「電遊道」~Way of the Gamer~ ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ

ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ【第27幕】

 電遊。辞書に載っていない造語である。電気的な遊び。いわゆる、テレビゲーム。道。その道を、自分の価値観だけを信じて最後まで歩むのが、侍精神である。電遊道は、妥協を許さないサムライゲーマーが歩むべき道。他人に影響されることなく、自分のゲーマーとしての信念を貫き通せばいい。たとえ、ゲームが別の道に進んでも、自分の好きな道をずっと信じ続けるのみ。たとえ、“これこそがゲームの未来形だ!”と言われても、自分の好きなゲームライフを思う存分楽しむのみ。

 「電遊道」は、RPGのようにレベルアップする。これまでの「一刀両断」や「イタヲタのレトロなゲームライフ」などの人気コーナーを提供しつつ、新しいコーナーをスタート!「みんなのGAME SHOP」では毎月、イタリアのゲームショップの1日を体験していく。期待作が発売された日のお客さんの反応とは?イタリア人の買い物を覗いたり、店長のコメントを訊きながら、ゲームショップの1日を密着取材!

 そして、「BORN TO BE GAMER」(和訳:ゲーマーになる為に生まれた)では、日本のゲームを愛するイタリア人ゲーマーを紹介していきたいと思う。ゲームとのファーストコンタクトは?日本のゲームを愛する理由とは?その人物像を掘り下げたいと思う!これからも「電遊道」はレベルアップしていく。サプライズたっぷりの連載を目指しているので、末永くこのページの中で付き合って欲しい!

ジョン・カミナリ(芸名)
国籍:
イタリア
年齢:
37才
職業:
俳優、声優、タレント、テレビゲーム評論家
趣味:
テレビゲーム、映画鑑賞、読書(山田悠介)、カラオケ
主な出演作品:
銀幕版スシ王子!(ペぺロンチーノ役、デビュー作)、大好き!五つ子(アンソニー・ジャクソン役)、侍戦隊シンケンジャー(リチャード・ブラウン役)
ブログ:
ジョン・カミナリの、秘密の撮影日記
Twitter:
https://twitter.com/John_Kaminari
Facebook:
http://www.facebook.com/johnkaminari

 イタリアで6年間テレビゲーム雑誌の編集部員として働いたあと、新しい刺激を求めて2005年に大好きな日本へ。子供の頃から夢見ていた役者の仕事を本格的に始める。堤幸彦監督の「銀幕版スシ王子!」で個性的なマフィアのボス、ぺぺロンチーノを熱演。現在もTVドラマやTVゲームなどで、俳優・声優として活躍中。日本語を勉強し始めたのは23歳のとき。理由は「ファイナルファンタジーVII」や「ゼノギアス」などのRPGの文章を理解するため。好きなジャンルはRPGと音楽ゲーム。「リモココロン」のような個性的なゲームも大歓迎。お気に入りのゲームは「ゲームセンターCX」と「ワンダと巨像」。芸名はイタリア人の友達に、本人が雷のように予想不可能なタイミングで現われるからという理由で付けられた。将来の夢は、「侍戦隊シンケンジャー」に出演した時から大好きになった戦隊モノにまた出演すること。


一刀両断~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~

話題のゲームニュースや注目のゲームイベントをピックアップして、僕の正直な感想を述べたいと思う。また、現在のゲームが抱えている問題を解決するアイディアや提案も、このコーナーを通じて考えてみたいと思う。ゲーマーの皆が納得できる未来の為に!

任天堂の初HDゲーム機が誕生! 1カ月のプレイで抱いた感想は?

