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「ストリートファイターV」、「コーリン」の性能をチェック!

ギルより授かった氷の力と2種類の当て身技を駆使して戦うブロンドの美女

3月1日 解放

価格:10万ファイトマネー/600円(税込)

 大型アップデートが行なわれ、Ver.02.000になってから早2カ月あまり。12月に新キャラクター6人の参戦が発表された「ストリートファイターV」に、早くも新たなチャレンジャーがやってきた! そのウシャーンカ(毛皮帽)から、どことなくロシアの軍人を思わせるブロンドの美女・コーリン。第1陣の追加キャラクターや豪鬼と同様、ショップでファイトマネーを消費するか、直接ショップで購入すれば使用できる。価格は10万ファイトマネーか、600円(税込)。また、豪鬼やコーリンを含む新追加キャラクター6人がまとめて使用可能になる「ストリートファイターV 2017キャラクターパス」も発売されている。価格は3,000円(税込)。

 今回は、ゲームの女性キャラクターは必ず1度は使ってみる筆者が、さっそくコーリンをプレイしたので、キャラクターの性能を解説するととともに、そのファースト・インプレッションをお届けする。

初登場より20年! ギルの秘書がついにプレイアブル・キャラクターに!

ストーリーコスチュームや秘書コスチュームも悪くはないが、しっかり着込んでいるのに絶対領域が見えるノーマルコスチュームこそが、至高ではあるまいか

 コーリンがはじめてゲームに登場したのは、1997年にリリースされた「ストリートファイターIII」にまでさかのぼる。当時はプレイアブル・キャラクターではなく、ギルの秘書的な存在としてダッドリーのエンディングに登場するのみだった。名前までは覚えていなくとも、“「さあ、受け取りなさい」の女性”と言えば、懐かしく思い出される方もいるのではないだろうか。「ストIII 3rd」からは、ギル戦(最終ステージ)にラウンド開始前の演出として登場するようになった。

 その後「ストIV」には姿を見せなかったものの、本作ではナッシュのストーリーモードおよびゼネラルストーリーモードで“ヘレン”と名乗り、蘇生したナッシュのケアを担当。ナッシュのストーリー時は「何か言えない事情を抱えた、陰のある看護婦さん」という印象だったが、ゼネラルストーリーではシャドルーを壊滅すべくナッシュやジュリ、ラシードたちを集めて暗躍するミステリアスな美女になった。ちなみに、彼女の氷をあやつる能力はギルによって与えられたもの。

高性能な当て身投げ・フロストタッチの使い方がカギ!

 ここでは、コーリンの基本技・特殊技・必殺技を紹介。各技の性能や、その使いどころなどをカテゴリごとに解説していく。なお、VスキルとVトリガーについては、次項を参照してほしい。

●基本技&特殊技

垂直or前方ジャンプ中に↓+中Kで、空中に氷の足場を作り出し2段ジャンプ。画面端に追い詰められたときに役立つか?
空中投げは飛びつき腕十字。対空技やEXパラベラム→強・バニティステップ後の追撃として使っていくのが基本

 コーリンの基本技と特殊技にはズバ抜けて奇異なものはなく、比較的オーソドックスな技が揃っているように思う。唯一の例外はしゃがみ強Kで、ガイルのドラゴンスイープのように足払いを連続してくり出す2段技。ただし、ドラゴンスイープにくらべて、1段目→2段目が強制ガード(Vリバーサル以外では割り込めない)、1段目はヒット時のみキャンセル可能、2段目は立ちガードできるなどの違いがある。

 牽制の要となるのは、立ち弱K、しゃがみ中K、←+強K「スナイピングキック」の3つ。立ち弱Kは弱攻撃のなかでもっともリーチが長く、キャンセルして弱・パラベラムを出すと連続ヒットする。立ち弱Kの先端当てなら、出し切っても反撃を受けにくい。

 しゃがみ中Kはリーチがあり、フォロースルーが短い。ガードされても状況は五分なので、足先がギリギリ届く位置から連発すると強力。あえて至近距離でガードさせ、相手の反撃を誘って当て身(下記参照)を狙うといった使い方もできそうだ。

 スナイピングキックは、やや高い位置へ後ろ蹴りを放つ。似たような位置を攻撃する立ち強Kとは異なり、しゃがんでいる相手にも当たるのが利点。リーチを活かした牽制のほか、跳び防止にも役立つ。ただし、全体的に動作が遅いため、乱用はできない。

 接近戦では、しゃがみ中P→立ち中Kが基本連係。ヒット時は中 or EXパラベラムにつなげられ、ガードされてもバニティステップやヘイルストームへ派生できる。これに加えて弱攻撃の刻み、フロストスパイク(弱P→中P→強P)、ホワイトアウト(中P→中K→中P+中K)を併用して戦っていきたい。

●必殺技:フロストタッチ・ロー/ミドル/ハイ

フロストタッチは、対応する技が多いミドルがもっともローリスク。弱・パラベラムをガードさせたあとに出すと決まりやすい

 いわゆる当て身投げ。コマンド入力時に弱中強のいずれで出すかによって、取れる技の種類が変化する。弱のローは下段技を、中のミドルは下段をのぞく地上技を、強のハイはジャンプ攻撃を含む空中技を取ることが可能だ。

 フロストタッチを使う上での注意点は2つ。同じ当て身技でも、「CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001」の当て身投げであれば、弱は下段、中は地上技、強はジャンプ攻撃と対応していたため、シンプルでわかりやすかった。しかし本作では、相手の「存在判定の場所」によって取れる技が決まる。たとえば、春麗の「翼旋脚」(→+強K)は地上技だが、技を出しているあいだは空中判定。つまり、当て身で取るときは中ではなく、空中技に対応した強を使わなければならない。

