使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第306回
適度な柔らかさと硬さのある「TPUカバー」をチェック!
3DS LL用グッズを一挙に7製品を試してみた
(2013/1/8 00:00)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
今回はニンテンドー3DS LL用の「TPUカバー」を一挙に試してみた。TPUとは、ポリウレタン樹脂を素材に使った、シリコンより硬く、プラスチックよりも柔らかい、中間の硬さを持った素材のことで、強靱さと弾力性を持ち合わせている。なお、それぞれの製品にはカラーバリエーションがいくつかあるが、今回は定番であり、本体色を活かすための透明度も見る意味で“クリア(透明)”色で揃えた。
【今週のおしながき】
3DS LL用TPUカバー7製品をレポート!
“やわ硬”という、独特ながらわかりやすい名称をつけているHORIのTPUカバー。適度な厚みによって保護性能をしっかりと保つ、いわばスタンダードな作りのカバーと言える。
カバー表面はツルツルとした手触りで、カバーの色はクリア色ながらうっすらと白が混じった半透明色。重量は約60gと軽量だが、カバーの厚みは約1.67mmほどある。そのため、装着後はカバーの厚みが加わる分、がっしりとした印象だ。
カバーは上下2パーツにわかれていて、装着する時は上側カバーは本体をはめこむようにして着けるだけと手軽。下側のカバーは手前側の角に本体を差し込んで、最後に背面部の突起を差し込んで固定するという作り。カバーを装着したままで、全てのスイッチ類や端子に触れることが可能。
実際に装着してゲームプレイを試してみると、カバーと本体の一体感は良く、握った時にずれたりすることもないのだが、手触りがあまり良くないところが気になる。というのも、カバーの側面に型のズレで材料が漏れ出た跡である“パーティングライン”や、材料を流し込んだ際の経路とカバーを切り離した時の跡など、いわゆる“バリ”が残っている。特に、本体を持つ時はこの側面にあるバリの部分を主に握ることになってしまうので、手の平に刺激があった。また、ボリュームスイッチの周辺などにあるカバーのフチの処理にも大き目のパーティングラインがあって、同様にトゲトゲしさを感じる。
成型もよくできていて一体感もいいのだが、手に持った時に強く感じられるパーティングラインの刺激は非常に残念。その他の点については不満点のない良いTPUカバーと言えるので、使うならバリをヤスリで削るなどなにかしら工夫したほうがいいだろう。
サイバーガジェットのTPUカバーは、上下の2パーツにわかれ、厚みは約1.57mm。重量は約59gと、そこそこの厚みがあるスタンダードな作り。カバーの色は白い色の混じった半透明色だが、HORIのTPUカバーと比べると、このサイバーガジェットのカバーのほうが白い色が明るくて濃い印象を受ける。
装着は、上側カバーは本体に差し込むようにして着けるだけと手軽。下側カバーは、カバー手前側の角に3DS LL本体を差し込むようにして入れて、最後に背面の突起を差し込んで固定するというもの。装着方法もそうだが、全体的にHORIのTPUカバーと共通点の多いカバーだ。
実際にカバーを装着してゲームプレイを試してみたところ、本体との一体感は高くズレもない。装着したままでボリュームスイッチや端子などの全ての箇所にアクセスできる。
気になったのはやはり“バリ”で、このサイバーガジェットのカバーは、側面にはバリがなくてツルツルとしているのだが、角に切り離した跡がある。ここの処理がもう少しきれいなら……。HORIのカバーほどではなかったが、やはり長時間握っていると、手の平に刺激を感じた。
ゲームテックのTPUカバーは、側面部分の丸みが強めにつけられていて、全体に丸い印象のカバーだ。カバーの厚みは約1.56mm、重量は約51gと、今回試しているTPUカバーの中では比較的、薄めで軽量なカバーになっている。
クリアホワイトのカバーの色は、白っぽい色の混じった半透明色で、透明度は高め。ただ、白は少し暗めの落ち着いた色合いになっている。言うなれば、クリア“ダーク”ホワイトというところだろうか。
装着は、上のカバー側は、3DS LL本体を差し込むだけ。下側カバーは、カバーの枠に本体を差し込んでから、最後に背面側の突起で固定するという作りになっている。下側カバーの手前側に本体の内側にもカバーが被さる製品が多いが、このゲームテックのカバーはそこも枠組みだけになっていて目立たない。
一方で、側面や背面はカバーの被る範囲が広めになっていて、背面の3DSゲームカードスロット周辺もカバーされる。カバーにつけられた開口部からカードスロットや電源端子を触るという作りだ。カバーを装着したままでタッチペンホルダー等の全ての箇所を触れるようになっている。
実際にカバーを着けてゲームプレイ等を試してみると、側面部の丸みが手に馴染んで持ちやすい。本体との一体感も高く、良好だ。ただ、やはりパーツを切り離した跡のバリが残っていて、ある程度処理がされているのは感じられるものの、まだ手に刺激を与えてしまっている。もう1歩きれいに処理して欲しかったところだ。
側面や背面にもカバーの被さる範囲が広いという特徴があるが、3DSゲームカードスロットや、L/Rボタンは快適に触れる。ただ、ボリュームスイッチだけは開口部をもう少し大きくしてあったら、より触りやすかったかもしれない。
