【特別企画】

「ELDEN RING」「HorizonFW」などビッグタイトル続々。大容量化が進むPS5タイトル群に備えるM.2 SSD10選

 プレイステーション 5(以下、PS5)が登場してから1年以上が経過している。いくつかのゲームタイトルをインストールしてみて、ごりっとストレージ容量が減ってしまっていると気になっている読者もいるのではないだろうか。

 PS5のストレージ容量は初期で約1TBだが、ゲームデータのインストールに使用できる容量は約667.2GB。ゲームタイトルの容量はタイトル次第になるが、2月18日発売の「Horizon Forbidden West」を例に挙げるとゲーム本体は80GB超、デジタルデラックスエディションでは約160GBもの容量を必要とする。直近に登場する「ELDEN RING」もPS5版の明確な容量は明かされていないものの、Xbox版やPC版の例を見るに50GB以上が必要になると目される。こういったタイトルを何度もダウンロードをするのは辛いし、複数のビッグタイトルをインストールすると容量不足にもなりやすい。

 というわけで、気になるのはストレージの増設になる。PS5のストレージの増設は、外付けストレージに加えて、M.2 SSDにも対応している。外付けストレージについてはPS4から引き続きとなるが、ゲームデータの読み込みはどうしても遅くなる。それに対して、M.2 SSDはPS5本体のストレージに近い読み込みの速さがあり、ゴリゴリとゲームを遊びたいのであれば、M.2 SSDがオススメだ。そこで今回は、PS5にオススメのM.2 SSDを見ていく。

2月25日発売予定の「ELDEN RING」
2月18日に発売した「Horizon Forbidden West」。2つの大作RPGの登場でPS5のストレージ容量も一気に圧迫されることに

PS5に使用するM.2 SSD選びの基礎知識

 M.2 SSDは、普及しつつあるストレージになり、サイズは最長110mとコンパクトだ。パソコン方面で先に普及が進んでおり、M.2 SSD自体は多く流通している。ただPS5の場合は、以下のような要件がある。

【PS5増設用のM.2 SSDスペック要件】
インターフェースPCI-Express Gen4x4対応M.2 NVMe SSD(Key M)
ストレージ250GB~4TB
対応サイズ2230 / 2242 / 2260 / 2280 / 22110
放熱機構を含むサイズ幅:最大25mm
長さ:30 / 40 / 60 / 80 / 110mm
高さ:最大11.25mm(基盤から上8.0mmまで / 基盤から下2.45mmまで)
シーケンシャル読み込み速度:5,500MB/秒以上を推奨
ソケットタイプSocket 3(Key M)

 上記は、PlayStationサポートにあるPS5で使用できるM.2 SSDの要件だ。M.2 SSDを選ぶうえで、重要なワードは「PCI-Express Gen4x4対応M.2 NVMe SSD(Key M)」「シーケンシャル読み込み速度5,500MB/秒以上」のふたつ。接続規格を合わせることと、一定の読み込み性能が重要であり、満たしていない場合はPS5側で使用できない可能性がある。そのため、下調べが必要となるが、身近でない用語が多いのもあり、最近ではPS5対応といった説明を含む製品も多い。ともあれ、PS5対応や7000MB/秒といった文字を目印にしていくといいだろう。

【M.2 SSDのPS5への取り付け】
SIEが公開中のM.2 SSDのPS5への取り付け方法解説動画

 容量は500GBや1TBからの検討がオススメ。これは価格と容量のバランスからになる。ざっくり分けて、容量250GB、500GB、1TB(もしくは960GB)、2TB、4TBとラインナップされているが、容量250GBではすぐに容量が足りなくなるし、2TBや4TBは純粋にまだ高く(PS5本体が買えるくらい)、そういったバランスから容量500GBか1TBが無難となるわけだ。

容量1TBから検討していこう

 以下では、要件を満たすM.2 SSDを紹介していく。1TB版を紹介しているが容量500GBや2TBなどもあり、またヒートシンクが事前にセットされた製品が多い。PCの場合はストレージが剥き出しのままであるほうが都合がよい状況にあるが、PS5の場合は、その逆でヒートシンクの背の高さなどの条件があるため、まずはヒートシンクつきから選ぶべしとなる。

 PS5のゲームプレイフィールに影響するかもしれない要素はシーケンシャル読み込み速度くらいであり、現時点で要件を満たす製品は意外にも少ない。これは単純に「シーケンシャル読み込み速度5,500MB/秒以上」から見ると、ハイエンド環境向けであるシーケンシャル読み込み速度7,000〜7,300MB/秒の製品くらいしか該当しないためだ。よって、お財布と相談しつつ、見た目(インストールすると、見えなくなるが)、もしくはPC側でもお世話になっているメーカー……といったノリで決めていくといいだろう。

