【特別企画】

「ライダーズ リパブリック」ハンズオン&CBTレポート

アウトドアスポーツ好きの“遊び場”的なデザインが秀逸なオープンワールドゲーム

【ライダーズ リパブリック】

10月28日発売予定

 ユービーアイソフトが10月28日に発売を予定しているプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用スポーツゲーム「ライダーズ リパブリック」のメディア向けハンズオンがオンラインにて開催された。

 広大なオープンワールドのフィールドに、オンラインのプレーヤー達が集結し、様々なアウトドアエクストリームスポーツを繰り広げる本作。そのクローズドβテストが8月23日より8月25日にかけて行なわれていて、ハンズオンもこのPC/CBT版を使って実施された。ここではハンズオンでの開発陣の解説をもとに、CBTの体験レポートをお届けしていく。なおゲームプレイは開発中のCBTバージョンで、製品版とは仕様が異なる可能性がある。

【『ライダーズ リパブリック』ゲームプレイトレーラー】
オープンワールドがそのままエクストリームスポーツのフィールドになる

実在する北米の国立公園をモチーフとした広大なフィールドがアウトドアスポーツのコースに

 本作の舞台となっているのは、ブライスキャニオン、ヨセミテ、ザイオンなどといった北米の国立公園をモチーフとして作られた一つの大きな山岳地帯だ。プレーヤーはここでマウンテンバイク、スキー、スノーボード、ウィングスーツ、ロケットウィングなどのアウトドアスポーツを楽しめるようになっている。

 オープンワールドのスポーツゲームというと、同じユービーアイの「STEEP」が思い浮かぶが、本作で体験できるのはウィンタースポーツだけではないため、そのフィールドは雪山だけに限定されていない。雪のある場所は多いものの、乾いた渓谷や木々が茂る森林などがシームレスに繋がり、無数のプレーヤーがスポーツを楽しんでいる。

拠点となるRIDERS RIDGE。ショップや特定のイベントのスタート地点などがある

 ゲーム開始時のチュートリアルでは、各地に用意されているイベントを転戦し、マウンテンバイクを筆頭に、ロケットウィング、スキー&スノーボードといったスポーツの操作感覚を身に付けた後、拠点となる「RIDERS RIDGE」を訪れる。基本的には自由にプレイできるタイトルとなるが、ここではちょっとしたストーリー展開も用意されている。

プレーヤーを導くキャラクター達も登場。要所でアドバイスをくれる

 フィールドは原則として自由に移動ができ、その移動手段は徒歩と選択中のスポーツのギア、そしてスノーモービルやパラモーターといった移動専用のギアが存在している。徒歩とギアの切り替えはボタンで瞬時に変更ができ、さらに状態を少し前まで巻き戻す「バックトラック」機能もあるので、移動は非常に快適だ。

 周囲のプレーヤーが常に表示されているフィールドはとにかく賑やかで、移動中でも競技中のプレーヤーの姿が見え、それを追ったりすることもができるが、もちろん干渉することはできないので、互いに安心してプレイができる仕様だ。

ほぼ制限なく移動できるオープンワールドのフィールド。競技はこのフィールドをそのまま使って行なわれる
競技中と思われるプレーヤーと遭遇することも。競技中は移動中のプレーヤーは見えなくなる
探索専用の乗り物も手に入る。スノーモービルは地上を走るのが速い
パラモーターはパラシュートと推進用のプロペラを組み合わせた乗り物。空から優雅にフィールドを眺められる

 フィールド上にはイベントと呼ばれる競技を行なえるポイントがあり、ここに赴くことでソロまたは最大6人までフレンドが参加できるセッションプレイが可能だ。競技内容は種目によって異なるが、単純にゴールまでの順位やタイムを競うレースのほか、トリックを繰り出してポイントを稼ぐ競技や、キャンプ内のチェックポイントを回ってフードデリバリーをする時間を競うといった特殊なルールな競技もあり、プレーヤーを飽きさせない。このイベントをクリアしていくことで新たなギアや、進行状況をアンロックするスター、衣装やスポンサーなどをアンロックできるクレジットが手に入るという具合だ。

マップ上にはプレーヤーと思われるアイコンが無数に表示されている。その中に見えるのがイベントだ
イベントごとに種目やルールの異なる競技が設定されている。ソロプレイでもゴーストのプレーヤーが対戦相手になる場合もある
フィールドがそのままコースになっているのがユニークで楽しい。レース中に競技が切り替わる複合レースもある
イベントの種目は様々。これは障害物の多いキャンプの中にチェックポイントがあり、それを全て通る時間を競うフリーデリバリー
イベントのクリアやサブ目標でスターを獲得できる。その数で進行状況がアンロックされていく

