キャラクタの可愛らしさとゲームの遊びやすさとで、未実装要素が多いβテストながら爆発的な人気を得た「Ragnarok Online」が新たな展開を見せている。日本でのサービス元がガンホーに決定し、上級職やアイテム合成などのさらなる要素が追加されたオープンβ2テストが始まったのだ。 |
■ 新たな要素が加わって、ラグナロクがパワーアップ!
韓国の公式サイトに掲載されているβ2でのワールドマップ。徐々に大陸らしきものの形が見えてきている |
韓国の公式サイトに掲載されている新都市のAldebaranを空から見た画像。将来的にはAlchemistに転職先となる |
「ラグナロクオンライン」は、何千人ものプレーヤーが冒険する世界の中で仲間と協力しあって敵を倒し、得た経験値でレベルアップしていくという、実にオーソドックスなタイプのゲーム内容だ。だが、それでいて続々とプレーヤーを獲得し続けてきた秘密がいくつかある。
ひとつは、多くの人を魅了したキャラクタの可愛らしさだ。これまでの欧米型の濃いキャラクタや、「リネージュ」タイプの細身のキャラクタとは異なり、見たこともないような愛らしい立居振舞をするキャラクタに悶絶死するプレーヤーが続出しているのである。今回のβ2テストでも、追加された新職業のキャラクタの動きとグラフィックにノックアウトされる人が後を絶たない。
もうひとつ重要なのは、キャラクタの可愛さに隠れて見落とされがちな、操作性の良さと遊びやすさだ。簡単な操作と職業ごとにはっきりと分かれたスキル傾向とで戦闘がしやすく、ほどほどなレベルアップスピードのおかげで継続して遊びやすい。また、操作はほとんどがマウスでOKのため、ゲームのテンポをくずされずに軽快にプレイし続けることができる。総じて、長時間プレイしていても辛いと思わせない軽快さがあるのだ。
これまでのβ1バージョンは前述のようにキャラクタの可愛さ、ぐるぐるとフィールドごと回せる美麗なグラフィック、遊びやすいゲームシステムということがポイントであったが、β2では、それに武器防具の精錬やカード合成、見た目が変化する装備品の大量投与などが重なり、韓国MMORPGの特色であるアイテム集めにおいても充実を見せている。また、上級職が追加されたことでキャラクタの個性にもバリエーションが増え、強力な戦闘スキルは下位レベルのプレーヤーのレベルアップへの奮起を促し、上級プレーヤーはさらなる難度のダンジョンへと挑戦しやすくなった。アイテムとスキルの充実によって、より中毒性が高まったわけだ。
一方で、「ラグナロクオンライン」は他プレーヤーとのコミュニケーションのしやすさも特色のひとつである。これまでプレーヤー有志によるギルドしかなかったのが改善され、β2ではゲーム内でのギルドシステムによって、ギルドチャットやキャラクタ称号などが行なえるようになっている。
3つのサーバは連日超満員。1万人を越すプレーヤーがひとつのサーバにひしめき合うことも | 新たなエリアが追加されて世界マップはほぼ倍の大きさになった。目新しい光景が広がる | 新たな被り物がプレーヤーを席巻中。画面はバフォヘルメットと鹿角、おなじみのうさ耳 |
β2から登場した新都市のアルデバラン。行きづらさからか、まだ人口が少ない模様 | カプラ職員お姉さんは健在。初代GMを思い出させる一種独特な語り口は有料サービスでも継承されるのだろうか | 首都は相変わらずの混雑ぶり。明け方であっても、それぞれのサーバには3,000人から4,000人のプレーヤーがいる |
■ 新しい職業にクラスチェンジ!
