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「ワールドクラブ チャンピオンフットボール インターコンチネンタルクラブス 2008-2009」【SIDE-A】連載第2回 |
欧州および南米のトップチームと所属選手が実名で登場するサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンなどで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。 |
【SIDE-A】第2回目は、オンライン対戦でありがちな事柄にからめつつ、趣味チーム的な攻守の基礎を説明していく。「WCCF IC 08-09」のゲームバランスは“守備”に比重が置かれており、核心部分に直接切り込むとやや寒々しい(または香ばしい)ものになってしまうため、一部多少ぼやかした記述になることをあらかじめご了承願いたい。
※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 無策の相手でもない限り、DFのチェックはほぼ避けられない
物凄く極端な一例。トップクラスでなおかつ人選さえ間違わなければ、このまま放置しても一定の守備が成り立ってしまう |
繰り返しになるが、今回のバージョンは、1対1、カバーリングなど、すべての面でディフェンダー(DF)の能力が向上している。物凄く極端な例では、トップクラスの人選であれば、センターバック(CB)3人を均等な距離で配置し、中央をミッドフィルダー(MF)とDF認識の境界線ギリギリまで押し上げた三角型の「実質2バック」でも、ペナルティエリアに侵入を試みる全アタッカーをカバーリングの範囲に収めることができる。こうした調整は、シリーズ初のオンライン対戦実装ということで初心者に最大限配慮した結果かもしれない(あくまでも筆者の推察です、念のため)。
さて……良くも悪くも「オートマチック」なこの仕様、逆説的には、人選と頭数さえ揃っていれば「守備に関してはそれなりに格好がつく」ということでもある。能力が対等なら1対1はDFに分があるため、あとは配置やキープレイヤー戦術などでフリーの敵を作らないよう、バイタルエリアから手前側をDFやディフェンシブ・ハーフ(DH)で埋めていけばいい、となる。実際は相手アタッカーの布陣に最適化させたカード移動で守備効率を向上させられるが、「いちいちカード移動なんかにつきあってられないよ、面倒くさい」という人は、攻撃3人、守備7人でプレイしているケースをよく見かける。守備に7人も割けば、相手がどういうアプローチをとってこようと、最低1~2回は守備網に引っ掛けられるからだ。1対1に滅法強いDFは、その1回で良くも悪くも完璧な守備を体現してしまう。
DFの能力が総じて高めにフィーチャーされた今回のバージョンで、いかにアタッキングサードへの侵入を効率化するか。大雑把に表現するなら「DFのチェックを最小限で済ませる」の1点に集約される。理想をいえば“どフリー”でペナルティエリア内に侵入できればいいが、WMVPカンナヴァーロに代表されるトップクラスDFがひしめく現状、それはほぼありえない。そして、これらを裏返して考えると、どうなるか。ここから先は、筆者がオンライン対戦でよく見かける事例について趣味チーム的な見地からそれぞれ解説していく。
● よくある事例・その1 ~FW2枚、MF1枚でひたすら中央をゴリ押し~
サンプル・その1 |
「プレミアリーグやワールドトロフィーで見かけない日はない」という攻撃布陣のひとつ。FW2枚は、横もしくは縦に密着もしくは接近したポジションを取る。トップ下のMFを含め、直列で縦に3枚配置されていることも多い。中央、サイドのどちらもDFのチェックから逃れられないため、同じ1対1を繰り返すなら、ゴールに直結しやすい中央に狙いを絞ったほうが楽という考え方だ。キープレイヤー戦術「ショートパスワーク」や「ショートカウンター」で、MFから前線のFWまでシンプルにボールをはたいてくるパターンが多い。トップクラスのFWであれば、DFの競り合いに勝てば即シュートまで持ち込める。あとは確率の問題というわけだ。
