インタビュー
iOS/Android「ロックマン クロスオーバー」開発者座談会
少数精鋭のチームで挑む新時代の「ロックマン」を4名のスタッフが赤裸々に語る!
(2013/7/12 00:00)
2012年11月29日に配信を開始したカプコンのiOS/Android向けソーシャルRPG「ロックマン クロスオーバー」。「ロックマン」シリーズ25周年記念タイトルとして登場した本作は、Dr.ライトとDr.コサックが共同開発したロボット「OVER-1(オーバーワン)」を操り、Dr.ワイリーやシグマたちに脅かされたクロスオーバーワールドを救う戦いを繰り広げる。
配信開始から半年以上が経過し、これまでの「ロックマン クロスオーバー」、そしてこれからの「ロックマン クロスオーバー」について、本作に関わる4名のスタッフによる座談会をお届けする。
「ロックマン」シリーズ――25年の軌跡
カプコンを代表するフランチャイズの1つである「ロックマン」シリーズ。記念すべき第1作は、1987年にファミコンに登場した「ロックマン」。以降、時代とともにハードを変え、世界観を拡張し、システムを進化させながら、さまざまな派生シリーズを展開してきた。現在では、累計で129作品、販売本2,900万本を記録する一大コンテンツに成長を遂げた。
「ロックマン」の基本ルールは、ジャンプやショットを駆使してステージを攻略していくライフ制のジャンプアクション。しかし、シリーズによって細かいシステムは変化している。ここではまず、代表的な「ロックマン」シリーズについて、復習の意味も込めて、その系譜を見ていくことにしよう。
そして2012年11月――シリーズ生誕25周年記念タイトルとして、iOSとAndroidに登場したのが、「ロックマン クロスオーバー」だ。自分だけの最強ロックマンを作り上げることが目的。前述した「ロックマン」シリーズを網羅し、歴代のロックマンたちが同じ世界に集結! それぞれの運命が交錯する。
~プロローグ~
そこは、ロックマンのすべてのワールドがクロスオーバーした世界。
ロックマンたちヒーローは、Dr.ワイリーやシグマなど、歴代の悪者たちの手により時空の狭間に閉じ込められてしまった!
Dr.ライトとDr.コサックは、この危機に対して新たなロボットを共同開発する。そのロボットは、量産型でありながら世界に散らばる「バトルメモリー」を使って、自身を強化できるという無限の可能性を秘めていた。
プレーヤーはその新型ロボットとしてこの世界で悪と戦うことになる。自分だけのロックマンを作り、仲間とともに世界の平和を守れ!
こうしたオールスター的な世界設定に加えて、ゲーム部分は誰もが気軽に遊べるソーシャルゲームの仕組みを導入。中でも興味深いのは、主人公の「OVER-1」にアーマーを着させたり、バトルメモリーをセットして、自分好みに強化できるカスタマイズのシステムだ。これは、本質的にはソーシャルカードゲームでは定番となっているデッキシステムをアレンジしたものだが、ほかにはない独特のルールや設定が光る。総じて、オリジナリティの高い成長システムに仕上がっている。
カスタマイズ時は、アーマーによってバトルメモリーをセットできる“スポット”の位置や数が異なることが特徴。このとき、隣接するスポットに同属性のバトルメモリーをセットすると、それぞれを結ぶラインがボーナスラインとなり、ステータスがアップする。単純に強力なバトルメモリーをセットするだけでなく、属性やスポットの位置関係も考えなくてはならないため、カスタマイズも奥深い仕上がりを見せている。
一方で「ロックマン」のイメージに直結している、骨太なアクションパートはなりを潜め、その代わりにバーチャルパッドで操作する強制スクロールアクションを“クエスト”として楽しめる。ただし、クエストについてはアクションの腕前は関係なく、誰もがクリア可能。そのため、老若男女が楽しめるものに仕上がっている。
そんな新時代の「ロックマン」である「ロックマン クロスオーバー」は、サービスを開始してから早半年が経過した。その間に登録ユーザー数は堅調に推移し、2013年6月には120万ユーザーを突破している。ますます波に乗る「ロックマン」は、何を目標にして作られ、これからどこへ向かうのか。次ページからは、「ロックマン クロスオーバー」に深く関わっているカプコンの方々から4名をお呼びして、「ロックマン クロスオーバー」についてとことん語っていただいた。