インタビュー
いよいよ次の拡張へ! 「FFXIV」パッチ7.4、吉田直樹氏インタビュー
ヴァリアントダンジョン刷新やミラプリ制限撤廃など、変化していくゲームのこれからを聞いた
2025年12月4日 17:00
- 【ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー】
- パッチ7.4「霧の中の理想郷(アルカディア)」
- 12月16日実装予定
スクウェア・エニックスは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Windows/Mac/Steam用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のメジャーアップデート、パッチ7.4「霧の中の理想郷(アルカディア)」を12月16日に実装する。
これまでの拡張パッケージの例に倣うと、今回のパッチ7.4は次のパッチへのストーリーが始動するアップデートとなるはずだ。すでに発表されているメインストーリーのスクリーンショットには新キャラや見慣れないエリアが映っており、動き始めた新たな冒険を予感させる。
また、このパッチでは8人レイドの最終章となる「至天の座アルカディア:ヘビー級」が実装される。キャラクター人気の高いレイドだけに、今回はどんなクセつよ闘士が現れるのかにも注目したい。
さらに、システムを刷新した新たなヴァリアントダンジョン「商客物語」も登場する。こちらはアドバンスド・ヴァリアントダンジョンという新しい仕組みと、本の中に入るという斬新な映像表現などが見どころだ。
この原稿では、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にインタビューして、上記のほかパッチ7.4の注目ポイントを聞いてきた。
プロレス風アートに込めた意図とは?
――まず今回のパッチ7.4のタイトル、「霧の中の理想郷(アルカディア)」というタイトルと「Into the Mist」という英語のタイトルに込めた意図を教えていただけるでしょうか。
吉田氏: これはパッチを表すイメージアートにも関わってくるのですが、今回はレイドシリーズの「至天の座アルカディア」が完結編を迎えます。今回のレイドシリーズは、そもそもキャラクターの個性が強かったこと、BGMも含めてキャラクターを引き立てるようなバトルが多かったこともあって、キャラクター人気が非常に高いシリーズだったという手応えがあります。今年も世界中の様々なゲームイベントに参加をさせてもらいましたが、どこに行っても「アルカディア」のキャラクターたちのコスプレを大変多く拝見しました。
今回はその第3弾の完結編であるということ、またパッチ7.3で「黄金のレガシー」のメインストーリーが一区切りしたということもあり、今後はファンフェスティバルを迎えて次のパッチへと進んでいくことになります。であれば、今回はパッチアートに関しては、メインクエストを示唆するよりも「アルカディア」の最終章であることにフォーカスしようということで、WWEやWWE主催のレッスルマニアなど、プロレスの試合ポスターみたいなイメージで仕上げました。そうであればパッチタイトルにもアルカディアという言葉を入れようと。
「理想郷」と書いて「アルカディア」と読ませることで、実は少しだけメインクエストにも関わってきます。誰にとっての理想郷なのかというところは伏せさせていただきますが、メインクエストを最後までプレイしていただければ、この理想郷という言葉がしっくりくるのではないかと思います。
「霧」という単語に関しては、これもネタバレになってしまうので難しいのですが、意味があってそうさせてもらっています。今回はメインクエストを遊んでも、レイドを遊んでもしっくりくるパッチタイトルになっているのではないかと思っています。
――プロレスのポスター風パッチアートは吉田さんからのオーダーなのですか?
吉田氏: タスクが多すぎて、ここ3パッチくらいはシナリオチームでアイデアを何案か出してもらって、僕の方で肉付けをしていくという形にしています。今回はシナリオ側から「プロレスポスター風はどうでしょう?」と話があって、それを宣伝チームが取りまとめてくれて、僕が確認をするという形で進めました。
――メインストーリーはネタバレになるので話せないことが多いと思いますが、見どころなど可能な範囲で教えてもらえますか?
