【連載第301回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


3DS LL用「拡張スライドパッド」がついに発売!
PS3用のアーケードスティックも試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 3DS LL用の「拡張スライドパッド」がついに発売された。右スライドパッドを追加できる周辺機器で、対応ソフトを快適に遊ぶのには欠かせない存在だけに、発売を待っていた人も多いだろう。早速チェックしてみた。また、ゲームテックより発売されているPS3用のアーケードスティックコントローラーも試してみた。

【今週のおしながき】
任天堂 3DS LL「ニンテンドー3DS LL専用拡張スライドパッド」
ゲームテック PS3「アーケードスティック3」



● 基本は3DS用と共通しているものの、グリップ形状が変わりホールド感がアップ

「ニンテンドー3DS LL専用拡張スライドパッド」

    メーカー:任天堂
    価格:1,500円

 



3DS LLに右スライドパッドを追加できる「拡張スライドパッド」がついに発売!

 右スライドパッドを追加する「拡張スライドパッド」の3DS LL版がついに発売! 「モンスターハンター3(トライ)G」をはじめとした対応タイトルをプレイしていて、3DS LL版の発売を心待ちにしていた人も多いだろう。

 「ニンテンドー3DS LL専用拡張スライドパッド」は、基本的な作りに3DS用と共通する部分が多い。3DS LL本体と赤外線通信ポートで通信を行なうというもので、左側にはZLボタンを、右側には右スライドパッド、RボタンとZRボタンを備えている(Lボタンは3DS LL本体のボタンをそのまま使う)。

 電源には単四形乾電池1本を使用。約480時間動作する。ZL/ZRボタンを押すと電源が入り、5分間操作をしないでいると自動でスタンバイ状態になるなど、基本的な仕様は3DS用と同じだ。

 だが、形状には3DS用との違いがある。まず正面右下の部分が斜めに傾斜がついていて、手で握った時に手の平がフィットするようになった。また、背面はグリップ周りの起伏が3DS用のものよりも深くなっていて、グリップのふくらみがよりはっきりとついている。

 サイズは11.14×19.51×4.28cm(縦×横×厚さ)と3DS LLよりもひと回り大きいサイズだが、外枠は細めで、3DS用よりもスマートにしようとしているのが感じられる。重量は約157gだが、3DS用は約132gだったのと比較すると、大きくは変わらない。3DS LL本体と組み合わせると約508gになるのでさすがに重さがあるものの、サイズ感や重量には気が使われているという印象だ。


基本的なデザインと機能は3DS用を踏襲しているものの、細部形状に工夫がされている。下は3DS用と並べた写真で、正面は枠が細くなっていたり右下に傾斜がついていたり、背面だとグリップがはっきりとした膨らみの形になっている
3DS LLと組み合わせたところ。右スライドパッドのぶん横幅はあるが、それ以外は極力大きくならないようにしてある。ただし装着中は3DS用同様に3DSカードスロット、タッチペンホルダー、SDカードスロットが触れない

ホールド感が3DS用よりも良くなったのが印象的

 実際にゲームプレイに使って試してみた。まずは3DS LLと組み合わせて手に持ってみた感触だが、グリップ部分の起伏がはっきりとついていて、3DS用のものよりも持ちやすい。グリップの上にある凹みの部分に中指がしっくりくるし、正面右下の傾斜の部分も、手の平がぴったりとくっつく。ホールド感の向上は非常に嬉しい。

 プレイ中の操作感についても良好で、やはり右スライドパッドがあると対応タイトルは飛躍的に遊びやすくなる。グリップの形状が変わって中指がくぼみに自然に置けるようになったことで、長時間プレイしても指が痛くなりづらくなった。こうした長時間の使用でも3DS用より良くなっていると思えた。

 一方で、重量のある3DS LL用に“もっと大胆に形状を変えて欲しかった”という気持ちもある。大きさや重さが増した影響は避けられないものがあり、このサイズと重量を支えられるぐらいのホールド感を得るためにも、手全体でグッと強く握れるような先の長いグリップが欲しかったというのが正直なところ。

 このほか、気になったところとして“装着中に触れなくなる本体箇所も3DS用と同じ”なのがちょっと寂しい。拡張スライドパッド装着中は3DSカードスロットやタッチペンホルダー、SDカードスロットが触れなくなってしまう。3DS用と同じ条件に揃えてあると言えばそうなのだが、SDカードはまだしも、ソフトの入れ替えやタッチペンが取り出せないというのは辛い。せめてこの2カ所については、なんらかの改善が欲しかった。


ホールド感は3DS用よりもよくなったものの、グリップはもう少し長さが欲しかったと感じるところもあった

 基本的な仕様や作りが共通ながらも3DS用のものよりもフィット感が良くなっているのはグッド。右スライドパッドを追加することによる操作性アップ効果は3DS用同様に大きく、対応タイトルをプレイするのなら是非とも欲しいところだ。できれば、もう少し大きなグリップでホールド感をさらに高め、重量感が軽減されていたらなお嬉しかったのだが。3DS用と共通の形状を保ちつつも工夫されているのが感じられた。




