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発売直前! 「フォーオナー」OBTで手応えを最終チェック!

新要素「ファクションウォー」と3人の新ヒーローをレポート

2月16日発売予定

価格:8,400円(税別)

CEROレーティング:Z(18歳以上対象)

 ユービーアイソフトは、2月16日発売予定のプレイステーション 4/Xbox One/PC用メレーアクション「フォーオナー」のオープンβテスト(以下、OBTと略)を、2月9~12日にわたって実施した。

 昨年10月に実施されたαテスト、そして今年1月末に北米などで行われたクローズドβテストに続くテストとなる。

 今回はそのプレイレポートととなるが、ゲームの基本ルールやマルチプレイの概要については昨年のαテストとほぼ同じ内容であったため、そちらについての解説は該当記事を読んでいただくとして、今回はこのOBTで新たに体験できた要素や新キャラクターなどについて触れていきたいと思う。

 なおゲームプレイはPS4を使って行なっているため、記事中の操作表記についてはPS4のものに準じている。

6時間ごとの戦いで戦況に変化が起きていく「ファクションウォー」システム

メニュー画面には、本作に関するニュースなども表示される
所属する勢力を選択する。その後選べるヒーローが限定されるようなことはない
3つの領地が展開され、それぞれの場所でマルチプレイが行なわれる。この時点ではかなり侍陣営が押している
約1日が経過すると、ナイト陣営がかなり奮起していることがわかる。戦いの場所も戦況で変わっていく

 今回のOBTは、ゲーム発売1週間前のタイミングで行なわれたということもあって、テストというよりは体験版のような感覚でプレイをした人も多かったのではないだろうか。ゲームモードはαテストのときと同様にマルチプレイ、または対AIによる対戦が主体で、ストーリーモードは実装されていない。日本語ローカライズ済みで、オープニングムービーやゲーム中の敵味方のセリフも吹き替えになっていた。

 今回体験できた要素の中で最も注目だったのが、マルチプレイモードにおける「ファクションウォー」の存在だ。これは本作に登場する「ナイト」、「ヴァイキング」、「侍」の3つの勢力がしのぎを削るワールドマップ内で展開されるシステムで、参加しているプレーヤーが所属する勢力図が、リアルタイムで更新されていくというものだ。

 プレーヤーはゲームを始める前に、前述の3つの所属勢力を選べるようになっている。これはあくまで好みで選ぶもので、ゲーム中のプレーヤーキャラクターとなるヒーローは、どの勢力に所属していても、全員から選ぶことができた。

 マップ上には3勢力の領地とともに、マルチプレイの各モードが配置されている。それぞれのマルチプレイは、このマップに基づいたステージにて行なわれ、全ての結果が「ウォーアセット」というポイントに還元され、それを敵領地の征圧や味方領地の防衛に当てることができる。わかりやすく説明すると、所属勢力の多くのプレーヤーの勝率が高ければ所属勢力の領地が広がり、逆に低ければ領地に隣接する勢力に侵略されてしまうというわけである。

 それぞれの領地は6時間のターンで更新され、多くのウォーアセットを展開した勢力が、隣接した勢力を伸ばしていくことになるわけだが、面白いのはマルチプレイの「ドミニオン」、「デュエル&ブロウル」、「デスマッチ」のそれぞれのルールが、領地の最前線のステージにて行なわれていることだ。

 勢力の領地が入れ替わることで前線の位置が変わり、次に行なわれる対戦ステージが変わるのである。また同じステージでも、別の勢力の領地になったときは、ステージ上に飾られたフラッグやエンブレムなどが変化するという演出も施されている。

こちらはチュートリアルの動画から抽出した画面。ステージの見た目も変わる
ダメージを受けたり落下したりするステージもあり、これも戦況で場所が変わる

プレーヤーの勝利と敗北が戦況を変化させる。あくまで演出だが、戦いへのモチベーションは上がるだろう

 戦いは2週間で1ラウンド、そして10週間(5ラウンド)で1シーズンが経過し、それぞれの終了後に所属する勢力のランクに応じた報酬が授与される。そしてシーズン終了後にはファクションウォーは初期状態に戻り、規定のオフシーズンを経て再開される、ということになっている。なおファクションウォーにおける戦況は、全プラットフォーム合同のものになるとチュートリアル動画にてアナウンスされている。

 今回は4日間のテストだったため、6時間ごとのステージの変化程度しか体験できなかったが、それでも3勢力による一進一退の攻防は、プレーヤーのモチベーションアップには十分な演出でもあった。シーズン終了後には、この世界に何かしらの影響が残るとのことで、そのあたりの演出も含めて、2月16日の製品版発売以降、戦況が一体どんな動きをしていくのかも楽しみなところである。

新たに加わった3人のヒーローの使い勝手は!?

