インタビュー
「風来のシレン6 とぐろ島探検録」PC版先行プレビュー&開発者インタビュー
斜め入力を1つのキーに割り振り可能! PC版ならではのオプションも搭載
2024年12月11日 12:00
- 【PC版「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」】
- 12月12日 発売予定
- 価格:5,980円
スパイク・チュンソフトは「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」のPC(Steam)版を12月12日に発売する。本作は人気ローグライク「風来のシレン」シリーズの14年ぶりとなる最新作であり、1月25日にNintendo Switchにてリリースされた。今作も「1,000回遊べるダンジョンRPG」の名に恥じない原点回帰的な内容で、リリースから僅か2週間で国内累計20万本の売上を記録。その後、DLCもリリースされ、そちらも好評を博している。
今回リリースされるPC版は、Switch版でアップデートされた機能追加が最初から実装されたものになる。また、有料DLC「plusパック」もソフト本編と同時にリリースされるほか、全109曲を収録したデジタルサウンドトラック「劇伴音楽之巻」も発売される。
今回は、そんなPC版の先行プレイと、開発者へのインタビューの機会を頂いた。本稿では最初に本作の内容を簡単に紹介しつつ、後半ではインタビューにて、本作のディレクター・アートディレクターの櫻井啓介氏、プロジェクトマネージャーの篠崎秀行氏からSwitch版からDLC、そしてPC版にいたるまでの本作の開発エピソード等を訊いた。
「シレン6」は原点回帰的な魅力溢れる作品
まず、本作について簡単に紹介しておこう。「風来のシレン」シリーズは、いわゆる「ローグライク」を国内で一気に広めた人気作。多くのローグライクがそうであるように、「シレン6」でもプレーヤーは入るたびに地形や道具の配置等が変化する自動生成ダンジョンに挑み、最深部への到達と、一部ダンジョンではそこで待ち構えるボスの撃破を目指すこととなる。
ダンジョンでは敵モンスターを倒したり、やり過ごしたりしながら落ちている道具を集め、各フロア毎にある階段や出口を見つけ、次の階層に進んでいく。ダンジョンを徘徊するモンスターの対処を誤ると一瞬で危機に陥ることも珍しくないので、手に入れた道具を活かしながら進んでいくこととなる。
自分と敵が交互に動くターン制となっているため、ピンチになってもじっくりと考えながら攻略していくことが可能となっている。その一方で、倒されてしまうと持っている道具を全て失い、レベルも1にリセットされた状態でスタート地点に戻されてしまう。こうしたシビアなゲーム性が生み出す緊張感や、高難易度のダンジョンをクリアした時の達成感が本作の魅力となっている。
本作は主人公で風来人の「シレン」と、その相棒で人語を話す語りイタチの「コッパ」が、謎の少女の助けを呼ぶ声を受け、宝が眠ると噂される「とぐろ島」に訪れるといったストーリーが展開される。ストーリーの進行等によって様々なダンジョンに挑めるようになっていく。ボスが待ち構えるストーリーダンジョンや、本作の様々な要素を学べる特殊ルールのダンジョン、そしてシリーズファンに人気の99階ダンジョン(もっと不思議のダンジョン)にあたる「とぐろ島の神髄」といった特色あるダンジョンに挑むことができる。
また、DLC版では、プレイアブルキャラクターに「コッパ」と「アスカ」が追加される。コッパは逃げ性能に特化、アスカは攻撃性能が高いといった特徴があり、一度クリアしているダンジョンでも新感覚で楽しめる。さらに階層ごとに持ち物すべてが入れ替わる「やりくり上手の森」や、ボスラッシュ的な「首領の連戦場」、そして強力な道具の出現率が抑えられ、稼ぎに使えるモンスターも減少した高難易度ダンジョン「超・神髄」といったダンジョンも追加されるので、本編で鍛えた腕を存分に試せる内容となっている。
さて、そんな本作のPC版をプレイしての感想だが、基本的なプレイフィールはそのままに、Switch版よりも解像度が高くなっており、これまでよりも美麗なグラフィックスでプレイすることができる。ロード時間の短さや画面の見やすさ、キャラクターの動きのスムーズさ等はSwitch版と同じく非常に良好で、快適にプレイし続けることが可能だ。
また、キーコンフィグはかなり細かく設定することができるのもポイントだ。キーボード操作でもナナメ移動にキーを当てることができるなど、どんなデバイスでプレイしても問題ないだろう。
なお、PC版はダンジョン内で倒れても他のプレーヤーに助けてもらえる風来救助や、他のプレーヤーとダンジョンのデータを共有できるパラレルプレイはSwitch版とのクロスプレイに対応している。Steam Deck等の携帯機にも対応しているので、PC版についてもこれらのデバイスを使用し外出先などでプレイすることが可能となっている。
筆者は「風来のシレン」シリーズのみならず、様々なローグライク作品を頻繁にプレイするのだが、「シレン6」では人気の高い初代「シレン」の雰囲気を感じられる作品となっている。ローグライクの入門としても、基本をしっかりと抑えた教科書的なゲームになっているので、多くの人に是非遊んで欲しいタイトルだ。