Windows 10 ゲームマラソン

「Alliance of Valiant Arms(AVA)」 リアリティと多彩なルールがウリの無料FPS

オンラインFPS乱立時代を生き抜き、現在もトップに君臨する定番タイトル

【Alliance of Valiant Arms】

2008年12月1日 正式サービス開始

価格:無料(アイテム課金制)

 「Alliance of Valiant Arms」(以下、「AVA」)は、ゲームオンが2008年12月からサービスしているオンラインFPS。重厚で美しいグラフィックスで注目され、基本無料オンラインFPSタイトルが乱立する中でも存在感を発揮し続けた。サービス開始から7年目を迎える現在においても、国内トップクラスの人気を誇るFPSタイトルとして君臨している。本日の「Windows 10ゲームマラソン」では、「AVA」を取り上げたい。

Windows 10への対応状況(7月29日現在)
動作状況★★★(普通に動く)
メーカー対応未対応
Windows 10独自機能特になし
不具合報告特になし
サポート情報「Windows 10(正式版)」の対応状況について

武器やゲームモードなどあらゆる面で充実のリアル系FPS

実在の銃が登場するリアル系FPS
7年目のタイトルながら、基本無料ゲームとしては今も十分な美しさ

 最初に本作が注目されたのは、当時は最新だったUnreal Engine 3を採用し、基本無料のFPSタイトルの中ではグラフィックスの美しさが際立っていた点だ。しかし現在もなお多くのプレーヤーを抱える長寿タイトルとなっているのは、映像の美しさだけが理由ではない。

 筆者がプレイしていて最も魅力を感じるのはリアリティだ。本作はいわゆるリアル系FPSで、グラフィックスの美しさはもちろんだが、武器や挙動もリアルに寄っている。銃を撃てば反動で銃がぶれ、連射すれば弾の行き先が定まらなくなる。ゲーム的には不自由とも思えるが、無駄に連射せず狙って撃つことができれば強くなれるというのが、プレイをしていてわかるのがいい。

 武器は500種以上が収録されており、それぞれに威力や弾数はもちろん、貫通力や反動、装備時の機動性といった細かなスペックが設定されている。ゲームバランスを取るため、必ずしも現実の銃の特性と同じではないが、遊べば遊ぶほど銃の特性が見えてくるのが面白い。武器は有料のものもあるが、無料で入手できるものも多彩にある。バランス的にも、必ずしも有料の武器が強いとは限らない。

 プレーヤーキャラクターは、近距離、中距離、遠距離にそれぞれ特化した3兵種から選択でき、リスタート・リスポーン時に自由に変更できる。自分が得意なスタイルを貫くもよし、状況や気分に応じて使い分けるもよし。1回のゲームでも単調な戦いになりにくいのが嬉しい。

 多彩なゲームモードも本作の魅力。敵を倒すだけではなく、戦車を護衛して進むものや、特定の場所に時限爆弾を仕掛けて爆発まで耐えるもの、脱出ポイントへの到達を目指すものなど複数ある。さらにはゾンビに感染したプレーヤーと戦い、やられると自分もゾンビになるという、特殊なモードも用意されている。

【スクリーンショット】
無闇に連射すると銃の方向がずれて狙いが定まらない
銃ごとに詳細なスペックが設定されている
3つの兵種から選べる。最前線に行きたい人は「ポイントマン」でサブマシンガンを使おう
「スナイパー」は一撃必殺の威力を誇るが、連射が効かないので正確な照準が求められる
中距離を得意とする「ライフルマン」はバランス型で防御力も高い
戦車の護衛・破壊など多彩なゲームモードが用意されている
マップも様々あり、ルートを覚えるのが大変なほど
ゾンビになって他のプレーヤーを感染させる特殊モードも

コミュニティ重視で成長した作品。今ならほとんどのPCでプレイ可能

初心者専用のチャンネルとルームが用意されている

 Windows 10の対応については、本稿を執筆している7月25日時点ではアナウンスされておらず、対応OSに含まれていない。筆者のテスト環境では、Windows 10の新ブラウザ「Microsoft Edge」で「AVA」のクライアントのダウンロードに失敗した。レジューム機能付きではない通常ダウンロードは利用できたので、同様の症状が出る場合はこちらをお試しいただきたい。

 その後の動作については特に問題は見られず、快適なゲームプレイが可能だ。ただし筆者のテスト結果が動作を保証するものではなく、個々人の環境によって動作しない可能性もあるので、不安な方は念のため運営の正式発表を待つのがいいだろう。

 本作は基本的なゲームの良さも確かにあるが、人気の裏にはゲーム外での努力もある。年に数回開催される公式大会のほかに、全国各地のネットカフェを会場としたオフラインイベントが活発に行なわれており、2014年には実に130回も開催されている。サービス開始当初からこうした地道な活動を続けてきており、その努力が「AVA」の成功に繋がっているのだと思う。

 そうは言ってもFPSに不慣れな人がいきなり対戦ゲームに参加するのは大変だ。本作ではその対策として、専用のルームが用意されている。狭いマップで2チームに分かれ、敵を倒すだけの単純なルールだが、それに加えてNPCも参加している。NPCは棒立ちのことが多く、練習にもってこいの存在だ。FPSは初心者同士でも腕の差が出やすく、最初から倒されすぎてやる気を失うという人も多いが、本作はNPCも交えてのんびりと学べるのがありがたい。

 動作環境は、CPUがCore 2 Duo以上、ビデオカードがGeForce 9800 GT以上とされており、現行のPCであれば問題なく動作するはずだ。詳しいスペックがわからない人も、基本無料のタイトルなので、1度インストールして試してみるといいだろう。腕に自信がある人も、「FPSって何だろう?」という人も、気軽に遊んでみていだたきたい。

【スクリーンショット】
初心者専用ルームでは、何度倒されてもいいので30キル取るのが目標。焦らず少しずつ慣れていける
新たなゲームモードに挑戦したり、使ったことがない武器に触れるのも、だんだんと楽しくなってくる

(石田賀津男)