ゼロから始める「League of Legends」

ゼロから始める「League of Legends」

第6回:目指せ脱初心者! 使えるチャンピオンを増やそう

 第1回から第5回までは、「League of Legends」(以下「LoL」)というタイトルの概要と、「LoL」をプレイするうえで知っておきたい「レーン」の概要や立ち回りについて説明した。

 今回からは、楽しくプレイするためのコツや上達のための方策など、「LoL」をより深く理解するための解説を進めていく。

 第6回目となる今回は、プレーヤー自身であり、心強いチームメイトでもあり、手強い敵にもなる「チャンピオン」を軸に解説する。

カスタムモードでは、3つのマップから1つを選んで練習できる

チャンピオンの選び方

 今更だが、ゲームをプレイするにあたって、サモナー(プレーヤー自身のこと)は必ず1人のチャンピオンを選ぶ必要がある。

 チャンピオンを使うには本来、試合を重ねて貯める「IP」(Influence Points)か、一定額を課金して購入する「RP」(Riot Points)を消費して購入する必要があるのだが、「LoL」では無料で使える「フリーチャンピオン」を週替わりで10人ずつピックアップしているので、まずはこの中から好きなチャンピオンを選んでプレイしてみるといいだろう。

所有しているチャンピオンの選択画面。アイコンの左上に「!」マークが付いているのは、その週に無料で遊べるチャンピオン
チャンピオンはIPもしくはRPのいずれかで購入できる

 最初にどのチャンピオンを選ぶべきかで悩むと思うが、特にセオリーがあるわけでもないので、好きなチャンピオンを選べばいいと思う。それこそ「見た目が気に入った」とか「スキルが強そう」とか「かっこいいスキンがある」とか「LoL」プレーヤーの知人・友人からおすすめされた」など基準はなんでもいい。この時点では実運用上の性能は二の次であり、「動かしていて楽しそう」なチャンピオンを選ぶべきだ。特にこだわりがないなら「フリーチャンピオン」の中から選ぶのが無難だ。もちろん最初から決め打ちでチャンピオンを購入してもいい。

初めは「見た目が気に入った」というだけの理由で決めてしまって構わない。操作に慣れ、チャンピオンに愛着を持ってプレイすることが大事だ
各チャンピオンはそれぞれにバックグラウンドストーリーを背負っている
チャンピオンによってスキルのエフェクトや効果も千差万別
期間限定でチャンピオンとスキンのバンドルを購入できる場合もある

練習に適したゲームモード

 使いたいチャンピオンに目星をつけたら、最初にすることは実際にチャンピオンを動かしてみて、ゲームの流れを把握し、動きに慣れることだ。

 「LoL」にはいくつかのゲームモードがあるが、1人あるいは少人数での練習に適したゲームモードは「AI戦」もしくは「カスタム」だろう。

チュートリアルを覗いて3つのモードが選べる。このうち練習に向いているのは「AI戦」と「カスタム」

 AI戦は、その名の通りAIを相手にプレイするモード。人間チーム5人対AIチーム5人で対戦する形式であり、難易度は「入門者」、「初級者」、「中級者」の3段階に分けられている。

 AI戦で遊ぶ場合は、人間側の参加者5人のマッチングを待つ必要があるが、次回紹介する「対人戦」の「ブラインドピック」と似た感覚で遊べる。

 カスタムでは、任意の条件を設定してゲームを始められる。AI戦とは異なり自分のチームにAIを混在でき、人数も変更可能で、AIの強さも初級者と中級者の2つから個別に設定できるため、設定の自由度はこちらの方が高い。特に1人で練習するときは、カスタムがおすすめだ。

 なお、ゲームの仕様上は制限されていないので、ぶっつけ本番で対人戦に参加することもできる。勝てばAI戦やカスタムよりも多くのIPを得ることができるが、ノーマルマッチは参加者もそれなりに勝つ気で参加していることも多いことから、まったく初めて触るチャンピオンで参加すると、うまく操作できないことでチームに迷惑がかかる可能性がある。最低でも、1度はカスタムでチャンピオンの挙動に慣れてから実戦投入したい。

