【特集】

【年末特集】この冬休みにイッキ見して欲しいアニメ! 可愛い女の子編

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」

ダウナーに振り切ったガールズバンドアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」キービジュアル

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」作品紹介

 「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」は、ブシロードの「BanG Dream! プロジェクト」最新作として2023年6月期に放送されたオリジナルのTVアニメ。これまで3期製作されてきた「BanG Dream!」のTVアニメは、プロジェクト発足時からのガールズバンドユニット「Poppin`Party」が中心の作品だったが、本作では新たなバンド「MyGO!!!!!」結成の物語となっている。

 「BanG Dream!」はキャラクターを演じる声優が実際にバンドを組んでライブを行なうことが多いプロジェクト。本作も主題歌や劇中で演奏される楽曲を「MyGO!!!!!」が担当している。

【「壱雫空」(アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」オープニング映像)】

「BanG Dream!」とは? 声優に寄せてアニメキャラクターが製作されたプロジェクト

 ブシロードの「BanG Dream!」プロジェクトは、元々は系列声優事務所「響」所属の愛美さんがアイマスのライブで弾き語りを披露したことから始まった。

 2014年のIM@S合同ライブ「M@STERS OF IDOL WORLD!!2014」にジュリア役で参加した愛美さんがギターを携えて「流星群」を披露し、満員のプロデューサーをどよめかせた。その反応に好感触を得た「響」スタッフが、愛美さんにギターの演奏をさせたいと考え、ブシロードで同プロジェクトが始まったのだ。

 ソロではなく、ギターボーカルの愛美さんを中心に結成されたのが「Poppin`Party」で、ライブ活動を経て、TVアニメ化やアプリゲームの「ガールズバンドパーティー」リリースとプロジェクトが拡大して現在に至る。

Poppin'Party 19th Single「新しい季節に」ジャケット

 声優がアニメキャラクターに寄せた衣装でライブを行なうことは良くあることだが、逆に声優に寄せてアニメキャラクターが製作された点が「Poppin`Party」と「BanG Dream!」の特質であり、最大の魅力でもある。しかしその製作過程の特殊さから、TVアニメ「BanG Dream!」の評価は難しい部分があるとも言える。

6話までが導入部、7話で弾ける鬱展開!

 「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」は、これまでのTVシリーズでも見られた劇中に漂う緊張感をメインテーマに据え、序盤からギスギスした人間関係を描いている。トラウマ級の鬱展開が続くアニメなのである。

 TVアニメが見きれない程増えた頃に、3話まで見た時点でその後の視聴を続けるか決める、いわゆる「3話切り」が広まった。ここ最近さらにその傾向は強まり「1話で」さらには「1話のAパートで」と、作品が早い段階で見極められるようになった。そこで特にOPからAパートでいかに視聴者を引きつけるかに重点を置いて制作される第1話が増えている。

 そんな中にあって「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の序盤は、ガールズバンド「CRYCHIC」がメンバー同士による言い争いから解散する陰鬱な滑り出し。その後も、メンバー同士が剥き出しのナイフで斬りつけるような言動を繰り返すので、見続けるのが辛くなるストーリーが3話を超えてなお延々と続く。恐らく序盤で視聴を辞めたアニメファンがかなり多いだろうと思う。

 しかし、7話でようやくバンド「MyGO!!!!!」(劇中のこの時点ではバンド名は未定)がファーストライブにこぎ着けて、「BanG Dream!」ならではの他の追従を許さない演奏シーンが見れる。楽曲も高BPMと変調で構成された、「これぞアニソン!」というエモい仕上がりのアッパーチューンだ。それにより、6話までの鬱展開で積もったものが一気に晴れる爽快感が味わえる。これぞ「BanG Dream!」プロジェクトの面目躍如といえる、本作の大きな特徴となっている。

 イッキ見であれば鬱展開から爽快感への時間も短く感じられるし、配信には総集編も用意されていて、7話の視聴前に一端頭も整理できる。ダウナーからライブで一気に突き抜ける振り幅を是非体験してほしい。

「MyGO!!!!!」のメンバー

ガチ百合少女達の愛憎劇

 「MyGO!!!!!」のメンバーは勿論、物語終盤でライバルとして結成される「Ave Mujica」もビジュアルが非常に可愛い。それでいて、その可愛い少女達が、言葉や態度でメンバー同士傷付け合うのが本作の展開の特徴だ。

 見ていて「何故そんな言い方を?」、「何故そんな態度を?」と首を傾げたくなる台詞や行動が続き、彼女達と同年代の学生が見ていて影響されないか心配にもなる。しかし彼女達が、友情ではなく愛情、しかも多くの場合は一方的なー恋愛感情で繋がっていると考えると、すべて納得がいく。

 彼女達は常に論理ではなく、強い感情、激情をぶつけ合っているのだ。少女によるガールズバンド結成物語の名を借りた、ドロドロの愛憎劇を、是非堪能してほしい。

高松燈(CV:羊宮妃那さん)
千早愛音(CV:立石凛さん)
要楽奈(CV:青木陽菜さん)
長崎そよ(CV:小日向美香さん)
椎名立希(CV:林鼓子さん)