【特集】

【年末特集】この冬休みにイッキ見して欲しいアニメ! 可愛い女の子編

「ガールズ&パンツァー」

劇中で学園、リアルでは町を救った女の子達の戦車道物語「ガールズ&パンツァー」

「ガールズ&パンツァー」キービジュアル

「ガールズ&パンツァー」作品紹介

 茨城県大洗町が主な舞台で、作品のファン・通称「ガルパンおじさん」が聖地巡礼で何度も脚を運んだことで町おこしに繋がった。アニメと町のコラボの大成功例として、一般的な知名度も高いのが「ガールズ&パンツァー」である。

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 TV放送が2012年と11年前の作品で続編含めボリュームがあり、今回紹介する作品の中でもっともイッキ見しがいがあるのが「ガールズ&パンツァー」だ。

 バンダイビジュアル・アクタスによるオリジナル企画として始まった本作の最初のTV版は全12話が2012年10月から放送。2回の総集編を挟んで10話までで一端放送が終了し、翌年3月に改めて11話、12話が放送された。

 その後OVA、劇場版、総集編、現在は全6章からなる劇場版最終章の第4章までが公開されている。また、コンサート、ヴァーチャルライブも合わせて配信中で、膨大なコンテンツが存在する。

リアルな戦車が大洗の町で市街戦! ガルパンはいいぞ

本作は、「戦車道」という武道と、巨大な学園艦が存在する架空の日本の大洗町が舞台。学園艦「大洗女子学園」に転校してきた高校2年生の西住みほ(CV:渕上舞さん)が主人公だ。

西住みほ

 プロローグのリアルな戦車戦で度胆を抜いたあと、「戦車道」の名門「西住流」師範・西住しほの次女として産まれた西住みほが、訳あって「戦車道」の授業のない「大洗女子学園」に転校してきたところから物語は始まる。

 高校2年で縁もゆかりも無い学園に転校してきた西住みほは孤独な生活を送っていたが、ある日クラスメイトの武部沙織(CV:茅野愛衣さん)、五十鈴華(CV:尾崎真実さん)が友人になる。

 楽しい学園生活が始まると思った矢先、生徒会が選択科目「戦車道」の復活を宣言し、西住みほに「戦車道」の選択を迫る。拒否しようとする西住みほだったが、生徒会の執拗な要求に遂に再び戦車に乗る様が描かれる。

乙女のたしなみ「戦車道」

 「機動戦士ガンダム」や「新世紀エヴァンゲリオン」など多くの傑作アニメが第1話で主人公がメカに乗るまでをスリリングに描いてきた。「ガールズ&パンツァー」もまた同様だ。そして2話からは、西住みほを中心にした「あんこうチーム」が仲間と共に、戦車道で廃校の危機に瀕する学園を救っていく。

 物語は、戦車道の試合と、その間に練習し、仲間を増やし、戦車を発見し、整備し、強化するという学園生活の繰り返しで展開する。

 西住みほが戦車道の無い大洗女子学園へ転校してきた理由や、学園廃校の危機といった謎説きの要素もあるが、総じて解りやすくシンプルな構成だ。また、「実弾で撃ち合って危険に見える」といった疑問点にも、劇中である程度説明がされる。

 そのため、戦車戦の迫力や学園生活の楽しさに没入しやすく、イッキ見に適している。おすすめだ。

 特に3Dで表現された色々な種類の“パンツァー(戦車)”が非常に精密に再現されている点や、動きがリアルでそれでいてアニメらしいスピード感、アクロバティックなアクションで激しい撃ち合いを行なうのは他の作品には無い迫力を感じられる。今見返しても10年前という年月を感じさせない。

 また、戦車戦があくまでも武道として行なわれ、戦争ではないという点も、楽しく視聴できるポイントだ。かつて、武器に萌えても実際の戦争に使われることには批判的なのがミリオタのたしなみだった。児童向けの戦車図鑑でも、文末を「戦車は博物館にあって欲しい」と結ぶのが当たり前のことだったのだ。

