【特別企画】

「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」PC版インプレッション

大画面で「FFVII EC」をプレイ! キーマウ操作や4K・120FPS対応に

【FINAL FANTASY VII EVER CRISIS:Steam版】

12月7日 配信予定

料金:基本プレイ無料(アイテム課金制)

 9月7日よりサービス開始となったスマートフォン用RPG「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」。傑作RPG「ファイナルファンタジーVII」の“もう一つのリメイク”として、「FFVII」本編や派生作品、そして完全新規の物語を収録しており、スマートフォンで手軽にシリーズ作品をプレイできるゲームとして「FF」ファンを中心に大きな話題となった。

 だが「ファイナルファンタジー」シリーズといえば、大きなディスプレイで物語を堪能することも醍醐味の一つ。そんな期待に応えて、PC版「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」がSteamにて12月7日にリリースされる。外出先で気軽にプレイできるスマートフォン版とは異なり、PC版ではより高解像度でじっくりと「FFVII EC」をプレイできる。

 そこで、本稿では一足早くプレイできる機会をいただいたため、PC版「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」のインプレッションをお届けする。キーボード操作に対応したシンプルなバトルシステムや、最高4K・120FPSに対応したグラフィックス、スマートフォン版とのデータ連携など、PC版ならではのポイントを中心に本作の魅力を紹介していく。

 なお、本誌では「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」のスマートフォン版でのプレイ体験のほか、プロデューサーの市川翔一氏、ディレクターの鳥山 求氏、クリエイティブ・ディレクターの野村哲也氏によるインタビューも掲載している。こちらもぜひ参考にしてほしい。

【「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」ローンチトレーラー】

PCで「FFVII EC」をじっくりプレイ! キーボード&マウスに対応した操作方法やスマホ版との“データ連携”も

 まずは「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS(以下、FFVII EC)」について、軽くおさらいしておきたい。本作は「ファイナルファンタジーVII」本編や「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-」といった派生作品を収録した新たな形の「FFVII」タイトル。11月28日時点では先ほど挙げたタイトルに加え、完全新作ストーリー「FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER」の3つが「FFVII EC」に収録されている。

 9月7日にAndroid/iOS版がリリースされており、「FFVII」のストーリーをスマートフォンで手軽に体験できる点や、少年時代のセフィロスが登場する「FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER」のストーリーが大きな話題となった。そして遂にPC版がゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて12月上旬リリース。スマホ版と同じく基本プレイは無料で、ガチャなど一部アイテム課金制となっている。

 PC版の最低/推奨スペックは以下の通り。スマートフォン向けに最適化されているタイトルのため、超重量級スペックのPCが必要ということはない。ここ4~5年で購入したゲーミングPCであれば、快適に動作するはずだ。なお、今回使用するPCは筆者所有の自作PCで、CPU「AMD Ryzen 7 5800X3D」、GPU「NVIDIA GeForce RTX 3080」、メモリ128GBというスペックになっている。

「FFVII EC」システム要件最低スペック推奨スペック
OSWindows 10/11 64Bit左記と同じ
CPUAMD A8-7600 / Intel Core i3-3210AMD Ryzen 3 1200 / Intel Core i5-6400
メモリ8GB RAM左記と同じ
GPUAMD Radeon Vega 8 Graphics / Intel UHD Graphics 630 / NVIDIA GeForce GTX 750AMD Radeon RX 460 / Intel Arc A380 / NVIDIA GeForce GTX 950
ストレージ30GB以上左記と同じ
スマホ版は9月7日にサービス開始。いよいよPC版が12月上旬にリリースされる

 「ファイナルファンタジー」シリーズといったRPGは、コンソール機やPCをテレビなどの大きなディスプレイに繋いでプレイする方が多いだろう。実際、筆者が当初「FFVII EC」をプレイした際も「大画面でプレイ出来たらもっと楽しめるだろうな」と考えていた。今回PC版がリリースされることで、「FFVII EC」を大きな画面でじっくりとプレイできるようになる。

 初回起動では、グラフィックスに関わるゲーム環境設定が求められるほか、スマホ版にはない要素として、表示モードをフルスクリーンまたはウィンドウから選択可能。解像度の設定もでき、筆者の環境では34インチのウルトラワイドモニターを使用しているが、しっかり「3,440×1,440ドット」のUWQHDに対応していた。今回、記事内で用いている画像は、フルスクリーン・UWQHD解像度の最高品質となる。

 その後のチュートリアルで感じたのは、スマホ版と比較して解像感が向上していることだ。昨今のスマートフォンもディスプレイの大型化や性能向上を果たしているが、より大きなディスプレイで見ると美麗なグラフィックスを改めて体感できる。クラウドやセフィロスの肌の質感など、「FFVII」に登場する魅力的なキャラクターたちが緻密に描かれている。

初回設定では、グラフィックスを左右する「ゲーム環境設定」と表示モード、解像度を選択する
セフィロスの艶やかな銀髪
大画面でプレイすると、キャラクターたちをより鮮明に見て取れる

 「FFVII EC」のスマホ版ではタッチ操作のみだったが、PC版では新たにキーボード&マウス操作に対応する。探索シーンではWASDキーを使ってキャラクターを操作できるほか、バトル中も1、2、3といった数字キーを使って操作することができる。「FFVII EC」はコマンドバトルでバトル中の連打動作はないため、シンプルな操作方法だ。また、マウスのみでキャラクターを移動させたりバトルもできるので、キーボード操作が苦手な人も安心だ。

