「テイルズウィーバー」運営チームインタビュー
新コンセプトダンジョン「ネオテシス」第1弾を7月29日に実装

7月14日収録




 株式会社ネクソンはMMORPG「テイルズウィーバー」において7月29日に新コンセプトダンジョン「ネオテシス」第1弾となる「失われた記憶の博物館」を実装する。今回、実装に先がけマーケティング担当のネクソン事業部マーケティング1チーム坂下智久氏と、運用担当の運用部ゲーム運用チーム糸井詩織氏にインタビューを行なった。

 ネオテシスは「テイルズウィーバー」に新たな物語を提供する高レベル向けのコンテンツ。レベル180以上のキャラクターが4人でパーティーを組むことで、「時空の歪み」に対する謎へ挑戦できる。今後は、登場キャラクターの過去のエピソードが語られるなどよりストーリー要素を重視していくということだ。



■ レベル180以上のキャラクター向けの新コンテンツ「ネオテシス」始動。今後はキャラクターや世界の過去も明らかに?

ネクソン事業部マーケティング1チーム坂下智久氏
ネクソン運用部ゲーム運用チーム糸井詩織氏
ボスキャラクター「記憶を司る女神ムネーモシュネー」のイラスト

 「テイルズウィーバー」は11人のキャラクターが織りなすストーリーを楽しむという、他のMMORPGとは異なった特徴を持つ作品である。プレーヤーは11人のキャラクターから1人を選び、彼らのストーリーを追っていくことができる。もちろんレベル上げやパーティー、ギルド戦やアイテム合成など他のMMORPGと同じような要素も充実している。

 7月29日からスタートするネオテシスは新しいストーリーをもたらす“コンセプトダンジョン”だ。このダンジョンは4人での挑戦が可能で、参加するプレーヤーは「騎士ヒルトルード」、「盗賊カノープス」、「魔導士ブラウベルト」、「賢者アイリ」の4人のキャラクターのスキルを得てダンジョンに挑むことになる。

 第1弾では「失われた記憶の博物館」と呼ばれるダンジョンが実装される。4人パーティーを組むことが入場の条件で、“待機室”からダンジョンに入ることになる。待機室には騎士や盗賊用のオブジェクトが置いてあり、ここに自分のキャラクターを置いてスタートを待つのだ。リーダーが転送装置を作動させると4人のキャラクターはダンジョンへ移動する。

 ダンジョン内では受け持ったキャラクターの専用スキルが使用できる。自分とオブジェクトのキャラクターの戦闘スタイルが一致する必要はなく、槍を使う接近戦型のシベリンが、魔導士ブラウベルトの能力を持ってダンジョンに入るという選択も可能だ。どういった組み合わせが攻略に役立つのか、プレイスタイルにフィットするかを模索するのも楽しいだろう。

 このダンジョンでプレーヤー達は王室魔法研究所からの依頼を受け、「歴史ハンター」として時空の歪みに挑戦する。時空の歪みは何故発生しているのか、過去の世界の真実とは何か。様々な謎を解明するため、ダンジョンに挑んでいく。第1弾の「失われた記憶の博物館」は新しいプレイスタイルに慣れ、4人で戦う楽しさを体験するという位置づけでストーリー的な要素はほとんどないが、今後は歴史の謎や、各キャラクターの過去なども語られるようなコンテンツが追加される予定だ。

 「失われた記憶の博物館」には、初級、中級、上級の3段階の難易度設定があり、難易度によって敵の強さが変わってくる。上級にすれば難しくなるが、その分報酬も大きくなる。1回のプレイは30分~1時間ほどのボリュームになるという。ダンジョンにはいくつかの中ボスと、最奥部にはボスキャラクター「記憶を司る女神ムネーモシュネー」がいる。ダンジョンをクリアすると様々な報酬をゲットできる。

 クエストをクリアして得ることができるボーナス経験値は、初回クリア時にしか得ることはできないが、ダンジョンでの狩りで得られる経験値は高めで、また入る度に報酬をもらえるのでコアプレーヤーは何度もダンジョンに挑戦することになるだろう。報酬は騎士、盗賊、魔導士、賢者のそれぞれの装備アイテムや、“ネオテシスポイント(NP)”である。このポイントは便利な消費アイテムを購入することができたり、ダンジョン内のみ使用できる特別スキルを上昇させることに使える。

 「失われた記憶の博物館」の注目ポイントはプレーヤー達がそれぞれ今までのキャラクターのスキルに加えて、騎士、盗賊、魔導士、賢者のそれぞれの新スキルを獲得する所だろう。既存の能力と新スキルをどのように組み合わせ連携していくかは、これまでの戦いとは全く違った感触となるだろう。パーティー構成に合わせて入る度に別の職業を担当してもいいし、ポイントを使うことで1つの職業のスキルを重点的に上げてもいい。ネオテシスでの戦い方を覚えて次のダンジョンを待つことになるだろう。

