【特別企画】
「パラノマサイト」ファンの「にじさんじ」エクス・アルビオさんが石山ディレクターと対談! “人生最高のゲーム”と称する本作を語る
2026年5月1日 00:00
「パラノマサイト」は配信向き? VTuber活動の裏側
石山氏:エクスさんは普段、配信するゲームを自分の好みで決めてる感じですか?
エクスさん:僕は完全に好みで決めていますね。人にオススメされてやることもほとんどないです。逆に言うと、自分にとって新しいジャンルには中々手が出せないです。配信で面白くないなという感じは出せないので、絶対に。「パラノマサイト」は例外ですね。
石山氏:なるほど。気になってたんですけど、配信をされる時って、全部自分一人でやらされてる感じなんでしょうか? オペレーターがいるとかではなく。
エクスさん:やらされているわけではないですが(笑)。基本的には全部一人でやっています。
石山氏:あ、いや。僕も少し個人で配信的なことをやってきたことがあるんですが、あれってボリュームの調整とか、映像の切り替えとか、やらなきゃいけないこととか、気を付けなきゃいけないことが多いですよね。その上で、ゲームのプレイをして、喋って、コメント見て……って大変だったので、それをひとりでやってるなんて、やっぱり配信者はすごいなあと。
エクスさん:いえいえ、経験でやっているところはありますね。ボリューム調整で言えば、大体みんなに届いている音量がどれくらいで、自分の声がどれくらいか、メーターを見たらわかるくらいは配信してきたので。コメントを読むことに関しても、今ここは見ていいタイミングだというのがなんとなく感覚でわかります。
石山氏:そういう感覚は、何度も配信をやっている内に身に付いたものですか?
エクスさん:そうですね。ここでコメントを見たら絶対ネタバレを食らうみたいな……(笑)。
石山氏:なんとなくわかるわけですね。配信の状況やコメントに気を遣いつつ、それでいてちゃんとゲームを楽しめるというのは、すごい技術だと思います。
エクスさん:それは慣れですかね。今言われるまで全然意識したことがなかったです。でも石山さんも覚えたらできるようになると思います。自ら「パラノマサイト」の実況をやって、「ここはこうやって作ったんだよ」と解説してほしいです(笑)。
石山氏:いやあ、しゃべりながらゲームするだけでも難しいですって。何事もなく楽しくゲームしているだけみたいに見せるのもすごい技術が必要だし、誰でもできることじゃないんだよなーと思います。なんか裏方の事情ばっかり気にしてて申し訳ないですが(笑)。
リスナーのこの記事を読んでる中にも、配信をしてみたいなと思っている方もいると思うんですが、何かアドバイスはありますか? とくにADVゲームを配信するなら、ここを気をつけた方がいいよとか。なんか裏方の事情ばっかり気にしてて申し訳ないですが(笑)。
エクスさん:そうですね~、ネタバレを踏まないのは大事ですね。
石山氏:あ、なるほど!(笑)事前にコメント見て知っちゃっても、その感じを出しちゃいけない?
エクスさん:そうですね。だからやっぱりコメントを見るタイミングは大事です。パッと見たコメント欄に特大のネタバレがあったら、そこで楽しみが全部なくなってしまうので。
石山氏:かといってコメントをほったらかすわけにもいかないですよね。
エクスさん:でも喋ることにはあまり困らないかもしれないですね。ADVゲーム、とくに「パラノマサイト」はセリフをたくさん読むじゃないですか。密にリスナーと接するとか、自分のトークに全振りみたいなことはしなくて良いので、配信的には超やりやすいと思います。
石山氏:へぇ、意外とそんな感じなんですね。じゃあシューター系のゲームを時は……。
エクスさん:FPSはプレイに集中しているのに、ゲーム内では銃声しかしないから、話さなきゃいけない。
石山氏:確かに。黙ってたら、ひたすら足音と銃声しか聞こえない配信になっちゃう(笑)。
エクスさん:でも話に集中していると戦いに負けてしまう。このバランスがかなり難しいので、配信を始める時には向いてないジャンルだと思いますね。
石山氏:じゃあ初めて配信するなら、実はADVってオススメ?
エクスさん:はい、ADVやRPGが良いと思います。
石山氏:それは良いことを聞きました。ただ、ADVっていつ終わるかわからないじゃないですか。あと何回でストーリーが終わるか判断するのが難しそうだなと、見てて思うんですけど。
エクスさん:たしかにそれはめちゃくちゃ難しいですね。
石山氏:うっかりラストの直前で切っちゃって、次の配信が5分くらいで終わる、みたいな……。わりと「本所七不思議」がそうで、区切りがあるところで終わらせたら、次の回であっという間にエンディングを迎えたということが実際にありまして(笑)。
エクスさん:僕の場合、「パラノマサイト」に関しては続きが気になりすぎて一気に進めたので大丈夫でした。あとクリアまでの総プレイ時間がすごく配信にマッチしていますよね。長すぎると序盤の伏線を忘れてしまうし、短すぎると話としての厚みが失われますが、長すぎず短すぎずでちょうど良かったなと。
石山氏:おお。作るときはとくに意識していなかったんですが、そうなんですね。
エクスさん:それとボイスが付いていないところも良かったです。
石山氏:おっ!「ボイスがない方が配信しやすいんじゃない?」というのを言い訳にしていたところもあるので、実際に言質が取れて良かったです! 実際は予算がなくてボイスを入れなかったんですが(笑)。
エクスさん:予算の都合だったんですね!
