【特別企画】
「ダイイングライト2 ステイ ヒューマン」マルチプレイレポート
「この展開は知らなかった!」、共に戦う楽しさと、"選択"による新展開!
2022年2月16日 00:00
- 【ダイイングライト2 ステイヒューマン】
- 2月4日 発売
- 価格:
- 通常版 8,778円(税込)
- Deluxe Edition 10,978円(税込)
- Ultimate Edition 13,178円(税込)
2月4日に発売された「ダイイングライト2 ステイ ヒューマン」。前回は動画でいくつかポイントを紹介した。本作は様々な魅力を持ったオープンワールドRPGだが、特に"アクション"に力が入っている。ゾンビ(感染者)のいる地上を避け、建物の上を走り抜け、ジャンプし、わずかに手がかかるところを強引に上る。移動そのものがアトラクションとなっているところが本作の大きな楽しさだ。
もちろん、たくさんのサブクエスト、探索要素、遭遇イベントも用意されておりやりこみ要素も盛りだくさんだ。そして「ダイイングライト2」にはさらに"マルチプレイ"がある。友人や知らない人と一緒に「ダイイングライト2」をプレイすることができるのだ。
「ダイイングライト2」はメインストーリーに細かい分岐がある。その分岐の大きな要素が「ピースキーパー」と「サバイバー」の対立だ。元警察関係者が多く、秩序を重視する姿勢の「ピースキーパー」と、自由な自治を求める「サバイバー」。彼らは共通の敵である無法集団「レネゲイト」と戦いながらも、根本的な思想で相容れない存在である。
プレーヤーはこの対立する勢力でどう決断していくかが物語の大きな鍵であるが、マルチプレイではホストとなるプレーヤーによって自分のプレイとは異なる物語展開を見ることもできる。複数プレーヤーで遊ぶ感触も新鮮だ。今回は2人プレイを体験することができた。面白さをレポートしていきたい。
過酷な世界も一緒に戦えば怖くない! マルチプレイの楽しさ
「ダイイングライト2」のマルチプレイは対戦ではなくCO-OP(協力)プレイとなる。ホストであるプレーヤーの元にゲストが参加し、ホストがストーリーを進めるのを手伝うことになる。ホスト側はゲストの助けでゲームを進めるのが楽になるし、ゲスト側は入手したアイテムをそのまま持ち帰ることができる。
マルチプレイに参加した場合、キャラクターデータはそのまま引き継がれる。レベルや持っているアイテム、武器などはそのままホストのゲームに参加できる。マルチプレイをやめた時点で、ホストはマルチプレイで進めたところまでゲームは進行している。ゲスト側はマルチプレイで得たアイテムや経験値は得たまま自分のゲーム進行に戻ることとなる。「ダイイングライト2」では収集アイテムを集めておくとゲームがかなり有利になるので、マルチプレイで得られるアイテムはうれしい。
「ダイイングライト2」のオンラインプレイのハードルはかなり低い。序盤のチュートリアルクエストを終え、"シティ"に入った後、この街で生きるための必需品「バイオマーカー」を手にする、およそ2時間ほどのプレイを経ると、「オンラインロビー」への接続が可能となる。
オンラインプレイではホストとなるプレーヤーが他のプレーヤーを呼び込む形でオンラインプレイが可能だ。ゲームの進行はホストプレーヤーのものになる。ホストが進めていくクエストを、参加者全員でバックアップするイメージだ。ゲストを呼べるのは3人まで、最大4人での協力プレイが可能だ。
プレーヤーは「救援要請」を行なうことでホストになり、他のオンラインプレイを望むプレーヤーを呼び込むこともできる。今回は同じ編集部員の屋敷と協力プレイをした。屋敷はまだゲーム序盤のところだったので、屋敷にホストになってもらい、筆者がクエスト進行を手伝うという形になった。
屋敷のゲームに参加をするとすぐに屋敷のキャラクターの元に自分のキャラクターが転送された。目の前にいるのは屋敷のキャラクターだ。「ダイイングライト2」では皆が主人公"エイデン" であるが、ゲームは一人称視点なのでほとんど姿が見えない。エイデンを間近で見ることができるのはなかなか新鮮だ。プレーヤーの目にはエイデンが複数人に分裂したように見えるが、NPCにはシングルプレイと同様、エイデンは1人と認識される。会話を進めストーリーを選択していくのはホストに委ねられる。
クエストは基本的には指定されたポイントに赴き、戦闘や探索を繰り広げて進行していく。面白かったのが屋敷の"うまさ"である。「ダイイングライト2」は建物の上を不安定な足場や建物の間に張り巡らされたワイヤー"ジップライン"などを伝って進んでいくのだが、屋敷はたくみにジャンプを使いこなし、ガンガン先に進んでいく。プレイ時間では数倍の筆者はちょっともたもたしていて、屋敷はどんどん遠ざかっていく。この感覚はシングルプレイでは体験できなかった。
クエストを進めるには参加プレーヤー全員が集合場所に行かなければならないが、こういったプレーヤースキルでの移動の速度の違いは「プレイヤーの転送」で解消できる。また筆者はすでにゲームの中盤を超えているので「パラグライダー」が使え、空を滑空できるので移動が有利な時もあった。空を飛ぶ筆者に「おお、勝田さんそれなんですか? 今後使えるようになるんですか?」と聞かれるのも面白かった。
戦闘では2人で立ち回れるのでシングルよりずっと有利だ。また片方が鍵開けをしているときにもう片方が守ったりとお互いをカバーすることもできる。ただホストとゲストのレベル差がある場合、フィールドの敵はクエストに合わせて調整されているので、レベルが高い場合に参加すると、強そうなボスを一撃で倒してしまうということもあった。逆にゲストが弱いと戦いはきつくなりそうで、注意が必要かなとも感じた。
