【特別企画】

ただのリメイクじゃあ断じてねえ! 「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R」先行体験

まさに洗練! 新要素が既存要素と融合しバトルシステムとスピード感が超進化

【ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R】

9月1日 発売予定(Steam版は9月2日)

価格:7,678円(税込)

 バンダイナムコエンターテインメントは9月1日、「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R」の発売を予定している。プラットフォームはプレイステーション5/4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/Steam。価格は7,678円(税込)。

 本作は、世界中で愛されている作品「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの対戦格闘ゲームであり、2013年に発売された「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」のリメイク作品となっている。

 「ジョジョの奇妙な冒険」が持つ独自の世界観やキャラクター性を格闘ゲームとして最大限に表現しつつ、原作とはまた違った“部”を超えた夢のマッチアップが可能になるなどファンには堪らない作品である。

 加えて今回のリメイクでは新キャラクターや新ボイスの追加のほか、バトルシステムの追加や対戦面においてのパワーバランス調整等も大幅に行なわれており、対戦格闘ゲームとしての面白さがとんでもなく向上している。

 今回はそんな本作を一足早く体験する事ができた。リメイク前とは一味も二味も違う“超進化”した本作の魅力をレポートしていきたいと思う。

【「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R」発売日告知トレーラー】

ジョジョの人気キャラクターが大集結!多数の新キャラクターを携えて夢のドリームマッチが再開!

 まず最初に「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R」の概要を軽くおさらいしておくと、本作は「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラクターを駆使して遊べる対戦格闘ゲームである。各部から主要となる様々なキャラクターが数多く参戦しており、夢の対決が実現できる。

 各キャラクターの技モーションやバトルスタイルは、「波紋」や「スタンド」などのキャラクターの特徴を強く押し出した個性の強い内容。いわゆる”ジョジョ立ち”をしながら相手の攻撃をいなす「スタイリッシュムーブ」や、各バトルステージにて原作内容を再現したり特殊な演出が発動する「シチュエーションフィニッシュ」など、「ジョジョ」ファンであればゲームを触っているだけで随所に楽しめる要素が盛りだくさんであるところも特徴だ。

バトルスタイルにはお馴染みの「スタンド」や「波紋」の他にも、柱の男達が使用する「流法」や7部キャラが使用する「騎乗」と言った各キャラクターの特徴に合わせた個性的なアクションがある
”ジョジョ立ち”をしながら華麗に相手の攻撃を避ける「スタイリッシュムーブ」を始め、様々な原作要素が上手く対戦格闘ゲームとして散りばめられている。必殺技の「HHA」や「GHA」を当てられればキャラクターの超カッコいい必殺技を拝むことができる!

 今回リメイクにあたっての追加要素として第一部から「スピードワゴン」、第三部より「マライア」「ペット・ショップ」、第七部より「ディエゴ・ブランドー」が新プレイアブルキャラクターとして参戦している。

 どのキャラクターも原作の能力から特徴的で、既存キャラクターには無い新しい戦い方を期待できそうだ。加えて、発売後にもDLCにて追加キャラクターが4人参戦する事も発表されている。そのため、前作とはまた違った新しい戦いを楽しめるに違いない。

 さらに第6部「空条徐倫」のファイルーズあいさんなど、一部キャラクターのボイスは、前作発売後より放映されたアニメーション版に合わせてキャストが変更されている。アニメーションから新たに「ジョジョ」の世界にハマった人でも、聞き馴染みのあるキャラクターボイスでゲームを楽しめるようになっている。

これは本当に「ジョジョASB」なのか!? ゲーム体験の全てが一新されたバトルシステムの数々が凄すぎる!