前回記事でも触れたが、本作はトップクラスのアタッカーが3人いれば攻撃が成立してしまう。ダイジェスト形式のサッカーゆえに致し方ないのだが、攻撃3:守備7のフィールドプレーヤー比率は、ゲーム的にディフォルメされた部分をもっともわかりやすく表しているともいえる。縦に3枚直列させる配置は「WCCF 2002-2003」で猛威を振るった4-4-1-1を彷彿とさせるが、あの頃はウェアやクライファートなどの屈強なFWが最終ラインをわら半紙でも破るかのように突き抜けてくるといったていで、今作の場合は「分厚い木板に錐で穴をあける」かのごとく“力ずく”といった格好になる。先頭のFWが1対1に負けても、ボールホルダーとなったDFめがけて直後のFWやMFがフォアチェック。トップクラスのアタッカーは競り合いに負けた直後の状態回復が早く、3人で断続的に“おしくらまんじゅう”とばかり襲い掛かり、毟り取るようにゴールゲットというケースも珍しくない。
中央を強引にこじあけようとする配置は、一見すると「中央をDFで固めちゃえば終わりなのでは?」と思われるかもしれないが、プロビンチアクラスの人選だと、ただ漠然と人数を集めるだけでは守りきれない。単にカードを重ねたところで、DHやDFのチェックを2度3度すり抜けられることはザラ。FW直下のMFを取り逃がすだけでも、失点確率が飛躍的にアップしてしまう。
● 1対1の競り合いではなく、ポジショニングによる利を最大限に活かす
サンプル・その1に対応したカード配置の一例 |
前回のバージョンで、守備におけるカード移動の基本は「相手アタッカーにDHやDFの選手カードを重ねる」と説明した。だが、今回のバージョンはゲームバランスの調整がハイエンドの選手カード寄りにシフトしているため、同じようにやると痛い目を見る。大本となる考え方に変わりはないが、マッチアップする選手カードの能力に一定以上の差があるなら、それを埋めるための「WCCF IC 08-09」風アレンジが必要になる。
「WCCF IC 08-09」でプロビンチアクラスのDFがトップクラスのアタッカーを迎え撃つ場合“ポジショニング”がもっとも重要になる。基本は、相手にボールをなるべく持たせないこと。具体的には「相手アタッカーめがけてフィードされるボールに先回りするようなポジショニングをとらせ、常に有利な態勢を維持する」のが望ましい。これを説明するのに最も簡単なサンプルが、前述のFW2枚とMFで中央をひたすら狙ってくるケースだ。
たとえば、FW2枚とMF、アタッカー3人が縦に並んでいるとき、最終ラインや中盤から前線にかけての“パスルート”は、パッと見ですぐにわかるはずだ。ここで注意すべきは、守備に回るときのFWは(キープレイヤー戦術にもよるが)総じてこちらの最終ラインよりもやや上側(相手陣寄り)にポジションを取る、ということ。守備時はフォーメーション全体がボールホルダーに向けて萎縮するが、その影響は最端、すなわち最前線にいるFWがもっとも大きい。つまり、前線の3人にピッタリDHやDFを重ねても、最終ラインや中盤からフィードされたボールは、相手アタッカーが先に触れてしてしまうことが多い。本来、トラップ際はDFがチェックにいくチャンスだが、大半のプレーヤーがトップクラスの人選で固めるオンライン対戦で、プロビンチアクラスのDFが競り合いに絶対的な自信を持てるはずもなく、現実にトラップ際のチェックをあっさりすり抜けられている人も多いはずだ。
これを避けるためには、最前線にいる各アタッカーにDFをかぶせたら、そこから中盤のパスルート上に沿って“カード半分~1枚”程度、各DFのポジションを上側にずらすといい。こちらが先に有利なポジションをとって待ち構えていれば、そのぶんインターセプトの成功率が高くなる。相手がアタッカーをサイドに移動させた際も、対応して上から選手カードをピッタリかぶせるよりは、半分程度“パスルート”に沿ってずらすといい。ただし、周囲にいる味方との連携が悪いと、せっかく奪ったボールを持ったまま上がろうとしてしまい、正面にいる相手アタッカーに即奪われるというケースも珍しくないので十分注意されたい。また、プレスボタンを多用すると最終ラインが必要以上に高くなり、裏を狙われる危険性が増すことも忘れないで欲しい。
ポジショニングを意識したカード移動は、CPU戦でも練習できる。プレスボタンによるラインコントロールが得意な人であれば、大きな武器になるはず。慣れれば対人戦でカードを動かされたときも慌てず対応できるようになる |
