インタビュー

「新生FFXIV」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(前編)

PS4のユーザーインターフェイス、その他細かい独自仕様について

PS4のユーザーインターフェイス、その他細かい独自仕様について

PS4版ではマウス/キーボードによるプレイも可能だが、その対応ハードについては、SCEJAが提供するドライバー次第になるようだ
PS4版のキーバインドメニュー
PS4はPS3同様にHDDの換装が可能。160GB以上のSSDなら換装することができるようだ
PS3版からPS4版へのアップグレードの受付は正式サービス3日前の4月11日から。まずは無料でβ版を試してみるといいだろう

――PS4版のUIについて質問です。まず、ゲームパッド用のUIであるクロスホットバーに関してはPC版やPS3版と完全に同じですか?

吉田氏:そうです。

――その上でさらにPS4版では、事前に公約として掲げていたマウス/キーボード操作にも対応しました。今回、せっかくのPS4版の試遊なのに、マウスとキーボードで遊んでいた人もいたぐらいですが、PC版のユーザーからすると、その出来具合は気になるわけです。今回の試遊ではPC版とまったく同じ感覚で遊べましたが、そこで気になるのが、今手持ちのPC向けのマウスとキーボードはPS4でもそのまま使えると考えて良いのか、それとも別途推奨ハードをお求め下さいなのか。そのあたりはいかがでしょう?

吉田氏:こればかりはある程度SCEさんの方針による部分も多くなると思います。専用のドライバを必要とするぐらい特化してしまっているゲーミング製品は厳しいとのことです。複数ボタンマウスやキーボードなど、コンフィグの割り当てて対応可能なものもあります。ぜひ、βテストの期間中にお手持ちの機器をテストしたり、ネット上で確認などしていただきたいと思います。

――あと面白いなと思ったのが、DUALSHOCK 4のタッチパッドの部分なのですが、これはボタンとして機能することは知っていたのですが、パッドの右端と左端にもさらにキーを割り当てられるのは嬉しい発見でした。タッチパッドだけで計3つのキーを割り当てられるということですか?

吉田氏:はい。PS4にはセレクトボタンがないので、標準ではセレクトを割り当ててあるのです。なのでコンフィグを開いて設定を割り当てればいいだけです。

――標準ではさらにR1、L1の順送りが割り当てられていますが、例えば右クリック、左クリックに割り当てたりすることも可能ですか?

吉田氏:いずれ割り当てられるようになります。

――つまり、マウス代わりとして使えるわけですか、これ便利ですよね。

吉田氏:便利だと思いますよ。カーソルの移動速度も変えられるので調整してみて下さい。

――リモートプレイではPS Vitaのタッチパネルによるカーソル操作に対応していましたが、こちらは画面表示が小さすぎてちょっと使いにくいなと感じたのですね。でもPS4のタッチパッドはかなり快適に操作できますね。

吉田氏:普通にマウスを同じように使えますからね。

――極端に言うとそういう遊び方をする人も出てきそうですね。

吉田氏:そうですね。例えばクロスホットバーをトグル操作にしておき、後はタッチパッドを押すだけという方もいるのではないでしょうか。

――PS4版は、HDDをSSDに換装して遊ぶと、さらに速くなりますか?

吉田氏:どうなのでしょうね。もともとSSDへの換装は「自己責任でお願いします」の世界ですし、ずいぶんPS4の宣伝をしてきたような気がしますが、PS4はSCEさんのハードなので(笑)。できることはできると思います。いずれは容量が足りなくなったHDDの増設とかいう話も出てくると思いますし。

――ただ、実際に遊んでみて、PS3版ほどSSD換装への必要性は感じませんでしたね。HDDではありますが、PS3と比べて非常に読み込みが速いですね。

吉田氏:速いです。それは間違いないですね。

――それはPS3からPS4へのアーキテクチャが変わったからですか? それともPS4版では何か工夫しているのですか?

吉田氏:単純に回転数が早いHDDを積んでもらっているというのと、僕らももともとできるだけ高速に読めるようにしていることと、後はやはりメモリが圧倒的に違うので。メモリの中の入れ替え頻度が少ないのも効果的に働いています。今回PS4はメモリが潤沢にあるので、最初からメモリに常駐化しておけるものの数が圧倒的に変わっています。そういうものはもうHDDから読み直す必要がないので、そのぶん速くなっています。

――私がPS3で遊んでいて1番ストレスだったのが、F.A.T.E.などの大勢がいる環境で、モンスターを含めてキャラクターがなかなか全然表示されないことでした。

吉田氏:それはメモリが空いていたとしても、物理的にハードディスクからハイクオリティなリソースを読み込もうとした時に、転送バスが細すぎて転送できないという物理限界に達してしますね。申し訳ないのですが、ハード限界ではあります。

――そこでSSDに変えたのですが、高負荷時の表示周り、ゾーンチェンジがかなり速くなったのですが、会社のハイスペックPCでやったらHDDなのにさらに速かった。結局今はPCで遊んでますが、今回試遊してみてPS4に変えようかなと思いました。

吉田氏:僕も会社ではPCで、家はPS4に変えようかと思っています。大きいモニターでプレイできるのが1番嬉しいですし、この画面サイズは魅力ですよね。

――HDDへのインストールサイズはPC版やPS3と変わらないのですか?

吉田氏:ほぼ変わらないです。

――いま現状でどれくらいになる見込みですか?

吉田氏:2.16のアップデートでどれくらいになるかですが、今だいたい12GBぐらいで、拡張パックを後で入れることを想定した上で、トータルで40GBを空けておいてくださいということになっています。

――PS3ユーザーさんには、「これを機にぜひアップグレードしませんか?」というのが正直な所ですか?

吉田氏:そうですね。PS4本体を購入した方は、順次ぜひご検討下さい。そのために無料アップグレードキャンペーンがありますし、各社様から恨まれることになってまでご用意したサービスなので(笑)。

――それは無料なのはズルいってことですか?

吉田氏:はい(笑)。本来はSCEさんの自社タイトルでもそうですが、どのタイトルでもPS3版からPS4版へのアップグレードは10ドルくらいかかります。弊社とSCEさんで色々検討して、なんとか実現にこぎ着けました。

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(中村聖司)