インタビュー
「スト6」モダン操作に向いている? レバーレスコントローラー「Rushbox」開発者インタビュー
こだわりにこだわり抜かれた話題のコントローラー。その特性や開発秘話を伺った
2024年8月26日 12:00
- 【Rushbox】
- 7月12日 発売
- 価格:41,800円
- 【Rushbox Lite】
- 7月12日 発売
- 価格:29,700円
近年の「ストリートファイター6(以下、スト6)」のブームをきっかけに、アーケードスティックやパッド、レバーレスコントローラーなどの新作デバイスが次々と発売されている。
その中でもひときわ話題になっていたのが、日本のハードウェアメーカーmoimateが開発したレバーレスコントローラー「Rushbox」。3月に「CAMPFIRE」にて行なわれたクラウドファンディングでは、設定されていた目標金額から2万%超えを達成し、格闘ゲーマーから大きな注目を集めていた。
「Rushbox」の他のレバーレスコントローラーにはない特筆すべき点は、ボタンを設置できるポイントが18カ所用意されており、プレーヤーの使いやすい位置にボタンを自由に付けられるカスタマイズ性の高さである。プレイするゲームに合わせて最適化したレイアウトを組むことができるので、レバーレスにこれから触れてみようという人にはうってつけのデバイスとなっている。
7月からは公式オンラインストアで一般販売も開始され、購入を検討している人も多いかと思う。
本稿ではそんな「Rushbox」の開発者に本デバイスの強みや魅力、どういったプレーヤーにおすすめかなどの気になる話を伺ったので、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
「Rushbox」は自分が欲しいと思えるコントローラーを開発するところから始まった
――moimateはゲームコントローラーを作られてきたメーカーではなかったようですが、「Rushbox」はどのような経緯で開発に至ったのでしょうか?
小池氏:僕はもともと5~6年ほどキーボードを作るということを趣味と仕事でやっていまして、「Rushbox」の前に出した製品は「CreatorPad」というクリエイター向けの左手デバイスでした。その後「スト6」の発売直前くらいに、絶対盛り上がりそうだから自分もプレイしたいと思ったんですよ。それがまず開発の1番の動機ですね。
まずは市場にある製品から自分が遊ぶ用にコントローラーを選び始めたのです。それでいろいろ調べてみたんですけどイマイチ自分が欲しいと思えるものが存在しなかったんですよ。「スト6」になってレギュレーション上使えるボタンの数が増えたわけですけど、世の中にある既製品の中にボタンが増えているものが存在しないという状況でした。レギュレーション上増えてるんだからボタンは増やしたいのになぁって思ったときに“じゃあ、自分で作ろう”ってなったのがきっかけですね。
――自身が「スト6」をプレイするために開発が始まったんですね
小池氏:実は「ストリートファイターⅤ(以下、ストⅤ)」のときにも一時デビューしようとかじったことがありまして、そのときも自分向きの良いデバイスを作ろうって思ったことがあったんですよ。そのときはまだレバーレスも触ったことがないから、右利きということもあって右側に方向キーの方が良いんじゃないかと思って、左右反転のレバーレスを作って使ってました。
――左右反転は斬新ですね
小池氏:“自分が欲しいならどういう物が1番だろう”という考え方でやっています。左右反転にした結果なんですけど、右側の方が右利きだし確かに器用ではあるものの、FPSのゲームをやっていたのもあって左手の操作でもそんなに違和感ないなと感じたので「Rushbox」では普通に左側の移動になりました。
――従来の形に戻した訳ですね
小池氏:ボタン配列などは既製品をもとに研究はするものの、既存である物に囚われずに“自分ならここにボタンが欲しい”みたいな感じに考えていくというのが開発の根本にありますね。
――開発のきっかけは自分用のためとのことでしたが、格闘ゲームのデバイスというとアーケードスティックやパッドなどもありますが最初からレバーレス一択だったのでしょうか?
小池氏:「ストⅤ」の時代からレバーレスが理論値最強と言われていまして、まず斜め入力が抜けるなどのコマンドミスがレバーレスは起こりにくいんですよ。もともとレバーを使っている人がレバーレスに移行するのは移行コストがかかるんですけど、自分はレバーでプレイしていたこともないので今から始めるならどのデバイスだろうと考えたときにレバーレス以外は選択になかったですね。レバーレスの中身ってキーボードとほとんど変わらないので自分のノウハウが活かせるというのも大きかったです。
――なるほど。それでは他のレバーレスコントローラーにはない「Rushbox」ならではの強みなどを伺えますか?
