「電遊道」~Way of the Gamer~ ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ

ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ【第27幕】

みんなのGAME SHOP~イタリアのゲームショップの1日を覗いてみよう!~

ローマを中心にしたイタリアの有名なゲームショップに訪問し、店長やお客さんと話をしながら1日を体験します!イタリア人プレーヤーが注目している新作とは?最も売れたゲームは?日本のゲームショップとの違いは?360度あますことなく取材していきたいと思います!

今年もクリスマスがやってきた!プレゼントとして一番選ばれたゲームは?

今回紹介するゲームショップはローマの繁華街にある、10年以上の歴史を持つ個人のゲームショップだ

 2012年12月24日、クリスマスの前夜祭。ローマの繁華街にある某ゲームショップには、テレビのCMやゲーム雑誌の紹介記事で知った新作をプレゼントとして購入する為に、多くのお客さんが入っていく。僕も今回のクリスマスの最も注目された作品やゲーム機はどれなのかを調べる為、例のゲームショップに向かってみた。

【ショーウインドーで発見したゲーム】
ショーウインドーに設置されたテレビ画面では、岩田社長がWii Uや3DSの新情報を届ける「Nintendo Direct」の映像が流れていた
2012年11月30日にイタリアで発売されたばかりのWii Uや、Wii U用のゲームソフトも大きなスペースを占めていた
店内にもWii U本体やゲームソフトがずらりと並んだ展示コーナーが設けられていた。Wii Uベージックセットが体験できるようになっていた

 今回選んだゲームショップはローマの有名な繁華街に位置しており、クリスマスになるとプレゼントを買い求める人々で賑わう。しかし、2012年はショッピングモールのさらなる発展で、個人のゲームショップがショッピングモール内のチェーン店や家電量販店に苦戦を強いられているというのが現状だ。

 例えば、2012年12月23日に、写真撮影禁止のアメリカ出身の有名なチェーン店のローマ支店に行ってみたが、やはり大手だからこそ、個人ショップでは到底設定できないような特別価格で「Assassin's Creed 3」や「Halo 4」などの新作を販売していた。

 もちろん、不景気だからこそ、必然的にイタリア人は安いほうを選ぶ。しかし、それが個人ショップにとっては大きな打撃になっている。いくらチェーン店とはいえ、メーカーがある程度価格をコントロールするべきだと思っている。

 今回取材したゲームショップの店長は、「僕は、10年前から個人でゲームショップをやっています。うちのスタッフのアドバイスを信用する常連客のおかげでまだ営業を続けられますが、チェーン店のような特別価格や割引価格をなかなか実現できないので悔しいですね。これからもお客さんにゲームを詳しく紹介し、適切なアドバイスを提供し続け、信頼を築いていきたいと思います」と本音を打ち明けた。おそらく、世界中の個人のゲームショップが、同じような状況に置かれているのではないかと思う。個人のゲームショップがこれからも生き残ることを願っている。

2012年12月24日、在庫のPS3(500GBモデル)が完売した。ゲームソフトを同梱したスペシャルセットも完売したという

 ゲームショップのスタッフが、店に入ってきた子供連れ家族に近寄った。イタリアのチェーン店とは接客技術やゲームの知識のレベルが違う。なるべくお客さんのニーズに応える為に、店員は丁寧に新作の特徴を紹介していく。すると、子供がカウンターに置かれたWii U GamePadに近寄って、「あっ!マリオだ!」と大きな声で感激した。その父親は30代後半のゲーマーで、子供と一緒にWiiでずっと遊んできたらしい。

 「このゲーム機は?」と、その父親がスタッフに尋ねた。すると、スタッフはWii U GamePadを体験させながら、Wii Uの概要や、「NewスーパーマリオブラザーズU」の遊び方を説明していった。これこそが、店長の言っていた「信頼関係を築く」ということだと思う。それこそが今、個人のゲームショップが生き延びる為に残された道だと思う。

 お客さんが1人、また1人と店に入ってくる。500GBの新型PS3があっという間に完売。3DSの販売台数にはまだかなわないがPS Vitaも何台か売れた。しかしWii Uは、この日1台しか売れなかったという。店長の話によると、お客さんのほとんどが目にした瞬間から興味を持ち体験したいと言ってくるが、価格を聞くと「ちょっと高いね」と買わずに帰る。