 「ゲームはハイデフへ」というキャッチコピーを聞いたのは、マイクロソフトのXbox 360が発売間近だった頃だ。当時(2005年12月)、ハイデフテレビは“貴重品”として扱われ、日本の家庭ではブラウン管テレビが主流だった。それからゲーム市場にプレイステーション 3が導入され、少しずつハイデフという言葉も当たり前になっていった。映像の解像度の向上が、ゲームにリアルさを与えたと共に、開発側にはキャラクターモデルや背景を細かくデザインするという“責任”を圧倒的に増やしたともいえる。

 Xbox 360やPS3が示したその流れに乗らなかったのは任天堂だった。Wiiはゲームキューブによく似た性能で、グラフィックスの面ではライバルのハードに劣っていたのは周知の事実だ。しかし、Wiiリモコンの導入で、操作方法の概念を一新させたと共に、家庭で親子揃ってゲームを楽しむというコンセプトを見事に定着させた。「マリオ」など任天堂の人気シリーズも大きな魅力だったし、それまでゲームと無縁だった客層の心をキャッチした「Wii Sports」や「Wii Fit」などの、全く新しいタイプのゲームソフトを提供していった。

 そうした流れを経て、2012年12月8日に日本で、任天堂初のハイデフゲーム機、Wii Uが発売された。世界中のファンがずっと待ち望んでいた「マリオのハイデフ化」がとうとう実現したし、新たに導入されたWii U GamePadが、操作方法をまた1歩進化させた。

 過去を振り返れば、コントローラーに画面を付けるというアイディアはドリームキャストで見られたが、これほど美麗な映像を表示できる画面を取り付けたのは、任天堂が初めてだと断言できる。単刀直入に言うと、タブレット機能も備えた新感覚コントローラーが実現したといえる。

 僕もイタリアでの発売日(2012年11月30日)に32GBのWii Uプレミアムセットをゲットし、約1カ月間、毎日欠かさず遊んだ。今回は、この1カ月のプレイで抱いた感想や疑問などをまとめてみたいと思う。満足したサービスとはなにか? これからクリアするべき課題は? 白黒を付けたいと思う! 今回の感想は、欧州で発売されたWii Uで遊んだことによるものだ。

任天堂は今回、これまでの方針と違い、内蔵フラッシュメモリーの容量が異なる2つのモデルを発売した。ダウンロード販売が浸透してきた今では、32GBも少なく感じたユーザーが少なくないだろう

システム更新で始まる新ゲーム生活

 第一印象は決していいものではなかった。何故かというと、1時間以上のシステム更新で始まる新たなゲーム生活が、歓迎できるものではないからだ。岩田社長が欧米プレーヤーに謝罪したビデオメッセージで、もちろん最初のショックは克服できたと思うが、やはり最初からWiiのように、もっと安定したシステムが望まれていたのだろう。

 結局、これまで2つの大規模なシステム更新があり、僕は毎回、1時間以上画面とにらめっこしたまま退屈したという悪い思い出がある。任天堂によると、これから再入荷されるWii Uは最初から最新のシステムデータが入っており、ダウンロードやインストールという不愉快な体験をせずに済むようだが、こういう現象が次世代でも続くとなると、システムの不安定さを恐れ、発売日にゲーム機の購入を躊躇うユーザーが増えていくと思う。

更新があるからこそ、広がる可能性

 元々システム更新はパソコンではお約束の作業だが、何年か前まではゲーム機と無縁の言葉だった。ある意味、最初から更新を気にせず気軽に遊べていたゲーム機のほうがよかったと思う。とはいえ、既にゲーム機の定義が変わり、オンラインに接続しなくては全てのコンテンツを楽しめないというのが常識になってきている。Wii Uも例外ではなく、オンラインにおいて数々の面白いコンテンツを提供している。

 例えば、世界中の他のプレーヤーとグループを作り、ゲームについて話し合うことができる「Miiverse」がそうだ。イメージはゲームサイトのコミュニティーに似ているが、任天堂はインパクトや快適さという要素を強化させたという印象だ。各ゲームのグループに入ってみると、そのゲームのみんなの感想文を読むだけでなく、みんながWii U GamePadで描いたスケッチも閲覧できる。

 グループの平均的な感想を読むと対象のゲームソフトのイメージを掴みやすくなるし、口コミの力で販売を促し、そのおかげでゲーム市場がさらに盛り上がると思う。「NewスーパーマリオブラザーズU」のように、ゲーム内でも各ユーザーが、ステージの入り口にコメントやスケッチを残せるという要素も、オンラインに対応しているからこそ可能で、ゲームという遊びをみんなと共有しているという感覚を増幅させている。