おおまかな基本はこのとおりだが、実は相手の中盤にも一定のケアを施しておくと、守備精度をより高められる。ただ、これをそのまま解説するとアタッカーへの対応も含め“テンプレート”化しかねないため、ここはプレーヤー諸氏で考えて、色々と試していただきたい。勘のいい人、もしくはゲームシステム全体の基本的な動きについて一定の考察を持った人なら「なにもったいつけてんの? ○×すればいいだけじゃん」とすぐわかるはず。もしかしたら、そうした選手配置やカード移動が「自分の好きなサッカー」と相反することもあるかもしれないが、「WCCF」で自我を貫きたいなら“絶対的な強さ=トップクラスの選手カード”が必要になる。力もないのにいきがれば、痛い目を見るのが世の常。絶対的な力で理想を形にするか、理想と違っても弱いなりに知恵をしぼって勝利をたぐりよせるか。どちらが良いとか上といった類の話ではなく、すべてはプレーヤーの嗜好次第だ。
● よくある事例・その2 ~相手が最終ラインを目一杯“低く”構えている~
サンプル・その2 |
事例・その1ほどではないが、わりとよく目にするDF配置。MFの配置で細かい違いはあるが、こうした守備配置を好むプレーヤーは、DHをDFとして認識されるギリギリまで下げていることが多い。一見するとバイタルエリアに容易に侵入できそうだが、ネスタやバレージなどに代表される「フォアチェックの速さと範囲が尋常ではないDF」がズラリと並んでいると、これが侮れない守備力を発揮する。
トップクラスのFWを擁するチームは「ここまで露骨に引いてるんだから」と、ミドルシュートを餌にするだけでも戦える。もっといえば、前述の中央突破によるゴリ押しを繰り返すだけでも十分なくらいだ。だが、プロビンチアクラスの一般的なFWは、そもそもミドルシュートがまったく期待できず“疑似餌”にすらならない。ペナルティエリアに侵入しようとすれば、到達する前に相手DFから真正面でフォアチェックを受ける。態勢不利のうえ、1対1の競り合いでは最初から勝ち目は薄い。ふと気づけば、ただただ跳ね返されるだけで得点の匂いすらしない、という結果に陥る。
フォアチェックに長けたDFを4人低く配置することで、中央、左右から侵入してくるアタッカーを正面から捉える。こうした初期配置からリトリートを徹底するチームは、ある意味、前述の「実質2バック」と考え方が似ている。決して批判的な意味で言うのではなく、どちらもトップクラスの個人能力“選手の質”抜きには成立しない点がまったく一緒なのだ。フォアチェックが遅ければ、中央、左右ともに相手のクロスやシュートを容易に許してしまうし、捉えた時点で1対1に信頼が置けないと同様の結果になる。低く構えるということは、当然1発で確実に仕留めなければならず、それより前方のDH配置に戦術的な意図が含まれていなければ、これはもう「何も考えていない」のと一緒……なのだが、今回のバージョンは、それでも一定以上の守備効果がある。こうしたアバウトさを目の当たりにするたび「あぁ、『WCCF』ってこういうゲームなんだよなぁ」と、筆者はしみじみ思う。
● 理想は中盤からの放り込み。対応するKPが使えなければ数的有利を作るべし
サンプル・その2に対応したカード配置の一例 |
徹底したリトリートには、アーリークロスやロングカウンターなどの「放り込み」が一番手っ取り早いが、そうしたキープレイヤー戦術が使える選手が必ずチームに含まれているとは限らない。そんなとき、プロビンチアクラスのチームならどうするか。ここは、原理原則に従い「数的有利」を強引にでも作るべきだと筆者は考えるし、実際にそうしている。
DFが低く配置されている場合、DHもギリギリまで下がるのは自明の理だ。なぜなら、DFにあわせてDHのポジションも下げないと、いくらアバウトなゲームといえどもバイタルエリアの守備力が低下してしまう。必然アタッカーは少人数になるため、よくある事例・その1で解説した“ポジショニングによる利”を活かした配置が、より効果を発揮する。守備に割く人数をポジショニングで効率化すれば、そのぶん攻撃に割ける人数が増える。
