【特別企画】
「HIT : The World」、MMOらしさ抜群の「攻城戦」を体験
5ギルド+メディアギルドが白熱した体験会をレポート
2024年4月9日 12:00
- 【HIT : The World】
- 4月17日 正式サービス開始予定
- 価格:基本無料(アイテム課金制)
ネクソンは、iOS/Android/PC向けMMORPG「HIT : The World(ヒット ザ・ワールド)」を4月17日に配信する。基本無料で、アイテム課金制。現在、App Store/Google Playにおいて事前登録受付中だ。
本作「HIT : The World」は、2016年12月8日にスマートフォンで配信されたスタイリッシュコンボアクション「HIT ~Heroes of Incredible Tales~」の世界観をモチーフにした、マルチプラットフォーム対応のMMORPG。韓国と台湾では「HIT2」の名称で先行してサービスを運営している。
今回、配信前となる「HIT : The World」のインフルエンサーとメディア向け先行体験会が実施された。メディア向けの体験会の模様は前回お伝えしているが、今回は特にギルドコンテンツ「攻城戦」の体験が中心となっていた。こちらのプレイレポートをお届けしていく。
約1時間の準備時間を経て大規模な城攻めが始まる
体験会では、はじめに、インフルエンサーのS嶋さん、反王ケンラウヘルさんをゲストに迎えつつ、ゲームの概要とイベントプログラムを紹介するブリーフィングセッションが実施された。「HIT : The World」開発チームからは、開発統括のパク・ヨンシク氏、日本運営ディレクターのはくしん氏ら開発陣が登壇した。
今作が謳う運用方針は「日本ユーザーに向き合い、真摯な変化を続ける」というもの。「誰もが参加できるエンドコンテンツ」「団結すれば対抗できるバランス」「 ギルドコンテンツの充実」「課金バランス、ゲームプレイの最適化」と、4つの基本方針を掲げており、日本版では日本国内ユーザーに寄り添ったゲーム体験を提供していくという。そのため、ゲームタイトルを「HIT2」ではなく、「HIT : The World」に変更しているそうだ。
今回の体験会では、会場内の80人近いプレイヤーたちがそれぞれ5つのギルドに属して、ギルドコンテンツ「攻城戦」を計2回に分けプレイしていった。ギルドのチーム分けはあらかじめテーブルごとに決められており、インフルエンサーおよび公認クリエイター「HIT : The Worldクリエイターズ」に任命されたプレーヤーが、ギルドマスターとして据えられていた。我々取材するメディア側も、“メディア連合”のようなかたちでギルドの1つとして参加した。
体験会が開始してからの約1時間は、ゲームの操作に慣れるためのフリープレイと、ギルド内での作戦会議時間が設けられていた。手の空いたプレイヤーはこの時間中、プレイヤー同士のバトルロイヤルが楽しめる「乱闘場」コンテンツにも参加可能で、一部のプレイヤーは乱闘場にて実戦的に操作を馴染ませていたようだった。
一方、我々メディアの取材陣は、既にメディア向けの体験会にてゲームをプレイしていた記者のアドバイスに従い、キャラクターの装備やステータス育成を行う準備時間として充てている。ぶっつけ本番ではなく、「攻城戦」体験に向けてそれぞれがしっかりと準備することができた。
イベント初回の攻城戦では、会場にいる5つのギルドが敵対して城を奪い合う。攻城戦は主に3つのエリアに分かれていて、城に入場する過程で城門を破壊する「城門」エリア、守護石を破壊して最後のエリアに通じるポータルを起動する「守護石」エリア、ギルドマスターが刻印石に刻印することで城を獲得できる「刻印石」エリア、といった具合だ。
基本的にギルド同士が城を奪い合う構図だが、まだどのギルドの手にも渡っていない状態では、城の場内にモンスターたちが蔓延っている。モンスターの掃討も行いながらギルド同士が衝突する混沌とした戦場の様子は、近年の対戦ゲームのトレンドを汲んだ、いわゆる“PvPvE”のイメージだろう。
最初の攻城戦がスタートすると、ほぼ全プレイヤーが早速城門前に集結して、総攻撃が開始された。このとき筆者が選択していたクラスは、前衛で敵の攻撃を受ける盾役「大剣」だ。耐久力に優れていることから、複数のギルドが攻撃を行う最前線でも耐えられるのではないか、と踏んだのである。しかし、想定以上にプレイヤーたちが使用する広範囲攻撃スキルの被弾が手痛く、城門の前にいるだけで瞬く間に体力が削られてしまう。一旦、城門の手前まで引き返してほかのギルドプレイヤーの動向を探ることにした。
「HIT : The World」では、職業や装備、扱うスキルなどに関しては3つのプリセットを設定でき、戦闘中にリアルタイムでそれらを切り替えることが可能。要するに1人のプレイヤーが複数の職業を自在に行き来できる機能となっている。たとえばプリセット1に「大剣」のような盾役、プリセット2に攻撃特化の「双剣」、プリセット3には回復&サポートの「杖」といったように、多くの役割を兼任できるのがポイント。