 もう1点は、発生までに時間がかかること。コマンド完成から2フレーム目に当て身判定が出現する(1フレームのスキがある)ため、完全に重ねられた技は当て身できない。起き上がりなどに狙う場合は、コマンド完成と同時に当て身判定が出現するEX版を使う必要がある。

●必殺技:パラベラム

 手刀を連続でくり出し、強は最後に両手突きを放つ。ガードされるとスキが生じてしまうので、おもに確定時の連続技として使用する。遠間から弱を浅めに当てれば反撃を受けにくいが、それも多用するのは危険。なおEX版は、動作の終わり際をほかの必殺技でキャンセルできる。

●必殺技:バニティステップ

 体を翻してバックステップしたあと、弱はその場にとどまり、中は前方へ高速移動し、強は大きく跳躍する。弱は、拳を突き出して突進するシルバーエッジへ派生可能。中と強は移動中と跳躍中に攻撃を出せるので、基本技をキャンセルしたり遠距離から不意を突いて仕掛けるなど、奇襲の一手に使いたい。また、EXパラベラム後の追撃としても利用できる。

●必殺技:ヘイルストーム

ヘイルストームをかぶせての起き攻めは返されにくいが、相手に受け身を取られると安定しないのが欠点

 腕を振り上げて前方上空に小さな氷を発生させ、そのまま落下させる。振り上げる腕には、攻撃判定(厳密には飛び道具判定なので、当て身では取れない)と飛び道具の打ち消し判定あり。遠距離での牽制にも使えるが、むしろ起き攻めを仕掛けるさいの設置系飛び道具としての意味合いが強い。

Vスキルにも当て身判定あり! 相手の攻撃に合わせて使え!

Vスキル「インサイドスラッシュ」は、やや遠めの間合いから仕掛けたい。手刀の先端を当てるように出せば、ガードされても反撃を受けにくい
攻撃が大振りの相手なら、ギリギリ見てから出せる。ザンギエフ戦では、これができないと絶望的かも

 コーリンのVスキルは、踏み込みながら手刀を振り下ろすインサイドスラッシュ。踏み込む距離はかなり長く、スナイピングキックの外からでも攻撃が届く。ヒット時はしゃがみ弱Pにつなげられるが、ガードされるとスキが大きく、キャラクターによっては強攻撃で反撃されてしまうことも。

 特筆すべきは、動作中に発生する当て身能力。動作開始後しばらくすると(体感的には10フレーム前後?)当て身判定が発生し、相手の攻撃とかち合った場合、その攻撃を受け流しつつ反撃を行なう。また、当て身が成立したときは2ヒット技に変化し、ダメージも高くなる。

 最大の強みは、下段・ジャンプ攻撃・必殺技を問わず、すべての攻撃を取れること。そのため、相手の攻撃に合わせて出せば一方的に打ち勝てる。ザンギエフのように単発かつ大振りを持ったパワーファイターとの戦いが狙い目だ。

 Vトリガーのダイアモンドダストは、地面を蹴って氷の波を撃ち出す。発動後はVゲージがタイマーに変わり、そのあいだはもう1度だけ氷の波を撃てる。氷の波がヒットした場合、相手のスタンゲージを凍らせることが可能(スタンゲージが回復しなくなる)。この状態は、コーリンがダメージを受けるまで持続する。

Vトリガーの1発目は中攻撃から、2発目は強攻撃から、それぞれ連続ヒットする。ヒット後はクリティカルアーツで追撃可能だ
相手を凍らせたらスタンのチャンス! コーリンがダメージを受けない(=凍結状態を解除されない)ように慎重に立ち回ろう

【総評】当て身の楽しさを追求した読み合い重視のキャラクター

 全体としては、比較的オーソドックスな基本技・特殊技とテクニカルな必殺技・Vスキルを併せ持ったキャラクターという印象。とくにフロストタッチとVスキルは使いどころが重要で、一歩まちがえば致命的なダメージを負ってしまう。相手のクセを読んだり、大振りの攻撃に反応して使わなければならないため、決して簡単なキャラクターとは言えない。

 その一方で、これまでのキャラクターにはなかった面白さもある。それは、相手の攻撃へ対応する手段の豊富さ。極論すると、既存のキャラクターは相手の攻撃を読んでもガードするか無敵技で反撃するかしかなかった(もちろん、心眼系のVスキルやワープ系の必殺技という手段もあるが)。

 しかし、コーリンには当て身がある。これは大きい。相手に跳び込まれたときに、連続ガードではない連係をガードしているときに、あるいは硬直差が不利な攻撃をガードされてしまったときに、読みさえ優れていれば、どんな状況からでも攻勢に転じることができる。

 しかも、コーリンは「CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001」のギースのように“普通に戦っても強いが、当て身を使えばもっと強い”というキャラクターではない。攻撃力が低めで、強力なキャラクターとの対戦ではどうしてもパワー不足。その目をひっくり返すには、当て身によるプレッシャーが必要不可欠だ。当て身の上手さ・巧みさがそのまま勝率に直結するキャラクターと言える。

 総評としては、飛ばせて落とすタイプや上下 or 裏表の択で倒すタイプが好きな人よりも、読み合いを重視するプレーヤー向きといったところか。手堅く立ち回ったり当て投げを狙うよりも、リスクを恐れず当て身を多用して戦ったほうが楽しめる。敵の攻撃を1点で読み切り、それに対応する技を合わせる感覚は、「ストリートファイターII」時代の古き良きザンギエフに通じるかもしれない。「ストV」では初となる、本格的な当て身系必殺技を持ったキャラクター・コーリン。せっかくなら自分の読みと心中する覚悟で、当て身を狙いまくって戦いたい。