吉田氏: ちょうど昨日の夜中にメインクエストの全チェックが終わったところですが、演出もセリフも含めてすごくいいまとまりになったと手応えを感じています。
物語全体を見た時に、この7.4が転換期でまさに始まりという形でありつつも、「暁月のフィナーレ」から「黄金のレガシー」までの冒険を通じて残った1人のキャラクターを描き切るためのパッチでもあります。新生「FFXIV」から暁の血盟のメンバーは、「2.X」のラストで一度散り散りになってからまた戻ってきて、「漆黒のヴィランズ」まででそれぞれのキャラクターが抱えているものや想いを丁寧に一人ずつ描いてきて、「暁月のフィナーレ」までである程度は描き切ったと思っているのですが、まだそれが足りていないキャラクターもいると思っています。そこに焦点を当てつつ、特にラスト付近からは次の大きなうねりに向かって急加速を始めるので、その両面を楽しみにしていただけるとありがたいと思っています。
――ファンフェス前のX.4は、伏線だけあって謎解きがない、ある意味一番謎が多いパッチかなと思います。色々と考察が楽しいパッチでもありますね。後から見たら、ああこれだったんだ思えるような要素がたくさん詰まったパッチになっているのでしょうか?
吉田氏: 7.4のラスト付近に行けば行くほど、たぶんそう思っていただけるのではないかという気がします。平和で良い話だったねと思いきや……みたいな感じなので楽しみにしていただければ。
――発表されたスクリーンショットでは、リビングメモリーのような場所に飛空艇が浮かんでいましたが、次回のパッチの舞台は第九世界ということですか?
吉田氏: 皆さんおおかた予想されているところはあると思いますが……。第九世界は一部が切り取られる形で原初世界と混じっています。ただし、リビングメモリーは黄金郷の先にある第九世界側に存在しているので、果たしてその周辺はどうなっているのか……ご想像しつつ、公開を楽しみにしていただけると嬉しいです。
ただ、「黄金のレガシー」の続きというよりは、次のステージへのブリッジになっていると思ってもらえるとよいかと思います。
――今回の討伐・討滅戦「グラシャラボラス討滅戦」はメインストーリーの中で戦う敵になるかと思います。この敵は、冒険の中でたまたま出会った敵なのか、それとも今後の物語の中で重要な意味を持つ敵になるのでしょうか?
吉田氏: 光の戦士や暁にとっては、ずっと引きずるような敵ではないかもしれませんが、光の戦士が向かう先で暮らす人にとっては仇敵のような存在ではあります。
今回は列車型ということで、演出もかなり凝っています。最初はてんやわんやでそれどころではないかもしれないですが、落ち着いたのちに、周辺などもじっくりご覧いただけると嬉しいです。
――元ネタの召喚獣の演出通りなら、プレイヤーは轢かれてしまうんでしょうか?
吉田氏: そこは当然「FFXIV」チームなのでオマージュ全開ではあります。ゲーム性的に、みなさんどうしても目の前のものに集中してしまいますが、周りの様子もよく見ていただけると、色々な演出が映えると思います。
――顔のインパクトがすごいので、どうしてもそこに気が向いてしまいそうですね。「第89回 FFXIVプロデューサーレターLIVE(以下、PLL)」でも色々なところを見たほうがいいと言われていましたが、この言葉の意味するところはギミックへの注意喚起ですか?
吉田氏:どんな攻撃を仕掛けてくるのかという時、詠唱バーとか地面の予兆だけを見ていると大変かもしれません。グラシャラボラス本体もちゃんと見つつ、色々なところに気を配っていただきつつ戦っていただきたいと思っています。
「アルカディア」完結編!タッグマッチで挑んでくる闘士も!
――次は「至天の座アルカディア:ヘビー級」についてお伺いします。まずは零式のスケジュールが変更になったことで、難易度に変更があるのかどうかを改めて教えてください。
吉田氏:バランス調整というかギミックの考案という意味では、いつも通りの第3弾で完結編にあたるレイドという考え方で作られています。これまでのレイドシリーズでは、第1弾よりも第2弾は歯ごたえがあり、第3弾はそれを踏まえた難度にしてきました。パッチ7.Xでは「より自由な発想で、面白いバトルコンテンツ制作を行う」という観点から、この段階的な難度上昇はあまり意識しないようにしています。リリーススケジュールはこれまでと少し異なりますが、それを理由に特別難しくしようとか、簡単にしようという意識は働いていないです。
ストーリーは新キャラも含めて勢ぞろいという形になるので、ストーリー部分も楽しんでいただけるように作っています。
これまで同様のレイド公開スケジュールももちろん検討し、物理的にはリリース可能ではありました。しかし、その場合にはクリスマスシーズンとなってしまうため、我々は可能であっても、関係各社様が休暇となっており、万全のサポート体制がとれないということと、去年のクリスマスに「滅暗闇の雲激闘戦」をリリースした際に、世界中のプレイヤーさんから、めちゃくちゃ怒られてしまったのです……(苦笑)。ご家族と過ごす時間を大切にしてもらうためにも、年明けに完璧なサポート体制の状態でリリースしようということを決めました。
ただし、従来よりもパッチ7.4のリリースから「零式」公開までの間隔が空きますので、パッチリリースから零式公開までに皆さんが上昇させられるアイテムレベルもいつもと異なってきます。その分だけ、「初週クリア」を目指すような皆さんには、いつも通りの歯ごたえになるように数値調整は行っています。ですので、「想定よりも楽にクリアできる」ではなく、「いつも通りの歯ごたえ」だと思っていただければ大丈夫です。「いつもよりも間隔が空くから、装備集めは適当でいいや」とはなりませんので、その点だけご注意ください。
――今後、今回のフィードバックなどを受けて実装までの時間が長くなる可能性はありますか?
