【特別企画】

新アクション「ほおばりヘンケイ」に注目! 「星のカービィ ディスカバリー」ファーストインプレッション

3D世界で展開するカービィの新たな冒険

【星のカービィ ディスカバリー】

3月25日 発売予定

価格:
パッケージ版 6,578円(税込)
ダウンロード版 6,500円(税込)

 「星のカービィ」シリーズの最新作「星のカービィ ディスカバリー」が、Nintendo Switchにて3月25日に発売される。敵を吸い込んでその力を身に付ける「コピー能力」を持った主人公カービィの新たな冒険の舞台は、シリーズ初となる3Dの世界だ。

文明と自然が融合した世界が冒険の舞台。新しいカービィのアクションを楽しもう

 ゲームシステムが従来の2Dから3Dとなり、そのプレイフィールが一体どのように変わっているのか、そして本作で導入された「ほおばりヘンケイ」や「コピー能力進化」、「ワドルディの町」などの新システムがどんなものなのか、大いに気になるところだった。今回はそのファーストインプレッションとして、製品と同等のサンプル版の序盤を実際にプレイして、その感触や新システムなどについて触れてみたい。

【星のカービィ ディスカバリー 2ndトレーラー】

吸い込みやホバリングなど、カービィのアクションを3Dのスタイルへと昇華

 今回のカービィが冒険する舞台は、文明と自然が融合した「新世界」。不思議な嵐に巻き込まれてたどり着いたこの場所は、かつて存在したであろう文明が廃墟となって自然に覆われている。そこに現われるのは、動物の姿をした謎の「ビースト軍団」だ。巨大な渦に吸い込まれてこの世界にやってきたカービィは、さらわれてしまったワドルディ達を助ける冒険へと旅立っていく。

謎の世界にやってきたカービィ。オープニングの演出は本当に素晴らしいが、具体的な内容はまだヒミツ。ぜひ本編で見てほしい
新世界で出会った不思議な子「エフィリン」。カービィとともに冒険の旅に出る
ワールドマップにはワールド別に複数のステージが存在。さらにステージをクリアすると、特殊なステージ「トレジャーロード」も出現する

 初の3Dアクションとなった本作だが、操作自体は実に快適で、シリーズ固有のアクションもちゃんと3Dスタイルへと昇華されている。ステージ上を縦横に移動し、ジャンプやホバリング、スライディング、敵を吸い込んでからの攻撃、シリーズ固有のアクションを駆使しながら進んでいくスタイルで、もちろん吸い込んだ敵の力をコピーして使う能力も健在だ。

基本操作はこんな感じ。操作タイプはA・B・Yの各ボタンの割り当てが変わる
縦横に動き回れる3D空間。ジャンプやホバリング、吸い込み&はき出しといったカービィならではのアクションも健在だ
特定の敵を吸い込めば、その能力をコピーできる。3Dとなってもこのゲームシステムは変わらない

 またゲームが3Dとなったことで探索の要素も強まり、ステージに隠された様々なフィーチャーを見つけていくことも楽しみのひとつとなった。隠し通路はステージのあらゆるところに存在していて、「ここ怪しいかも!?」と思わせるところに巧妙に隠されている。単なる通路だけでなく、コピー能力やほおばりヘンケイなどを駆使して見つけられることもあり、その先には多くの場合、さらわれたワドルディが囚われている。ワドルディは拠点となる「ワドルディの町」(後述)を発展させてくれるだけでなく、ワールドのラストに君臨するボスのステージを開放してくれる役目もあるので、できる限りたくさん助け出しておくのがベストだ。

怪しい場所は歩き回って、怪しいものは壊してみよう。必ず何か発見があるはず
奥まった場所でワドルディを救出。ステージの隅々まで探索をしてみよう
ステージの途中や最後にボスが登場することも

 なおワドルディは、ステージのフィーチャーやギミックなどに関連する条件をクリアすることでも助けられるようになっている。各ステージに時間制限はなく、クリア後も繰り返しプレイができるので、最終的にステージに捕らえられたワドルディの全員救出を目指すプレイも楽しめるだろう。

ステージクリア時に、救出できたワドルディの人数を確認できる
ワールドの最後に待ち受けるボスのステージを開けてくれるのはワドルディだ。表示された数だけ助けよう
ボスはかなりの強敵で、コピー能力を持って戦いたいが、万が一持っていなくても、攻撃時に現れたスターを吸ってはき出せばダメージを与えられる

進化させられる「コピー能力」と、ステージに落ちているものをほおばってヘンケイする「ほおばりヘンケイ」

 カービィのコピー能力は、「カッター」、「ソード」、「ボム」、「ファイア」、「アイス」といったシリーズおなじみのものに加え、星の弾丸を撃ち出す「レンジャー」や、地面に潜って敵を回避できる「ドリル」などの新たな能力も追加された。また「ニードル」はウニのように全身にトゲを生やした状態で転がって敵を巻き込んで倒すなど、本作のゲームデザインに準じて効果が刷新されたものもある。さらにこれらのコピー能力は、道中で見つけられる「設計図」によって進化させることが可能となり、アクションのバリエーションがさらに広がっている。

カッターは投げると戻ってくるブーメランのような武器。戻ってくる軌道上の敵も倒せる
新しいコピー能力のドリルは、ボタンを押し続けることで地面を掘って移動でき、敵の足元から攻撃できる。さらに掘った軌道を繋げるとその内側の敵を攻撃できる
ソードは緑色の帽子がトレードマーク。力を溜めてからの回転斬りも可能だ
ステージに隠された設計図をワドルディの町にできた「ワドルディのぶき屋」に持っていくと、アイテムと引き替えにコピー能力が進化できる
ソードの進化形で圧倒的な攻撃力を持つ「ギガントソード」。これら進化させたコピー能力は、進化前の状態に切り替えることも可能だ