「パワープレイ」をのぞき、FWを4人以上にするとキープレイヤー戦術が「攻撃重視」に固定されてしまうため、必然的にFWは最大で3人、攻撃的MFの位置に割ける人数は、3~4人ということになる。これらの配置は、それぞれ“密集”させるのが基本(ケースバイケースだが、攻撃的MFは前述の「プレーヤー諸氏でそれぞれ」とあえてぼかした考え方で対応しても構わない)。なぜ密集が基本かといえば、プロビンチアクラスの選手は“視野が狭い”ケースが多いからだ。アタッキングサードでは特に顕著で、視野が狭い選手同士でコンビネーションを期待するなら、選手カードをほぼ密着させる必要がある。このあたりは、前バージョンでも解説したとおりだ。
密集させる理由は、もうひとつある。それは「ボールを動かす際、もっともフリーなポジションにいる味方を選択させたい」からだ。連携やキープレイヤー戦術などで「ど、どうしてそこであの選手にボールを出すかな!」と悶絶させられるケースもあるが、フリーのアタッカーに1度でもボールが渡れば、それだけでリスクを負ってでも攻撃に人数を割いた甲斐があるというもの。ここでいうリスクとは、当然“前がかり”になったときに必ず負わねばならないアレ。相手のアタッカーが俊足なら、より一層の用心が必要とされる。
● よくある事例・その3 ~ダイナモ系KPが大流行~
通常は選手交代必須だが、なしでもここまでスタミナが残る |
趣味チーム的な攻防の基礎から若干話がそれるが、ここ数週間で劇的に対戦機会が増えたため、一応の解説が必要かと思い取り上げてみた。
キープレイヤー戦術「オフェンスダイナモ」と「ディフェンスダイナモ」は、攻撃と守備にそれぞれ積極性が増すほか“スタミナの消耗を抑える”効果がある。大雑把に表現すると、選手カードの能力パラメータ表記でスタミナが約2~2.5増えるといったイメージ。オフェンス、ディフェンスともにプラス効果はほぼ一緒で、ピッチ上にいるすべての味方選手が対象となる。ランクによる増減はないか、あったとしてもほとんど体感できない微細な差かと思われる。
通常、トップクラスの選手は総じてスタミナ値が高く、オンラインで遭遇するプレーヤーの大半は、わざわざダイナモ系に頼る必要性は薄いように思える。だが(表現は悪いが……)「このキープレイヤー戦術さえ使っていれば100パーセント確実に有利で超安心!」といったものがハッキリしていない現在、他のキープレイヤー戦術と違い「目に見えて効果がある」点が多数のプレーヤーを惹き付ける要因かと推察される。スタミナの消耗を抑えることで、選手がトップフォームを維持できる時間を延ばせる点も魅力のひとつだろう。
「WCCF」シリーズは、アバウトな部分もさることながら、基本仕様や選手カードを含め「ブラインドデータの塊」といっていい。ゆえに様々な憶測や伝聞が飛び交うが、そんななか「目に見えてプラスの効果がある」というのは、筆者などが想像するよりはるかに“美味しい”のかもしれない。ただ、この先ダイナモ系よりも勝敗に影響を与えるキープレイヤー戦術が発覚したなら、現在ダイナモ系を使用している人の大半は(「トーレス」+「ビージャ」のように)雪崩をうってそちらへと流れていくだろう。
● 趣味チーム的にも「選手選択の幅を広げる」魅力にあふれたKP戦術
レアチームスタイルだけに「ダイナミックダイナモ」の効果は凄まじいものがある |
ぶっちゃけ、あまりにも対戦機会が多く食傷気味になっているダイナモ系キープレイヤー戦術だが(まぁ、これは筆者のことだが……)流行りモノに対してひねくれた嫌悪感を抱くのではなく、素直に「いいもの」として活用することをおすすめしたい。
「WCCF」シリーズは、作を重ねるごとに選手カードの能力インフレが加速している。一方、「WCCF 2001-2002」や「WCCF 2002-2003」の頃に登場した選手カードは“当時のゲームバランス”で数値が設定されているため、現時点で明らかな“評価基準のギャップ”が生じている。初期のWCCFシリーズは、現状と比較するとFWのスタミナ値が全体に低めに設定されている。これはあくまでも筆者の推測だが、FWのスタミナ値が総じて低かったのは“選手交代”をなかば強制するためのものではなかったか、と考えている。中盤の選手は全体にスタミナの平均値が高く、DFはアタッカーほど激しく動き回らないため、多少低く設定されていたとしても、FWほど頻繁にスタミナ不足で頭を悩ませることは少なかった。「サッカーゲームらしく、選手交代をうながしたい」という意図がなければ、スタミナにポジション的な実質上限を設ける必要性はなかったはずだ。
