【特別企画】

「Xbox 360」日本発売から18周年。Microsoftからやってきた“黒船”Xboxが進化したゲーム機の思い出を振り返る

【Xbox 360】

2005年12月10日 日本発売

 「Xbox」の後継機にあたるゲーム機「Xbox 360」は、2005年12月10日に日本で発売された。Xbox 360はゲーム機としての機能だけでなく、YouTubeの視聴機能、インターネットブラウザ「Internet Explorer」が使用できたり、Windowsの画像、映像、音楽ファイルを使用することも可能だ。その逆に、Xbox 360のコントローラーをPCでのゲームコントローラーとして使用できるのも特徴だ。

 Xbox 360の代表的なタイトルとして、アーケード版からの移植でありつつ、画質が大幅にグレードアップした「アイドルマスター」、レースゲームの「Forza Motorsport4」などが挙げられる。

 本日2023年12月10日で、Xbox 360が日本で発売されてから18年となる。本稿ではそんなXbox 360の思い出を語りたい。

黒いボディから白くなった「黒船」ゲーム機

 初代Xboxは、黒光りの本体カラーが特徴であった。また、本体やコントローラーのサイズが大きかったのが印象的だ。

Xbox初代の本体とコントローラー。日本で流通されたものは米国で販売されているものよりコントローラーの大きさが小さめ(2枚目の画像左が北米版、右が日本版)になっている。筆者が初めてこのコントローラーを触ったのは中学生の頃で、同世代の友人より体格や手は大きかったが、そんな自分でも大きいと感じた

 その後継機であるXbox 360は、Xboxと比べてコンパクトにまとめられていた。また、本体は黒いカラーから、白に変わり、なんとなく穏やかになった印象を受けた。さらにコントローラーも無線化され、取り回しが良くなった。

 後にXbox 360はモデルチェンジを行い、そこからは初代Xboxを思い出させる黒一色のカラーに戻った。筆者は白いXbox 360も黒のXbox 360も購入したのだが、黒いXbox 360からはかつての重量感あふれる「黒船」ではなく、持ち運びやすい手頃なゲーム機となったことに親しみを感じていた。

白を基調としたXbox 360の本体とコントローラー。コントローラーはさらに日本人にフィットするような形状になって遊びやすかった
後に発売されたXbox 360の新モデルの本体。白色のXbox 360が生産終了後はこの黒色のモデルとなった。本体の大きさも白いXbox 360より小さくなったことに加え、色もXboxを彷彿とさせる黒基調に戻った

周辺機器による新たな遊び!「Kinect」でコントローラー要らず

 Xbox 360では周辺機器を使った新たな遊びが提供された。その代表が「Kinect(キネクト)」である。

 キネクトは、体の動きや音声を認識する体感型のゲームデバイスだ。モニターの前でポーズを取ったりジェスチャーをすることでゲームを操作でき、コントローラー要らずの直感的な動きでゲームが楽しめる。

キネクト付きの本体セットの画像。筆者が本体を乗り換えたのはこのセットを購入したためである。キネクトに対応したゲーム「キネクトアドベンチャー!」が同梱されているので、キネクトの使用感を確かめるためにわざわざキネクト対応のゲームを別途で購入する手間がないのは便利な点だ

 筆者がキネクトで遊ぶきっかけとなったのはKONAMIの音楽ゲーム「Dance Evolution」(以下、ダンエボ)。「ダンエボ」は、画面の前で実際にダンスを踊って操作する音楽ゲームだ。自分自身がコントローラーとなり、画面に表示されているキャラクターにあわせてダンスを踊ってステージのクリアを目指す。

 「ダンエボ」に関しては下記の記事で語っているので興味がある方は閲覧してみてほしい。

「ダンエボ」の選曲、難易度選択画面。手を左や右に動かすことで楽曲や譜面難易度を選んで、手を上に挙げることで決定するという身体の動きでコントローラーの操作のようなことができるのだ

筆者がXbox 360でやり込んだタイトルは「アイドルマスター ライブフォーユー!」

 そんな筆者がXbox 360専売タイトルで特にプレイしたのはバンダイナムコゲームスが2008年2月28日にリリースした「アイドルマスター ライブフォーユー!」(以下、L4U)だ。

 「L4U」は2007年1月25日に発売されたXbox 360のゲーム「アイドルマスター」の続編にあたる、「アイドルマスター」の家庭用ゲームタイトル第2弾である。

「アイドルマスター」はアイドル候補のキャラクターを育成していく育成シミュレーションゲーム。元々はアーケードゲームとしてリリースされたもので、アーケード版をベースに、画質の向上や、新キャラクター「星井美希」が追加されたのがXbox 360版だ

 「L4U」では、ゲームジャンルが育成シミュレーションゲームから音楽ゲームへと一変した。現在では様々なプラットフォームで育成シミュレーションや音楽ゲームなど、1つのジャンルに留まらない展開を行っている「アイドルマスター」シリーズだが、当時は育成シミュレーションゲームの音楽ゲーム化に衝撃を受けた。