 「このネオテシスが導入される理由は“プレーヤー層の2極化”があります。『テイルズウィーバー』はストーリーが魅力ですが、ストーリーを楽しむ層の他に、キャラクター強化とアイテム収集に特化しレベル上げを熱心にしている層があるんです。レベルは凄く上なのにストーリーは全く進めていなくて、初期のストーリーを紹介した場合でも『ネタバレはして欲しくなかった』と言われたことがあります。高レベルユーザーの方にストーリーへの興味を持ってもらいたい、というのがネオテシスのコンセプトです」と坂下氏は語る。

 「今回はストーリー要素はあまりありませんが、今後はキャラクターの過去が明らかになったり、世界の過去のストーリーが描かれたり、メインシナリオで説明されていなかった部分が語られたりする。メインストーリーはこれからも続けていきますが、ネオテシスではストーリーが更に補完されていきます。外伝とも言うべきストーリーが展開することで、メインストーリーへの期待が高まるようにしていきます」と続け、今後の予定としては、可能ならば年末までに第2弾のコンセプトダンジョンを投入したいという。


ダンジョンに入るための待合室。それぞれ担当するキャラクターの所に立つ
「失われた記憶の博物館」は、数体の中ボスとボスキャラクター「記憶を司る女神ムネーモシュネー」が待ち受けるダンジョンだ。新スキルを駆使しつつ、4人で連携しながら進んでいこう


■ これからの「テイルズウィーバー」、髪型変更やNEXONポイントでのアイテム取引も

白いカーバンクルとヒヨコのようなゼリッピのぬいぐる。日本でもグッズ展開などして欲しい
実装を予定している髪型変更。キャラクターのバリエーションが更に広がる

 今回はネオテシス以降のアップデート要素も少しだけ明らかになった。ひとつは「髪型の変更」である。これまで「テイルズウィーバー」ではウィッグや帽子といった形で髪型を変えたのだが、走ると髪がたなびいたりとより凝った描写が可能になった。バリエーションも多く、色も変えられるためこれまで以上にキャラクターの外見が変えられるようになる。

 もうひとつ検討しているのが「メイプルストーリー」でNEXONポイントを使ってゲーム内のアイテムをユーザー達が取引できる「メイプル・トレードスペース」と同じトレードシステムの「テイルズウィーバー」への導入である。現金と等価のNEXONポイントを使うシステムの導入であるが、坂下氏は「メイプルストーリー」の実績を踏まえた上で、安全に交換できる場所を提供したいと語る。こちらは秋までに実装したいという。他のサーバーとも取引できるようにする予定だ。

 現在の「テイルズウィーバー」の課題は「BOT、バグ利用の不正ユーザーへの対処」の2点だ。昨年から継続的に取り組んでいる問題で、トレードスペース導入も詐欺行為への対策だけでなく、RMT業者に対処する意味を含ませているという。

 また、ユーザーからの要望が多いのは「新キャラクターの投入」だ。「イサック」という武道家キャラクターで数年前からアナウンスされているもののまだ具体的には動いていない。もうひとり「アナイス」というキャラクターが発表されているが、ネオテシスが先行しているのが現状だ。新キャラクターが出ることでのゲームバランスや装備など様々な要素など、世界全体へ与える影響が大きく、軟着陸させる方法を模索しているため実装が遅くなってしまっているとのことだ。

 ネオテシス自身、従来のように各キャラクターとしてのストーリーを見るのか、それとも全体的なストーリーがあるのかもまだ明らかになっていない。何とか年内に、という第2弾のコンテンツでその方向性ははっきりしてくるようだ。

 ファンに向けては年末までに設定資料集の販売を予定。開発側による資料の提供や日本側で作ったイラストへの許可がよりスムーズになり、広報活動がよりしやすくなったという。日本向けに関しても韓国からの提案も活発になった。設定資料集は描き下ろしのイラストも多く収録されるとのことだ。

 「テイルズウィーバー」は今年の2月に大規模なオフラインイベントを開催した。これまでのオフラインイベントは比較的小規模だっただけに来年のイベントも期待がかかるが、未定だという。「この前は5周年記念として気合いを入れて開催しました、特にコンサートはお客さんからも好評で次のプレッシャーも感じています。それでもユーザーさんに直接触れると、ユーザーさんの笑顔や応援から勇気をもらえますね。韓国ではオフラインイベントというものがないので、開発者達も凄く喜んでくれます。地方のユーザーさん向けの小規模なものがいいか、など様々な点で検討しています」。

 「応援という意味では、コンテンツに関しては韓国よりも日本の方が先に実装するという状況になりました。今後の開発のためにも、是非ユーザーの皆さんからご意見をいただきたいのですが、どういった部分がいいのか、どういったところを気に入っているのか、好きなのかを教えて欲しいですね。バグの報告や不具合の指摘、バランスの部分などお叱りをいただく部分はもちろん対応していきますが、どういったところを伸ばしていくのがいいかに関しても、開発に意見を届けていきたいと思っています」と坂下氏は語った。

 ユーザーへのメッセージとしては糸井氏が「これまではチャプターという形でアップデートが進められていましたが、ネオテシスや鬼哭の城など新しいダンジョンが増えていきます。今後も楽しみに待っていてください」と語った。新しいストーリーがどう展開していくかも楽しみだ。


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(2009年 7月 17日)

[Reported by 勝田哲也]