 一方で「DualSense」や「Xbox ワイヤレスコントローラー」などのコントローラーには非対応。探索やバトルシーンなどは、コントローラーでの操作にも対応してほしかったので今後のアップデートに期待したい。

探索シーンではマウスでピンポイントにキャラクターを動かしたり……
WASDキーでも操作可能
バトル中はマウスでアイコンを選びコマンドを選択できるほか、キー入力も可能となっている
アタック/ディフェンスシフトなど、ほぼすべての動作がキーボードまたはマウスのみで完結する

 さらに、PC版「FFVII EC」はスマートフォン版とのデータ連携に対応。リリースから2カ月が経過し、現時点で配信されているストーリーまでクリアされている方や、レアリティの高い装備を引き当てている方も多いと思うが、データを連携させてその続きをPC版でプレイすることができる。

 また、データは最新状態に更新されるため、外出先ではスマートフォン版、家に帰ったらPC版というように使い分けることもできる。残念ながら、今回は正式リリース前だったためデータ連携を行なえなかったが、既存のプレーヤーが最初からやり直さなくて済むというのは大変ありがたい機能だ。

スマートフォン版とPC版のデータ連携に対応。プレイスタイルに応じて切り替えることもできる

最高4K・120FPSに対応! 「FFVII EC」PC版とスマホ版の映像体験を比較

 ここからは「FFVII EC」のPC版とスマートフォン版のグラフィックス関連の違いについて見ていきたい。PC版「FFVII EC」は、最高で4K解像度・フレームレート120FPSに対応し、映像体験が向上している。一方のスマートフォン版は解像度の設定は不可で、フレームレートは非公表となっている。

 グラフィックスに関わるゲーム環境設定は「省エネ・標準・高品質・最高品質」とスマートフォン版と同じ4段階。PC版でもグラフィックスは強化されておらず、グラフィックス自体はスマートフォン版と一緒だ。

スマートフォン版の「ゲーム環境設定」の画面。省エネ・標準・高品質・最高品質の4段階だ
PC版の設定画面。同じ4段階で、グラフィックスについてもスマホ版と同様とのことだ

 一方で、本作の映像は非常に作りこまれているため、大画面でプレイするとより迫力のある映像が楽しめる。オープニングなどのムービーについては、基本的にスマートフォン版と同様。「FFVII」ではエアリスの美しい顔のアップシーンや、クラウドが列車から飛び降りるシーンなどが流れるが、同じ映像でもやはり大画面で見ると迫力が違う。

 作中のイベントシーンやバトルシーンでは、大画面ということもあってかPC版のほうがよりキャラクターのディテールを感じ取れる。スマートフォンの小さな画面では確認できなかったクラウドやエアリス、ティファ、バレットといったキャラクターたちの衣装の細かな部分を、肌の質感をより鮮明に見ることができた。もちろん「ファイナルファンタジーVII リメイク」には敵わないが、十分高品質なグラフィックスとなっている。

 また「FFVII EC」では、ミニキャラ同士の掛け合いも見どころの一つ。オリジナル版「ファイナルファンタジーVII」のポリゴンキャラクターのような見た目をしており、こちらもPC版とスマホ版で差はないが、大画面でストーリーをじっくりと楽しむことができる。

【ムービーシーン】
「FFVII」からエアリスが登場するシーンだ。こちらはスマートフォン版の画像
続いてPC版の画像。同じ映像だが、PCのモニターで見ると迫力が増す。
【ゲーム中の画像】
チュートリアル前のシーン。こちらはスマホ版の画像
続いてPC版の画像
スマホ版のバトルシーン
PC版のバトルシーン
【ミニキャラによるストーリー部分】
こちらはスマホ版の画像
続いてPC版の画像。スマホ版もPC版も基本的には同じグラフィックスになっている

 さらに、PC版ではフレームレートが最大120FPSに向上。スマートフォン版のフレームレートは公表されていないため比較はできないが、PC版では滑らかな映像体験が楽しめる。「FFVII EC」はコマンドバトルが中心のため、プレイ体験への影響はあまりないが、PCスペックに余裕のある方はぜひ設定画面から「120FPS」を選択してみてほしい。

PC版は120FPSに対応
プレイ体験への影響はあまりないが、より滑らかな映像が楽しめる

PCで楽しむ「FFVII EC」。自宅でじっくり遊びたい方にオススメ!

 ここまで「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」PC版にインプレッションをお届けしてきた。キーボード&マウス操作への対応や最大4K・120FPSへの解像度・フレームレートの向上など、PCならではのプレイスタイルへ最適化され、大画面でかつ快適に「FFVII EC」にプレイできるようになっていた。

 また、スマートフォンとのデータ連携にも対応しているため、自身のプレイスタイルに応じて切り替えられるのは、既存のプレーヤーにも嬉しい点だ。大画面でプレイする「FFVII EC」はスマートフォン版と異なるテイストでストーリーを楽しめるため、PC版配信を機に新たにはじめる人はもちろん、スマホ版プレーヤーでゲーミングPCをお持ちの方は、ぜひPC版「FFVII EC」もプレイしてみてほしい。