使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第302回
Wii U発売!! Wii U GamePadのタッチスクリーンを守る!!
各メーカーの“最上位”液晶保護フィルターを試してみた
(2012/12/10 00:00)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
遂に「Wii U」発売! 「Wii U」最大の特徴と言えば、HDに対応した本体性能はもとより、やはり液晶画面を搭載した専用コントローラー「Wii U GamePad」だろう。「Wii U GamePad」のタッチスクリーンにゲーム画面を映し、自由な姿勢でゲームプレイできる魅力は、さながら部屋内で携帯ゲーム機を楽しむ感覚に近い。
携帯ゲーム機同様に液晶画面を搭載しているとなれば、その画面を傷から保護する「液晶保護フィルター」が欲しくなってくるのは当然。グッズメーカー各社から多数の液晶保護フィルターが発売されるが、今回は各社のラインナップの中でも最上位の位置づけにある“プレミアム”クラスのフィルターを試してみた。恒例の“最も美しいフィルター”を模索していく。
なお、他の液晶保護フィルター、カバー等の各種グッズについても順次試していく予定だ。
【今週のおしながき】
Wii U GamePad用液晶保護フィルター、最上級モデル対決!
フィルターの貼り付けの前に、Wii U GamePadの画面の特徴をまとめておこう。Wii U GamePadは中央に6.2インチ液晶(画面縦横比:16:9)のタッチスクリーンを搭載していて、画面サイズは当研究所の実測値で138.62×78.66mm(横×縦)と、3DS LLをはじめとしたどの携帯ゲーム機の画面よりも大きい。また、画面の周囲には枠があり、Wii U GamePadの筐体から1段下へくぼんだところにスクリーンがあるという作りになっている。
こうしたところから、そこへ貼り付ける液晶保護フィルターはいずれも“画面サイズ”の大きさ。Wii U GamePad全体に貼り付けるようなものはなく、どの製品にも形状的な違いというのはフィルターのサイズ以外にはないと言っていいだろう。
Wii U GamePad用の液晶保護フィルターは、当研究所で把握している限りでも約40製品以上が本体と同時に発売されている。それらは特徴から大きく分けると、「最上位モデル」、「スタンダードモデル」、「貼りやすさ重視」、「傷修復」、「指紋防止」、「ブルーライトカット」の6種類になる。最近登場したばかりの「ブルーライトカット」製品がWii U用にも加わっているのが見所だろうか。こちらも順次試して行くので、特に小さなお子さまの眼を守りたいという親御さんにもご注目頂きたい。
当研究所ではこれらフィルターを実際に貼り付けて試し、「画面のキレイさ」、「貼りやすさ」、「不満点のなさ」、そして「タッチペンの感触」といったところから探っている。今回は製品の中でも最も注目されるであろう「最上位モデル」を試し、最後には「試したフィルターの中で良かった製品」というまとめも行なっているので、ぜひご覧頂きたい。
Wii Uではなんと、任天堂からのいわゆる純正品な液晶保護フィルターが発売された。特許出願中だという任天堂オリジナルの貼り付け方式を採用しているのが大きな特徴。パッケージにはフィルター本体のほかに、画面に付いているゴミ取り用のシールや気泡抜きに使えるヘラが付属している。
フィルターの構造は上から順に、反射・映り込み防止の「AR層」、「ハードコート層」、「PET層」、「シリコン粘着層」の4層構造で、スタンダードな作り。フィルターのサイズは縦横ともに画面枠よりも約1.5mm小さめになっている。
貼り付けは、任天堂オリジナル方式の独特なやり方だ。まず、フィルターの左右に折り目のついた「持ち手」があるので、それを折り目にそって曲げて立てる。次に密着面のフィルムを剥がし、最後に持ち手で持っているフィルターを画面の端から降ろしていくように貼っていくという手順だ。
実際に貼り付けてみると、持ち手が左右にあるのは非常に便利。ただし、画面枠よりもフィルターのサイズが小さいので、端から合わせていくと逆側が少し余り気味になってしまう。中央を意識して貼り付けるには、両手で持つという持ち方からしてちょっとやりづらいところがあるかもしれない。貼り付け方式には一長一短なところが感じられた。上からストンと落としてしまうと気泡もたくさん入ってしまうので、そこも注意が必要だ。ホコリは入らなかったが、気泡が少し抜きにくいところがあった。
貼り付け後の画面を見ると、透明度は高く、色味も素直。クセのない素直なフィルターという印象だ。反射防止や映り込み防止の効果も、映り込んだ像がぼやけて目立たなくなっていた。タッチペンの書き心地も、何も貼っていない画面とほぼ同じでクセがない。映りに関して大きな特徴こそはないものの、不満のない安定したフィルターだ。
