【特別企画】
「浅草花やしき」開園170周年記念、新アトラクションレポート
「お化け屋敷~江戸の肝試し~」など3つのアトラクションを体験取材
2023年7月19日 14:12
- 【浅草花やしき】
- 7月20日 新エリアオープン
東京都台東区にある「浅草花やしき」は、なんと開園してから170年という、都民はおろか江戸町民にとってもエンタメの中心地的存在……のひとつである。最近のテーマパークに比べれば、園内はそれほど広くないかもしれないし、大規模なアトラクションがあるわけではない。でも、行ったら行ったで童心に帰り、絶対楽しめるのが「浅草花やしき」なのだ。
今回は7月20日に予定されている新エリア「ご利益横丁」オープンに先駆けて、新エリアにお目見えする3つの新アトラクション「お化け屋敷~江戸の肝試し~」「パノラマ時間旅行」「摩訶不思議!?君もスクープカメラマン」を体験取材した。
お化け屋敷~江戸の肝試し~
まず、今回大幅なリニューアルで再登場したのが「お化け屋敷~江戸の肝試し~」だ。担当者の解説によると、お子様が初めてのお化け屋敷体験をしてもトラウマにならないようにしたとのこと。実際、僕は幼稚園児くらいのときに、浅草花やしきのお化け屋敷を体験したのですが……マジでトラウマレベルの悪夢が続きました(苦笑)。なので、このマイルド化は、現代向けのローカライズとも言えるのかも。
とはいえ、薄汚れた風のウェザリングが施された提灯や、元のお化け屋敷から引き続き使われている看板など、入り口からおどろおどろしい雰囲気が漂っている。どのようなテーマで作られているからも巻物のような展示物でわかる仕組みで、江戸四大怪談といわれる「累ケ淵」「牡丹灯篭」「番町皿屋敷」「四谷怪談」がモチーフとわかる。また、入り口脇のモニターでは講談師の神田山緑師匠が四大怪談を解説している姿が映されていて、江戸の風情を感じさせてくれた。
中に入ると、今回の最終目的が出口付近にある「水晶」を触ることだとわかる。あとは鬼の顔が描かれた門をくぐり、中へ中へと進む。そこには障子の向こうで何やら話をしている姿がおぼろげに映っていた。何があるわけではないが、なんとなく不安感がこみ上げてくる……そして、続いて待っていた恐怖は!
……と書いていくと体験どころかネタバレになりかねないのでここまでとするが、マイルドになったとは言いながら、大人でもドキッとする瞬間があった。なので、カップルで行っても大変楽しめるかと思う。
ちなみに後で気づいたのだが、僕にトラウマを植え付けたのは「お化け屋敷」ではなく、今も現役で動いている「スリラーカー」の方だった。今でもガクブルなので乗るのはパスしたが、興味がある方はこちらもどうぞ。
【お化け屋敷~江戸の肝試し~】
・利用条件:0歳から利用可能、4歳以下は中学生以上の付き添いが必要
・料金:のりもの券4枚、フリーパス可
パノラマ時間旅行
2016年まで「浅草花やしき」のシンボルだった「Bee タワー」は、惜しまれつつもその役目を終えた。しかし、その魂は「パノラマ時間旅行」へと受け継がれ、さらにパワーアップしたアトラクションへと進化した。「パノラマ時間旅行」は、かつて「Bee タワー」から臨むことができた浅草の町を堪能できる4面マルチ映像のアトラクションなのだ。
アトラクションエリアの待機スペースに入ると、壁面に園内マップや想い出写真などが飾ってあり、かつての花やしきの世界へとタイムスリップした気分にさせてくれる。そして順番が来ると、映像フロアへと案内される。
部屋の中は椅子がいくつか設置されているだけのシンプルな作り。4面マルチ映像と聞いていたのでゴリゴリ機械仕掛けの椅子を想像していて、拍子抜けかな……と思ったのだが、それは大きな間違いであることを体験中に知ることになる。
スタートは、今でもその名残を感じる「浅草花やしき」のとある場所。映像は前方三面と床一面に映し出されて、その場にいるような感覚になる。アトラクションが始まると、花やしきの風景が回転しながら上昇していく。動きに合わせて映像もグルリと動き始めると、まるで本当に「Bee タワー」に乗っているようだ。だが、それは、このアトラクションの真髄ではない。最上部に近づくと、何やら怪しい雲が花やしきの空に浮かび、そして“ある現象”が起きる。
この先の内容を言うことはできないが、ただ椅子に座っていただけなのに、ものすごいアトラクションに乗ったような衝撃を受けた。何が起きるかは、こちらもみなさん自身の目で確かめてほしい!