 ただし1つだけ、Miiverseのグループ内のメッセージ作成について疑問に思ったことがある。グループの参加者が世界のエリアごとに表示できるというフィルター機能が付いており、ヨーロッパ、アメリカ、日本などの各エリアが選択できるようになっている。僕は英語やフランス語が理解できるので、イタリアだけでなく、ヨーロッパ各国のユーザーの感想文を読むことにしている。

 しかし日本の場合、欧州版のWii Uでは日本語のキーボードが使えないため、日本人ユーザーのメッセージに日本語で返信することができない。パソコンのシステムには、国に関係なく全ての言語が入っているのに、何故、Wii Uにはそれが入っていないのか不思議に思った。これからの更新でアジア圏の各言語が追加されることを願っている。

ゲーム機は世界共通であるべき!

 僕が新ゲーム機を購入する度に最も気にしている仕様は、リージョンフリーであるかどうかだ。例えば、PS3やPlayStation Vitaの場合、世界のどこに行ってもその地域のゲームソフトが起動できるようになっている。それは、僕にとってあらゆるゲーム機が備えるべき基本的な仕様だと思っている。例えば、仕事でアメリカに3カ月行くことになった場合、リージョンフリーでなければ、再度、その国でゲーム機を買う必要があるし、ゲームソフトも買い揃えなければならない。

 任天堂がゲーム機をリージョンロックしている主な理由は、おそらく各エリアのマーケットを守りたいという方針によるものだろう。僕は、ドルだろうが、ユーロだろうが、円だろうが、一体何が変わるのだろうかと思う。大切なのは、正規ゲームソフトを購入しそれを楽しむことだろう。リージョンロックが解除されれば、ヨーロッパに住む日本人や、日本語が理解できる欧州のプレーヤーが、欧州での発売が予定されていない、あるいは発売されることのなかったゲームソフトも購入できるという利点がある。

 DSは例外だったが、3DSもリージョンロックされていたし、そしてWiiとWii Uも同じく、エリアごとにプロテクトされている。日本とイタリアを行き来して、仕事をしている僕のようなプレーヤーが他にもいるはずだ。ノートパソコンのように、ゲーム機も世界共通になったらどれほど嬉しいことだろう。

念願のハイデフがようやく実現!

Wii Uプレミアムセットに同梱された「Nintendo Land」が、Wii U GamePadの可能性をアピールしたと思う

 僕の人生で初めての「ハイデフマリオ」を見た瞬間、感動した。決して、自分はグラフィックスを重要視しているプレーヤーではないが、やはりグラフィックスが美麗になると、ゲームという体験がより印象的なものになる。だからこそ、Wii Uで任天堂がハイデフの領域に進出したことをとても嬉しく思った。ようやく性能面でも、PS3やXbox 360と同等の性能を持つ任天堂ゲーム機が実現した。

 ほかのゲームサイトでは「遅すぎる!」と嘆くユーザーコメントが少なくなかったが、僕は同意できない。何故なら任天堂のゲーム機は、高性能にこだわったという例がほぼなく、むしろ新しい遊び方を実現するような様々な要素の集合体だからだ。グラフィックスは1つの要素に過ぎないからだ。

 つまりWii Uでは、ゲーム体験を豊かにするのはグラフィックスよりも操作方法のほうだ。新たに投入された画面付きコントローラーWii U GamePadと、Miiverseを始めとした斬新なオンライン機能、そしてハイデフグラフィックスという3つの要素が、ゲーム体験を豊かにしているのだ。

操作方法を進化させたWii U GamePad

正真正銘の携帯ゲーム機ではないが、テレビを消したままベッドでプレイできるという点は確実に共通している。それは、Wii Uの大きな付加価値だと確信している

 Wii Uは、Wiiリモコン、ヌンチャク、クラシックコントローラーなど、Wiiのアクセサリーに対応しつつ、魅力あふれる画面付きコントローラー、Wii U GamePadで全く新しいゲーム体験を提供する。携帯ゲーム機よりもサイズは大きいが、その軽さと持ちやすさにびっくりした。長時間プレイしても、ほとんど疲れを感じることなく、気持ちよく遊べたことに絶妙な幸福感をおぼえた。携帯ゲーム機ではないが、本体から離れすぎないよう注意すれば、ベッドに横たわったままゲームが楽しめる。

