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「ストII」大会優勝者が解説する「ウルトラストリートファイターII」
2017年5月25日 07:00
2人の新キャラクターにも触れてみた!
「ウルII」には、これまでの「ストII」シリーズには登場しなかったキャラクター「洗脳されたケン」と「殺意の波動に目覚めたリュウ」の2人が新たに追加されている。こちらも少し触れることができたので、その気になる性能を個別に紹介していきたい。
洗脳されたケン
「洗脳されたケン」は、ケンをベースにした新キャラクター。多くの必殺技はケンに近いが、独自のコマンド技として移動技の「羅刹脚」を持っている。また、ケンでは足技関連の必殺技があったが、それらはキック系の特殊技に変更されているのも特徴だ。
使ってみてまず驚くのは、移動スピードの速さだろう。ノーマルのケンと比較してもまだ速いその速度は、地上技中心の立ち回りで大いに力を発揮してくれそうな印象を受けた。また、ジャンプ軌道がリュウやケンのそれではなく、どちらかと言えばブランカやバルログをややゆるやかにしたような、高めのジャンプ+短めの距離というものになっている。
必殺技の性能はほぼケンに準拠していたようだが、竜巻旋風脚だけはヒット時にダウン効果が発生するようになっている。未確認ではあるが、従来のリュウと同じようにソニックブームやヨガファイヤーを竜巻旋風脚で抜けられるようであれば、心強い必殺技となるのではないだろうか。
面白いのは空中竜巻旋風脚で、前、垂直、後方どのジャンプで出しても前方に直進する竜巻旋風脚になる。また、ジャンプ直後にコマンドを完成させることで、超低空の竜巻旋風脚が出せるなど、トリッキーな動きもできた。実戦での効果がどれほどかは不明だが、起き上がりなどに重ねてみると面白いことができそうだ。
新必殺技の羅刹脚は移動技で、弱~強により移動距離が変化。基本技にキャンセルをかけて出せるうえ、技終了後のスキがなさそうなので、相手のガードを崩したりするときに重宝するだろう。
スーパーコンボは「神武滅殺」。技を出しながら突進し、最後を昇龍拳で締める乱舞系のものだが、突進距離はそれほど長くない印象だ。連続技に組み込んだり、近い距離での飛び道具抜けに使うのが実用的な使い方になるかもしれない。
殺意の波動に目覚めたリュウ
「殺意の波動に目覚めたリュウ」は、リュウをベースにした新キャラクター。過去に複数のシリーズに登場しており、知名度も高いので何となく想像できる人も多いのではないだろうか。基本的にはリュウの性能に準ずるが、スティック→+強パンチ(いわゆる大ゴス)がなくなっており、代わりにスティック→+中キック(『ZERO』シリーズで言うところの旋風脚)が使用可能になっているなど、ちょっとした変化がある。独自の必殺技としては移動技の「阿修羅閃空」があるが、発動時に完全無敵になるため回避技として使えそうだ。
最大の特徴は、基本技に遠近の要素が無いこと。スティックを後方に入れながら基本技を出すことでいわゆる近距離系の技が出て、ニュートラル時に基本技を出すと遠距離系の技になる。つまり「ストリートファイターV」のリュウに似ている、という感じだろうか。距離による意図しない技の暴発がなくなる反面、入力に一手間加わるので、最初のうちは連係や連続技を使うときにとまどうかもしれない。
そんな殺意の波動に目覚めたリュウだが、ベースがリュウだけにとても使いやすく、これまでリュウを愛用していたプレーヤーならば慣れるまでにそう時間はかからない。ただし、注意しておきたいのは「スパII X」のリュウで主戦力の1つとなっていたスーパーコンボ「真空波動拳」が殺意の波動に目覚めたリュウにはない、ということ。代わりに必殺投げの「瞬獄殺」があるのだが、これがどの程度、実戦で有効活用できるかは今後の研究次第といったところか。
その他の変更点について
基本システムの部分では、通常投げに対してグラップ(投げ回避)の要素が組み込まれていたのが印象的だ。これまでは通常投げで投げられた場合、少しのダメージを受けて受け身を取るのが唯一のダメージ軽減の手段だったが、グラップに成功すれば完全に通常投げを無効化できる。一部のキャラクターには大幅な戦力減となるかもしれないが、平等さの点で言えばこちらの方が納得がいくだろう。
ほかにも、既存キャラクターに必殺技のコマンド変更が行なわれていることが確認できた。例えばファイヤー波動拳の場合、従来のコマンドと逆(前から下に回り込むように半周する、いわゆる逆ヨガコマンド)になっている。これならファイヤー波動拳を出したつもりが波動拳になった、といった暴発がなくなり、より意図しているものに近い動きができるようになる。
また、「スパII X」で一部のキャラクターに存在していたコマンド持続については、すべて無くなったようだ。これは、例えばアーケード版「スパII X」のE.本田の場合、大銀杏投げのコマンドを完成させた際にレバーを後ろ要素に入力したままにしておくと、あとは相手が投げ間合いに入った瞬間にパンチボタンを押すだけで大銀杏投げが成立する、といったもの。同様に、春麗の「歩き千裂脚」などもできなくなっている。
以上が今回のプレイレポートとなる。オンライン環境なども試してみたいところではあったが、発売前のバージョンに触れたため、オンライン対戦は体験することはできなかった。ともあれ、こういったメジャーのハードで、手軽に「ストII」シリーズの通信対戦ができるというのは、ファンにとって本当に大きな出来事だと思う。筆者としては、これでアーケードスティックが発売されれば対戦環境は完璧と言えるのだが……まずは26日の「ウルII」発売日を楽しみに待つこととしたい。
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