前作での音楽ゲーム要素はキャラクターのステータスを上げるレッスンでのリズムゲームと、対戦シーンであるオーディションで楽曲に合わせた目押しをすると高評価が得られるという2点のみ。「アイドルマスター」の続編でまさか音楽ゲームが遊べるとは思いもよらなかった

 「L4U」の発売時期は動画サイトであるニコニコ動画を中心に「アイマス」ブーム真っ只中であり、段々と「アイマス」というコンテンツが認知されてきた頃だ。その人気もあってか発売して間もなく、ニコニコ動画内でユーザー有志によるスコアアタック大会の告知が行われた。筆者もその頃はニコニコ動画のヘビーユーザーであったため、直ぐに情報が入ってきて参加を決めた。上位入賞すると自分がコーディネートしたキャラクターのPVをニコニコ動画に流してくれるという報酬に目がくらんだのだが。

 そしてスコアを意識したプレイを始めてからはスコアがぐんぐん伸び、結果として上位入賞を果たし、筆者お気に入りのキャラクター「如月千早」を自分の好みにコーディネートした姿のPV映像がニコニコ動画で流れることになった。

 メーカー非公式のユーザー間での大会ではあったが、どちらかというと計画性を問われる初代「アイドルマスター」とは異なり、リズム感や、ハイスコア更新がかかった時にプレッシャーに耐えられるか? といったフィジカル的な要素を問われる「L4U」は毛色が違う戦いとなり、大変楽しい思い出となった。

高いスコアを出すとこの様に事務員の「音無小鳥」さんが驚いてくれるのだが、大会のレベルは高く、全て最高評価のPERFECTで演奏し切るつもりでないと上位入賞は厳しかった
「L4U」では好きなキャラクターのPV撮影を楽しむこともできる。楽曲の歌詞ごとにカメラ位置も設定できるため、お気に入りの画像を収めやすい。音楽ゲームが得意でなくても、好きな「アイマス」のキャラクターを眺めて楽しめた

ダウンロード専売のゲームが購入できる「Xbox LIVE アーケード」

 初代XboxやXbox 360では、「Xbox LIVE アーケード」というダウンロードサービスがある。ここではダウンロード経由でゲームソフトを購入することができ、ディスク版が存在しないゲームも多く存在する。

 購入できるゲームは「ゼビウス」や「バーチャファイター2」、「斑鳩」の様なアーケードで一世を風靡した名作のほか、「UNO」のような家族で楽しめるカードゲーム、「ソニックアドベンチャー2」など元々は別ハードで販売されていたゲームなど非常に幅広い。

【Xbox LIVE アーケード】
アーケードで大人気を博したシューティングゲーム「斑鳩」
カードゲーム「UNO」。読者の皆さんも親戚一同が集まった時、修学旅行などで遊んだことがあるのではないだろうか? Xbox 360ではオンラインを通じて、世界中の人たちと24時間いつでも「UNO」を楽しめた

 「Xbox LIVE アーケード」では、ゲームセンターでも中々目にすることがなかったタイトルや、アーケード版とは変化しているタイトルがあったりとストアを眺めていると意外なタイトルを見つけられて面白い。時々ウィンドウショッピングの様にストアを眺めていては、こんなソフトがあったのか!? と驚かされていた。

アーケードから移植される際に変化したタイトルとして、SNKプレイモア(現・SNK)の「ネオジオバトルコロシアム」が挙げられる。アーケードや、プレイステーション 2に移植されたものと違い、画質がHD化されたり、勝利時のキャラクターイラストが新たに描き下ろされている

 Xbox 360のゲームは、後継機において後方互換性があるものは現在でもプレイ可能だ。また、「Xbox LIVE アーケード」に存在したタイトルは、「Xboxマーケットプレイス」から購入してプレイできるタイトルも数多く存在する。XboxマーケットプレイスはPCからでも閲覧可能なので、日本発売の18周年の機会にストアを眺めてみるのも良いのではないだろうか?

「Xboxマーケットプレイス」のXbox 360のソフトの販売ページ。人生でトップクラスにやり込んだゲーム「ストリートファイター×鉄拳」を見つけて目を見開いてしまった。好きなゲームが見つかると運命を感じて嬉しくなってしまう

 Xbox 360の系譜は進化を続け、現在はXbox Series X│Sが最新機種だ。Xbox Series X│Sのどちらにも共通する進化した点として、クイックレジューム機能が挙げられる。クイックレジューム機能は、起動しているゲームを素早く切り替えることができる機能だ。あるゲームを起動しつつ、他のゲームにそのまま切り替えることができ、また最初のゲームに戻れば、中断したところからすぐにプレイを再開できる。ゲームを切り替える際は、ゲームを再度立ち上げ、セーブデータのロードを行うのが一般的であるが、クイックレジュームならばプレイを中断したところから即座に再開できるのが強みだ。これはゲーム機において画期的な機能である。

 Xbox Series X│Sは、Xboxお馴染みの後方互換性機能によりXboxハードの歴代のゲームを遊ぶこともできる。過去にも未来にもアクセスできるハードとして、今も進化を続けている。

Xbox Series X(画像左)とXbox Series S(画像右)。本体のカラーが黒と白になっているのも、Xboxの本体カラーの歴史を感じさせられる