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【連載第33回】 気になる海外ゲームをピックアップ


西尾ゆきの海外ゲームレポート

アイテムの強化やイベントも楽しめる
戦闘中心の手軽なフル3D MMORPG
「エターナルカオス」

 以前「ラグハイム」のタイトル名でサービスを行なってきた韓国産MMORPGの日本語版が、「エターナルカオス」と改名し、有料化開始に向けての準備段階に入った。シンプルな操作と繰り返しの戦闘が楽しめる手軽なMMORPGであり、ゲームシステムやパーティプレイでのバランスが複雑化の一途をたどっているMMORPG群の中では抜きん出て遊びやすい。現在はまだ無料サービス中であるので、どんなゲームなのかをぜひプレイしてもらいたい。

誰でも気軽に遊べる3D MMORPG

 「エターナルカオス」は、わかりやすい操作とゲームシステムが特徴のフル3D MMORPGである。プレーヤーは4つの種族の中からひとつを選んでキャラクタを作り、戦闘によって経験値を得て様々なキャラクタスキルを育成していく。

 物語の舞台となっているのは西暦2357年の《ニューアース》という惑星。汚染が極限になった地球を脱出してきた人類が到達した新たな星なのだ。ここには、すでにブルカン、カイリプトン、エイディアという3種族がいたため、人類も含めた4種族は領土拡大のため互いに争うこととなったのだが、ある時飛来した《プログメア族》に対抗するため、力をあわせて戦うことになる。つまり、プレーヤーはニューアースを守る4種族のうちのひとりとなって異星人と戦うというわけだ。

 戦闘やキャラクタ移動はすべて左クリックと右クリックで行なえ、能力値確認や装備品の脱着などは、画面右上に並んだ小アイコンを押すことで操作できる。非常に簡便な操作でゲーム内の行動のほとんどが行なえ、キャラクタの習得するスキルも数が絞られているので、初めてMMORPGをプレイする人でもすぐに入っていけるだろう。また、ゲーム内の視点は三人称だが、フル3Dだけあってズームイン・アウトはもちろん、目線も自由に変えられ、右クリック押しっぱなしで周りの景色をぐるぐる回すことができる。

 「エターナルカオス」は以前「ラグハイム」の名前でサービスされており、現在の名に改名されてからは、課金システム準備のためにキャラクタデータの以降なども行なわれた。これに際して、どのプレーヤーもキャラクタをLV1から育てる新サーバーが用意されたので、これまで「ラグハイム」を遊んだことがない人は、今がプレイを始める絶好のチャンスだ。

大勢のプレーヤーでにぎわうゲームスタート地点。アイテムを預かってくれる倉庫NPCなどもいる 戦闘はクリックひとつでOK。ベルトにアイテムをクリック&ドラッグしておけば、数字キーですぐに使える 時間や天候などによって、空のグラフィックも変化を見せる

種族ごとに異なるキャラクタのスキルと能力

 「エターナルカオス」のゲームの中心となっているのは、キャラクタの戦闘と成長だ。ゲームスタート時の街から外に出ると、フィールドには様々なモンスターや動物が徘徊しており、それらをびしびしとクリックして攻撃し、経験値を得てキャラクタを成長させていく。

 プレーヤーが使えるのは、戦士タイプのブルカン、攻撃魔法が得意なカイリプトン、銃を扱えるヒューマン、援護・回復魔法が使えるエイディアの4種族だ。それぞれに習得するスキルは異なっており、レベルアップ時に得られる能力ポイントを好きなように能力やスキルに割り振ることができる。各スキルは能力ポイントを割り振ることで段々強くなっていき、ブルカンならば直接攻撃の能力が、カリプトンならば魔法攻撃の威力がどんどん上がっていく。