石山氏:予算と期間があるならば、やっぱりボイスはあるに越したことはないかなーとは思っていました。あと制作の都合もあって、ボイスがあると後からテキストの調整ができなくなるんですよね。セリフ変えたり、謎解きのヒントを追加したりしたい時に、ボイスがあるとそっちも直さないといけなくなるんで……。
きっかけは「FF5」! エンドロールのクレジットへの憧れとこだわり
エクスさん:石山さんは普段ゲームをするんですか?
石山氏:ちょくちょくやってますよ。人気作や話題作はとりあえず触っておかなきゃなという、仕事半分って感じですけど。
エクスさん:研究しているみたいな感覚なんですね。職業病というか。
石山氏:そうですねえ。今どういうものが人気なのかは知っておかないと、みたいな。そういう意味では、本当にプライベートで楽しんでいるゲームは限られたものになってきます。
エクスさん:そもそもなぜゲームを作ろうと思ったんですか?
石山氏:これはよく話してる内容ですが、「ファイナルファンタジーV」というスーパーファミコンのゲームを高校生の頃に遊んだ時、エンディングでスタッフクレジットが流れているのを見て、心の底から「ここに俺の名前がないのが悔しい!」と思ったんです(笑)。面白かったゲームに名前が載っているのが、すごくうらやましいなと。輝いて見えて。
エクスさん:そこなんですね。たしかにうらやましいかもしれない。
石山氏:それで「自分もゲームを作りたい」と思うようになりました。クレジットに載って、それを誰かにうらやましがられたい。載ってることを誇りに思えるようなゲームを作りたいというのが原動力です。そしてスタッフのみんなにも、クレジットに名前が載っていることを誇ってもらえるものにしたいと思いながらゲームを作っています。
エクスさん:それこそ「パラノマサイト」は、それぞれ話の終わりごとにエンドロールが流れて、制作者さんのお名前がバーッと流れますよね。
石山氏:これまで関わってきたどのタイトルでも、文字が出てくるタイミングを細かく調整したり、名前を日本語で出したり、そういうところにはこだわっています。
エクスさん:匠のこだわりですね。
石山氏:自分の原点がそこなので、エンドロールにはこだわりたいという思いがずっとあります。
各々の持ち味を活かす! 少人数制作ゲームならではの強み
エクスさん:「パラノマサイト」のシナリオは、クオリティが高いなと思いますが、普段から小説を書かれているわけではないんですよね?
石山氏:そうですね。自分がシナリオライターだという自覚もなくて、ゲームを作る仕事、ゲームプランナーだと思っていて、その中で自分にできることをやっている、という認識です。
エクスさん:イラストについてはシリーズ通して同じ方が描いていらっしゃいますが、どういう経緯なんですか?
石山氏:イラストを描いている小林元はスクウェア・エニックスのスタッフで、昔から色々なタイトルを手掛けてます。「パラノマサイト」より前にも、「スクールガールストライカーズ」というソーシャルゲームで一緒に仕事していたのですが、何も企画が決まっていない段階で「次も一緒にやりませんか?」と捕まえておきまして(笑)。小林さんはすごいイラストを描けるので、その絵を活かしていこうという方針は最初から迷いなくありました。
エクスさん:良い絵ですよね。本当に好きです。この絵を見たら「パラノマサイト」だとわかる感じ。
石山氏:僕は小林さんの描くキャラがすごく魅力的だと思っていて。なんてことないおっさんを描いても、どことなく愛嬌や色気を感じられるところが好きだったんです。そんな持ち味を活かしたいと思ったので、「もっと我を出せ!」「手癖で描いてよし!」くらいのことを伝えて、一番描きやすい絵柄でやってもらっています。
エクスさん:一人のイラストレーターが世界観を作るというのが良いですよね。
石山氏:小林さんの絵があってこその世界観がありますよね。それは音楽を作った岩﨑英則にも同じことが言えると思います。
エクスさん:たしかに音楽もめちゃくちゃ良いですよね。
石山氏:「これが俺だ」というのを出して、手癖で曲を書いてくださいと頼みました。「俺も手癖でシナリオ書くから!」って(笑)。
少人数で作るADVゲームの強みは、作家性を色濃く出せるところだと思ってます。だから自分の持ち味を恥ずかしげもなく出しましょうというのが、現在の「パラノマサイト」の特徴になっているんじゃないかと。そこが刺さる人には刺さるし、刺さらない人には刺さらないだろう。 でもそれでいいよね、という方針です。
大人数で作ると、どうしても個性が削られていくものですが、少人数開発なのでそこをどんどん活かしていきたいなと思っています。
エクスさん:ゲーム制作のことがあまりわかっていないんですが、本作はどのくらいの規模で作っているんですか?