吉田氏: うーん、高難度レイドに何を求めるかは、プレイヤーの皆さんによって期待が異なります。
零式に挑んでくださる方の数はずっと増え続けていますので、一律のフィードバックにはならないかな、というのが現段階の予想です。
――今後はまたパッチ実装の1週間後というスケジュールに戻っていくのですか?
吉田氏: 「戻る」という表現は適切ではないと思います。先ほどご説明した通り、あくまでも今回は年末年始、クリスマスというタイミングに配慮してのリリース調整になっています。ですので、そういった理由がない限りは、引き続きベストだと考えるタイミングでのリリースを検討していきます。ただ、今後の「FFXIV」において、8人レイドのノーマルと零式という組み合わせや、現在のリリーススケジュールが未来永劫変わらないと聞かれると、イエスともノーとも言えません。
プレイヤーの皆さんのプレイ環境やライフサイクルに合わせてどう「FFXIV」を進化させていくかを、ゼロベースで話し合っている時期なので、これまで通りのリリーススケジュールがやはりベスト、となればそうしますし、もっといい方法が見つかればそれに合わせて変化していくと思います。
――今回すでに2人の闘士が発表されていますが、吉田さんのおすすめの闘士について、話せる範囲で教えてください。
吉田氏: 僕のおすすめ闘士は……まだ発表されていないですね(笑)。おすすめというか、ちょっと特殊で。プロレスといえばタッグマッチもあるじゃん……みたいな。そこのデコボコ具合というか、バトルコンテンツの作り方も含めて結構変わっていますので、皆さんの反応が楽しみです。
ストーリーは完結編なので、丁寧に作っています。果たして結末はどうなっているのか、黒幕はいったい誰なのかというところも楽しみにしていただきたいです。
「商客物語」ではコルヴォ地方のロアが楽しめる!
――次は新しいヴァリアントダンジョン「商客物語」についてお伺いします。今回からダンジョン構成が変わりましたけれど、改めてどういう意図があるのかを教えてください。
吉田氏: そもそもこれまでやってきたヴァリアントダンジョンの、特にハードは、蘇生制限が実装され、単純にパラメータがアップしただけということと、報酬が弱いということもあって、そこまで好評ではありませんでした。
我々がバランス調整コストをかけてコンテンツを作っても、プレイヤーの皆さんがそれを楽しめているかどうかでいうと、ちょっと中途半端だったのです。それが今回「商客物語」を作るうえで課題となりました。コンテンツ企画担当者から「コンテンツの構成やあり方を大きく変えても良いですか?」と聞かれたので、「変えることはまったく悪くないけれど、理屈をキッチリ詰めましょう」と。
ヴァリアントダンジョン自体は1人から4人の自由な人数構成で非常に好評です。カジュアルに遊んでくださっている方たちが、さらにステップ・バイ・ステップで前に進んでいるという感覚を持てるようなコンテンツってなんだろうと、コンテンツ担当者の方でもたくさんのパターンを考えてくれました。その議論の結果が、今回の「アドバンスド・ヴァリアントダンジョン」などになっています。
「アドバンスド・ヴァリアントダンジョン」では、道中の探索が無く、ノーマルにくらべて強化された3体のボスと戦い、踏破するコンテンツになっています。しかし、ルールとして3体のどれから戦っても構わないし、1体だけ倒してコンテンツ完了としてもよい、という新たなタイプのコンテンツルールになっています。「商客物語」でシナリオを楽しんでいただいたあと、「アドバンスド」に挑戦して、少しずつクリアして、上手くなっていく楽しみみたいなものを味わってもらえるといいなと。パーティ募集でも、例えば「ボスBだけ練習に行きましょう!」とか、「今回はボスCだけ行きましょう!」「ボスA/Bの連続撃破に挑戦しましょう!」などといった風に、工夫することができます。