 一方、体力や知力といった能力値もスキル同様にポイントを割り振っていける。店で買ったり、モンスターが倒されて落とすキャラクタ装備品は、それぞれ必要レベルや必要能力値が設定されており、体力のあるブルカンは知力がたくさん必要なアイテムが装備できないし、反対に、知力の高い種族は体力が必要なアイテムが装備しにくくなっている。

 装備品は各種族共通のものがあるのだが、それらは主に低レベルでの話で、キャラクタのレベルをあげていくことで、各種族専用のとことんカッコイイ装備品を身につけられる。キャラクタのグラフィックには装備品の変更も反映されるため、高レベル者のかっこいい鎧セットを見ながら、いつかは自分もあれを……と思いながら戦闘に熱中してしまった。

 なお、スキルと能力値に割り振るポイントは共通のため、レベルアップごとにもらえるその3ポイントをどう扱うかでもキャラクタの成長に差が出るだろう。

ブルカン
肉弾戦に向いた種族で剣や斧を振り回せる。スキルも直接攻撃や防御に優れたものが用意されている
カイリプトン
攻撃的な魔法に優れた種族。攻撃魔法はファイア系、ライト系、ストーン系などがあり、街に戻る移動魔法も使える

ヒューマン
銃による攻撃を得意とする種族。連続2回射撃ができる“連射”や遠距離を攻撃できる“狙撃術”などがある
エイディア
妖精のような見た目の種族。自分を回復したりテレポートしたりするスキルのほか、自然の力を使っての攻撃魔法も持っている

アイテムの売買をしたり、装備品の強化を頼んだりと他のプレーヤーとの交流が持てる 右ボタンのクリック&ドラッグひとつで、ここまで視点を変更できる スキルは種族ごとに種類も数も異なる。装備品同様に必要レベルをクリアしていないと習得できない

装備は両手、頭、胴、足指輪など。同じ装備品シリーズでも、つける場所によって必要レベルが違ったり 街や地域によって土地の雰囲気もがらりと変わる。特定の場所でしか売っていないアイテムもある 戦闘時は、攻撃手段によって様々なエフェクトが表示される

季節イベントや繰り返し戦闘をしてしまう中毒性が魅力

アイテムは街のNPCから購入するほか、モンスターを倒した時にも多くのアイテムが手に入る
まだダンジョンの数は少ない。ダンジョンは奥に進めば進むほど強い敵が出現する
 「エターナルカオス」では、日本の祭日や折に触れて様々なイベントが開かれる。ゲームの運営側が主催したものではバレンタインデーにチョコアイテム(体力が回復する)を店で購入できるようになったり、GMキャラクタを探し当ててアイテムを交換してもらったりといったものが行なわれてきた。

 また、プレーヤー有志によるイベントも、公式サイトのイベント掲示板に書き込まれており、初心者ツアーや闘技場での対戦イベントなどが行なわれているようだ。戦闘中心のMMORPGはどんなイベントがあるかでプレイモチベーションががらりと変わるので、これからも運営側の積極的で楽しいイベント企画に期待したい。

 また、このゲームの魅力を担っているひとつに見た目にも派手な各種の種族専用装備品がある。「エターナルカオス」において、LV30などはまだまだひよっこの部類で、街中で「お、かっこいいなぁ」と思うような装備セットは大概必要レベルがLV100オーバーであり、多くの戦闘を経験したものだけが素晴らしい種族専用アイテムを身に付けられる。そのため、強い武器と性能のいい鎧という実際的な面でも、シリーズ品として頭からつま先までびしっと決められるという見た目的な面でも、高レベル者になった時の楽しみが用意されていて、ついついキャラのレベルあげに熱中してしまう。

 その上、装備品はモンスターが落とすジェムや魔石を利用することで強化できるため、プレーヤーはプレイすればするほどキャラクタの育成、装備品の強化にはまってしまい、結局プレイするのを止められなくなってしまう。モンスターがまれに落とすジェムをこつこつ集めて上級品に鍛え上げた時は小躍りし、「後1レベル、後1レベル」と思いながら目的の装備品を身につけるために戦い、今日はもうやめようと思いながらもついついプレイを続けてしまうというわけだ。