 注意点としては、各製品に記載されているシーケンシャル読み込み速度は、カタログスペックであり、もっぱらPC環境での計測結果になる。PS5の場合では、その通りにならない傾向が強めだが、動作確認が取れているといった具合だ。

WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsink

  • 価格:24,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,000MB/秒

 ヒートシンクは取り付け済みで、開封したらそのままPS5にセットできる。他メーカーとは路線が異なるヒートシンクデザインも特徴的だ。

ADATA Premier SSD For Gamers 1TB

  • 価格:24,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,400MB/秒

 ヒートシンクは自分で取り付けることなるが、マニュアルが付属し、PS5のインストール解説もアリ。ADATAでの検証では、PS5でのシーケンシャル読み込み速度最大6,100MBとのこと。なお、ストレージ容量512GB版のシーケンシャル読み込み速度は最大7,200MB/秒。

Nextorage NEM-PA 1TB

  • 価格:29,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,300MB/秒

 ゴツめのヒートシンクが取り付け済みで、高い放熱性を期待できる。また大きくPS5対応とアピールしており、PS5へのインストールマニュアルも付属している。

Samsung SSD 980 PRO with Heatsink 1TB

  • 価格:20,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,000MB/秒

 PC方面でも人気のSamsung製M.2 SSD。上記リンクはヒートシンク付きモデルで、ヒートシンクが付属しないモデルも併売されているため、購入時はよくチェックしておきたい。

Seagate FireCuda 530 1TB ヒートシンク搭載版

  • 価格:28,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,300MB/秒

 Seagateの人気製品FireCuda 530に専用ヒートシンクを取り付けたモデル。ヒートシンクが付属しないモデルも存在するが、PS5用であれば手間が少なく済む本製品がオススメ(筆者がPCで愛用中のM.2 SSD その1)。

GIGABYTE AORUS Gen4 7000s 1TB

  • 価格:29,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7000MB/秒

 これも専用開発されたヒートシンクを採用している(筆者がPCで愛用中のM.2 SSD その2)。500GB版はヒートシンクのないバージョンのみ。

XPG GAMMIX S70 BLADE 1TB

  • 価格:19,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,400MB/秒

 ヒートシンクが同梱されているが、ボードがキレイに隠れるように貼るだけなので、PS5へのインストール難易度に比べると、ベリーイージーだ。XPGの検証によると、PS5に接続した場合のシーケンシャル読み込み速度は、最大6,100MB/秒とのこと。

Crucial P5 Plus 1TB SSD PCIe Gen4

  • 価格:18,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大6,600MB/秒

 今回紹介するなかで、カタログスペックで唯一シーケンシャル読み込み速度が7,000MB/秒を切っているが、そのぶん、お手頃価格になっている。まずもっての特徴として“PS5が求める性能に準拠しているSSDヒートシンク”というだけのことはある。

自分でヒートシンクを用意するなら、ストレージのみもアリ!

 上記した8製品は、いずれもヒートシンクがすでにセットされていたり、もしくは同梱されていたりするが、ここではストレージのみだが、PS5での動作が確認されている製品を見ていこう。もちろん、ヒートシンクを別途用意する必要アリだが、PS5の要件に合うヒートシンクがほとんどであるため、サイズを計測しつつ、よりDIY感覚でインストールをしたい人はチェックしてみよう。なお、最近ではサードパーティー製品になるが、PS5用に最適化したヒートシンクもいくつか存在している。それらを試してみたい場合にも、M.2 SSD本体のみの製品は都合がいいだろう。

KIOXIA EXCERIA PRO SSD 1TB

  • 価格:22,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,300MB/秒

 片面実装であるため、ストレージ全体を包み込むタイプのヒートシンクを選ぶ必要はなく、PS5の要件に合うヒートシンクを探しやすい筆者がPCで愛用中のM.2 SSD その3)。なお、ラインナップに似た名前が多いため、PCI-Express Gen4x4などの文字もちゃんとチェックしよう。

CFD販売 PG4VNZシリーズ 1TB

  • 価格:19,000円前後
  • シーケンシャル読み込み速度:最大7,000MB/秒

 PC方面において、価格性能比から人気のシリーズ。これも片面実装であり、ヒートシンク選びは楽。なおAmazonのみ、ヒートシンク同梱モデルが用意されている。

ElecGear PS5 NVMe SSD ヒートシンク EL-P5C

  • 価格:3,300円前後

 PS5のフレームにジャストフィットで設計された専用ヒートシンク。先に紹介したヒートシンク非同梱モデルと合わせて利用したい。こうした面白い形状のヒートシンクが選択肢に上がってくるのもヒートシンク非搭載モデルの魅力だ。