【特別企画】

豪華3点セットはお得の一言! 「バイオハザード ヴィレッジ」DLC先行プレイレポート

遊び応え抜群のボリューム感! 3つの追加DLCのプレイ内容をお届け

【バイオハザード ヴィレッジ ゴールドエディション】

10月28日 発売予定

価格:パッケージ版 6,589円(税込)

DL版 5,990円(税込)

【バイオハザード ヴィレッジ ウィンターズ エクスパンション(追加DLC)】

10月28日 発売予定

価格:2,000円(税込)

 2021年5月8日にカプコンよりリリースされた「バイオハザード ヴィレッジ」。シリーズ8作品目にあたるタイトルで、前作「バイオハザード7」からの主人公「イーサン・ウィンターズ」の戦いを描いた。

 「バイオハザード」シリーズの中でも特に高い支持を得ている本作の待望のDLCが10月28日に配信される。DLCの内容は、ゲーム本編が三人称視点でプレイできる「サードパーソンモード」、プレイアブルキャラと新ステージを追加した「ザ・マーセナリーズ アディショナル オーダーズ」、そして今回の目玉となるイーサンの娘「ローズ」を主人公とした新規シナリオ「シャドウズ オブ ローズ」という構成になっている。

 つまりDLCは3点がワンセットになっているのだが、「バイオハザード ヴィレッジ」ファンなら実際の価格以上の価値を感じることができると思う。弊誌では東京ゲームショウ2022のタイミングにて「シャドウズ オブ ローズ」のプレイレポートをお届けしているが、今回は追加DLCの製品相当版を発売に先駆けてプレイすることができたので、その気になる内容を改めて振り返っていきたい。

怖さは軽減、でもゲームバランスは変わらない「サードパーソンモード」

 「バイオハザード7」と「バイオハザード ヴィレッジ」では一人称視点を採用しており、おぞましいクリーチャーが目の前に迫ってくる迫力と、プレーヤー自身が主人公になったかのような没入感が好評を博した。

 しかしその一方で、“横や背後が全く見えないのが怖すぎる”といった声も上がっていた。ホラーゲームファンとしては恐怖度が増すことに不満は無いかもしれないが、そうじゃない人にはプレイするハードルが尋常じゃなく高く、「バイオハザード7」は恐怖演出が振り切りすぎて途中でリタイアした人が結構いたそうだ。

主観視点になり、「バイオハザード6」以前よりも迫力が増した
画面は「バイオハザード7」。これはクリア前にリタイアも頷ける怖さ

 今回追加されたサードパーソンモードは一人称視点が苦手だった人にはうってつけのモードで、「バイオハザード6」までのような背中越しの視点でゲームを楽しむことができるのだ。

 大きな変化が出ていたのはやはり視界の広さだ。FPS視点よりも一歩引いたTPS視点では周りを見渡せる範囲が広がっている。イーサンの真横が見やすくなったので、前面しか見えなかったときよりも恐怖感は多少緩和されたように感じた。

視点が変わっただけで印象がガラリと変わる
比較すると三人称視点の方が見渡せる範囲が広い

 画面の見え方が変わったことでゲームの難易度が緩くなったかと言われればそんなことはなく、横の視界は少し広くなったものの背後が全く見えないという点はサードパーソンモードでも変わりはない。敵から逃げながらカメラだけを動かして後ろを確認することなどはできず、ゲームバランスが大きく変わらないよううまく調整されている。

逃げながら背後をチラ見することはこちらのモードでもできない

 プレイ感が変わっているポイントを挙げるならば、それは戦闘シーンだ。従来のFPS視点では画面上に自キャラが表示されているのは基本的には手元だけだったが、それに対してTPS視点ではイーサンの半身が表示されているので銃を構えた際にどうしても死角ができてしまう。1体程度だったら特に問題は無いが、複数体の敵を同時に相手しているときは死角に入られないような立ち回りが重要になる。