 操作がシンプルで何も考えずに敵をクリックしていけばいいのも、思いのほか心地いい。敵を一回クリックすればその後は自動で攻撃を続けてくれるので、複雑な操作もいらずに気楽に楽しめるのだ。

 ただ、「エターナルカオス」で難点を挙げるとすれば、そのシンプルさゆえに、戦闘が単調に感じる時もあったということだろうか。戦闘中は、様々な技を多種多様に繰り出すわけではなく、また、ソロでのレベルアップに適したモンスターの種類がそれほどバラエティに富んでいないため、次のレベルまでに倒すモンスターの数を数えて辛くなったことがある。なので、ソロプレイもしやすいゲームだが、他プレーヤーとのパーティプレイや交流、自分が得たアイテムの転売、アイテム強化といった部分を積極的に楽しんだほうがいいだろう。有料化後にはクエストはあるのか、生産系技能に変更はあるのかといった点が楽しみである。

 シンプルな操作と戦闘、わかりやすいキャラクタの成長によって、「エターナルカオス」には暇な時についついプレイしてしまう手軽さがある。しゃかりきにレベル上げをして強い武器や防具を見せびらかしてもいいし、まったりとソロペースでプレイしてもいい。「後いくつレベルがあがれば、あの武器が装備できるぞ」というような、プレイする上での目標もつかみやすく、MMORPGが始めての人でも気軽に楽しめるはずだ。

ダンジョン内には商人もおり、死亡時にはダンジョン入り口に飛ばされるなどプレーヤーに優しい ダンジョン内はまるで迷路のように複雑。しかも小マップには細かい部分までは表示されない 現在のバージョンでは、街と街がワープポイントのようなもので結ばれている

(c)2002 GAMANIA DIGITAL ENTERTAINMENT CO LTD., All Rights Reserved

【エターナルカオス】


□「エターナルカオス」公式ホームページ
http://www.gamania.co.jp/ec/index.asp
□関連記事
【6月11日】ガマニア、MMORPG「ラグハイム」の国内販売権を取得
東京ゲームショウ開催に合わせ有料サービス化へ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020612/laghaim.htm


今週の気になる直輸入ソフト

 今月も先月に引き続きビッグタイトルは少なめ。 「これはマストバイ!」というほどのタイトルはなかなか出ていない。そんな中で「The Sims」のキャラクタデータが写真データから手軽に作成できるソフト「Face Factory」がちょっと気になった。サードパーティ製のツールであるが、正規ツールは難しくてという人は試してみてもいいかもしれない。

MechWarrior 4:Clan Mech Pack
実売価格:2,380~2,600円 ジャンル:アクションシューティング Demo版

 メックと呼ばれる機体を操作して戦闘を行なうロボットアクションシューティングの人気作「MechWarrior 4: Vengeance」のアドオン。以前、ここでも紹介した「Inner Sphere Mech Pak」同様に、4つの新メックと、センサー、武器がひとつずつ、そして新たなマルチプレイ用マップひとつが収録されている。マルチプレーヤー好き向けの製品だ。

(c)2002 Microsoft Copyright. All rights reserved. Terms of Use.
※画面は「MechWarrior 4: Vengeance」のもの

Face Factory
実売価格:2,800円~3,380円 ジャンル:ツール

 箱庭人生シミュレーション「The Sims」用のツールソフト。顔の正面と横顔のデータを入れるだけで、「The Sims」用のキャラクタを作ってくれるというもの。顔の作成や編集ためだけのツールのようなのでやや割高な気もするが、正面と横の顔データさえあれば、何のグラフィック知識がなくても手軽にキャラクタが作成できる。

(C) 2002 by JoWooD Productions Software AG.

(2002年8月21日)

[Reported by 西尾ゆき]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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