 確かに、HDゲーム機であるPS3(フラッシュメモリ12GBモデル)が199ユーロ(約21,890円)で購入できるから、299ユーロ(約32,890円)で販売されているWii Uベージックセットは高く感じられるのだろう。低価格のゲームソフトがないというところも、高いハードルになっているようだ。

名前:ファビオ
年齢:37歳
職業:プログラマー
主人公のキュートなぬいぐるみを同梱した「ヒットマン アブソリューション」の限定版。シリーズの大ファンであるファビオさんも迷いなく購入したという

 ゲームショップに1人の男性が入ってきた。彼の目もやはり真っ先に、カウンターのWii Uに向かった。早速、彼の意見を聞く為に、いくつかの質問をしてみた。

Q. 今年のクリスマスはどんなゲームで過ごしたいと思いますか?

 先日買ったばかりの「ヒットマン アブソリューション」をクリアしようと思います。今回、スクウェア・エニックスがプロデュース・監修した作品ですが、過去の作品よりも魅力的に感じました。まだ始めたばかりですが、続きがすごく気になりますね。

Q. 今後、発売を最も楽しみにしているゲームは?

 僕は「龍が如く」シリーズの大ファンです。欧州で発売されなかった「龍が如く 見参!」を含め、シリーズの全作品を持っています。日本で「龍が如く5 夢、叶えし者」が発売されたばかりだと聞きました。前作よりも早くローカライズされることを願っています。

店長のリオネル。「ファイナルファンタジー」シリーズの大ファンだそうだ
店員のヴィットリオ。お気に入りのジャンルはRPGという

 ゲームショップの1日が終わろうとしている。今日はクリスマスイブだから、営業時間は18時までだそうだ。これから、プレゼントを購入した人々が家に帰り、家族と共にクリスマスを祝い、そして、子ども達が何よりも楽しみにしているプレゼント交換というお約束の“儀式”が待っている。閉店する為に、ゲームショップの店員に近寄り、どんなゲームが最も売れたかなどについて、短いインタビューを敢行することにした。

Q. クリスマスプレゼントとして最も多く選ばれたゲームソフトを教えて下さい

リオネル:やっぱり、クリスマスに最も多く選ばれたゲームは、家族のみんなで楽しめるようなゲームソフトですね。そういった意味で、「Skylanders Giants」と「Just Dance 4」が1番人気ですね。あと、3DSの「Newスーパーマリオブラザーズ2」と「スーパーマリオ3Dランド」もよく売れています。

ヴィットリオ:順番に「Skylanders Giants」のWiiバージョン、「Call of Duty Black Ops 2」、「Assassin's Creed 3」、「Just Dance 4」ですね。

Q. Wii Uの売れ行きはいかがですか?

リオネル:ほとんどの人がWii Uのことを全く知らないですね。みんな、Wii U GamePadを見て、驚いてどんなゲーム機なのか訊いてくるのですが、Wii Uが目当てで来店するお客さんはほぼいないですかね。テレビCMが少なかったからかな? 僕も正直に言って、ほとんど見ていないです。PS3やPS VitaのCMは毎日放送されているけどね。

ヴィットリオ:発売日(2012年11月30日)によく売れましたが、今週はPS3に比べて、販売台数は少なかったですね。20台ぐらいでした。まだ在庫があります。完売にはなりませんでした。

Q. 期待しているゲームソフトは何ですか?

リオネル:僕は断然、「ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII」ですね。最新動画を見て、建物の屋根まで登ったりできるアクション性の高い街の探索パートがとても魅力的に見えました。この続編こそ、「FF」らしさを保ちながら、新鮮さにあふれているなと思いました。

ヴィットリオ:僕は、スタッフとしてだけでなく、ゲーマーとして楽しみにしているのはWii U用の「モンスターハンター3(トライ)G HD Ver.」です。日本みたいに、Wii Uと同時に発売されなかったから、ちょっと残念に思いました。早く発売して欲しいですね。

ハリーポッターの作者であるJ.R. Rowling氏の協力で制作された、PS3用の「ワンダーブック ブックオブスペル」も、お客さんの注目を引き付けていた
友達と一緒に楽しくダンスの魅力を体験できる「Just Dance 4」も、今年のクリスマス商戦の注目作の1つだった
FPSの王者ともいえる「Call of Duty」シリーズ最新作も販売本数を伸ばしているという