【特別企画】
AI PCの本命登場! サードウェーブ、Lunar Lake搭載ノートPC3モデルが発表
14型モデルは重さ約960gを実現。グラフィックス性能も従来から50%増
2024年9月9日 19:41
- 【THIRDWAVE NEW PRODUCT】
- 発売日:未定
- 価格:未定
サードウェーブは9月9日、東京本社でプレス向けの発表会を行ない、インテルが9月4日に発表したばかりの最新CPU「Lunar Lake」(開発コードネーム)を搭載したノートPCの新モデル3機種を公開した。なお、発売予定日と製品価格については、現時点では未公開で、近日中に発表される見込み。なお、Lunar Lakeのグローバルでの出荷開始時期は9月24日が予定されている。
そもそもLunar Lakeって一体何なの?
まず、Lunar Lakeとは何か、何が凄いのかゲーマーの皆さんに解説する。Lunar Lakeとは、インテルが9月4日に発表した最新CPUの開発コードネームであり、CPUとしての正式名称は「インテルCore Ultraプロセッサー シリーズ2」となる。インテルのCPUブランドとしては「インテルCoreプロセッサー」が長らく使われてきたが、その後継となるのが「インテルCore Ultraプロセッサー」である。初代インテルCore Ultraプロセッサーは、2023年12月14日に発表され、今回のLunar Lakeは、第2世代のインテルCore Ultraプロセッサーになるのだ(第○世代という代わりに、シリーズ○と呼ばれるようになった)。
ちなみに、初代インテルCore Ultraプロセッサーの開発コードネームはMeteor Lakeだが、Meteor Lakeでは、インテルのCPUとして初めてAI専用プロセッサーのNPUを統合し、CPUコアも3種類になり(それ以前のインテルCoreプロセッサーではPコアとEコアの2種類)、さらにゲーマーにとって重要となる内蔵GPUも、Intel Arcグラフィックスに一新されるなど、非常に大きな改良が施されており、まさに新ブランドにふさわしいCPUとして華々しく登場した。
Meteor Lakeでは、内蔵GPUのグラフィックス性能が大きく向上したことで、MSIのポータブルゲーミングPC「Claw A1M」にも採用されている。ちなみにClaw A1Mは、「ペルソナ3」や「アーマード・コア6」も、十分プレイできる性能を実現している(参考記事)。さらにMeteor Lakeは、省電力性能も非常に優れており、搭載ノートPCのバッテリー駆動時間を大きく延ばすことに貢献している。
このように、Meteor Lakeも素晴らしいCPUなのだが、実はNPU性能が11.5TOPSしかないという弱点を抱えていた。TOPSというのはTera Operations per Secondの略で、1秒間に何兆回の演算を実行できるかということを示す。実は、マイクロソフトのCopilot+ PCの要件として、NPU性能が40TOPS以上が要求されており、Meteor Lakeではその要件を満たしていないのだ。ライバルのAMDはNPU性能が50TOPSの「Ryzen AI 300」を発表しており、インテルはやや出遅れていた。Lunar LakeではNPU性能が48TOPS(下位モデルは40TOPS)とMeteor Lakeの4倍以上に向上しており、Copilot+ PCの要件を満たすようになった。
さらに、Lunar Lakeでは、内蔵GPUのIntel Arcグラフィックスも大きく強化され、従来の「Xe」コアではなく次世代の「Xe2」コアを搭載。行列演算を行なうXMXエンジンが搭載されたほか、レイトレーシングユニットも8基に増加。Meteor Lakeに比べて50%グラフィックス性能が向上したという。
また、Lunar Lakeは、メインメモリもCPUパッケージ内に統合されるようになり(そのため増設は不可)、メモリ性能も向上。CPUコア自体も改良され、さらに消費電力当たりの性能が向上している。
超ざっくりいえば、Meteor Lakeは、従来のインテルのCPUを大きく超える「すごいCPU」だが、Lunar LakeはそのMeteor Lakeを全ての面で上回る「超すごいCPU」なのだ。
