【特別企画】

「バイオハザード RE:4」先行体験レポート&平林プロデューサーインタビュー

「バイオ4」らしさを全て実現できる渾身のリメイク

 今回、ゲーム体験後にプロデューサーの平林氏に直接インタビューし、今作のリメイクに当たって並々ならぬ思いを持っている事を伺えた。筆者も1人の「バイオ」ファンとして今回のリメイクに対して聞きたいことが山ほどあったので早速その内容を紹介していこう。

プロデューサーの平林良章氏

――「バイオハザード4」といえば今の「バイオ」シリーズの先駆けになった部分も多く、シリーズ作品の中でも特別な1作だと思うのですが、リメイクに当たりどのような部分に力を入れたのでしょうか?

平林氏:そうですね。「バイオハザード4」がもう17年も前のゲームという事もありますので、まずその後に発売された様々な現代のゲームの要素から元々の「バイオハザード4」に適している部分を組み入れる事を意識しました。

 とは言えオリジナルのアクション要素の強さを愛してくれているファンを悲しませる事が一番の懸念点だったので、モダン的な「バイオ4」らしさを最優先にして考えていたというのが大きいです。加えて「バイオハザード4」は長年愛され続けた事によって、プレーヤーによって遊び方や体験が多岐にわたるゲームだとも思っています。

 なので今回のリメイクではゲーム体験としては17年分の進化を見せつつも、プレーヤー次第でゲーム体験が多岐にわたれるようなボリュームを持たせ、各プレーヤーがもつ幅広い「バイオ4」の印象の全てを受け止められるほどのボリュームとゲーム体験の濃さを実現できるように尽力しました。

――実際の試遊ではホラーゲームとしての側面が強化されたように思えたのですが、何か意図などがあるのでしょうか?

平林氏:恐怖の体験やギミックを自身で解き明かしていく感覚をプレーヤー自身に味わってほしいという気持ちが強くありましたので、最新の技術でより洗練された恐怖を演出できるように力を入れています。

 新しく遊ぶプレーヤーは勿論ながら、オリジナルの「4」を熟知したプレーヤーにも懐かしさや「4」らしさを味わっていただきつつ、新鮮な体験ができるように本作を制作しています。

 なので今回の先行レポート記事では、あえて攻略的な観点からのレビューは禁止させて貰いました。プレーヤーの皆さんが最高の鮮度で本作をプレーできるように注意深く心掛けています。

――リメイクにあたってゲームシステムはオリジナルの「4」をしっかり感じ取れるような形になっていますが、ストーリーラインなどは何か変化があるのでしょうか?

平林氏:オリジナルの「バイオ4」のストーリーを大事にしつつも、今作ではオリジナルのキャラクター性を重視してキャラクター同士の人間的ドラマにかなり力を入れました。具体的には、物語中盤に出てくるあのキザったらしい男との関わりだったり、アシュリーとレオンの関係にも掘り下げがあるかもしれません。

 もちろんオリジナルの「4」のスパっとアクションを重点的に楽しめる心地よいストーリーボリュームとキャラクターの掘り下げも素晴らしかったのですが、リメイクまでのこの17年間の月日でプレーヤーの中に人間ドラマ的繋がりを楽しむ方が増えてきたと実感していますので、今回はそちらにも力を入れた形になります。オリジナルの「4」には無かったイベントや会話などにも注目して欲しいです。

――最後にプレーヤーに向けて一言お願いします!

平林氏:今回のリメイクに当たっては今までの「RE:」シリーズの中でも特に気を使って制作しています。というのも、他の「RE:」シリーズはアクション要素の強い「バイオ」になる前のリメイク作品ばかりでしたので、ストーリーラインで懐かしさを味わいつつも最新のゲームスタイルとして生まれ変わった”目新しさ”で認知度や楽しさがある意味担保されていました。

 ですが今回の「4」に関してはアクション要素の強い「バイオ」の金字塔的な部分が強いため、そこに対する思い入れの食い違いやアクション面での不和がプレーヤーが起きかねません。その事を、一番避けなくてはならないと強く感じていました。なので今作では、17年間によって培われたノウハウで制作しています。

 プレーヤーの操作に沢山の選択肢が追加された分、ステージのギミックや敵のアクションの数も増えているので非常にやり応えのある難易度になっていると思います。是非発売を楽しみにしててください。

――ありがとうございました!

「バイオ4」のハードルを大きく超える大作の誕生に期待!

 今回、筆者はもちろん初見での試遊となったが、インタビューにあった通り“恐怖”の点では平林氏の思惑通り過ぎる反応をしていた。恐怖に駆られて基本操作がおぼつかずに死んだり、リロードを忘れて弾切れを起こしたりなど、恐怖の鮮度がMAXの状態だったからこそ味わえたゲーム体験が非常に多かった。

 後から聞くと「あそこでそれやれば良かったのか!」と思わず口に出てしまうほど、各所にはギミックや新体験が散りばめられている。筆者のように「バイオ4」にいくら親しんでいたとしても、自身でゲームを攻略していく感覚をしっかり味わえるような作り込みであることが分かる。

 オリジナルをちゃんとプレイしていても新鮮な恐怖体験を味わえつつ、「4」らしさを感じながらも新アクションやギミックを用意し、どんなプレーヤーにも楽しんで貰うという強い意気込みを試遊と平林氏の話両方から感じることができた。

 また体験できていない部分では、平林氏の話にあった「キャラクターの掘り下げ」がとても気になった。インタビュー中、思わず筆者も興奮して聞き返してしまったのだが、その角度で来るかという感じだった。

 平林氏がキャラクター掘り下げの例として、より印象的なクラウザーやアシュリーを差し置いてあえてルイスの話題を出すあたり、各キャラクター毎にかなりボリューミーで濃い人間ドラマが展開されるのではと思わず期待してしまう。果たしてどのような展開が待ち受けるのか、非常に楽しみだ。

 インタビューでは、「バイオハザード4」のリメイクを作るという事が如何に難しく、その期待を超えるために様々な試行錯誤が成されている事を十分に感じ取ることができた。多くの人々の心に残っている「バイオハザード4」のハードルを大きく超えるような大作の誕生を期待せずにはいられない。