小池氏:やっぱり1番わかり易い点に関してはボタンの数の多さと、穴が沢山開いていてボタンを自由に差し替えることができるという所だと思います。これが1番の特徴であり、最大の特徴です。
既存のレバーレスに増設ボタンを付けている人も沢山いらっしゃるんですけど、どうやって穴を空けるかという問題もありますし、カスタマイズするのってハードルが高いんですよ。元から増設ボタンがあるレバーレスって一部しかなくて、それもボタンを好きな所に付けるには穴を空けるしかないんですよね。
――誰でも簡単にできることじゃないですよね
小池氏:もともと18個穴が開いていて好きな所にボタンを配置できるのは、自分でも良い物を思いついたなと。これが「Rushbox」のメリットです。
――プレーヤー目線があったからこそ生まれたという感じですね
小池氏:プロトタイプの段階から使い続けていて、プレイするたびに“ここはもっとこっちの方がいいな”と改良を重ねました。例えば親指周りの3ボタンの配置は最後までかなり悩みましたね。あと実は、18個穴を開けてボタンの配置を選べるようにしようって思いついたのは結構開発も終盤の頃だったんですよね。
――そうだったんですね
小池氏:僕の中ではこういう配置が使いやすいというのがあったんですけど、X(旧Twitter)で他のプレーヤーのコントローラーを見たり、プロゲーマーのマゴ選手のYouTubeの動画でいろいろなプロゲーマーのコントローラーを紹介する回があるんですけどそれを見て“弱Pボタンの上や弱Kの下にボタンを増やす人が多いな”とか“ウメハラ選手は左小指のところだな”とか増設ボタンの位置って人によってかなり違うなって思ったんですよね。
――プレーヤーごとに好みが出るところですね
小池氏:なので、自分にとってはこの配置が良さそうというのを押し付けても、それは“自分にだけのプロダクト”になってしまうので、これをいかに多くの人に満足してもらうにはどうしたらいいだろう? と考えているときに中のマイコンのピンがまだ余ってることに気づいて、余ってるならピンにボタンを繋いでおいて差し替えられるようにしたら良いんじゃないかと思いました。これが2月の後半に気づいたんですよ。3月からクラウドファンディングを開始するのが決定しているのに。
――それは本当にギリギリですね
小池氏:プロトタイプは(右下の)掌底ボタンとかいろいろボタンが少ない状態で、これはこれで自分にフィットしていたものの“コレは違うな”と終盤に気づいてしまい、チームのメンバーには「ガラリと変わるけど大丈夫でしょうか? 着いてきてくれますか?」みたいな話をしました(笑)。それで今の形になったと。
――カスタマイズの自由度の高さというコンセプトのデバイスではなかったと
小池氏:最初はそうですね。当時キーボード界隈で話題になっていた「Lofree Ghost」というキースイッチがありまして、これまで薄型でまともな良いスイッチというのが存在しなくて、押し心地も耐久性も不安があるものばかりの中でLofree Ghostが出て、これならストロークもアクチュエーションポイントも短いしゲームスイッチとして良さそうだぞ(※)となったんですよ。
Lofree Ghostが出るまではもっと分厚いキースイッチを使っていて、今の2倍くらい分厚い本体になる予定だったんですよ。普通のキーボードに使われていてカスタマイズの自由度が高いCherry MX互換軸というキースイッチを使おうと。僕のキーボードのノウハウを使った、最低15ボタンはある比較的薄型のレバーレスを作ろうというのが1番最初のコンセプトでした。最終的にはLofree Ghostを使って18ボタンでボタンの配置を選べるものになったという感じです。
※ストロークとはボタンの押したときの底まで到達するまでの距離。アクチュエーションポイントはボタンを押した際にキーが反応するまでの距離。ストロークとアクチュエーションポイントが短いほどボタンを押した際の反応が早いので、Lofree Ghostは素早い操作(判断)が要求される格闘ゲームに非常に向いているキースイッチである
――Lofree Ghostは格ゲーマーにも注目されていますしね
小池氏:他の同じようなスイッチよりもLofree Ghostは押したときが滑らかなので、他のレバーレスを使っている人もわざわざスイッチをLofree Ghostに変える人も多いですね、これから出てくるかもしれないですけど、現状デフォルトでこのスイッチが付いているレバーレスは他に存在しないですね。
――先ほど少しお話に出た掌底ボタン。これがかなり特殊ですがどういった用途で付けられたのでしょうか?