 ただし、いくつか不便に感じたところもある。1つは本体との通信の不安定さだ。壁を隔てた隣の部屋では(距離は8メートルぐらい)、通信障害が出始め所々でゲームが中断され、思うように遊べなかった。実現できるかどうかわからないが、本体から離れてもプレイできるよう、今後本体との通信を強化する周辺機器が発売されることを願っている。

 もう1つは、YouTubeチャンネルをWii U GamePadだけで動画が閲覧できないことだ。Wii UのYouTubeチャンネルはテレビ画面に動画を流し、Wii U GamePadの画面にその動画の基本情報や説明文を表示させている。DSのように2つの画面で役割分担させるのはいいと思うが、テレビを消したままでもWii U GamePad単体で動画を閲覧したかった。これからの更新で、両方のモードで動画が鑑賞できるようになって欲しい。

 またWii U GamePadだけでなく、本体もWi-Fiでインターネットに繋げると、電波障害で受信できなくなるというエラーメッセージがよく表示された。2回目の更新である程度安定してきたようだが、周囲に他のWi-Fi機器があると、電波障害で繋がりにくくなるという現象が何度か起きた。

 しかし、その現象について疑問に思ったことがある。同じ部屋にある他のゲーム機は、これまで一切そういった電波障害問題がなく、通信速度が減ってもエラーやダウンロード中止というような問題が発生することはなかった。それがWii Uでは起こる。

 これは、Wii U本体のシステムがまだ不安定なせいなのか、それとも、Wii Uの受信性能が他のゲーム機より劣っているため電波障害に弱いのか、正直わからない。ちなみに、実験としてWii U本体を別の部屋に設置されたルーターに近づけてみたが、するとエラーが出なくなり通信速度も上がった。

 Wii U GamePadは、本体からの距離に注意さえすれば“タブレット”としても、携帯ゲーム機としても毛布の中で使えるようになる。インターネットブラウザーは非常に良くできているし、YouTubeチャンネルが最初から利用できるところも好印象だ。

「マリオ」から「Assassin's Creed 3」まで、バラエティー豊かなラインナップ

 任天堂のゲーム機において、Wii Uは史上最大のゲームラインナップを実現させた。定番の任天堂タイトルに加え、これまでWiiのハード制限で実現できなかったサードパーティの強力なフランチャイズも姿を見せた。「マリオ」だけでなく、今回は初日から「Assassin's Creed 3」や「Mass Effect 3」などのライバルハードの強みであるタイトルも遊べるようになったわけだ。正真正銘の一石二鳥だ。

 しかし、1つの大きな課題がある。それは、これからもライバルゲーム機と同時に有名なフランチャイズのWii U版を確保していく必要があるということだ。例えば、2013年3月に欧州で発売される予定の注目作「Tomb Raider」は、PS3/Xbox 360用のゲームで、Wii U版が出るか出ないかさえ不明のままだ。発売されたばかりの「Far Cry 3」や「Hitman Absolution」もそうだ。やはり、これからほぼ全てのゲームシリーズをWii Uにも対応させないと、必然的にWii Uの注目度が下がっていくことになると思う。

 それだけでなく、これまで任天堂ゲーム機で発売されることのなかった「Mass Effect」シリーズの全作品も発売するべきだと思う。PS3/Xbox 360用にお手頃な価格で「Mass Effect Trilogy」という、全シリーズを構成する3つの作品を収録したソフトが発売された後だからこそなおさら、Wii U用の「Mass Effect 3 Special Edition」が魅力を失ってしまうだろう。Wii U GamePadの斬新な操作性が付加価値になってはいるが、その価格は「Trilogy」を大きく上回っている為か、販売本数はそれほど伸びないだろうと推測している。

 ファーストトレーラーが公開された瞬間から欧米で話題になっている「Dark Souls 2」も、Wii Uに不可欠だと思う。他のバージョンと同時発売され、さらにWii U GamePadの良さを生かすような追加要素も備われば、Wii Uはもっと注目されるだろう。