石山氏:シナリオはほぼ自分一人で、キャラクターイラストは全部小林さん一人、音楽も岩﨑さん一人ですね。もちろん細かいところで多くのスタッフに手伝ってもらっていますが、メインとなる部分はほぼそういう体制です。
エクスさん:3人だけで完結しているんですね。これは珍しい作り方なんですか?
石山氏:スクエニではかなり珍しい方じゃないでしょうか。もっと大きな規模のゲームだと、キャラクター数や必要な絵の枚数がもっと必要だし、もう一人じゃ無理ですよとなってきますから。
小規模のADVだからできることなので、ボリュームが増えたらこの味は出ないかもしれません。そういう意味で、作る側としてもちょうど良いボリュームではあるのかなと思います。
エクスさん:確かに。やる側も作る側もWin-Winじゃないですか。
配信者がゲームに求めるものは? 配信しやすさを左右するポイント
石山氏:配信者も個性を付けるのが大事だと思うんですが、「こういうことは自分のキャラクターじゃないからやめておこう」とか考えることは、あります? ……あ、でもそんな計算高い感じではないのがエクスさんか。全部計算だったらちょっとショックかもしれない(笑)。
エクスさん:マイルールとしては、シンプルにゲームを悪く言わないことくらいですかね。キャラ的な部分で自分の個性を消すようなことはしていないですね。自分の素を全開にしています。
石山氏:やっぱり、素の持ち味で勝負を。
エクスさん:そうですね。これが好きなやつは見てくれたらいいし、そうじゃなければ仕方ないという(笑)。
石山氏:なるほど。そこは我々とも近しい感じですね。あと配信者の視点として、ゲーム開発側に「こういう機能があると助かるな」と思っていることとか、あります?
エクスさん:強いて言えば、わかりやすい区切りは欲しいです。それこそ「パラノマサイト」はストーリーチャートで分けられているじゃないですか。だから「このチャートやったら終わり」、「あと1個やろうかな」という風にできるんですが、ずっと地続きだとどこで区切るべきか悩んでしまうので。
石山氏:ああ、なるほど確かに……。そこもちょうどよかったんですね。
エクスさん:あと、想定より長くかかるゲームも結構あるんですよね。1回の配信で終わると思っていたら、実際は5、6回かかるみたいな。
石山氏:じゃあゲームのボリュームがわかると良いんですかね?
エクスさん:それはめちゃくちゃありがたいですね! 僕は結構コンディションに左右されるタイプで、「今日はこれくらいの時間ならフルパワーでできるな」という感覚があります。だから1時間くらいしかできないと思っている日に5時間のゲームを選んでしまうと、後半頭が回らなくて、自分が何を話しているのかわからなくなります(笑)。
石山氏:わかりました! 配信してもらいたい場合は、そこ気を付けるといいよと社内で共有しておきます!(笑)
エクスさん:逆に配信業界に求めたいことはありますか? 「これをしてほしい」みたいな。
石山氏:あー……強制できることじゃないんですけど、ゲームの配信する時、せめて公式サイトのリンクを貼ってくれるとうれしいなァ……。
エクスさん:それはもうみんなに言っておきます! 僕は概要欄確認したら貼ってありました。良かった(笑)。
石山氏:ありがとうございます!(笑)。
対談を終えて
――最後にそれぞれ感想をいただいてもよろしいでしょうか。
石山氏:配信者の方と直接触れ合うことなんてこれまでなかったので、実際にどのように思っているのか知ることができてありがたかったです。
エクスさん:あまりにも自分側がファン目線だったので、ちゃんと話せていたか心配なんですが、色々なお話を聞かせてもらえてとてもうれしかったです。
石山氏:あとはプロゲーマーや配信者など、ゲームそのものを楽しむだけじゃなくて、ゲームをプレイすることで人を楽しませる人たちが出てきたことが、ゲームの新しい価値として広まっていくと良いなと思います。
エクスさん:プロADVゲームプレーヤーを目指します。全ての謎を解けるようになりたいですね。
石山氏:それはもうぜひ(笑)。いけると思います! 日本初のADVのプロゲーマー!
エクスさん:いけますかね(笑)。どんどんやっていきたいなと思ってます。
――お二人とも、本日はありがとうございました!
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— パラノマサイトシリーズ【公式】 (@PARANORMA_PR)April 22, 2026
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