新CPUのローンチにあわせてノートPCを発表したのはサードウェーブでは初めて
発表会では、まず製品・マーケティング統括本部 統括本部長の西村祐展氏が、今回の新製品について挨拶した。「新CPUのローンチにあわせてノートPCを発表するのは、サードウェーブでは初めてであり、開発が非常に大変だったが、本日皆様にお見せすることができて、一安心している」
今回、サードウェーブが発表したLunar Lake搭載ノートPCは、「THIRDWAVE」ブランドの製品で、16型が1モデル、14型が2モデルであるが、今後さらにバリエーションを増やしたり、他の「GALLERIA」などのブランドで展開する可能性はあるとのことだ。
グラフィックス性能が従来比50%アップし、オンボードでもゲームが十分遊べる
続いて、製品・マーケティング統括本部 セールスプロモーション課の黒川裕大氏が登壇し、製品説明を行なった。
今回発表した新製品はLunar Lake搭載のAI PCであり、「調べる」、「まとめる」、「創り出す」ことを得意としており、ビジネスからクリエイティブワークまで幅広い用途で活躍できる製品である。また、マイクロソフトのCopilot+ PCの要件を満たしており、11月下旬のWindows 11アップデートによってCopilot+ PCになり、ローカルでのAI機能を最大限に活用できる。Lunar Lakeでは、AI向けのNPUだけでなく、内蔵グラフィックス機能のインテルArcグラフィックスの性能が従来比50%も向上しているため、画像や映像のクリエイティブ制作からゲームプレイまで、これ1台でできるようになることが、この製品の魅力となる。
また、筐体が堅牢に作られており、アメリカ国防総省制定のMIL規格準拠のテストをクリアしていながら、重量は1kg未満と1.3kg程度の軽量ボディを実現していることも売りだ。モニターのアスペクト比も16:10で、フルHDよりも縦の解像度が120ドット多いWUXGA(1920×1200)液晶を採用しているため、Webサイト閲覧や文書作成も快適だ。
サードウェーブのAI PCは3モデル構成
発表会では今回発表された3モデルの詳細なスペックが明らかにされた。
スペックや搭載インターフェイスについては、下の画像を見ていただきたいが、3モデルともストレージは1TBあり、インターフェイスもUSB 3.2 Gen2(Type-A)、USB 3.2 Gen1(Type-A)、USB 3.2 Gen2(Type-C、PD対応)、Thunderbolt 4 PD(Type-C)、HDMI 2.1、ヘッドセット端子、microSDカードスロットを備えるなど、充実している。
16型モデルはCore Ultra7 258V搭載モデルのみだが、14型モデルはCore Ultra7 258V搭載モデルとCore Ultra5 226V搭載モデルの2モデルが用意されている。なお、バッテリー駆動時間は現在計測中とのことだ。
会場には実機が展示
発表会の会場にはTHIRDWAVE DX-L7LAとTHIRDWAVE F-14LN7LAの実機が展示されており、触れることができた。どちらの製品も筐体の仕上げや質感、堅牢性などは満足できるレベルであり、キーボードの感触もなかなかよかった。特に14型モデルは重量が約960gと軽いため、気軽に携帯できるモバイルノートPCとして、幅広い層におすすめしたい。16型モデルも重量約1.3kgと液晶サイズの割には軽く、こちらも十分携帯できる範囲だ。前述したようにLunar Lakeは非常に優れたCPUであり、幅広い用途に対応できる。
今後、Lunar Lakeと単体GPUを搭載したGALLERIAブランドのゲーミングノートPCが登場する可能性もあるので、ヘビーゲーマーはそれを待つのも手だが、軽めのゲームなら今回発表されたCore Ultra7搭載モデルでも十分プレイできる。数年前に買ったノートPCの動作速度やバッテリー駆動時間に不満が出てきているのなら、Copilot+ PCとして最新AI機能を利用できる本製品に買い替えることを検討してみてはいかがだろうか。