参加するチャンピオンの強さなども個別に設定できる
AI戦をマッチングしている画面
AI戦でピックをしているところ。相手のピックは表示されない

多ければ多いほど有利になる「チャンピオンプール」

 「LoL」には、本稿執筆時点で約130体のチャンピオンが存在しており、いずれもユニークな特徴があり、異なる性能を持っている。いずれ対人戦のノーマルマッチやランクマッチで勝ち数を重ねていきたいのであれば、いかに多くのチャンピオンを使いこなせるかという点も重要なポイントになってくる。ここで言う使いこなしとは、適切なタイミングで効果的にスキルを使い、味方との相乗効果を図れるようになるということ。仕掛けるタイミングがコンマ数秒ずれただけで、まったく異なった戦闘結果になるのがMOBAの難しいところだ。

 サモナー(プレーヤー)がそれなり以上に使いこなせるチャンピオンのレパートリーを「チャンピオンプール」と呼ぶ。使いこなせるチャンピオンが増えるほど、(特にランクマッチで)活躍しやすくなる。特にランクマッチで、と書いたのは、ランクマッチでは相手の編成を見ながらピック(チャンピオンを選択すること)するからである。

 チャンピオンプールを増やすためには、やはり地道な練習が欠かせない。動きの確認から始まり、スキルの効果範囲や威力、クールダウンなど、実際に使ってみないとわからない運用方法はたくさんある。ひとつの目安として、対人戦に挑戦するまでには、少なくともトップ、ミッド、ボットの各レーンに対応したチャンピオン4人のスキル効果を把握し、適切に操作できるようにしておきたい。

 なおチャンピオンには担当するレーンの得手不得手がある。極論を言えば、どのチャンピオンもすべてのレーンを担当できるのだが、レーニングにおいて対面に勝てるかどうかは別問題。数値や性能など詳細については検索で出てくる有志のWiki(代表的なものとしてはLeague of Legends JP Wikiが詳しいので、参考にすると良いだろう。

【「LoL」チャンピオン編 マルザハールのスキルコンボ】
カスタムモードにて、メイジのマルザハールによるスキルコンボの一例。AoE(Area of Effect:範囲攻撃)のサイレンス付加スキルを複数のチャンピオンに当てて相手のスキルを封じ、ウルティメイト・アビリティ(以下、ウルト)で仕留めている。マルザハールのDoT(Damage over Time:継続ダメージ)スキルは効果時間中に対象が倒れると近くの敵ユニットに感染するため、追跡時に次々とキルを量産している
【「LoL」チャンピオン編 ブリッツのスキルコンボ】
ブリッツのスキルコンボは、相手を自分の近くに引き寄せて逃げられなくするタイプ。ADCをタワー近くまで追跡していた敵チャンピオンが逃げようとしたところを、タワー元まで引き寄せてノックアップさせ、サイレンス付きの範囲ダメージウルトでとどめを刺した
【「LoL」チャンピオン編 ガレンのスキルコンボ】
ガレンのスキルコンボ。範囲ダメージで複数の敵チャンピオンの体力を削り、途中から合流した味方に任せて1キル。逃げようとした敵チャンピオンに移動速度向上スキルで追いすがり、ウルトで処理した

チャンピオンの最終性能を決定する「アイテムビルド」

 チャンピオンの性能を大きく左右する要素は「ルーン」や「マスタリー」などいくつかあるが、試合中に最も大きく影響するのは「アイテムビルド」である。

 アイテムを購入してチャンピオンを強化することこそレーンにおいてファームをする意味であり、勝敗に直結する最も重要な要素である。上位のアイテムになればなるほど強力な効果が得られ、それを敵より早く手に入れることで、より自分のチームを優勢に運ぶことができるため、使用するチャンピオンに向いたアイテムは、あらかじめ把握しておきたい。

 また、アイテムはマップ上の自陣本拠地、つまりリコールして戻ってくる場所でのみ購入できる。使用するアイテムの効果と価格をあらかじめ把握しておくと、レーンから本拠地へリコールするタイミングを上手くはかれるようになるだろう。

 アイテムビルドは状況に応じて臨機応変に対応できるようになることが理想だ。例えば敵チームに魔法ダメージのスキルを使うチャンピオンが多ければ、魔法防御が上がる防具を優先して購入すべきだし、敵にCC(クラウドコントロール:行動妨害)持ちが多いならば、CCを即時解除できる発動効果(アクティブエフェクト)があるアイテムの購入を検討したほうが良い。

