Windows 10 ゲームマラソン

「黒い砂漠」 実写と見まがう美麗なグラフィックスに注目!

自由度の高さと高品質な絵作り、次世代を目指して開発されたMMORPGの意欲作

【黒い砂漠】

オープンサービス中

価格:基本無料(アイテム課金)

 「黒い砂漠」は韓国PearlAbyssが開発し、日本ではゲームオンが運営しているMMORPG。映画のようにリアルなグラフィックスと、自由度の高いプレイが可能な次世代のタイトルとして、日本では5月8日にオープンサービスがスタートした。とにかくグラフィックス重視で最新のMMORPGが遊びたいという人や、自由度が高いゲームがやりたい、という人にはオススメのタイトルだ。本日の「Windows 10ゲームマラソン」は重厚なストーリーが高い評価を得ている「黒い砂漠」をご紹介しよう。

Windows 10への対応状況(7月29日現在)
動作状況★★★★(快適に動作)
メーカー対応プレビュー版にて動作確認済み
Windows 10独自機能Xbox App、Game Bar、GameDVR(ウィンドウモード時)
不具合報告フルスクリーンでGame Barが起動せず
サポート情報「Windows 10(正式版)」の対応状況について

圧倒的なグラフィックスのクオリティが作り出すリアルな世界観

圧倒的に美しいグラフィックスと作りこまれた世界観に感動する
「朱き都と東方の風」アップデートで実装された新クラス「ツバキ」と「ブレイダー」

 「黒い砂漠」は、十分なPCパワーがあってこそより楽しめる最新のMMORPGだ。何よりも驚かされるのはその迫力あるリアルなグラフィックスだ。作りこまれた町や街道には、プレーヤーだけでなく数多くの兵士や行商人のNPCが行き来しており、プレーヤーと肩がぶつかるとリアクションを返してくる。街にいくと、賢者や大道芸人の前に人だかりができている。オフラインのオープンワールドげームさながらの作りこまれた風景は、ほかのMMORPGでは目にしたことがないものだ。

 これだけのクオリティを維持するために推奨される環境はCore i-5、メモリ6GB、GTX650/550TiかRadeon HD 7770、6770と高め。HDDの空き容量も35GB必要と、最近のMMORPGの中ではもっとも高い部類に入る。しかし、それだけの投資をする価値はある。なお、本作にはベンチマークソフトはないが、Internet Explorerならクライアントのダウンロードページから動くかどうか調べることができる。

 ゲームの起動はブラウザ経由で、Microsoft Edgeからでも問題なく起動することができた。Windows 10の独自機能はウィンドウ表示であればすべて問題なく使うことができたが、フルスクリーンでは動作しなかった。

 キャラクターは非常に細かいカスタマイズが可能だが、ウォーリアは男性、レンジャーやソーサラーは女性とクラスごとに性別は固定となっている。7月15日のアップデート「朱き都と東方の風」でアジアンテイストな新クラス「ツバキ」と「ブレイダー」といった新エリアが追加された。

 戦闘はノンターゲティングでマウスのボタンとスキルのショートカットキーを併用する。スキルはスキルポイントを消費して覚えていくので、すべてのスキルを覚えることはかなり困難だ。そのあたりでキャラクターごとの個性が出るようになっている。

 本作には戦闘以外にも、貿易、生産など奥深い生活要素もある。NPCを労働者として雇って、作物を育てたり、製作をさせたりすることができる。交易のために馬車を作ったり、釣竿を作って釣りをしたり、船を作ったりと生産要素がゲームの幅を大きく広げてくれる。

【スクリーンショット】

実業家から窃盗犯まで、プレイスタイルは千差万別

戦闘はノンターゲットバトル。ポーションやスキルを使った自己回復と回避があるのでヒーラーは存在しない
街のNPCと話をすることで知識を貯めていく。話をする必要があるNPCはマップ上に「?」マークで表示される
最初にもらえるロバのマウント。野生の馬を捕まえたり、自分で飼育した馬に乗ったり、馬車を仕立てることもできる

 自由度の高いゲームは、えてして何をしていいのか分からない状態になりがちだ。「黒い砂漠」の場合、中レベル帯までは闇の精霊という、霧のような姿の怪しい精霊が旅のガイド役としていろいろなクエストを出してくる。親しげに話しかけてくるが、途中に出会う賢者からは、良くないもの扱いされており、見た目もあまりいいものには見えない。

 なぜプレーヤーが闇の精霊と共に旅をすることになったのかは、メインストーリーをこなしていくと判明していく。とはいえ、何をするかは基本的にはプレーヤーの選択に委ねられているので、一本道のゲームではない。他のゲームで見られる高レベル帯になるとダンジョンにこもりきりになるということはなく、パーティプレイに縛られるゲームでもない。

 本作の特徴として「知識」という要素がある。NPCに話しかけたり、敵と戦ったり、どこかの場所を訪れたりといった行動で知識を獲得することができる。知識を蓄積することで行動力が増え、できることが増えていく。例えば初めて狩るモンスターはHPが分からないが、戦いの中で知識を得ることで残りHPが分かるようになる。街にいるNPCも話しかけることで知識を得ることで、これまで相手にしてくれなかったNPCとも会話ができるようになる。逆にどんどんNPCに話かけて知識を集めていかないと、プレイの幅が広がらない。

 同様に「貢献度」も重要だ。誰だって信用ならない人に道具を貸したり家を売ったりしたくないものだが、「黒い砂漠」の世界でも、地道にクエストをこなして町の人たちを助けることで貢献度を貯めると、倉庫や厩舎を使ったり、性能のいい装備を借りることができるようになる。

 大規模な戦争コンテンツでのPvPはもちろん、プレーヤーキラー(PK)も可能だ。ただしPKを繰り返していると「性向」というパラメーターが下がっていく。NPCからアイテムを奪う「窃盗」でも性向が下がり、下限になると街のNPCが襲ってくるようになったり死亡時のデスペナルティが厳しくなったりと相応のリスクを負うことになる。

 クエストを追うだけで簡単にレベルが上がるというMMORPGが多い中、自由度を追求している「黒い砂漠」のスタイルに戸惑う人も少なくないだろう。しかし、だんだんとこの世界との関わりが深くなっていけば、自分のやりたいことを突き詰めていく楽しさに気づけるはずだ。プレーヤーが行なう行為は何であれ、何らかのスキルやポイントとなって成長につながっていく。生きる道は1つではない。冒険と発見の中から、自分だけの人生を編んでいこう。

【スクリーンショット】

(石井聡)