今は皆さんの実社会での生活において、可処分時間が非常に少なくなっています。それを踏まえ、より短い時間で進行の手応えを感じられて、それぞれのボスをじっくり練習して、最後はまとめて倒すのに挑めるようになる。ただ、僕らはプレイのテストは繰り返し行っていますが、こういった「プレイ感覚が正しいかどうか」は、どうしても机上でのディスカッションがベースになります。この遊び方がどのくらい皆さんに歓迎されるのかは、実際にプレイしていただかないと分からない部分でもあります。ですので、リリースした上でフィードバックをいただいて、より良いゲーム体験を提供していくための第一歩にしようというのが、今回コンテンツ構成を変えた理由です。
――PLLでのコメントには、アドバンスド・ヴァリアントダンジョンをソロで遊びたかったという声が多かったように見えました。2人以上とした理由を教えてください。
吉田氏: 単純に面白いコンテンツにならないことが最大の理由です。ヴァリアントダンジョンのボスは当然ソロでも倒せるようにしてありますが、アドバンスドでもソロでクリアできる状態を保障しようとすると、ギミックを制作する上での制約があまりにも多くなり、「商客物語」本編に登場するボスよりも面白いものにならないのです。そうなってくると、アドバンスドの遊び応えってなんだろうという話になってしまう。ノーマルとの体験差を設けるためには、どうしても最低限2人くらいはいるという前提でなければ、面白い独立ボスコンテンツにならないのです。ソロプレイでは「頭割り」という概念のギミックすら作れず、かといってNPCとのパーティプレイでクリアできるようにしようとすると、完全にフルスクラッチのNPCを多数作らねばならず……というのが、最低でも2名とした理由となります。
ヴァリアントダンジョンはソロでストーリーを楽しめるようなコンテンツではありますが、その先にはやはりチャレンジングなコンテンツにだんだんと移行していって、マルチプレイの面白さも味わってもらいたいと思っています。
――今回、本の世界に行くということで、これまでにない世界観になっていると思います。PLLでも開発が大変だったとおっしゃっていましたが、どのような苦労があったのでしょうか?
吉田氏: 本の世界にいくというのは、なぜ彼女がその本を託されたのか、なぜその本には中に入ってしまうという魔法がかけられているのか、そしてその物語の中でどんな結末を迎えるのかという建付けと見せ方が非常に面白いのですが、やはり本の世界らしいガラリと見た目を変えたファンシーなファンタジー世界を作るのは難しかったです。
執筆は別の担当者ですが、石川夏子(「FFXIV」シニアストーリーデザイナー)がシナリオチームのリーダーとして、発注時の指揮などを執ってくれています。グラフィックスリソース発注会議時にその話をみんなの前でした時、BG班のスタッフたちの「本の中の世界はわかるけど、見た目をガラッと変えるって……という空気が一番しんどかった(笑)」と笑ってました。
グラフィックスアップデートをしたからこそできたことでもあるんですが、BG班も色々なパターンを提示しながら作り上げていきました。僕もチェックしたとき「よく作ったなぁ」と思わず呟いてしまうレベルでした。本当によくできていると思うので、皆さんにもじっくり楽しんでいただけるのではないかと思っています。
――舞台となるのはコルヴォ地方のようですが、コルヴォ地方はこれまでメインクエストでも何度が言及されています。グラ・ハの故郷ということで、ファンとして気になる場所だと思います。このストーリーの中でもそういったコルヴォ地方のロアなどが楽しめるのでしょうか?