丸みを帯びたデザインが特徴で、角の丸さが持ちやすくホールド感が良い。バリ感が多少あったのが気になるところではあるが、手触りの良さや持ちやすさにおいて秀でているTPUカバーだ。
アンサーのTPUカバーは透明度の高さが特徴的。カバーの色はほぼ透明で、多少光の反射によって黄色っぽく見えるところはあるのだが、3DS LL本体カラーをより活かせる色になっている。カバーの厚みは約1.75mmと少し厚めで、重量は約60gとなっている。
装着や固定方式は他のTPUカバーと同様で、上側カバーはカバーの枠にはめこむようにして装着するだけ。下側カバーは、カバーの手前にある枠に本体を差し込むようにして入れ、最後に背面の突起で固定する。カバーを装着したままで、タッチペンホルダー等の全ての箇所にアクセスできる。
実際にカバーを装着してゲームプレイ等を試してみた。全体に本体との一体感は高く、手で持つとズレてしまうようなこともないため基本的な作りは良好。だが、やはりパーツを切り離した跡のバリが側面にあるのは気になる。手前側の左右にあるストラップホール部分の開口部のフチの処理も尖っていて、手の平に刺激を与えてくる。基本的なホールド感は良いのだが。
また、背面部分で下側カバーを固定している突起部分が少し大きく厚みもあり、L/Rボタンを操作する指の先に当たってくる。同様にAボタンのすぐ横にもカバーの枠があって、やはり指に当たる。操作に支障を及ぼすようなものではないが、感触に違和感があった。
デイテルジャパンのTPUカバーは、カバーの厚みは約1.24mm、重量は約48gと今回試しているTPUカバーの中では薄く軽量となっており、そのぶん他のカバーと比べて柔らかいという特徴がある。カバーのクリアはほぼ完全な透明で、少し色味が黄色がかっているところはあるものの、本体色がそのままに見える。
装着は、上側カバーを差し込むようにして着け、下側カバーは装着後に背面の突起を差し込んで固定するという、他のTPUカバー同様のもの。簡単に脱着ができる。3DS LL本体の内側に被さる部分が少ないのが特徴的で、ほとんど側面の枠のみに抑えられている。カバーを装着したままで、ボリュームスイッチや端子等の全ての箇所にアクセス可能だ。
装着後にゲームプレイ等を試してみたところ、このTPUカバーはバランスが非常によかった。一体感の高さやズレのなさはTPU素材のカバーとして当然として、ホールド感も良好。他と比べてわずかではあるが、カバーの薄さや軽量さによって装着後の本体を持った時の感触も、比較的スマートに感じられた。
角やフチの処理もされていて、トゲトゲしさがなく手に刺激がない。側面にはカバーを切り離した跡は残ってはいるものの、刺激を与えるような尖りは少なく許容範囲だった。ほとんど気にならないレベルになっている。各部のスイッチ類の触りやすさも問題なく、不満点の少ないバランスの良いTPUカバーだ。
モリゲームズのTPUカバーは天面と底面にダイヤカットのような模様がカバー内側にあるのが特徴だ。クリア色のカバーの色は、完全な透明で、少し光の反射によって黄色く見えるところがある。カバーの厚みは約約1.78gと、他のカバーと比べると多少厚めの部類となる。重量は約59g。
装着は他のTPUカバー同様で、上側カバーは本体を差し込むようにして枠をはめこんでいくのみ、下側カバーは本体を差し入れた後に、背面の突起で固定するというものだ。カバーを装着したままで、ボリュームスイッチや電源端子などの全ての箇所に触れるようになっている。
実際に装着してゲームプレイ等を試してみたところ、このTPUカバーは少々3DS LL本体に対して装着枠のスペースに余裕があるのか、一体感がやや乏しいところを感じた。上側カバーは多少たわんだりするところがあり、下側カバーも側面の枠が不意に外れてしまいそうな固定力の弱さを感じさせた。
スイッチや端子周りの開口部の小ささも気になるところで、ボリュームスイッチやタッチペンホルダーが少し触りづらいと感じる。また、下側カバーを固定している背面部分の突起に厚みがあり、L/Rボタンを操作する指先に当たってくるところも気になった。パーツを切り離した跡のバリは刺激にならない程度には研磨されているなど、その他の点は悪くなかったのだが、本体との一体感というところがもったいない印象だ。
アクラスのTPUカバーは、今回試したTPUカバーの中で唯一の“上下カバーがヒンジで繋がっている”作り。カバーのクリアホワイトの色はその名の通り、白く半透明となっている。カバーの厚みは約1.33mm、重量は約51gと、比較的薄く軽量なカバーだ。
ヒンジのある一体型的な作りではあるが、装着は他のTPUカバーと同様で手軽。下側から3DS LL本体をはめこみ、背面の突起で固定する。その後に、上側カバーを被せていくというもの。カバーを装着したままで、ボリュームスイッチや電源端子などの全ての箇所にアクセスできる。
実際にゲームプレイを試してみたが、このカバーは3DS LL本体の内部にはあまり枠が伸びておらず、手で持つと側面がめくれたり、カバーが外れてしまうような事があった。もう少し固定力があれば、一体感が高まった様に思う。
また、カバーの側面には、切り離した跡のバリが大きめに残っていおり、手に刺激を与えてくる。固定力の弱さからくるホールド感の弱さや、バリによる手触りの悪さなど、ちょっと残念なところが多かった。