小池氏:これは想定としてはインパクトボタンですね。自分自身がプレイしていてインパクトが返せなかったんですよ。通常のレバーレスだと右端のボタンがインパクトになると思うんですけど、急にインパクトが飛んできて咄嗟に返すときにインパクトボタンに指を添えてるか添えてないかってめちゃめちゃデカいじゃないですか。常に添えてればいいですけど、パリィボタンに添えてることだってもちろんあるし。
「スト6」が発売された当初はプロゲーマーの方も、インパクトボタンをここで試そう、あそこで試そうみたいな時期があったと思うんですけど、そのときに僕の考えの1つとして掌底ボタンがありました。手のひらなら指をどこに添えていたとしても、インパクトのボタンに添えられると思いここに設置しました。
――実際に触る前は正直、ボタンに手が触れてインパクトが誤爆しそうという印象がありましたが、意外とそういったことも無かったですね
小池氏:この掌底ボタンの場所はかなりこだわりまして、他社にも掌底ボタン付きのレバーレスはあるんですけどもっと外側なんですよ。だから掌底ボタンを押そうとすると手の位置を動かさなければいけないんですよ。「Rushbox」の場合だとプレイしている状態でそのまま手のひらで押せるんですよ。誤爆しにくく押しやすい場所を選んでいます。慣れればかなりインパクトを返せますね。
掌底ボタンは普通のボタンとして使うことはないですけど、とっさに押すという速度が求められるときのボタンの位置としては良いのかなと。ただ、ネットでエゴサーチしていると、インパクトを返すのに掌底ボタンが使えるようになったという人と、いくらやっても慣れないので元のボタンの位置に戻しましたっていう人が結構分かれます(笑)。
――インパクトのボタンのしっくりくる位置は、本当に人によりますからね
小池氏:そういう意味でいうとこの「Rushbox」はインパクトのボタンを置ける場所はいくつか想定していまして、親指周りもアリですし、あとは左小指の位置も考えられますし、それで掌底ボタンもあると。これだけ選択肢を用意していたことで、それぞれのプレーヤーが自分にフィットする使い方を見つけやすいようにはできているかなと思っています。
――実際に「Rushbox」を触ってみて、ボタン同士の間隔が狭い作りになっているなと感じたのですが、これは何か狙いがあったのですか?
小池氏:これはですね。開発当時どういうコントローラーを求められているんだろうとかなり調べまくっていたときにマゴさんが配信で、キーボードの「WASD」みたいなキーを埋め込んでいるレバーレスを使っていてその利点を話されていたことがあったんですよ。そのとき言われていたのが“通常のレバーレスより指が疲れにくい”と。
開発段階では、ボタンの1個1個が大きくて間隔が広い他社のレバーレスを使っていたんですけど、すごい指を開かなきゃいけないなって感じて、自分ならもう少し間隔を狭くしたいなと感じて今の形になりました。アーケードの筐体ですと30mmのボタンで間隔も開いているので、アーケードで遊ばれている方はそっちの方が合うのかもしれないですけど、最近「スト6」から始めている人からすると指が疲れにくい方が良いと思ってこうなりました。
――新規プレーヤーを視野に入れて、長時間プレイしても疲れにくい構造にしたと
小池氏:あと、実は攻撃ボタンのボタン間隔よりも方向ボタンの間隔の方が微妙に詰めてあるんですよ。方向ボタンの間隔を極力狭くしたい理由があって、通常の格ゲーのコントローラーってボタンの周りにフチがあって、そのフチがある分間隔を詰められないじゃないですか。それをここまで詰めたことによって逆ヨガ(前から後ろに半回転入力)とかは1本指でスライドさせるだけで出せるんですよ。真空波動コマンドとかも1本でできるし、スライド入力をし易いようにという考えもありました。
――スライド入力のし易さですか。それは試してみたくなりますね
小池氏:デフォルトのままだとスライド入力が少し難しいというときは、公式ではカスタマイズをオススメしています。Lofree Ghostってデフォルトの状態だと総ストロークが2.8mmなんですよ。ウチでカスタマイズキットというのを別で売っていまして、スイッチの中に入れられるオリジナル設計で最適化された「Oリング」とかなんですけど、これを入れることでストロークを最小で1mmまで縮めることができます。ここの方向キーは短くしたいとか、インパクトボタンは誤入力しないように深いままにしておくなど、好きに調整できるのもカスタマイズ性の高さですね。
――ボタンのレイアウトだけではなく、そういったところのカスタマイズも推奨しているんですね
小池氏:キーボードオタクたちって、キースイッチをバラして別のキースイッチのバネを付け替えて油を塗って――みたいなことをする人なんですよ。そっちのノウハウがあったので、格ゲーマーたちもきっと自分のこだわりの1台を作るために、スイッチを1個1個バラして調整するのを楽しむ人たちだろうと思ってるんですよ。