 次に、本作で新しく生まれ変わったバトルの進化について触れていく。何を隠そう今回の体験会で筆者が一番驚いたのが、この”対戦格闘ゲーム”としての面白さの進化についてだ。

 お世辞抜きに正直に話させてもらうと、リメイク前に当たる「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」は発売当初の状態だと作品の再現性やアクション表現などキャラクターゲーム部分においては高評価でも、肝心の格闘ゲームとしての面白さは中々に厳しい評価の作品だった。

 その要因として、キャラクターの挙動が基本モッサリとしたアクションであったり、体力に対して与えるダメージ量やコンボが少なかったり、本作特有の数々のアクションが対戦のテンポを落としてしまっていたりと、全体のゲームスピードがかなりスローだった事が上げられる。

 他にも対戦において一部の行動が強すぎたり、格闘ゲームにとって厳しい部分を抱えていたため、発売当初は対戦格闘ゲームとしての評価は低かったのだ。最終的に問題部分の殆どはアップデートを経て改善され、しっかりと楽しめる格闘ゲームへと進化していたのだが、その状態に至った頃には多くのプレーヤーが離れてしまっていたのが前作の実情なのである。

 しかし今回のリメイク作では、そんな数々のアップデートを重ねた前作の最終状態よりも”さらに”ゲームシステムが洗練された状態となっている事がわかった。まず全体のゲームスピードがリメイク前とは段違いになっている。

 キャラクターのアクションスピードやダメージ値などが”全て”本作のために再調整されており、全体的にゲームスピードが上がった事でリメイク前に感じていたモッサリ感は消えて無くなり、対戦格闘ゲームとして非常に心地よい。総合して、スピード感と緊張感のあるバトルへと進化している。

 さらに一部キャラクターの一部の技では、モーション自体が大幅に変化しているものもあるという。その点でも、リメイク前とは全く違うゲーム体験を期待できるだろう。

全体のゲームスピードはリメイク前をプレーした事のあるプレーヤーであれば、触った瞬間に劇的に変化していることが分かるほどの挙動に機敏さが出た。各種攻撃のダメージや体力なども一新されたことで、ダメージ値も程よい緊張感を得られるバランスの良い調整に成功している

 そしてリメイクでの追加要素となる「アシストキャラクター」の存在が、本作の対戦ゲームとしての面白さを大きく高めてくれている。このシステムは、対戦時に使用するキャラクターとは別にもう1人キャラクターを選ぶ。そしてバトル中に「アシストアイコン」を消費する事で、様々なアクションでプレーヤーをアシストしてくれるというものだ。

 発動すればキャラクター毎に固有の攻撃やサポートアクションを行ない、たとえば相手の攻撃を受けている時に使用すれば、攻撃に割り込んで助けてくれる役目も果たしてくれる。

 自分のコンボ中にサポートキャラの攻撃を織り交ぜる事でさらにダメージを伸ばしたり、逆に相手が大ダメージを狙っているコンボを放ってきた時には割り込みとして運用したりと戦いの中で非常に多岐に渡り活躍するシステムだ。

 キャラクター同士の組み合わせで数多くの戦略やコンボが生み出せる事を考えると、このシステムの追加で本作の対戦における戦略はガラッと変化したと筆者は考えている。さらにはこのサポートとの組み合わせを「承太郎&徐倫」や「ジョニィ&ジャイロ」と言ったようなタッグにすることで、これまで以上にエモさを感じられるプレイも可能なので、対戦格闘ゲームとしてもキャラクターゲームとしても非常に楽しめる新要素と言えるだろう。

 他にも、「ダッシュジャンプ」の追加によって動きに機敏性が出た上で下段ガードを崩しやすくなっていたり、「スタイリッシュムーブ」の派生形として、コマンドで発動できる待機技「スタイリッシュガード」が追加になっていたり、細かな部分でもシステムの調整が入っている。

 上記で取り上げたゲームスピードの向上や新システムと合わせる事で、快適さも奥深さも格段に向上した上で、本作ならではの新たな「ジョジョ」的ゲーム体験を味わえた。先行体験の時点でも、かなりの完成度になっているのではと筆者は思っている。

 また一方で、リメイク前から搭載されていた、1つのボタンを連打するだけでカッコいいコンボ攻撃を出せる「イージービート」システムもある。格闘ゲームが初めてだったり苦手だったとしても、問題なく本作を楽しめるだろう。

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「ダッシュジャンプ」は下段崩し以外にも相手との遠距離攻撃を避けつつ攻撃出来たりと新たな距離を詰める手段として非常に有用だ
白くキャラクターが光っている間に攻撃を受けると「スタイリッシュムーブ」が成功する。リメイク前と違いモーションが入るため、迂闊に使うと相手に見破られて隙を突かれてしまうが、成功した時のリターンも大きいため上手く活用できるかどうかが重要となる