吉田氏: かつてのコルヴォのロアはもちろんたくさん入っています。「FFXIV」の世界は地名として設定が登場してきたら、できるだけその場所にいけるようにしたいという思いがあります。いずれはメインストーリーの中で原初世界に関しても、鏡像世界に関しても語るだけではなく、表現していこうと思っているところではあります。コルヴォについてもまずは過去の姿だったり、そこに住んでいた人たちの考え方にまずは触れてみてもらえればと思います。冒険譚として面白くなるように作っているので、ロア好きにはたまらないコンテンツだと思います。
そういえば……もし前回のヴァリアントダンジョンをプレイされていない方は、もしよろしければ7.4の前にぜひプレイしてみて欲しいです。今回のメインクエストにも少しだけ絡んできますので、やっておくと味わいが増すのではないかと思います。
ミラプリ制限緩和を「やる」と決めた理由は
――ミラージュプリズムの制限緩和は、コミュニティにとってはかなり大きな発表だったと思います。ずっと昔のインタビューで、ジョブ専用装備はジョブのイメージを守るためにミラプリは開放しないというお話を聞いたことがあります。今回決断された理由を教えてください。
吉田氏: いくつか複合的な理由があってアップデートを行わせていただくこととしました。ですが、僕はゲームデザイナーとして、というか、「FFXIV」という「FFシリーズの世界」を預かっている立場として、竜騎士の装備は、やはり竜騎士だからこそ身に着けられるものであって欲しいし、初めてこの世界に飛び込んできた人が、ナイトのかっこいい鎧姿を見て「ナイトっていうジョブマジでかっこいいな!」と思って欲しい。着流しはやっぱり侍に着て欲しいな、というその想いみたいなものは変わっていないのです。
一方で、「世界戦略を掲げるオンラインサービス」として「FFXIV」を捉えたとき、「新生」から12年が経って、さらに次の10年を見据えた時、今まで当たり前だと思っていたものも、常に見直していくべきではないかと考えました。運営結果が良かったからこそ、これまで変えずにいたものも沢山ありますが、それですら「未来永劫そのままで良い」というわけではないのです。
今、もしくはこれから先にとって何が良いことなのか、何がベストなのかを改めて考えてみようとする中で、現在サービス中の我々のライバルに該当するコンテンツや、新たに出てくるMMORPGやオンラインRPGを一通り見直していった時に、現在のオシャレの自由度に対する運営側スタンスは、基本的にノールールなんだなと感じたんです。
僕が持っている「FF」のジョブに対するこだわりは、同じようにそれを大切にしてくださっている方、「FF」だからこそ大切にしてくださっている方ももちろんいらっしゃいます。ですが、それはプレイヤーサイドでこだわっていただければ良い、運営側としてルールで縛る必要はない、というのが現在のスタンダードと感じました。
10年以上という時が過ぎていく間に、キャラクターへのロールプレイという部分に対するこだわりは、(ジョブのイメージを守りたいという)運営側のこだわりよりも、(好きな服を着たいという)遊んでいる皆さんのこだわりのほうが強くなったんだなと改めて感じたのです。
自分は侍なんだから、絶対に着物しか着ないというロールプレイをするかどうかはプレイヤーの皆さんの自由で、それは開発や運営や他のプレイヤーの方が強要することではなく、広い選択肢を用意させていただいたうえで、遊び手である皆さんに委ねるというのが今やるべきことだろうと。これが一番の大きな理由です。
僕はもう50歳を超えてますが、10代中盤や後半、20代前半の人たちが、スマートフォン向けを含んだ他のオンラインゲームを遊んでから「FFXIV」にたどり着いた時、「なぜオシャレに関してこんなに自由度が低いの?」と感じてしまうのではないかと思うのです。
なぜなら先に遊んでいたタイトルでは、色々な装備を自由に自分のこだわりで組み替えられたのに、このゲームは特定のジョブやクラスやレベルという条件があって分かりづらいし、使いづらい。
もちろん大きな拡張のタイミングでアップデートするという案もあったのですが、指揮を執っている僕がそう感じた以上、「いや、待たずにすぐアップデートしよう!」と。もちろんファンフェスティバルの基調講演の舞台で「アップデートされ、オシャレがより自由になります!」と発表したほうが「ワーッ!」となるのですが、そうするとリリースまでにまた少し時間がかかってしまいます。だったら今すぐ楽しんでもらった方がいいだろうということで、今回のメジャーアップデートでの対応になりました。
あとは、こうした「オシャレへのゲーム的制限」を排除するためのMODツールが作られていて、「そのMODがあったからこそ、よりオシャレを楽しめていたんだ!」という方たちの声も拝見しました。僕はMOD文化については、これまでもコメントを出してきたようにまったく否定はしておらず、むしろ肯定派なのですが、それでもビジネスを阻害してしまう要素が入っているMODなどは、やはりルールに反すると考えています。
しかし、その一部「妥当性のある機能」に楽しみを見出している人たちの気持ちは同じゲーマーとして理解できるので、それであればオフィシャルとしてその楽しみを提供できれば、ビジネスを阻害するようなMODも生まれてこなくなり、使わなくてもよくなります。
こうした時代背景、MOD文化等を見たうえで、僕自身もゲーマーなので、僕の持っているこだわりは、基本変わりはしないけれど、それを押し付けるのではなく、皆さんの選択に委ねていこうと。それがアップデートを判断した理由になります。
地方「F.A.T.E.」はたぶん僕らが一番やりたがっている
――PLLで地方「F.A.T.E.」と「14時間生放送」について「何とかしたい」とおっしゃっていました。地方住まいとしてはぜひやっていただきたいと思っていますが、実際可能性はあるのでしょうか?
