インタビュー

MMO×荒廃都市×巨大ロボシューター「シンダーシティ」メールインタビュー

多くのプレーヤーが同時に車両やヘリに乗るシューターを目指す

【シンダーシティ】
2026年 サービス開始予定
利用料金:未定

 NCSOFTが2026年にサービスを予定しているPC/コンソール用オープンワールドタクティカルシューター「シンダーシティ」。荒廃したソウルの街を舞台に、ギャングやモンスターと銃撃戦を繰り広げていく。

 韓国の釜山で開催されたゲームイベント「G-STAR2025」で、本作の1人用モード「キャンペーンモード」が試遊出展され、弊誌ではこちらの体験レポートを掲載している。そして今回、NCSOFT「シンダーシティ」統括プロデューサーのペ ジェヒョン氏へメールインタビューを行なった。

 G-STAR2025のデモで体験できた範囲は1人用モードの一部だったが、インタビューではMMOパートや地下世界における構想などについても聞いている。2026年期待のMMOシューターとして、ぜひご注目いただきたい。

NCSOFT「シンダーシティ」統括プロデューサーのペ ジェヒョン氏
【[CINDER CITY] 공식 시네마틱 트레일러 | 2025 지스타】

多くのプレーヤーが入り乱れるシューターを目指す

――G-STAR2025での試遊出展について、来場者の反応はいかがでしたか?

ペ ジェヒョン氏:G-STARに出展した最大の理由は、gamescomでのみ公開された内容を見て、韓国のゲーマーも気になっているのではないかと思ったからです。来場者の反応は大きく二つに分かれました。

 一つは「NCが初めて開発するシューターゲームなのにクオリティが高くて驚いた」という声が多かったこと、もう一つは「現在プレイしているゲームと比べて不足している点を指摘してくれた」という点です。

 また、gamescomビルドを直接プレイした一部の記者の方々からは「2〜3か月の間に多くの部分が改善された」というフィードバックもありました。

――今回はキャンペーンモードのデモでした。マルチではなくなぜこちらを出したのでしょうか?

ペ ジェヒョン氏:ゲームショウでの試遊は、時間やゲームに没入するための環境など様々な制限があります。

 そのため、短時間プレイに最適化されており、ゲームのイントロの役割も担うキャンペーンの中から一つを選びました。


G-STAR2025に出展したデモのスクリーンショット

――「ディビジョン」シリーズ(Ubisoft)が好きなので、キャンペーンモードはかなり好みでした。「ディビジョン」のような、装備が近未来的でありつつ、陰謀が渦巻くようなストーリーを期待したいのですがいかがでしょうか?

ペ ジェヒョン氏:最初のゲーム方針は、世界観と設定を忠実に作りつつも、ストーリー進行に大きく比重を置くものではありませんでした。

 しかし開発が進み、MO27Q3キャラクターを“ヒーロー”として設定する中で、より深みのあるストーリーを作る流れになりました。


ビジュアルは「ディビジョン」を想起させるものがある

――「ディビジョン」と共通するところ、まったく異なるところの両方を教えてください。

ペ ジェヒョン氏:私も、UbisoftのTPSが好きです。3人称シューターを開発するなら、Ubisoft作品や「ギアーズ・オブ・ウォー」、そしてジャンルの原型と言える「バイオハザード4」を外して語ることはできません。3人称のカメラ視点や近未来を扱う点、SF的な装備を使用する点は共通点と言えるでしょう。

 「シンダーシティ」の開発目標は、車両やヘリの搭乗が可能で、最大限多くの人が一緒にプレイできるオープンワールドを作ることでした。この目標が開発難易度を上げた側面もありますが、最終的には結果に満足しています。一人ではなく、多くのプレーヤーが歩いたり乗り物に乗ったりして移動・戦闘することがゴールだったからです。


ヘリも登場する

――キャラクターや世界観がかなり作り込まれているように感じました。プレーヤーは、ストーリーをどのように体験していくことになるのでしょうか。

ペ ジェヒョン氏:キャラクターにはそれぞれ名前・外見・個別ストーリーがあります。5〜6人のキャラクターがリリース時にプレイ可能な見込みで、キャラクターごとに最低1つのキャンペーンが用意されます。