 実際に対戦して感じたのは、今まで述べてきた新たな追加要素と既存のシステムとの掛け算こそ非常にやり応えのあるポイントだったという事だ。

 たとえば、今回から追加された「アシストキャラクター」の攻撃は、リメイク前から存在するキャラクターのアクションを自由にキャンセルできる「プッツンキャンセル」やバトルスタイル「スタンド」のキャラクターが出せる「スタンドラッシュ」などと組み合わせると今までにない超強力なコンボを生み出せる。

 ダウンから復帰する際の選択肢では、基本的にどのキャラクターでも「ダッシュジャンプ」からの下段崩しが可能となった事で、読み合いがさらに深まっている。今まで積み重ねてきたシステムをしっかり活かしながら新要素が追加されていることで、攻防のリソース管理や読み合いと言った格闘ゲームの面白さがかなり拡張されている印象を受けた。

 加えて本作は、特にキャラクター性の強い「ジョジョの奇妙な冒険」を題材としている事もあり、各キャラクターのアクションや戦略にもしっかり”色”が出ている。ここが埋没してないのが、素晴らしいポイントだと筆者は考えている。

「プッツンキャンセル」は全てのキャラクターが使用できる技やアクションをキャンセルしてすぐさま行動できるようになるシステムで、「スタンドラッシュ」はスタンドを駆使した特定の攻撃中に本体のキャラクターの動きをキャンセルして行動できるシステム。どちらも本作で華麗なコンボを生み出す際に重宝されている
簡単なコンボ例として、徐倫のスタンド発動状態での「イージービート」で攻撃→その後「スタンドラッシュ」で徐倫を動けるようにしつつ「サポートキャラクター」で相手を攻撃し拘束→そのスキに適度に攻撃を当てつつ最後はもう一度「イージービート」からの「HHA」でコンボを繋げる。といったように、基本が「イージービート」でも本作ならではの要素を行動に組み込むことで、派手かつ強力なコンボを叩き込めるようになっている。高難易度のオリジナルコンボルートであればさらに火力を伸ばす事もできそうなのでコンボ開拓が非常に面白そうである

 今回の体験会ではプラクティスモードでの操作確認とネットワーク対戦を楽しめたのだが、キャラクター操作を確認している段階で本作がリメイクを経て全く違うゲームに進化したと感じられた。

 その快適感やスピード感の変化は凄まじいモノで、約10年前に前作を購入し喜びと悲しみを抱えた学生プレーヤーの自分にそのことを伝えてあげたいくらいである。同じような感情を抱いていた当時のプレーヤーにも、ぜひ今回のリメイクに触ってみて欲しいと強く思っている。

 最後に体験会中に本作のプロデューサー又野健太郎氏より本作のリメイクに対するこだわりについて伺う事が出来たので紹介したいと思う。

プロデューサー又野健太郎氏のコメント

 格闘ゲームとしての体験をリメイク前から一新できるほど大きく手を加えました。全体的なキャラクターモーションや各パラメーターの調整・新システムによるゲーム内容の変更で格闘ゲームとしての面白さを引き上げる事を目指したのは勿論ですが、今作から追加されるキャラクターも格闘ゲームに落とし込んだ際にそのキャラクターらしさを存分に発揮できるかどうかを重要視してチョイスしたので、原作ファンが楽しめる部分も強く引き出せるようにも注力しています。

 新要素によって奥深さを追求しながらも、イージービートの継続して採用しており、ゲーム自体の面白さを底上げしつつ敷居の高いゲームにはならないように意識をしていますので、格闘ゲームが苦手なプレーヤーでも楽しんでいただけるかと思います。ぜひ生まれ変わった本作でジョジョらしい新たなバトルアクションを楽しんでほしいと思います。

 並々ならぬ調整を経てリメイク前とは比べ物にならないほど進化した本作、今回体験会でプレイした内容は6月16日より配信となる体験版にてプレイ可能だ。新規プレーヤー既存プレーヤー問わず、是非一度プレイしてみては如何だろうか。