――確かに。自分にフィットする調整をしてるのって楽しいですからね
小池氏:やっぱりそういうのって愛着も湧くじゃないですか。カスタマイズの工夫の余地もたくさんありますし、カスタマイズキットを使って楽しんでいる方も多いですね。これはありがたいなと思っています。
――Webマニュアルを見たんですけど、カスタマイズのやり方を動画で紹介しているのはかなり親切だと感じましたね
小池氏:こういうカスタマイズってほとんどの格ゲーマーは初めてじゃないですか。なので丁寧に説明をしないと“これは(できることが)常識じゃないぞ”と意識しました。写真とかで説明をしても伝わらないところがあるぞとなって、会社のメンバーにできるだけ全てアニメーションGIFにしてとお願いしました。簡単なアニメーションでも数秒のたくさんあるというのはめちゃくちゃわかり易くなるんですよ。
僕らみたいなオタクだったら当たり前のことなんですけど、ほとんどの格ゲーマーはもちろんそうではないから、スイッチはこうやって開けるとか、こうやってOリングを仕込むんですよというのをレクチャーするのが大事かなと。
「Rushbox」は、今までレバーレスを触られていた方がコレ良さそうと思って触ってもらうのももちろん想定はしていますが、これが初めてのレバーレスなんですという方を主軸に考えていたりするので、カスタマイズのことを全く知らない人がマニュアルを見るだけでカスタマイズできるような状況を目指しました。
――自分もキースイッチの開け方とか最初はわからなくて、ネットで情報を探し回って苦労した覚えがあります
小池氏:なかなかこういう丁寧に解説したものって転がってないんですよね。やってる人にとっては当たり前過ぎるし、わからない人はわざわざ開けようと思わないですからね。
「スト6」のモダンプレーヤーにおすすめしたい「Rushbox」が持つ特徴
――「Rushbox」はクラシックタイプだけではなく、モダンタイプのプレーヤーにもおすすめとのことですが
小池氏:僕自身が「ストⅤ」のときに多少触ったものの、そのときってかなりゲームの攻略が進んでいた頃でボコボコにされて心折れたんですよ。なので「スト6」で改めて始めて、実質「スト6」から始めた人間なんですよね。最近でこそクラシックタイプの練習とかもしていますが、最初はモダン勢でいろいろなコントローラーを触りました。でもモダンタイプを主軸に置いたコントローラーって存在しないんですよね。
既存の12ボタンのレバーレスってモダンだとボタンが足りないんですよ。モダンって攻撃ボタンが8ボタンだと足りなくて、最低9ボタン必要なんです(※)。8ボタンでプレイするならSAが同時押しになっちゃうんですよね。なので12ボタンってモダンには向かないんです。
※モダン操作で使う攻撃ボタンは「弱攻撃」、「中攻撃」、「強攻撃」、「投げ」、「必殺技」、「SA」、「パリィ」、「インパクト」、「アシスト」の9個。8ボタンの場合優先度的にSAボタンを外すことになり、SAを出す際には強攻撃ボタンと必殺技ボタンを同時押ししなければならなくなる。モダンの売りであるワンボタンSAができなくなるのはかなりの痛手である
プロゲーマーの立川さんの動画で「レバーレスはモダンに向いているか?」というような話が出てるんですけど、“12ボタンだから向かない”って結論になるんですよ。ボタンを増やせるならモダン適性があるんですけど、12ボタンというだけでモダン適性がないになっちゃうんですよ。
モダンってアシストボタンを押しっぱなしにすることがすごく多くて、じゃあこのアシストボタンを12ボタンレバーレスやボタンを拡張するとしてどこに置くのかというのはあまり考えられていなくて、それでいうと「Rushbox」はアシストボタンの想定は右親指ところ(上ボタンの右隣)なんですね。左右の小指のところや左親指のところをアシストも考えられなくはないんですが、まともにやろうとすると右親指のアシストボタンが1番押しやすいですね。
ただ既存のボタンが拡張されているレバーレスって、基本的には右親指のボタンってちょっと右寄りに付いているんですよ。そうすると親指でアシストボタンを押しながらだと弱ボタンを押すときに指がクロスして押しにくいんですよ。「Rushbox」は左寄りの弱ボタンの下に付いているので、アシストを押しながら弱ボタンを押すときも指がクロスしないで押しやすいんです。「Rushbox」モダンで使いやすい理由の1番の理由です。
クラシックはもちろん、モダンプレーヤーが使いやすくて、初めてレバーレスを触った人でも使いやすく、この1台を長期的にずっと使い続けていくにも十分な性能のレバーレスというのを目指して作りました。
――なるほど。改めてなのですが、クラシックとモダンのそれぞれのおすすめのボタン配置などはありますか?