「Zombi U」はWii U GamePadの特性を生かす独占タイトルとして開発された。グラフィックスは現在のスタンダードに劣っているが、ゾンビに囲まれているという危機感と恐怖感を実感できる正真正銘のサバイバルホラーだと思っている
「Assassin's Creed 3」を始めとしたサードパーティ大作のWii U版が勢ぞろい。これからも有名なフランチャイズの定期的なWii U版の制作・提供が望まれているはずだ
「Mass Effect 3 Special Edition」は欧米でも高く評価された。しかし、価格が高いことと、現在ではシリーズの前作がWii Uで遊べないところはマイナス点として考えるべきだ
Wii U用の「Call of Duty Black Ops II」も完成度の高い移植版だ。とはいえ、イタリアのゲームショップチェーンでは同じ時期に、PS3/Xbox 360版が20ユーロ安い特別価格で販売されていたという事実も見逃せないだろう
日本と同じように、任天堂のゲームソフトは平均的にサードパーティーの作品よりやや安い価格で販売されている
Wiiのバーチャルコンソールとの互換は喜ぶべき機能だが、今後追加されるだろうWii U専用のバーチャルコンソールに期待している

 ニンテンドーeショップに関しては、初日からダウンロードタイトルが豊富にラインナップされていたのが嬉しかった。特に、「Trine 2 Director's cut」と「Nano Assault Neo」が欧米で高く評価されている。価格が安いこともあり、どんどん売り上げを伸ばしているようだ。

 しかし、日本のメーカーからの作品がなかったことが残念だった。ニンテンドーeショップは、価値の高いゲームにとって絶好のショーウインドーとして考えられるだろう。これから高い頻度で、コンテンツを充実させていくべきだと思っている。日本のメーカーから、レトロ感に満ちあふれた、過去の名作のアレンジ版がどんどん発売されていくことを願っている。

 Wii Uのバーチャルコンソールのサービスをなるべく早くスタートするべきだ。Wiiの時に、初日から幅広いゲームカタログが提供されていたが、今回はサービス自体、始まっていなかったのだ。だからこそ、ニンテンドーeショップの更新を楽しみにしている。

 最後に価格について一言。まず、ダウンロード版とパッケージ版とで価格の差がないことに驚いた。さらに、サードパーティのゲームソフトの高い価格設定にもびっくりした。実際に欧州では、Wii Uの「Mass Effect 3 Special Edition」が74.90ユーロ(約8,400円)で売られている。それに対して、シリーズの全作品が入ったPS3用の「Mass Effect Trilogy」が49.90(約5,500円)で販売されているゲームショップもある。任天堂タイトルは、もっとリーズナブルな59.90ユーロ(約6,700円)で販売されているが、欧州では不景気が続いているからこそ、全体的にゲームソフトの価格を見直すべきだと確信している。

最もエコな家庭用ゲーム機が誕生!

 高性能やハイデフグラフィックスという要素に真っ先に関心が向くと思うが、エコに敏感な世の中になったからこそ、ゲーム機のバランスや消費電力といった特徴にも注目するべきだ。欧米で行なわれた実験によると、Wii UはPS3やXbox 360の半分以下の電力を消費することがわかった。ゲームは安定した32Wで実行されているという(任天堂による公式データは40Wだ)。

 昨今のゲーム機は、高性能なパソコンのような存在になり、それに伴い消費電力も飛躍的に上がった。だが、PS3はスリム化したことで、消費電力を押さえることができた。今後は、高性能だけでなくいかに消費電力を抑えるかという点をもっと重要視するべきだと思っている。

 また2013年末には、PS3とXbox 360の次世代機が発売される可能性が高い。つまり1年後、世界中のゲーム市場にWii Uより遥かに高性能なゲーム機が導入されることになる。その時、Wii Uは欧米メーカーからサポートされなくなることが懸念されている。

 なぜなら、性能の差が大きくなることで、Wii U版の同時制作が難しくなるからだ。ただし、この問題について僕は、むしろ安心したほうがいいと思っている。実際、新型のゲーム機が軌道に乗るまでは時間が必要になる。先ほども言ったように、性能の高さが全てではない。ゲーム機は様々な要素の集合体だ。

 任天堂がユニークなゲームソフトを提供する限り、衰えたりすることはないと思う。サードパーティが少し外れようとも、何も心配することはないと思う。だからこそ、先のことを考えずに、Wii Uの今をおもいっきり楽しむべきだ!

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