ペコペコに乗った新職業のKnight。この姿でフィールドを走りまわれる |
いずれの職業も現在のJOBレベルが40オーバーにならないと転職はできず、転職の条件もそれぞれに異なっている。また、新職業はこれだけではなく、将来的にはもう6つの上級職が追加予定だ。
・Knight 騎士 Swordmanからクラスチェンジする直接攻撃のスペシャリスト。槍を扱うスキルに長けている。手懐けたペコペコ(鳥型クリーチャー)に乗って移動することができ、その姿は初級レベル者の憧れの的だ。ペコペコに乗った状態での攻撃スキルなども用意されている |
・Hunter 狩人 ArcherからのクラスチェンジとなるHunterは、Archer同様に遠距離攻撃を得意としており、さらに様々な効果を持ったトラップを扱えるようになっている。かかった者が動けなくなる罠や眠らせる罠などがある。またペット的クリーチャーのファルコンを使用して敵を攻撃することもできる |
・Wizard 魔道士 火水地風の4元素を操る魔法使い。Magicianからクラスチェンジし、さらに攻撃的な呪文を習得していく。炎が広範囲に拡がっていく呪文や隕石が大ダメージを与える呪文など、派手な上に威力の高いスキルが揃っている。また、キャラクタやモンスターが通れない氷の壁が作れるといった呪文もある |
・Blacksmith 鍛冶屋 β2で追加された要素、武器・防具の製造を行なえる職業(日本サーバーでは一部未実装)。Merchantからクラスチェンジする。属性の相性によってモンスターに大ダメージを与えられるため、今後、Blacksmithが製造した属性つきの武器を持てば百人力だ |
・Assassin 暗殺者 ThiefからクラスチェンジするAssassinは両手に武器を持って、相手に息つく間も与えずに攻撃し続けることができる。また、透明状態のままで移動や座ったりができるスキルや素早い連続攻撃、毒攻撃などを行うスキルも持っている |
・Priest 僧侶 パーティでの冒険には欠かせない、高位の補助・回復魔法を習得するPriest。Acolyteからのクラスチェンジとなる。アンデッド系に大ダメージを与えられる呪文の高位バージョンや、メンバーの回復速度を速める呪文などを持ち、パーティの補助役にとどまらない多彩なスキルで冒険をリードしていく |
■ とことんパワーアップしたゲーム内容
とにかくβ2は盛りだくさんだ。これまでのβ1が嘘のような充実振りで、β1で引退してしまったプレーヤーにもぜひ戻ってきてもらいたい要素ばかり。現在実装されてきている中でも注目なのは以下あたりだろうか。
・6つの上級職を追加
・ノービスからの転職クエストの変更
・大量の新アイテムと新装備品
・魅力的な新モンスターの追加
・ギルドシステムの導入
・武器防具の精錬、モンスターカードのスロット装着
・新都市Aldebaranと新エリア、新ダンジョン(炭鉱)の追加
・転送職員の廃止
発表済みであるが未実装の要素もまだまだある。例えば、プレーヤー同士が相手マナーを評価してポイントをプラスマイナスしていくマナーポイント制度がゲームにどう生かされるかとか、さらなる上級職はどういったスキルを持っているのかとか、いずれも実際に試してみたいものばかりである。
これまでは極端な話、戦闘しかすることのないゲームだったが、武器や防具の精錬ができるようになったことで、強力なアイテムとその材料を求めて繰り返し戦闘をしてしまう、MMORPGに重要な戦闘中毒のサイクルが完成しつつある。新職業の追加でスキルバリエーションが増えたことで、高レベルプレイでの楽しみがよりいっそう充実したのもポイントだ。
β2は、新職業の追加とアイテム合成や武器防具の精錬によって、これまでのシンプルだったβ1とはうって変わり、盛りだくさんなゲーム内容となっている。現在も無料のオープンβテスト中であるので、まだラグナロク未経験の方はぜひプレイしてみてほしい。静止画では伝えきれない軽快さ、グラフィックの美しさとキャラクタの可愛らしさを実感してもらいたい。
新しく追加されたダンジョンはプロンテラ北西の花畑の西奥にある |
新エリアにはこれまでになかったような植物なども見られ、新たな冒険を楽しめる |
新都市アルデバラン。カプラ本社ではナンバーワン職員がお出迎えしてくれる |
(c)2002 Gravity Corp.&Lee Myoungjin. All Rights reserved.
■ 気になる直輸入ソフト 番外編
夏場はやや新作が少ないので、今回は注目の韓国産のMMORPGについて。現在、日本では数多くの韓国産MMORPGがローカライズされてサービスされている。今回紹介した「Ragnarok Online」もそうだが、日本語にローカライズされ、日本のサーバからサービスを行なわれると、もはや韓国産うんぬんという意識も薄れてきている。これまでは、元祖的なタイトルであった「Lineage」に追随するようなグラフィックやゲームシステムのものが多かったが、最近は可愛い系タイトルの健闘が目立っており、ちょっとプレイしてみたいと思わせるとっつきやすさと、プレイしていて気持ちのいい軽快な戦闘やキャラクタの可愛さが魅力となっている。
これから日本語でのサービスが予定されている作品の中では、前回ご紹介した「エターナルカオス」を日本でサービスするガマニアの後続タイトルが見逃せない。自然との共存を描いたロマンチックな雰囲気のMMORPG「フォレスティア」や、商売が題材となった異色作「巨商」などがサービスを予定している。
また、いよいよ日本語版ベータが近付いてきた「シャイニング・ロア」はグラフィック、音楽、ゲーム内容いずれにおいても、既存の韓国製MMORPGから一歩も二歩も進んだクオリティであり、「Ragnarok Online」と共にライトMMORPGのプレーヤー層が最も注目すべきタイトルとなっている。
優しい雰囲気の世界観とグラフィックが特徴の「フォレスティア」 | プレーヤー間の金の貸し借りに利息がつくという異色MMORPG「巨商」 | 今、最もβテスト開始が待たれている期待の3D MMORPG「シャイニング・ロア」 |
(c)2002 GAMANIA DIGITAL ENTERTAINMENT CO LTD,. All Rights Reserved
(c)2001-2002 PHANTAGRAM INTERACTIVE, INC. ALL RIGHTS RESERVED
(2002年8月28日)
[Reported by 西尾ゆき]
GAME Watchホームページ |