 そして今回の目玉である「ほおばりヘンケイ」についてだが、これはコピー能力とはまったく別の、ステージに置ちているアイテム(朽ちたオブジェクト等)にヘンケイする能力で、これらの物体を口の中にほおばることでカービィがその形になり、それに準じたアクションを行なえるというものだ。

気になるアイテムがあったら近づいてみよう。「ほおばる」のコマンドが現れる。ちなみにほおばりヘンケイは、コピー能力を持っていても行なえる
そのアイテムの形にカービィが早変わり。ほおばったものを捨てるときは該当のボタンを長押しすればOK
普段のカービィとはまったく違った能力を発揮できる。この「くるま」の場合は「ターボダッシュ」により高速移動でき、ヒビの入った壁などを壊せるようになる

 PVなどでも見られる通り、ほおばりヘンケイをしたカービィの姿は実にユニークで楽しいのだが、その力を発揮したときのアクションはさらに面白いことになっている。例えば「くるま」や「ジェットコースター」なら、ヘンケイ後のアクションは容易に予想できるが、「わっか」や「アーチ」、「ロッカー」など、意外な形へのヘンケイはそのアクションも意外なものが多く、新しいアイテムを見つけるたびにワクワクさせてくれる。

三角コーンをほおばると、尖った先端でヒビの入った地面などを破壊できる
ドームは、ほおばるとその上側を外すことができる。移動や攻撃などとは違う効果を持つヘンケイも
階段をほおばったカービィ。倒れて敵を倒すこともできるが、運んだ後のルート開拓の用途が強い
なんと自動販売機もほおばれれる。このまま移動ができ、缶を飛ばして攻撃が可能だ
こちらはロッカー。倒すだけのギミック的なアクションだが、意外なシーンも!?

 序盤の数時間プレイしただけでもほおばりヘンケイは10種類以上が存在することを確認できる。これらはコピー能力とは違ってステージの世界観に準じたものが多く、この後の展開に合わせてさらにいろいろなものが登場することが予想される。

板状のアーチをほおばったら、なんとグライダーのような滑空飛行ができるようになった
ジェットコースターに乗るときも、ほおばりヘンケイを駆使するカービィ
リングをほおばると、空気をはき出せる。それが推進力になることも!?
水が噴き出す水道管をほおばったら、水風船になってしまったカービィ。水ははき出して使える
古びた電球にヘンケイすると、ボタンを押すと周囲を明るく照らすことができる
作業車のほおばりヘンケイ。レールの上を移動し、上下に伸び縮みする
土管にほおばりヘンケイして転がるカービィ。その先にはヒビの入った壁が……!?

 もうひとつ、本作の新要素となる「ワドルディの町」も紹介しよう。ここは各ステージで助け出したワドルディ達が集う場所で、その数が一定数を超えると発展して便利な施設が増えていくという、ちょっとした町作りの気分が味わえる冒険の拠点だ。コピー能力進化やアイテムの購入、ムービーの閲覧、サブゲーム、そしてカービィの家など、ゲーム本編とは別のお楽しみが少しずつ揃っていくのがいい感じだ。ゲーム本編でワドルディ達を救出するモチベーションにも繋がるゲームシステムで、何より癒しの空間として、冒険に疲れたら帰ってきたくなる場所としての存在価値が大きい。

助け出したワドルディ達が住む町。カービィの拠点でもある
ワドルディのぶき屋は、手に入れたコピー能力をいつでも持ち出すことができる
ステージで手に入れられるカプセルトイ「ガチャルポン」の自動販売機。回すにはコインが必要だ
「ワドルディシアター」では、これまで見たムービーシーンをいつでも楽しめる
懐かしいBGMが心を癒してくれる「カービィハウス」。「ほんをみる」では、過去のカービィの冒険を振り返る。休憩して体力の回復も可能だ
「コロシアム」では、これまで戦ったボスとの連戦を行ない、勝てば報酬がもらえる。あのライバルも登場!?

 ゲームの序盤は比較的優しい作りで、なおかつ難易度も設定でき、カメラも基本的に自動操作なので、よほどアクションゲームが苦手でない限り、楽しみながら進めることができるはず。その一方で、例えばワールドマップ上に出現する「トレジャーロード」などは、クリア自体は難しくないが、基準となる「もくひょうタイム」がかなりシビアに設定されていて、このクリアタイム短縮を目指すプレイは、腕に覚えのあるプレイヤーにとっては挑戦し甲斐のあるものとなるはず。各ステージのワドルディ全員の救出や、「コロシアム」でのボスとの連続バトルなど、やり込める要素もたくさんあるので、飽きずに楽しめるのではないだろうか。

コピー能力などを駆使して短いステージのクリアを目指す「トレジャーロード」。クリアするとコピー能力進化に必要な「レアストーン」が手に入る
ガチャルポンのカプセルトイをコンプリートできるか!?

 3Dとなって新しいプレイフィールを得たこの「星のカービィ ディスカバリー」。今回紹介した要素の他にも、廃墟を舞台とした世界観作りや完成度の高いBGMなど、魅力はまだまだたくさんあり、そのあたりは発売後のレビューにて改めて触れようと考えている。発売日までもう少し日があるので、それまで期待を膨らませて待っていてほしい。

メタナイトの他にも、デデデ大王も出てくるとか!? その出会いもお楽しみに