マルチプレイならではの要素としては他のプレーヤーを"回復"できるところも良いと思った。シングルでは自分にしか使えない回復薬を相手に使うことができるのだ。また倒されてしまった場合、シングルプレイの場合は他の場所で復活だが、マルチの場合はその場で他のプレーヤーが復活させられる。複数のプレーヤーで戦う場合、敵の背後をとりやすいのも良かった。
さらに、「ここに行けば先に進める」、「ここに商人がいるね」など声を掛け合いながらプレイするのも楽しかったし、「このキャラの言動ホントむかつくよね」など勝手な感想を話し合うのも知り合いとのマルチプレイは気軽な雰囲気になる。「ダイイングライト2」はかなり緊張感の強いゲームだが、2人でやるととても心強かった。
また"戦い方の違い"も面白いところだ。筆者はシングルプレイではカウンター狙いの守りを重視したプレイスタイル。「ダイイングライト2」の特に人間型の敵の場合、こちらの攻撃をガードするので、闇雲に攻撃するとスタミナが切れてさらにピンチに陥ってしまう。このため敵の攻撃を受け流し、そこから攻撃する。ピンチになったら逃げ回って回復、というのが筆者の戦い方だった。
しかし屋敷は敵のガードを「投げナイフ」で崩すという攻めのスタイルで戦っていた。敵の施設への侵入も筆者はステルスでじりじりと進むが、屋敷は正面突破でここも驚かされた。「なるほどこういう戦い方もあるのか」と感心した筆者は、この後のシングルプレイで時には"攻めのスタイル"も意識して戦うようになった。「ダイイングライト2」ではシングルプレイで進む人が多いとは思うが、マルチプレイで他の人のプレイに触れるというのは、プレイ動画を見るだけでは決して味わえない感触があると感じた。
ストーリーの幅の広さを実感、ホストの選択で、全く知らないストーリーが展開
もう1つ「マルチプレイ」の大きな楽しさが、変化するストーリーである。「ダイイングライト2」は意図的にこのストーリー要素をゲームに組み込んでいるのが実感できた。今回体験できたのは、秩序を重視する「PK(ピースキーパー)」と自由を重視する「サバイバー」の物語の変化だ。少しネタバレになるが、序盤の物語展開を紹介していきたい。
会話時、ゲストはホストの選択を見守る形となる。クエスト進行のキーとなる場所やNPCの前に1人のプレーヤーが来てもゲームは進行しない。参加しているプレーヤー全員がその場にいる必要がある。離れていても「プレイヤーの転送」で瞬時に合流できる。
ゲーム内では様々な場面で選択肢が現れ、選択によってはPKかサバイバーに味方することとなる。序盤では給水塔と、PKの指揮官を殺した犯人の行方探しが重要な要素としてストーリーが展開する。この中で筆者はシングルプレイでサバイバー側の選択肢を選び、サバイバー側の重要人物であるソフィーとその弟バーニーの味方につく選択を重ねた。
一方、マルチプレイではゲストは選択肢に対して"提案"はできるものの、決断はホストに委ねられる。屋敷は「PK側の方が好きなんですよね」とPK寄りの判断を下していった。結果筆者とは全く違う展開になり、非常に面白かった。
サバイバー側ではソフィーとバーニー、PK側ではアイトールとアンダーソンが重要人物となる。ストーリーの変化で彼らとの関わりが全く変わってくるのだ。大きなイベントとしてはエイデンがあくまで最初の「街の中央を目指す」という選択をした場合、色々手助けをしてくれたホーコンと共に、PKが占拠している駅を通り、地下鉄を進んで次の駅を目指すことになる。筆者の選択では全くなかった要素だ。
筆者の選択の場合、ソフィーは「反PK」の姿勢を明確にし、この地域のPKの生命線である大きな風車を爆破することとなる。風車は風力発電所であり、感染者を防ぐためのUVライトを夜につけておく必要があるため、電力を失えば彼らは撤退するしかない。この風車のイベントはなかなか緊迫感もありオススメなのだが、PK側ではこのイベントは起きないのだ。
どのような選択をしても、大きな幹となるストーリーは同じだ。エイデンは様々な困難を経てセントラルループに到達することができる。しかしこの物語を進む過程の道筋が選択によっていくつかに分岐し、全く異なるストーリー体験を楽しむことができる。マルチプレイの醍醐味はここにあるだろう。「俺ここのストーリー知らないや、こういう展開になるのか……」という話をするのは楽しい。
現時点では過去のストーリーを振り返ることはできないが、今後のアップデートでセーブデータのバックアップが可能になるとのこと。あえて分岐前でセーブデータを残しておくことで、マルチプレイ時に一緒にまだやっていない選択肢を楽しんだり、キャラクターのレベル差が少ない状態でのプレイも楽しめる様になったら良いなと思う。
「ダイイングライト2」はもちろん全世界のプレーヤーに参加を募ることも可能だ。今回のように知り合いとやると細かいやりとりが楽しいが知らないプレーヤーと遊ぶのも面白そうだ。前作「ダイイングライト」にあったような、高難易度コンテンツをプレーヤーを募って挑戦する、という遊び方も今後活発になっていくのではないだろうか。
サブクエストや探索要素などでかなりじっくり遊べる「ダイイングライト2 」だが、今回のマルチプレイや、今後予定されているDLC展開などもあり、もっともっと長く遊べる作品となりそうだ。まずは筆者自身、本作をさらにじっくり遊んでいこうと思う。
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