インタビュー
セガネットワークス編成局副部長 秋山隆利氏インタビュー
キャラクターについて。200人超のキャラすべてにストーリーを用意!
(2013/7/16 00:00)
キャラクターについて。200人超のキャラすべてにストーリーを用意!
――ストーリーを紡ぐ上で重要となるキャラクターについてですが、総勢何人ぐらい登場する予定なのですか?
秋山氏: 今の段階では200名超まで増えたのかな?
――200名! そんなにいるのですか。
秋山氏: 実はまだ増えています。どんどん増やしていると言う感じです。
――キャラクターイラストは何人くらいで描いているのですか?
秋山氏: すごい人数がいます。70人ぐらいはいると……。
――70人のキャラではなくて、70人の絵師さんにお願いしているのですか?
秋山氏: そうです。
――となると、「三国志大戦」シリーズみたいに、それぞれの絵師さんがそれぞれの解釈で自由に個性を発揮してキャラクターを描く世界観なのですね。
秋山氏: そうですね。
――仮に200名キャラクターがいるとすると、このイラストが200枚あって、なおかつ、200体分の3Dモデルデータがあるわけですか?
秋山氏: はい。さらにこのキャラクターごとのシナリオが全部用意されています。メインのストーリーの部分と、キャラクター1人1人に設定されているストーリーというのが別途であって、先ほどの絆クエストもそういう感じなのですが。1つのシナリオがだいたい2,000文字くらいなのですね。最大3段階くらいまでシナリオが用意されており、6,000文字×200人のシナリオが入っていて、これにさらにメインシナリオが入るという、ちょっとスマホでやりすぎじゃないと言うくらい入っています(笑)。
――さらにボイスもあるわけですか?
秋山氏: はい。キャラクターが仲間に入るところとスキルを使うところのボイスはほぼ入っています。
――200名全員の?
秋山氏: 全員です。何人かの声優の方に少しずつ声質を変えていただいて。現段階では声優さんのお名前を教えられませんが、ベテランの声優さんと最近特に人気が出ている女性の声優さんにご協力いただきました。本当に驚いた事ですが、どの声優さんもちょっとずつ違う声を出せるみたいで、声優と言う職業はすごいなって思ったところです。
――3Dモデルデータは内製ですか?
秋山氏: 内製ですね。
――ちょっと頭身が低くて、ジャパンテイストで可愛らしいですね。
秋山氏: 職人技です。
――ただ、この頭身のキャラで200種類もの違いが付けられるものですか?
秋山氏: 付けられます。私もこれ本当に変えられるのかなと思っていましたが、実物をみたらしっかり違いが付いてて驚きました。キャラクターがちゃんと再現されています。
――これは実は、3Dポリゴンデータではなく、ポリゴン風の2Dデータだったりするのですか?
秋山氏: いえ、3Dです。
――ということは向きを変えたり、回ったりできるのですか?
秋山氏: はい。キャラクターの確認画面でも回したりできます。これ本当は無駄な機能なんですけど、こういうところが相変わらずセガですよね(笑)。
――ホントだ、こんな小さい画面でくるくる回せますね(笑)。しかし、ここまで凝ると新キャラを追加する時が大変なのではないですか?
秋山氏: ですが、そこは本気タイトルなので。
――過去のシミュレーションRPGでは、キャラクターがバトルで戦闘不能に陥ると、戦列を離れていったり、信頼関係が損なわれたりしますが、そういった要素はないのですか?
秋山氏: バトルの中で死ぬことはありますが、設定上は死なないので、ずっとそのキャラクターに愛着を持って楽しんでもらうことができます。どちらかというと、その人のドラマを最後まで追ってもらうコンシューマゲームにあるような形ではなくて、もう少しキャラクターを愛でるということに寄ってる感じですね。
――戦闘不能になっても、キャラクターとの信頼関係は損なわない?
秋山氏: はい、損ないません。信頼を失う作りではなく、信頼を築き上げると言うことにテーマを置いていますので、本作では絆クエストという部分でキャラクターのドラマを深堀りしないと、能力が発現しないような仕様があります。例えば、特殊能力とか、デフォルトで攻撃力がアップするようなアビリティみたいなものを用意しているのですね。そうしたものは、クエストをちゃんとクリアして、仲間と絆を深めていないと発現しないようになっています。
――なるほど、ストーリーの進展に応じて能力が覚醒していくようなイメージですか?
秋山氏: はい、他にもちょっとした仕組みがあって、キャラクターのレベルをある程度まで上げないと絆クエスト自体がそもそも現われないなど、キャラクターが覚醒するための条件もあったりします。ですので、よりキャラクターを最後まで使いこなすと言うことにポイントが置かれておりまして、この部分が「愛でている感覚」に近いと考えています。
――キャラクターによって強さには違いはありますか?
秋山氏: 若干あります。ある程度、ユニークな特徴がありますと言う感じです。
――「ドラゴンコインズ」では、キャラクターのスキルによって大きくゲーム性が変化しますが、「チェインクロニクル」ではそこまでの違いはない感じですか?