当初はセリエAをモチーフにしていた本シリーズだが、「WCCF EC 2004-2005」からゲームの舞台が「欧州主要リーグのトップクラブ」へと移行。当然、選手カードの能力平均は上がり、スタミナ15というほぼ絶対化していたFWの上限値を超える選手がチラホラ出現し始める。表面上の数値ほどもたない選手カードも少なくないが、それでも現在は16を超えるFWさえ珍しくなく、ディルク・カイトに至っては19という選手カードの上限値に迫る数値が設定されている。
ただでさえ優秀な選手にしか注目されない現状、スタミナが低い選手は、よほど圧倒的なパフォーマンスを示さない限りシリーズを通してほぼ起用されることはなかった。能力インフレが加速するたび、一見表面上はバラエティ豊かな選手が並んでいるようでも、実質的な「選択基準の画一化」は揺ぎ無いものになっていくばかり。カップ戦など、ことあるごとに対人戦が行なわれるゲームゆえ、プレーヤーの考え方が即物的になっていくのは自然の流れ。元来ひねくれ者の筆者は、(WCCF的に)埋もれてしまった選手の起用法を探すことで今も色々と楽しませてもらっているが、これは天地がひっくり返っても「一般的な遊び方」とはいえない。
やや話がそれてしまったが……こうした点を踏まえると、ダイナモ系の効果は“趣味チームこそ活用すべき”かもしれない。興味はあったけど、スタミナが低すぎて起用がためらわれていた、あの選手、この選手。あまりにも低いとフォローにも限界はあるが、それでもダイナモ系の効果を得ることで、救われる選手カードは相当な数にのぼるはずだ。
また、レアチームスタイル「ダイナミックダイナモ」に至っては、「オフェンスダイナモ」や「ディフェンスダイナモ」をはるかに上回るスタミナ維持効果がある。前述の表現に倣うなら、能力パラメータで約+5といったイメージ。たとえば、全FWで最小のスタミナ値「6」が設定されている「ロナウド(07-08)」。通常は前半で完全にスタミナが底を突いてしまうが、「ダイナミックダイナモ」使用時は後半10分頃にゲージがやっと半分になる(いずれも休養直後の試合で比較)。スタミナが12程度あれば、よほど消耗が激しい選手でもない限り、試合終了まで1ドットしかゲージが減らないほど。もはや「目に見える」などという生易しいものではない、劇的な効果だ。
■ ワールドトロフィーでの“あるある”
チームを育て、コンディションを整えて挑むワールドトロフィー。……が、リードして優勢に進めていると、突如ゲーム画面がストップ。数秒後、回線が切断された旨と「この試合の結果は無効になります」というエラーメッセージが表示される。ワールドトロフィーは勝ち抜き戦のため、負けたくない対戦相手が、何らかの手段で回線を強制切断したものと推察される。
正直「なぜ“負け”を受け入れられない人が、好き好んで対人戦面のゲームを遊ぶんだろう?」と思う。コンシューマーの1人用ゲームならリセットでも何でも勝手にやればいいし、誰にも迷惑をかけずに済む。ただ勝ちたければ、そこで思う存分やりたいことをやればいい。にも関わらず、アミューズメント施設に足を運んで、オンライン対戦メインのゲームで、わざわざこういうことをする。敬意云々とまでは言わないが、それ以前に「仮にそれでポイントトップになったとして、心の底から喜べるのだろうか?」と、かなりブルーな気分になる。
もっとぶっちゃけてしまうと、ゲームプレイ本編についても、実は同様のことをしばしば思わないでもない。根源にあるのは“負けたくない”の一点なのだろうが、たどり着くまでのさまざまな過程をすっとばして“結果”しか眼中にない人が、なにをするか。どうなるか。その末期症状が「インチキしてでも勝てばいい」なのかもしれない。この連載にわざわざ目を通してくださっているプレーヤー諸氏にそうした人はいないと信じているが、もし万が一“魔が差す”ようなことがあれば、ちょっとだけ踏み止まって、じっくり考えていただければと思う。
※次回【SIDE-B】第2回目は2月5日に掲載予定です。
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(2010年1月15日)