームの難易度もスーファミ時代を思い出させるような懐かしさを感じることのできるゲームだ。それでいて操作性も悪くなく、ストレスを感じさせない点も好感が持てる。RPG+Golfという奇抜なアイデアが目を引くが、中身はしっかりと作りこまれたタイトルといえるだろう。

 もちろん難点がない訳ではないが、本作はリリース後にも継続したアップデートを予定しているようなので、このあたりは今後に期待したい。そう、俺たちのゴルフはこれからだ!