手しか映らないので画面がスッキリしている
サードパーソンモードではイーサンで画面左下が隠れてしまう

 また個人的には、プレイしていて一番心躍ったのは“ゲーム上でイーサンの姿がしっかり見られた”ことだった。

 イーサンはこれまでの主人公とは違い、詳細なビジュアルが描かれていない特殊なキャラクターだ。もちろん、ゲーム内でもしっかり姿を見せることはこれまで一切無かった。

イーサンの姿が見えるだけで、ファンは感動もの

 姿が表示されたことで、柵を飛び越えたり、敵からダメージを受けた際のイーサンのリアクションなどが見られるのが非常に新鮮だ。今回プレイしたのは「Z Version」ではなく、表現がマイルドな通常版なのでグロテスク表現が抑えめとなっていたが、Z Versionではどんなリアクションが見られたのか非常に気になるところである。

イーサンの様々なアクションも見られる
ダメージを受けたときのリアクションも見逃せない
Z Versionが気になる場面である

 やはりここまでイーサンの姿を見ることができたら、闇に包まれていたそのご尊顔も拝見したいところ。カメラをぐるりと回して正面に持ってくる瞬間、なんと“イーサンは顔を背けてしまう”のだ。僅かに表情が見られるものの、イーサンの顔を正面に捉えることはできなかった。

 「バイオハザード ヴィレッジ」のゲーム仕様上、正面を向けないものなのかとも一瞬思ったが、後述の新規シナリオの主人公・ローズはしっかり正面にカメラを持っていくことができたので、正面を向かないのはイーサンだけの特別な仕様のようである。カプコンの並々ならぬイーサンへのこだわりが感じられた。

 操作感やゲームのプレイ感などは大きく変わらないものの、見え方が変わるだけでまるで別のゲームのような感覚で本編をプレイすることができた。既に一度クリアした人でもサードパーソンモードでは新しい発見があるハズだ。

横顔が見えてもう少しで正面というところで背けてしまう。残念!

追加要素でさらに熱くなった「ザ・マーセナリーズ アディショナル オーダーズ」

 無印版では本編クリア後に解放されたエクストラゲーム「ザ・マーセナリーズ」にキャラクターとステージが追加され、プレイボリュームが大きくパワーアップした。

 ザ・マーセナリーズとは「バイオハザード3」からある伝統的なゲームモードで、敵を倒して制限時間を増やしつつ、タイムオーバーになる前にゴールを目指すトライアルモードである。

高ランクを出すまで何度もプレイしたくなる、リトライ性の高さが売りのザ・マーセナリーズ

 初期キャラクターはイーサンと追加キャラクターの1人である「クリス」が使用可能。プレイ前は武装が違う程度に思っていたのだが、操作してみるとイーサンとは全く異なる性能であった。

 武闘派のクリスは殴りや蹴りといった体術が使え、自らの拳を武器にクリーチャーどもを蹴散らすことができる。発生は遅いが絶大な威力を誇るストレートがかなり強力で、ザコ敵ならば大きく吹っ飛ばすことができ、大型のクリーチャーでさえも一撃で怯ませることが可能。肉弾戦という「バイオハザード」らしからぬ痛快なバトルが楽しめる。

「バイオハザード5」で見せたストレートがさらに磨きがかかった
ダウンしている相手には、踏み潰しの追い打ちも可能

 さらに、クリス固有の「闘志」システムというものが用意されている。敵を倒してゲージを溜め、消費することで「奮闘状態」となって一定時間攻撃力と移動速度、さらに弾の装填速度が格段にアップする。大量な敵を固めたところで使えばコンボを繋げながら敵を一掃できるので、スコア稼ぎにかなり役立つ。

奮闘状態ならば大型クリーチャーだって殴り飛ばせる

 ゲームのルールは至ってシンプルなのだが、初めのうちは高ランクを取るのがなかなかに難しい。これまでの作品とは違い本作のザ・マーセナリーズは敵の出現位置などが固定となっているのでただ無暗に駆け回っていても無駄にタイムロスをしてしまう。