秋山氏: スキルである程度強弱がでてきますので、スキルによって当然違いは出てくると思いますが、基本的には能力はレベルによって整合性を取っていますので、大体同じレベルだと同じような強さになります。
――レベルについて教えて下さい。
秋山氏: すべてのキャラクターはレベル1からはじまり、バトルで経験値を獲得してレベルアップしていきます。最大レベルはレアリティごとに決まっています。ここで、同じキャラクターを合成させることによって、だんだん最大レベルが上がっていくという仕様になっていまして、合成を続けることでレベル上限を増やすことができます。例えば、レベル70まで育てると、最初からレベル70まで上げられるレアリティの高いキャラクターとだいたい同じくらいの能力まで育てることができます。つまり、キャラクターレベルは最終的に近づけることができますから、単純にスキルの能力とアビリティの差でどのように戦うのかという仕組みになっています。
――キャラクターのレアリティによってどの程度強さに差が出ますか?
秋山氏: ある程度はあるようになっています。ただ、弱いキャラクターでも、最後までちゃんとクリアできるようにしたいと思いますので、弱いカードでも極限まで育てるとクリアは確実にできるようなバランスにしています。あと、有料と無料の差ってこういうゲームだと重要になってくると思いますが、いわゆる課金ポイントにあたる“精霊石”は、先ほどの絆クエストとか、いくつかのクエストの報酬で手に入る仕様になっているのですね。それを何に使うかというのはユーザーさんの方で選択していただきたいと考えています。
――それぞれの層に対して遊びを用意しているということですね。
秋山氏: そうですね。無料でもかなりのやり応えがあるゲームではありますから、クリアするのに3カ月、4カ月普通にかかるんじゃないかな。
――このゲームにおけるクリアとはどういう状態を示すのですか?
秋山氏: メインシナリオを最後までクリアするということです。それ以外に、たくさんのキャラクタークエストと、イベントが用意されています。
ストーリーについて。キャラクタークエストでキャラの能力が覚醒
――次にストーリーについてですが、まずメインストーリーはどのようなお話なんですか?
秋山氏: 突如現われた黒の軍勢と言う敵に土地を侵略された世界を解放するために義勇軍として抵抗する主人公とその仲間たちと、黒の軍勢との戦いが描かれており、その中でヒロインが謎のクロニクルと言う本を持っていまして、本の謎を追ってゆくと言うストーリーです。
――ストーリー展開についてですが、最初は主人公を含めた数人から物語を進めていって、ストーリーを進めていくことでキャラクターが増えていくわけですよね。キャラクターが増えるとクエストも増えるわけですが、基本的にはそういったキャラクタークエストはその都度クリアしていくような遊び方になるわけですか?
秋山氏: キャラクタークエストはメインストーリーとは違うキャラクターを深堀するストーリーですから、いつプレイするのかは特に制限はありません。キャラクターのストーリーを解くことで絆が高まり、アビリティなどの特殊能力が覚醒します。ですので、入手したキャラクターのストーリーを平行してプレイいただくと、より攻略しやすいかと思います。
――ちょっと違和感があるのは、たとえば「ドラコイ」にしても「ぷよぷよ」にしても、ほとんどのカードって“合成の具”ですよね。でも「チェインクロニクル」では、カードでは無くて、しっかりとしたバックグラウンドを持ったキャラクターという扱いですよね。それを過去のタイトルと同じように、同じキャラをどんどん合成するっていうのは、ストーリー的に整合性をとるのが難しいのではないかと思うのですが。
秋山氏: 本作はスマホで提供しますので、スマホで遊び慣れた作りが必要だと考えています。ですので、その辺りはシステマティックに表現してあげた方が見慣れている分だけユーザーさんとしても良いだろうと考えています。ですので、遊びやすさ、わかりやすさを優先しました。
――キャラクターは何人までストックできるのですか?
秋山氏: 初期だと40人程度持つ事ができます。
――必要に応じて有料サービスで拡張していってくださいと。
秋山氏: そうです。その点はユーザーさんのご判断におまかせしたいと考えています。
――先ほどの話では初期の時点で200名のキャラクターがいるということですが、40しかキャラクターをストックするスロットがないのはちょっと少なくないですか?
秋山氏: それがそうでもないのですよ。実際に社内でテストをさせてみたところ、だいたい2つの利用方法にわかれました。1つは自分の好きなキャラクターだけでパーティーを構成して、いらないカードを全部食わせる遊び方をする人と、とにかく何が何でも全部集めるという人です。
――どちらの遊び方も理解できますね。
秋山氏: 二極化するんだなあって思いました。だからストーリーを重視すればするほど、デッキをとにかく増やしたいという思考のほうが強いと思いました。
――メインストーリーばかりを進める人と、キャラクタースロットの空きを気にしながら、キャラクタークエストをゆっくりゆっくり進める人と、いろんな人がいると思いますが、キャラクタークエストの難易度はどういう設定になっているのですか?
秋山氏: キャラクタークエストは基本的に発生した場所のバランスに準じたものになっています。
――キャラクタークエストはいつ進めても構わないのですか?
秋山氏: いつやってもかまわないです。ただ、起こる場所が段階的に用意されているものがありますので、そのキャラクターのすべてのキャラクタークエストを連続で遊べるわけではありません。たとえば1番初期のマップのところで、そのキャラクターの絆クエストが起こっているものもありますし、初期と中間と後半のマップで起こっているキャラクターもいたりします。
――クエストのバトルの難易度は固定なのですか?
秋山氏: そうです。メインストーリーを追っていただいて世界を体験していただきたいと言う目的もありますので、例外はありますが、マップに応じた難易度になっています。
――キャラクタークエストは、今後のアップデートはどのように追加していくのですか?
秋山氏: アップデートにより新しいキャラクターが投下されることで、新しいキャラクター向けのキャラクタークエストが追加されるようになります。