「アイテム選考」でチャンピオンに向いたアイテムをあらかじめ設定しておくこともできる

 チャンピオンにどのアイテムを買ったらいいのかについて自分で試行錯誤するのも悪くないが、チャンピオンごとのビルド(この場合はアイテムだけでなくルーンやマスタリー、選択するサモナースペルにいたるまでのレシピ)を集めた外部サイトを見て参考にするのも良い手だ。実際に試合で活躍したプレーヤーのビルドを分析してみるのもいいだろう。

日本語で運営されているビルドサイトの1つ「LoLbuild.jP」

フレンド機能の活用

 「LoL」は基本的に複数人で遊ぶようにデザインされたタイトルである。1人でストイックにプレイするのもいいが、フレンドと一緒に遊ぶこともおすすめしたい。

 フレンドと一緒に試合をこなすと、お互いプレイ中に気になったことなどを指摘しあうことで、1人では気付かなかった自分の動きの癖や問題点に気付く機会にもなる。相手もプレーヤーであり、多少なりとも上達したいという気持ちはあるはずなので、言い方にさえ気をつければ、プレイに良い影響を与え合うこともできるはずである。

 特に遊びはじめた当初は、お互いに客観的に見てよかったところ、ダメだったところは毎回必ずあるはずだ。同じゲームをプレイし、適切に指摘し合える関係は貴重なので、ゲーム内で意気投合したプレーヤーとは、積極的にフレンドになっていこう。

フレンドリスト

 「LoL」のチャンピオンはどれも「育てば強力」であるが、スキルに癖があり、適切に運用するにはある程度の練習が必要になるチャンピオンも少なからず存在する。序盤からファームとキルを重ねる必要もあり、実際に育てるのは大変だが、上手くはまれば手がつけられなくなる。以下では、ゲームにある程度慣れてきたら使ってみたいチャンピオンを独断と偏見で選んでみたので参考にしてみて欲しい。

マルザハール

未知の領域「ヴォイド」に魅入られ人間をやめたメイジ。固有スキルとして一定量のダメージやCCを無効化するシールドを纏い、虫のような見た目をした固有のミニオン「ヴォイドリング」を召喚する。ヴォイドリングは攻撃力が高く、攻撃を加えるたびに増殖する。相手の動きを止めるウルトも強力無比であり、敵に回られて育ってしまうと、放っておくと前衛が崩壊する。移動スキルこそないものの、対処するには複数のチャンピオンで瞬間的に溶かすしかない。敵にいると厄介なチャンピオン。育つと止められない。

ヤスオ

怪しい日本語を使う素浪人。なぜもっとサムライらしい名前でなく、よりによって「ヤスオ」なのかは謎。チャンピオンのノックアップに反応して打ち上げ時間の延長と範囲ダメージを与えるスキルを持っており、ノックアップが起こった場所限定で瞬間的に長距離を移動できる。自身でつむじ風を起こしてノックアップを発生させることもできるが条件付き。コツは必要だが育つと止められない。

ゼド

影を操るニンジャ。自身と同じタイミングでスキルを発動する影分身を設置でき、“スリケン”を上手く当てれば倍のダメージを与えられる。また自分と影分身の位置を入れ替えられるので、敵の追跡を振り切る逃げ性能が非常に高い。ウルトは効果時間中に敵に与えたダメージによって威力が上昇する。体力の減っているチャンピオンに追加の割合ダメージを与える固有スキルとの相乗効果で討ち漏らしは少ないが、スキルのリソースとなる「気」を回復させるにはしっかりと攻撃を当て続けなければならず、扱いが難しい。これも育つと止められない。

フィズ

魚人的な存在。短時間の無敵とブリンクスキルを持ち、減らした体力に応じて更なるダメージを与える近接スキルを有する。捕まえれば脆いが、無敵によりスキルのターゲットにならない時間が発生するため、思いの外しぶとく生き残る。育つと止められない。

ボリベア

獰猛な熊が草むらから急に出てきて敵を後ろに投げ飛ばす。HP低減時は急速に体力が回復する固有スキルが発動し、非常にタフ。単に硬いだけでなく、攻撃速度アップと範囲魔法ダメージも持っており、攻撃力も侮れない。育つと死ななくなる。

 さて、次回は、いよいよ対人戦にチャレンジしていくサモナーに向けた、対人戦の心得やAI戦との違い、メンタルコントロール、「LJL」の観戦方法などを具体的に解説していきたい。

(関根慎一)