 中でもこのCBTで目玉といえるのが「マスレース」だ。これはフィールド上に一際大きなアイコンで表示されたイベントで、最大32人がマッチングしてリアルタイムで競争する大規模レースだ。コース上で競技が瞬時に切り替わるという、現実にはあり得ない複合レースが展開され、通常のイベントとはまた違ったスピード感やテクニカルなプレイフィールを楽しめるものであった。得られる報酬も多く、プレーヤーが増える製品版ではさらに盛り上がりを見せるのではないだろうか。

マスレースは、マップ上で一際目立つアイコンで表示。ゲーム中に開始の通知も来る
1度に32人が参加。プレーヤーがひしめくスタート直後は大迫力だ
複数のレースが組み合わさったレースは、チェックポイントで瞬時に種目が切り替わるのが痛快だ
複数のラウンドが行なわれ、その総合成績で順位が決まる。上位に入れば得られる報酬も多い

プレイフィールの異なるアウトドアスポーツに自由に挑める

 ここからは今回プレイできた競技について触れていきたい。「バイクレース」はマウンテンバイクに乗って山岳や丘陵などの坂道を下るダウンヒル競技で、ジャンプ台などでトリックを決めることもできる。使えるギアの中には舗装路を高速で走れるロードバイクがあるのも面白いところだった。フィールドには「トライアル」という、アスレチック的なコースを走るポイントもあり、バラエティに富んでいる。

マウンテンバイクによる高速レース。スプリント(ゲージを消費する加速)やドリフトなどを駆使した加減速がレースのカギとなる
トリックももちろん可能。後述のスノートリックと比べ着地の難易度が高めなぶん、決まると気持ちがいい
ロードレーサータイプのギアもある。舗装路を走るときに選ぶのが基本だが、悪路でも意外に走れる
フィールド上に設置されたトライアルのコース。速度ではなく、ジャンプやバランスなどのテクニックが重要だ

 「スノートリック」はスキーとスノーボードを使った競技で、雪原を滑走し、スピードやトリックなどで競い合うというもの。スキーとスノボは装備するギアによって好みのものを選択可能で、そのスピード感は今回体験できた中でもトップクラスだ。短いコースを滑走しトリックのポイントを競うイベントも用意されていた。

移動時は雪原でなくても移動できるが、イベントのコースは雪原が設定されている
トリックはエアー、グラブ、グラインドなど多彩。ボタンの組み合わせで簡単に出せる

 「エア」は空中を飛行するロケットウィングやウィングスーツによる競技で、規定のコースではなく空中にあるチェックポイントを通過してゴールを目指すというルールが基本となっている。前者は翼が装着された小型のジェットエンジンを背負って飛行する競技で、後者はムササビのような姿になるウェアを装備して空中を滑空する競技である。ともに空中を自在に飛行できる気持ちのいいスポーツだが、障害物の周辺にチェックポイントが配置されていることもあり、油断すると激突したり、チェックポイントを逃してしまったりすることもある。小回りが利かず、制御がしづらいのがこれら競技の難しいところだ。

ジェット噴射で空中を飛ぶロケットウィング。あまり小回りが利かないため、チェックポイントを逃すとバックトラック(巻き戻し)を余儀なくされる
高速で空中を滑空していくウィングスーツ。地面すれすれを飛ぶとポイントが入るが、地面は平坦ではないので簡単にはいかない
風を受けてブレーキをかけつつ、一旦上昇をすることでさらに加速ができるという特殊な操作系を持っている

 これら競技の操作はカジュアルで、この手のゲームに多少の心得があるならすぐに身に付けられるはず。エアトリック後の着地やグラインド時にレールへの着地をオートでやってくれる、ビギナー向けのモード(代わりにボーナスが付与されない)もあり、非常に遊びやすいものであった。

チュートリアルではいくつかのバイクやスキーなどのイベントを体験。再度チャレンジもできる

 アウトドアスポーツとオープンワールドを融合した「STEEP」のいいところをよりカジュアルにデザインし、多くのプレーヤーが気軽に入っていける“遊び場”ように作り込んだゲームデザインが特に優れていると感じられた。イベントによってはソロの競技でも他のプレーヤーのゴーストを用意するなど、レース感を上手く演出していて、フレンドとのプレイならさらに盛り上がるのは間違いない。フィールドを探索してしながら気まぐれに楽しむのもよし、フレンドとともにイベントを転戦するのもよし、マスレースで多人数対戦の真骨頂を味わうもよし、自由度が高いのも嬉しいところだ。参加プレーヤーが多いほど楽しめるものとなるのは間違いないので、リリース後の積極的なイベントの開催やリワードの配布といった、プレーヤーを長く飽きさせない運営にも期待したい。

テストではあるが、爽快で心地のいいゲームプレイを体験できた。製品版リリース後の盛り上がりにも期待大

 10月の発売までもう少し時間があり、いずれオープンβテストなども行なわれることとなるだろう。今回のCBTに参加できなかったという人は次のテストの機会を待っていてほしい。