扱いやすい「ヴァンガード」クラスの3人などと比較すると、若干クセの強い3人が揃う
防御が不得手なぶん、手数で勝負するピースキーパー。出血攻撃はエフェクトがピンク色で表示される

 このOBTでは、新たに「ピースキーパー」、「ウォーロード」、「野武士」の3人ヒーローが選べるようになった。それぞれ操作や技などにクセがあるヒーローだが、3人とも極めればかなり面白くなりそうな存在だ。

 ナイト陣営の「ピースキーパー」は、長短2本の剣を操る「アサシン」クラスのヒーローだ。素早く攻撃力が高いが、リーチは短め。またバーサーカーなどと同様に、構えのまま防御状態を維持できない(防御のたびに構え直す必要がある)性質があるが、そのぶん相手に構えている方向が見た目でわかりづらいという特徴もある。

 このピースキーパーと野武士は、相手を出血させて体力を削る「出血攻撃」を持っていて、防御崩しや攻撃を弾いた後などにこの出血攻撃を決めることで、じわじわと相手を消耗させることが可能だ。また攻撃が出るのが早いため手数でも勝負でき、機動力を生かせればかなり強いキャラクターのように感じられた。

全方位からの攻撃を防御できる鉄壁のフルブロックスタンス。ここから反撃に転じたい
回避とは別に相手の攻撃を避ける隠密スタンスからの選択肢は多い
「スカベンジギア」での購入や対戦後の報酬によって武具が手に入り、カスタマイズが可能だ

 ヴァイキング陣営の「ウォーロード」は特に防御に優れた「ヘビー」クラスのヒーローだ。出すタイミングによって自動的にカウンターになる攻撃や、攻撃がかち合っても潰されずにダメージを与える攻撃を持っている。そして最大の特徴が、防御技の「フルブロックスタンス」だ。相手と対峙しているときに右スティックを下方向に入力し続けることで、相手からの全方向の攻撃を防御する状態となり、このときは複数の相手から攻撃を受けても大丈夫だ。

 ただしフルブロックスタンス中は常にスタミナを消費し、0になればもちろん使えなくなり、回復するまでは不利な状況に陥ってしまうため、使いどころがカギとなるだろう。また巨漢で動きが遅く、マップ上のポイントを素早く取りに行ったり、相手から逃げたりするのは苦手だ。

 そして「野武士」は侍陣営のヒーローで、今回唯一登場した「ハイブリッド」のクラスだ。長い薙刀を装備していてリーチが長く、さらに相手から距離を取る後退手段を多く持っている。リーチが長いことで相手の攻撃が当たりにくい懐の深さを持っていて、さらに右スティックを下方向に入れることで「隠密スタンス」という身を退くポーズで攻撃を素早く回避して反撃に応じたり、そこからくり出す防御不可能な「蹴り」で相手を突き飛ばして狭まった距離を再び離したりと、常に相手との距離を取る戦いを得意としている。またリーチの長い出血攻撃は、ピースキーパーのそれよりも相手にとっては嫌な手段となるだろう。なおピースキーパーと野武士は、性別が女性のみのヒーローとなっていた。

 このOBTからの新たなキャラクターということで、これら3人のヒーローを選択するプレーヤーが多く、その強さや面白さを実感できた人は多いかと思う。ただし1対1で戦ったときの強さと、複数の相手がいるときの強さではまったく異なるものなので、強いとされるヒーローが揃っていたとしても、そのチームが圧勝できるかというと、そうではないというのが現実だ。製品版ではさらに3人が加わり、計12人のヒーローが入り乱れる戦いとなるのは大いに楽しみなところである。

サーバー不調による回線落ちが多かったのが気になるところ

開戦のデモが表示されたあと、エラー画面になって戻るという状況が続いた

 OBTでは、ゲーム自体には問題がなく、非常に楽しくプレイができたのだが、マルチプレイにおけるマッチングがかなり不安定だったのが気になるところだった。

 特にアクティビティが「超」や「高」の状態だったドミニオンやデスマッチではゲーム開始直後に接続が解除されたり、そのままフリーズしてしまうことなどもあり、ストレスが溜まった人も多かったのではないだろうか。

 あまりに頻繁に起こるため、筆者は自宅の回線状況も疑ったのだが、他のオンラインゲームで止まるようなことはなく、ゲームプレイ中に他のプレーヤーが回線落ちしてBot(AI)と交代することも頻繁に発生していて、サーバー側の問題ではないかということに気付いた次第だ。

 またその影響なのか、近いランク相手の設定をしているのにも関わらず、そういう相手とうまくマッチングされないという弊害も起きていた。1対1となった状況では、格闘ゲームと同等のシビアな駆け引きが展開される本作にとって、ランク差のある戦いは一方的にカモにされしまうこともあり、多少時間がかかっても設定に準じてマッチングをしてほしいと思った。

 今回は参加無料のテストということで、想定よりも参加者が多かったことが影響している可能性も高いが、正式サービス後に今回のような状況は確実に回避してもらえればと思う。

 国内での2回のテストによって、プレイした人は本作のマルチプレイの概要が掴めたかと思う。決して誰にでも勧められる手軽なものではなが、多少なりヒーローの操作に慣れてくると、その駆け引きはかなり楽しくなるのは間違いない。12人のヒーローが全員揃った激しい戦いや、ソロプレイのストーリーモードの展開なども想像しつつ、筆者は目前に迫った製品版の発売を待つことにしたい。