 高スコアを叩き出すにはコンボが途切れず敵を倒し続けられる最善のルートを覚えるしかない。最初は低ランクしか取れないが、プレイを重ねていくうちに上達して段々と高ランクが取れるようになっていくのが本モードの醍醐味である。スタート時の武装はイーサンと比べてクリスの方が強力な物を所持しているので、初めはクリスでのプレイをオススメする。

一度もコンボを途切れさせずに最速ゴールですれば、高ランクが取れる

 クリスの他に、ゲームを進めて条件を満たせば本編でイーサンの敵として登場した「ドミトレスク夫人」と「ハイゼンベルク」がプレイアブルキャラクターとして解放される。クリス同様、どちらも固有の能力を持っているので非常に面白いキャラクターとなっている。四貴族のファンはぜひ解放してプレイしてもらいたい。

娘を召喚して戦うドミトレスク夫人
ハイゼンベルクは、電気をまとった鉄槌で敵を蹴散らせる

ウィンターズ家の物語がここに完結! 「シャドウズ オブ ローズ」

 DLCの中でメインコンテンツともいえるのが、追加シナリオのシャドウズ オブ ローズだ。本シナリオは本編の16年後が舞台となっており、成長したイーサンの愛娘であるローズマリー・ウィンターズの物語が描かれる。

 幼少から、生まれ持った特殊な力に悩まされてきたローズは、自身の力を封じるために菌根の記憶の世界(意識の世界)へ飛び込んでいく――というのが本シナリオのストーリーである。

本編の村とはどこか違う、意識の世界を探索

 ローズが飛び込んだ菌根は、イーサンがかつて戦った“あの村”の記憶を吸収しており、ドミトレスク城をはじめとした忌まわしき村を今度はローズで探索することになる。

 舞台は同じだけれども、意識の世界は本編よりもさらに歪な形になっている。至る場所に不気味な物体がへばりついており、その中から現れるクリーチャーは外から来たローズに襲い掛かかってくる。物理的に命を奪おうとするライカンたちと違い、本モードの敵はローズの精神を引き込もうとしてくる。その攻撃も非常に不気味である。

至る所がカビのようなものに浸食されている
本モードではモールデッドに似た不気味な敵が登場
掴まれるとローズを取り込もうとしてくる

 ローズ編は意識の世界ということもあり、本編であったショップの概念が存在しない。なので回復や弾薬の補給、武器の改造などが一切できないのでなかなかに歯ごたえがある。

 アイテムは配置されているものを回収していくしかなく常にジリ貧な戦いを強いられる。敵はかなりタフなので、可能な限り無視をしてアイテムを温存して進むという往年の「バイオハザード」のようなプレイが要求される。

弾薬と回復は潤沢ではないので、ザコ敵を相手していたらすぐに底を尽いてしまう

 ただ主人公キャラクターが変わっただけではなく、ローズ固有のアクションがあるのも面白い。ローズを悩ませてきた特殊な力だが、意識の世界ではこれを使わなければ生き抜くことはできない。

 ローズの力は敵の動きをスローにしたり、掴まれたときに敵の手から離れたりとバトルでかなり活躍する。戦いだけではなく仕掛けを解くためにも必須で、イーサンには無いゲーム性も魅力である。

ローズの手から光を放ち、敵の動きを遅くする
道を塞ぐ障害物に力を使えば消し去ることができる

 ゲームとしての面白さもさることながら、先の読めないストーリー展開もプレーヤーを引き込んでいく。ローズを助ける光の存在である「マイケル」、ローズと瓜二つの少女、デュークそっくりな敵など非常に謎が多く、先が気になって止め時を見失ってしまう。

ローズに助言をするマイケル。その正体は一体
意識の世界で出会う、ローズと同じ顔をした少女
マスクをしているが、どこから見てもデュークのようだが……

 今回の3つのDLCはどれもボリューム感の内容で、間違いなく値段以上の満足感が得られるハズだ。

 まだ「バイオハザード ヴィレッジ」をプレイしたことがない人向けにDLCとゲーム本編がセットになった「バイオハザード ヴィレッジ ゴールドエディション」も発売されるので、この機会に「バイオハザード ヴィレッジ」を一気に遊び倒してもらいたい。