小池氏:弊社内に「スト6」のプレーヤーが3人くらい居るんですけど、大体みんな配置が違いますね。僕の考える開発想定のおすすめのボタン配置というものは存在します。僕は右端の上のボタンは潰しているんですけど、右小指のボタンは両方活かしている方が使いやすいと思うのでその想定で話します。
クラシックですと、まずはデフォルトの移動ボタンはそのままで、右手のボタンは左から弱・中・強と並んで、右端のボタンはキャラによって重要度は違うと思うんですけどパンチとキックそれぞれの同時押しボタン。それで右手の親指ボタンがパリィです。これはパリィからラッシュをするときに方向キーとパリィの両方を左手で押すよりもやり易いからです。それで掌底ボタンにインパクトですね。
小池氏:モダンの場合は、同じく移動ボタンはデフォルトで、右手のボタンが上段左から弱・中・強の攻撃ボタン。下段が左から必殺技、右隣2つは攻撃同時押しボタン。右端の上下どちらかがパリィとSAボタン。右手親指がアシストボタンで掌底がインパクトになります。モダン操作のときに最近僕が次に試そうかなと思っているのは、掌底ボタンをSAボタンにしようかなと。ワンボタンSAで返す場面も多いんでこれを手のひらでやるのも割とアリだなと思ってて試そうと思ってます。
そのうえで僕個人としては、右端上段ボタンを潰して下段をパリィ。SAボタンを左親指の位置をおすすめしたいです。SAボタンを左親指のところに置くと何が良いかというと、咄嗟に左親指でSAが出せるということと、方向ボタンと同時押しでSAを切り替えるので、左手だけでSA1~3までをカバーできるという点ですね。
小池氏:ボタン配置の試行錯誤って、終わってしまえば後はほぼいらない事のハズなんですよ。自分にとってこれが最適だと決まればあとは慣らすだけで。そこまでの試行錯誤がしやすいっていうのが「Rushbox」の売りだと思っています。
皆さんの手に届いて1カ月半くらいがそろそろ経とうとしているんですけど、“またボタンの場所を変えました”とか“ボタンの配置を変えるのが簡単なのが「Rushbox」の良さだな”というようなポストもあって、そこは良かったなと思いました。
――本体のサイズ感や重量感、パススルー機能専用USBポートと、かなりオフラインイベントなどでも活躍しそうな設計ですが、そういった部分も意識されていたのですか?
小池氏:まさにそうですね。格ゲーマーはオフライン対戦があってナンボだと思っていますので、従来のアケコンは“デカい”、“重い”、“持ち運びにくい”だったと思うんですけど、「Rushbox」はA4サイズよりちょっと小さいくらいなんですよ。なので世の中にある最近の鞄って大体A4サイズだったり、13インチのノートパソコンが入るパーテーションがあったりするんですけど、そこにすっぽり入って持ち運びやすいです。
あとは安定性も大事にしたいなと思っていまして、そこそこの大きさで膝の上でも安定します。あとは重さもこだわりまして、薄型で軽いレバーレスは他にもあるんですけど、薄型だけど1kgを超えるくらいの重量があるというのがこだわりの1つです。
――「Rushbox」にはもう1つ「Rushbox Lite」というのがありますが、そちらの安定感などはどうなのでしょうか?
小池氏:「Rushbox Lite」は700gくらいで、「Rushbox」よりは安くて軽いという製品になっています。「Rushbox」だけが天板のシートの差し替えができる作りになっていますが、機能面はどちらも同じになります。人によっては700gもあれば十分という人もいますし、重量感が欲しいなら素材も頑丈ですし「Rushbox」といった感じですね。
――最後に、「Rushbox」はどういったプレーヤーにおすすめしたいでしょうか?
小池氏:「Rushbox」は、レバーレスで何か良いのはないかと探しているユーザーの目にまず触れてもらいたくて、これが選択肢に挙がったら「これならボタンの入れ替えが自由にできて、薄くて持ち運びしやすい」といった点で選んでもらえるくらいのレバーレスになっていると自負しています。今レバーレスをどれにしようか迷っている人にはぜひ見ていただきたいというのが1番の思いです。
――いろいろなお話、ありがとうございました
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