 オープンワールドにも主人公キャラクターと共通のミッションを提供する予定です。キャンペーンとオープンワールドを分けて説明すると2つのモードがあるように見えますが、実際にはそうではありません。ゲームを開始するとストーリーが進行し、キャンペーンが終われば自然に次の段階に移行します。

――キャンペーンモードはどのくらいのボリュームになるのでしょうか? MMOパートのチュートリアルのような形なのか、それともキャンペーンモード自体もメインコンテンツのひとつとして進行していくのでしょうか。

ペ ジェヒョン氏:当初はチュートリアル要素を含む短いイントロとして開発が始まりました。しかし開発が進み、プレイ時間が伸びていく中で、「1回遊んで終わらせるにはもったいない」という意見が出て、他キャラクターのストーリーも作ろうという結論になりました。

 難易度を入れればリプレイ性も生まれ、達成度に応じて実績や報酬を設定すれば、立派なプレイ目標にもなりプレイタイムも確保できます。

装備画面

屋外、屋内では異なる戦闘体験に

――マルチプレイ部分はどのようなプレイサイクルになるのでしょうか? もっと詳しくMMOパートについて教えてください。

ペ ジェヒョン氏:ストーリーイントロの役割を持つ最初のキャンペーンが終わると、そのまま自然にMMOが始まります。

 MMOをプレイした経験がある方なら、スムーズに適応できるでしょう。移動しながらメインストーリーに関連するエピックストーリーを進めるのが主流になりますが、探索や協力プレイ、ボス討伐に集中することもできます。

――地上世界と地下世界の違いは? キャンペーンモードでも地下世界へ向かうことになるのでしょうか?

ペ ジェヒョン氏:シューターゲームであるため、射撃を含む戦闘体験を基準に地上と屋内/地下コンテンツを分けました。地上は視界が広く、射撃距離が長い戦闘が中心になります。反対に屋内は狭い視界・短い射程・近接戦闘を中心に設計しました。

――地上でのギャングの敵と、ゾンビのような敵の違いについて教えてください。

ペ ジェヒョン氏:地上と屋内の戦闘体験を差別化するため、地上では遠距離武器を使う人型の敵が最適でした。しかし屋内は異なります。狭く短い視界の中で、プレーヤーに距離を詰めて強い圧迫感を与える敵を作りたかったのです。

 その結果、人間ではない・素早い・簡単に死なない……といったタイプを求める中で、ゾンビのような敵など、さまざまなクリーチャー型の敵が生まれました。


地下(屋内)では、地上とは異なる戦闘体験が待つという

――ブースにも登場した巨大メカに関しての情報が出ていません。これはどういった存在になのでしょうか。プレーヤーは操作できますか?

ペ ジェヒョン氏:はい、搭乗可能です。ただし味方や敵などのNPCとしても登場します。

 開発室でも、パワーロード(展示された巨大メカ)が本当に素敵で印象的に制作されたと感じています。実はG-STARが終了したら破棄する予定でしたが、事務室に展示しておく予定です。


G-STAR2025における、「シンダーシティ」ブースに登場した巨大メカ。ゲーム内では搭乗できるようだ

CBTは2026年初頭より順次スタート

――日本でのサービス展開予定について、改めて教えてください。

ペ ジェヒョン氏:グローバルリリースを目標としているため、全世界同時サービスを準備しています。特にPC版については、全世界同時サービスが開始されると考えています。

――事前のテストも準備中と聞きました。いつごろ、どのような内容を予定していますか?

ペ ジェヒョン氏:現在は社内テストを行っていますが、来年初頭からCBTを開始する予定です。地域ごとにCBTを順番に実施することを目標としており、可能であれば日本でのCBTも行いたいと考えています。

――本作はPCとコンソールで展開と発表済みです。PCとコンソールでサービス日程に差はありますか?

ペ ジェヒョン氏:コンソールについてはまだスケジュールとリリース時期を協議している段階です。可能であれば同時リリースをしたいのですが、サービスやリリースには開発以外のさまざまな要素が関わるため、現時点で具体的な日程をお伝えするのは難しい状況です。

――ゲームパッドへの最適化は行う予定ですか?

ペ ジェヒョン氏:開発初期からパッド対応を行っています。現在も設定を変更すれば複数メーカーのパッドが使用可能です。

――ありがとうございました。

プレイ風景やストーリーに期待したい