● 安価で感触が独特なものの、操作には変なクセや不満点のないPS3用アーケードスティック

「アーケードスティック3」

    メーカー:ゲームテック
    価格:オープン価格(購入価格:5,800円)

 



黒で統一されたシンプルなデザインのPS3用アーケードスティック

 ゲームテックが販売するPS3用の価格控えめなアーケードスティック。1レバー・8ボタンでボタン配置は右側が手前に下がるブラスト配置になっている。PS3本体のシステムソフトウェアはバージョン4.31で試した。

 筐体の形状は、比較的コンパクトではあるが横幅だけ広めな奥行きの短いデザイン。筐体の厚さが薄く、平べったいという印象を受ける形状だ。側面は斜めの傾斜が着けられている。サイズは約21×32×4cm(縦×横×厚さ)となっていて、横の広さと厚みの薄さが際立っている。重量は約1.4kgとサイズのわりに重さがあって、安定感を増すために底板の鉄板で重量をつけている。USBケーブルの長さは約2.5m。

 ボタンの並びは、上段が左から□/△/R1/L1ボタン、下段が左から×/○/R2/L2ボタンと、□△//×/○ボタンが左寄せになっている。右上にはセレクト/PS/スタートボタンの順に3つボタンが並ぶ。なお、PSボタンはPS3本体の起動には対応していない。

 機能面では、「連射機能」と「レバーモードの切替機能」を搭載。連射機能は8ボタンに個別に設定できて、10連射/秒と20連射/秒の2段階に調節できる。レバーモードの切替は、レバー操作の割り当てを方向キーか左アナログスティックに切り替えできるというもので、幅広いタイトルに対応できるようになっている。


横幅の長さに対して奥行きが少なめで、薄さが印象的。ボタンは右下がりのブラスト配置を採用している
レバーの操作割り当てを方向キーか左アナログスティックに切替できる「レバーモードの切替機能」と、2段階に連射速度を切り替えできる「連射機能」を搭載。左の写真にあるスイッチで個別設定できる。右上にはセレクトボタン、PSボタン、スタートボタンがあり、真ん中にPSボタンという独特な並びで配置されている

アーケードパーツのものより0.5mm長いレバー軸が独特

 実際にゲームプレイに使って試してみた。かなり薄さの際だった形状だが、重量がしっかりとあるし、底面にはゴム足が4個貼られているので、机に置いてプレイする際の安定感は高め。セッティングのしやすい手頃なサイズも扱いやすい。

 レバーやボタンを触ってみると、これがかなり独特だ。レバーは軸が非常に長い。アーケード準拠の軸の長さだと約2.5cmなのだが、このレバーは約3cmある。0.5cm長くなっただけでも相当に長く感じるものがある。

 軸が長いという特徴はレバーの持ち方によっても印象が変わるだろう。代表的なものでボール先端を指先で持つ「つまみ持ち」系の持ち方なら、そこまで違和感を感じないものの軸の長さによるレバーを倒すストロークの深さには慣れが必要。ボール先端を手の平でグッと握る「かぶせ持ち」系だと、手首ごと大きく動かすぶんストロークの深さの影響がより大きくなる。また、逆手にレバーを持つ「ワイン持ち」系だと、よりその影響が色濃くなって相性としてはあまり良くないと感じる。

 軸の長さはさておき、レバー操作の感触自体はスイッチのカチカチとしたクリック感が高めで、軽めの感触。価格からするとかなり手触りのいいレバーと思えた。内部写真もご覧頂きたいが、4方向スイッチの四角ガイドとなっている。

 ボタンはというと、メカニカルなクリック感がほとんどないパタパタとした押下感。とはいえ、反発は適度にあり、押下の深さ等にもそんなにクセはない。もう少し感触がアーケードパーツライクにパシパシとくるものがあれば満足度は高かったかもしれない。感触のパサパサ感が残念だ。

 ゲームプレイの面でも“使いやすいけれど惜しい”という印象で、まずレバーは軸の長さからくるストロークの深さに違和感はあるものの、スイッチの反応や斜め入力、回転系のコマンドなど、どれもクセがなくて入力しやすい。ボタンも、上に書いたように感触だけがネックだがプレイの印象としては結構素直で遊びやすいと思えた。感触がネックではあるものの、操作のクセはないというのは、価格の安さも含め、入門用としては悪くないのではないだろうか。

 最後に、底面のフタを開けて内部をチェックしてみた。ゴム足に隠れているものを含めて6個のネジを外して底板を外す。内部を見ると、ボタンはファストン端子で交換が簡単にできるようになっていた。ただ、レバーユニットは筐体の薄さからも想像できたが薄型のオリジナルユニット。業務用のユニットはそのまま入れられないものの、レバー軸を短いものに交換できたら、結構良い感じになるかもしれない。


内部の写真。ボタンはファストン端子になっているが、筐体の薄さから端子を折り曲げて収めている
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□ 任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□ ゲームテックのホームページ
http://www.gametech.co.jp/


(2012年 11月19日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]