吉田氏: PLLでもお話した通り、「FFXIV」チームには、「地方F.A.T.E.」を開催できていた当時から関わってくれているスタッフが、開発/運営/宣伝にも多いのです。あの時のプレイヤーさんとの直接交流だったり、ご意見をいただいたり、小規模リアルイベントだからこその良さ、というのは我々としてもすごく思い出に残っています。色々な場所へ行って、その地方の文化に出会えたり。仕事で行っているとは言え、土日を潰して行っているので、「4時間くらいだけでもお城にいってきます!」という人もいれば、「水族館に行ってから帰ります!」という人もいて、僕らにとってもすごくいいイベントでした。だからなんとか復活させて、頻度が落ちたとしてもやりたいという思いはみんなにあるんです。
開催から遠ざかっている理由は、「FFXIV」がものすごく大きくなったことと、多分一番の原因は僕の立場が上がってしまったことだと思っています。会社役員になると役員会議だったり、投資判断の会議だったりと忙しく、当然部門の運営もありますし、その部門も「FFXIV」を中心に立ち上がった部門ではありますが、タイトル数も増えてくると、予算確認や評価を含めて関わらなくてはならないのです。さらに「FFXIV」は一年の中で2カ月くらいは海外出張があり、もちろん、本分である開発にもこれまで以上に時間を使っています。そうなると、「えっと……いつやります?」となってしまうのです。強行すれば、できなくはない、という感覚はあるのですが、準備や実施の時間、疲労を考えると、必ずダメージにもなってしまうだろうと。
当時はもう体育会系ノリでやってきたのですが、我々も歳をとりました(苦笑)「もう少し別の形でもいいから、近いことが実現できないか」、とコミュニティチームと宣伝チームが議論してくれていますので、それが実現できればな、と思っています。ただこれからファンフェスティバルがスタートするので、そうなるとどうしてもファンフェスティバル最優先ということになってしまいますから、それが落ち着いてからの話にはなってしまうと思います。ただやりたい気持ちはあります。
あの時の「F.A.T.E.」のあれがさ、と今でも話題に出ますので、本当、僕らが一番楽しみにしているのではないかという気がします(笑)。
――14時間生放送についてはいかがでしょうか?
吉田氏: 一応、今年もやるつもりだったんです……。案は結構でていて、それでいいんじゃないみたいなことは言っていたのですが、いつの間にか季節が過ぎゆき、やるタイミングなくない?という感じになってしまって。
――スケジュールの調整がとにかく大変なんですね。
吉田氏: 僕はプロデューサー兼ディレクターとして、メジャーパッチだと90時間くらいはチェックのために必要です。これを誰かに預けられれば使える時間は増えるのですが、イベントのためにそれを人に任せるのは違うと思うので。
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
吉田氏: 今回のメインクエストはまさに次に進んでいくためのブリッジになる部分で、お話としても非常によくまとまっていると感じています。しかしまずは今しか描けない物語なので「至天の座アルカディア」を見ていただきつつ、さあ次に向かって始まったぞ、という所を楽しんでいただければです。
前回実装したディープダンジョン「ピルグリム・トラバース」で新しい遊び方を実装して、遊び方やシステムのフォローが変わり始めていることを感じていただいていると思うのです。ミラージュプリズムの仕様変更なども含めて、今回のパッチでは「FFXIV」が本格的に次のステップに向かって変わり始めているというところを、ゲーム全体からも感じていただけるのではないかと思います。
この流れは止めずに、プレイヤーの皆さんの価値観と生活に寄り添って遊べるものへとさらに進化していきたいと思っていますので、ぜひそこをご注目いただき、プレイしていただけると大変嬉しいです。
――ありがとうございました!
(c)SQUARE ENIX
IMAGE ILLUSTRATION (c)YOSHITAKA AMANO
※画面は開発中のものです。














































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