敵味方が入り乱れる、混戦が長く続く攻城戦においては、スキを見てクラスを切り替えながら状況に応じた行動を心掛けなければならない。また、ギルドメンバーとの積極的なコミュニケーションも必要不可欠。特にギルドマスターは、城を制圧するための刻印を持つため、非常に狙われやすい。戦場でもギルドマスターに王冠のマークが表示されるため、自然に目立ってしまうのである。仲間からの報告を受けて、クラスを攻撃役の「双剣」に切り替え、ギルドマスターに取り付くプレイヤーたちを狙うことにした。
刻一刻と戦いの激しさが増す最中、メディアギルドも場の流れに身を任せるようにして、順調に最後の刻印石エリアに行き着く。ここで待ち受けるボス敵を倒し、刻印石まで辿り着いたギルドが最初に城を制圧できる。しかし、まだ攻城戦の流れが頭に入っていなかったギルドは多く、皆を出し抜くようにして1つのギルドが見事に城を制圧。見事な手際に、敵にも関わらず会場は歓声に包まれた。
城を制圧したらその場で攻城戦が終了というわけではない。城を手にしたギルドが今度は城の防衛側に回り、城を守り切らなければならないのだ。タイムリミットは18分間。この時間まで城を守り続けることができるか、あるいは別のギルドに制圧されるか。たとえ制圧されても再び取り返して、時間切れまでにその城を手にしていれば勝利となる。
初めての戦いを終えて大まかな攻城戦の流れを掴んだ各ギルドは、次の攻防に向けた僅かな時間を使って作戦を練る。メディアギルドも姑息な手段ではあるが、ギルドマスターの名前をボイスチャットで呼びづらいものにして、ギルド内に似たような名前のメンバーが複数人置かれることになった。影武者だ。
今度は団体としてまとまる方針で戦いに臨んだ我々だが、最終エリアのポータルが開くと同時に、一気に駆け込んだ別ギルドのギルドマスターが刻印に成功する。残念ながら、付け焼き刃の影武者戦法は、この戦い以降役立つことはなかった。
試合中、幾度かギルドが入り代わり立ち代わりで城の制圧を成功させる。制限時間から考えて最終ラウンドにあたる戦いでは、防衛側が城の防御ギミック「魔法障壁」を活性化させて、強固な防衛網を築いていた。
魔法障壁は、床のパネルを防衛側が踏むことで発動できる仕掛けだ。3つのエリア全てにパネルがあり、防衛側が連携してパネルに乗ることで、攻撃側の行く手を阻める。制限時間ギリギリで城を獲得したギルドが、ギルドメンバーのフル動員で城門エリアのパネルを活性化させて、敵対する4つのギルドを徹底的に阻止する。
筆者もプリセットを切り替えてアタッカーで前線の戦いに参加。しかし、どのギルドも中々有効打が与えられない状況は続く。残り時間10秒ともなると、最後は防衛側ギルドのカウントダウンが会場内を響き渡り、そのまま城の制圧を成功させて勝利を掴んだ。1回目の攻城戦を制したのである。
2つの巨大ギルド連合軍が激突。メディアギルドも結束して漁夫の利を狙う
続く2回目の攻城戦では、メディアを除く4つのギルドが2組に分かれ、チーム戦のような形で城を奪い合うこととなった。ギルドの規模から考えても、メディアギルドは蚊帳の外にいるような状態だが、人数の少なさを活かした立ち回りで、漁夫の利を得ようという話にまとまった。また、メディアギルドは戦力が少ないことを前提に考え、ボイスチャット経由で狙うべき対象のプレイヤー1人に対してギルドメンバー総出で襲い掛かるという、弱者の作戦を講じることに。
2つの巨大ギルド連合が衝突している最前線にも決して出張らず、後方からひたすら嫌がらせに徹する。4ギルドの中でいずれかのギルドマスターが倒されて、前線に復帰する道中を狙い、本隊との合流を防ぎ続けていく狙いだ。
途中からこちら側の策は完全に読まれたようで、狙われやすいギルドがそのままメディアギルドの相手として囮になり、最終エリアの攻防戦になるべく近づけさせないという動きにも翻弄される場面も。
メディアギルドの真の狙いは、消極的な戦いと嫌がらせを続け、最後のエリアが解放された際に一気呵成で刻印を刻み込ませることだ。しかし、1つのギルド分の人数しかいないこちら側に、捨て駒的に1つのギルドをぶつけられたら身動きは取れない。
メディア側の思惑はもろくも崩れ去ったが、ギルド同士で手を組んだからこそ可能な立ち回りではあるだろう。ただ、その分チーム自体の戦力を大きく削っていたはずだが、不思議なことに見ている限り戦況が大きく変わることはなかった。
結局、2大ギルド連合の意表を突いて勝利をもぎ取ることはできず、2チームは毎試合白熱した激戦を繰り広げ、どちらのチームが勝ってもおかしくない接戦が続いた。やがて優勝を飾ったチーム面々から歓喜の声があがり、会場全体にこだました。
今後は「攻城戦」などを用いたオフライン大会も視野に
2回の攻城戦を終えて、各プレイヤーたちには今回体験した攻城戦に関してのアンケートが執り行われた。本作は正式リリース日が4月17日と間近に控えているが、イベントに参加したプレイヤーの意見を参考に、更なる改善に活かされるようだ。
また、本イベントの最後には開発統括のパク・ヨンシク氏が再び登壇。今後のマイルストーンとして、攻城戦などのコンテンツを用いたオフライン大会イベントと、大会を見据えた1ギルドvs1ギルドの対戦コンテンツの開発も発表されている。
正式サービス開始後のアップデートスケジュールには、新たなクラスとして「鎌」が追加されることも明らかとなった。日本ユーザーに寄り添った本作の運営方針が、ゲームをどのような方向性に導いていくのか、配信後の動向にもぜひ注目しておきたい次第だ。