【パノラマ時間旅行】
・利用条件:0歳から利用可能、4歳以下は中学生以上の付き添いが必要
・料金:のりもの券4枚、フリーパス可
摩訶不思議!?君もスクープカメラマン
「摩訶不思議!?君もスクープカメラマン」はカメラ型のARデバイスを使い、園内に散らばる妖怪たちの写真を撮影する周遊型のアトラクション。個人的に一番の目玉と思っていたアトラクションで、気合いを入れて参加してみた。
参加するとまずは、スマートフォンのような専用のカメラ風デバイスを受け取る。そして「マルハナ新聞社」のカメラマンとして、「浅草花やしき」内にいる妖怪を撮影することを指示される。あとは、園内にある「妖怪注意」の看板を探し、そこにカメラをかざせば妖怪が浮かび上がるので、撮影すれば記録可能だ。制限時間は約15分で、制限時間が来るか、撮影上限の12枚を撮影した時点で終了となる。12枚は少ないようにも思えるが、持ち時間15分を考えると園内を効率的に回らないと妖怪を12体見つけるのすら難しい。
早速、マゼンダ色のカメラを持ち、園内を散策。園内はそんなに広くないと甘く見ていると、意外に山ありビルありと入り組んでいて、どこに看板があるのか探しにくかったりする。ただ、妖怪を探す間、園内を散策するのが意外に楽しく、「パノラマ時間旅行」で見た景色や、園内の全景を見ることができた。なお取材時は「呪術廻戦」コラボ期間でもあり、途中で釘崎野薔薇らしきキャラクターも見かけた。妖怪だけでなく、もしかしたら呪霊もいるかもしれない。
探索と撮影を続けているとあえなく時間切れに。「マルハナ新聞社」へと戻ることとなった。カメラを返却口のスタッフに渡して、任務終了だ。結果としては、がんばってみたものの8体の妖怪を撮影できた。12枚分撮りきれなかったのだが、受付のお姉さんによると、これでもかなりいいらしい。
なお、撮影したデータは、返却口近くのモニターにマルハナ新聞の1面として表示される。自分の顔写真付き(アトラクションスタート時に撮影する)で実績が掲載されるので、記念に撮影しておくのがオススメだ。全部コンプリートするまで、チャレンジする人もいそうだなぁ。ちなみに、どのような妖怪がいるかは、ポスターになっているので確認しておくといいだろう。
【摩訶不思議!?君もスクープカメラマン】
・利用条件:2歳から利用可能、4歳以下は中学生以上の付き添いが必要
・料金:のりもの券4枚、フリーパス可
そのほかの見所もたくさん
今回紹介した「ご利益横町」のアトラクション以外にも、新エリアには「時空階段」や「NAKED 花景色」「お花見茶屋 OHANAMI CHAYA」といった、興味深いスペースがある。これらはチケットなしで見る(入る)ことができるので、お見逃しないように!
まず「時空階段」は、入り口から二階へと上がるレトロ調な階段。両側の壁には、在りし日の「浅草花やしき」の入り口写真が飾られている。古い物になると江戸時代の写真もあり、「浅草花やしき」の持つ歴史を感じることだろう。また、踊り場にはアンティークな振り子時計が飾ってあり、時の流れを意識させる演出が素晴らしい。
「ご利益横町」は、打って変わって、さまざまな見所や体験アトラクションが詰め込まれたスペースだ。時空階段を上ると「お化け屋敷~江戸の肝試し~」があるが、その待機エリアには水晶占いのスペースがあるし、入り口脇には「インド象」らしき置物がある。これが何を意味するのかわからないが、微妙に怖い感じがあった。
ほかにも、ご利益を貰えそうな神輿なども展示されていた。さらに千社札シールや「太鼓の達人」など、バンダイナムコグループらしいゲームコーナーも充実している。今回は内覧会ということで誰もプレイしていなかったが、「太鼓の達人」で一汗かけば、お祭り気分で盛り上がれそうだった。
これまで紹介したのは新エリアの2階部分のアトラクションだが、1階部分にも「NAKED 花景色」「お花見茶屋 OHANAMI CHAYA」という2つのスポットがある。2つといっても同じフロアに位置しており、「NAKED 花景色」の花を見ながら、飲食店の「お花見茶屋 OHANAMI CHAYA」の料理に舌鼓を打つという連動アトラクションだ。
「NAKED 花景色」では、プロジェクションマッピングを利用した花景色が壁1面に展開している。四季に合わせて鮮やかな色に変化する大樹を眺めていると、日頃のストレスを忘れさせてくれそう。また、「お花見茶屋 OHANAMI CHAYA」では、8年ぶり復活となった「浅草花やしき」名物の「パンダカー焼き」や、さまざまな具材で混ぜて作られる「花むすび」、最中の皮の上にあんこなどをのせ、さらに白玉やフルーツなどをトッピングした「デセールもなか」などが提供される。
今回は内覧会ということで、1品ずつ試食をさせていただいた。選んだのは鉄板の「パンダカー焼き」に、海老マヨベースの「花むすび」、いちごをトッピングした「デセールもなか」という組み合わせだ。
「パンダカー焼き」があまりに可愛いので食べるのを躊躇したが、仕事と割りきって頭からがぶりといった。ふんわりした食感がよく、小腹が空いた時にちょっとつまむのに最適だと思う。「花むすび」は、カップの中に入った混ぜご飯のような食べ物で、箸をつかって丼のようにかきこんだ! 豪快に食べるのが江戸の風情を感じる「浅草花やしき」への礼儀であろう。
最後の「デセールもなか」は、具材の美味しさもさることながら、最中部分がパリっとしていて凄く美味しかった。これは作り置きではなく、注文を受けてから作ることで、皮に水分を含ませないからだろう。全種制覇したい気分に駆られるが、そこは取材という立場上諦めて、次回来訪した際の楽しみにしよう。
個人的には10年ぶりくらいに訪れた「浅草花やしき」だったが、色あせたようなレトロ感がありながら、中身はレトロと最新の組み合わせで、いつ行っても新鮮さを失わない。今回は取材という立場上、大人しめにアトラクションを楽しんできたが、次回は本気で妖怪を12体集めたいし、美味しい料理もあれこれ食べてみたい。シールも買って、ゲームもやって、乗り物だって苦手なローラーコースター以外は全部乗りたい!
今回の取材では、そんな気持ちになるくらい「浅草花やしき」の楽しさを再発見できたと思う。ぜひ、みなさんも一度遊びに行ってみてほしい!
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