 本作の劇中で戦車が、誰かを傷付けることを目的としない描かれ方をしている点は、戦車をモチーフにしながらとても素晴らしいことだと言える。

【「ガールズ&パンツァー」公式STORYより劇中の戦車描写】

戦車以上に萌える可愛い女の子の群衆劇! サービスもいっぱい

女の子と戦車の組み合わせが本作のテーマ

 「ガールズ&パンツァー」は元々「女の子と何かを組み合わせるオリジナルアニメ」として企画がスタートしている。戦車に目がいきがちだが、主役はあくまで「女の子」なのである。

 一見戦車がメインに見える試合中においても、女の子がハッチから身を乗り出している場面が非常に多い。そして3Dの戦車と2Dの女の子が同じ画面にあっても違和感なく見える。感覚の問題ではあるが、戦車を題材にしたTVゲームの、キャラクターまでカッチリして見えるのとは別の、温もりある表現となっている。

 また、群像劇なので島田フミカネ氏・野上武志氏、杉本功氏によって形作られた女の子が出演し、主人公西住みほが所属する「あんこうチーム」は勿論、脇役のキャラクターもそれぞれ個性的に描かれる。

 大洗女子学園でも、生徒会、女子バレー部、自動車部、風紀委員などの役職にある生徒達が、それぞれの思惑で戦車に乗り込み、各キャラクターが個性にあった発言をして物語に厚みを持たせている。

 また、ライバル校も、プラウダ高校はソ連(ロシア)、サンダース大学付属高校はアメリカ合衆国と、それぞれ元ネタとなったお国柄に沿った解りやすいキャラクターが設定されている。いずれ女の子も魅力的で、大洗町の各所には、大洗女子学園以外のライバル校のキャラクターの等身大パネルも展示されているのだ。

 そして可愛い女の子が画面中に溢れているだけでも楽しいが、“胸部装甲”が厚めのキャラクターも多く、脚本を手がけた吉田玲子氏が戦車に乗った実体験を元にしたお風呂シーンも多数ある。

 また、サブキャラクターが“立っている”顕著な例が、西住みほの母であり、西住流家元・西住しほ師範(CV:冬馬由美さん)の人気の過熱ぶりだ。元は2次創作特有の、サブキャラへの偏愛が、スマホゲームでの家元限定ガチャに繋がり、遂には大洗女子学園の制服を身に纏ったフィギュアが発売されることとなった。

ウェーブ「西住 しほ[大洗女子]」2024年2月発売予定/22,000円

 そしてビジュアル的な魅力以外にも、西住しほ師範役の冬馬由美さん、戦車道の審判を務める蝶野亜美役で椎名へきるさん、サンダース大学附属高校のサブキャラ・アリサに平野綾さんと、ベテランの大御所声優も配され、豪華声優陣によるかけあいも見どころの1つだ。

 渕上舞さんは水樹奈々さんに憧れて声優・アーティストを志し、水樹さんと同じく代々木アニメーション学院を経て、2009年に水樹奈々さんが当時所属していた声優事務所シグマセブンの関連事務所「シグマセブンe」に所属、同時に大役を得るという超エリートコースを歩んだ。

 しかしその後は役に恵まれずに退所し、別の事務所からオーディションに挑んで抜擢されたのが西住みほ役だった。その西住みほに戦車道復帰を迫る生徒会長・角谷杏役が、水樹奈々さんのラジオ番組アシスタントを永く務めているシグマセブン(当時)時代の先輩・福圓美里さんというのは、非常に運命的なものを感じるキャスティングである。

 さらに、知波単学園の西絹代役では、渕上舞さんがデビューした年に「シグマセブンe」所属となり、デビュー早々に「放蕩息子」のメインキャラクターに抜擢された瀬戸麻沙美さんがキャスティングされている。

 この西住みほ、角谷杏、西絹代の並びは声優ファンとしては見逃せない関係性があるのだ。「ガールズ&パンツァー」の女の子達はキャラクターのビジュアルと共に声優さんのお芝居や関係性にも注目しながら見てほしい。

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