“極上”の名のとおり、反射防止率99.7%、光線透過率96.8%、ヘイズ値(曇り)0.2%と、まさに最強のスペックを掲げる液晶保護フィルターだ。パッケージにはフィルター本体のほかに、小型ではあるがマイクロファイバー素材のクリーニングクロスや、気泡抜き用のヘラが付属している。
フィルターの構造は詳しくは記述されていないのだが、素材にはハイエンドモデルのTVに使用されている特殊加工の「スパッタリングAR」を採用しているとのこと。これにより、映り込みや反射を極限まで抑え、それによって黒が映えるような色味を実現している。
フィルターのサイズは、136.84×76.97mm(横×縦)と、画面枠に対して約1.5mm小さめと、ちょっと小さいのが気になるところ。ただこれは、個体差を考慮するとほぼ任天堂の「Wii U GamePad画面保護シート」と同数値なので、任天堂ライセンス商品の規定にある数値なのかもしれない。
実際に貼り付けてみた。貼り付け方式は密着面のフィルムを剥がしながら貼っていくスタンダードなものだが、このフィルターは他のフィルターと違って多少厚みがあり、硬さもある。多少たわんでいるので、位置合わせがしづらいところはあるかもしれない。ただ、吸い付き自体はよく、気泡も抜けやすいフィルターだ。
貼り付け後の画面を見ると、さすがは“極上”。まるで画面の手前にあった薄いヴェールを剥がしたかのように、質感がグッと変わる。反射や映り込みによって起きていたのであろう“白っぽいぼやけ”感が抜けて引きしまった。これほどに印象が変わるぐらいにプラスアルファのあるフィルターというのは他にない。
タッチペンの感触は、何も貼っていない画面と比べると多少ツヤ感があるものの、適度なサラサラ感もあり良好。自然な書き心地だ。
透明度の高さを武器に、これまでも他機種用製品で高い評価を得てきたサイバーガジェットの「Premium」。光線透過率はトップクラスの95.7%で、画面の美しさをフィルターが邪魔せず、同時に反射を防止してくれる。パッケージにはフィルター本体の他に、小さいながらも布製のクリーニングクロスが付属する。
フィルターの構造は上から順に、「AR+ハードコート層」、「PET層」、「シリコン粘着層」の3層構造。フィルターのサイズは、約137.56×77.53mm(横×縦)と画面枠よりも縦横ともに約1mm小さい。
実際に貼り付けると、貼り付け方式はフィルムを剥がしつつ貼っていくというスタンダードな方式ながら、吸い付きはよく気泡もできにくく、貼りやすいフィルターだ。画面の美しさの方はというと、こちらもお見事。透明度の高さと反射防止の効果によって、艶やかながら引き締まった発色になった。クリア感の強い明るいキレイさがある。
タッチペンの書き心地は、何も貼っていない画面と比べると、少しツルツル、ツヤツヤとした感触があった。元の画面のサラサラ感が薄れ、少し滑りやすくなるといったところだ。
スチールウールでの研磨にも耐える「硬度4H」が特徴の硬い液晶保護フィルター。サイバーガジェットとしては2品目ではあるが、この「激硬」は3DS用等の他機種用で試したところ非常にバランスがよく優れていた研究所員オススメの品。そこでこの最上位モデルの中に入れさせて頂いた。パッケージには、フィルター本体の他に小さいながらも布製のクリーニングクロスが付属する。
フィルターの構造は、傷への高い耐性を誇る「超硬度ハードコート」、「PET層(光線透過率90%)」、「シリコン粘着層」の3層構造。フィルターのサイズは、約137.56×77.62mm(横×縦)と画面枠よりも縦横ともに約1mm小さい。
実際に貼り付けてみた。激硬とは言ってもそれは傷に対する耐性の話であって、フィルター自体は他のフィルターと比べても少し硬めかなと感じる程度。貼り付け方式はフィルムを剥がしながらのスタンダードなものだが、適度な硬さのがあるためか、貼り付けやすい。気泡もできずクセがなく、扱いやすいフィルターだ。
貼り付け後の画面を見るとこちらもクセはなく自然な仕上がり。さすがに同社の「Premium」と比較してしまうと少し輝度が落ちるところがあり、そのぶん色がほんの少し濃く見えるところはあるが、不満のない素直な映りだ。
タッチペンの書き心地は、強めのサラサラ感があって独特。何も貼っていない画面よりも紙に近い感触があるので、この方が好みという人もいるかもしれない。
最後に硬さについてだが、10円玉のフチでぐりぐりと擦りつけてみたが、傷はおろか擦り跡すら付かなかった。この耐久性の高さは、タッチペンをちょっとやそっと激しく使ったり、クリーニングクロスでラフに拭いても大丈夫な安心感がある。傷がつかない事でフィルター自体のキレイさも保たれるので、長く使える良さもある。
光線透過率94%を誇り、反射防止、指紋低減、ハードコートと、高透明な全部入りフィルターだ。パッケージに封入されているのはフィルター本体のみで、クリーニングクロスは付属しないので、別途用意するのがいいだろう。
フィルターの構造は上から順に、「AR+防指紋+ハードコート層」、「PET層」、「シリコン粘着層」の3層構造。フィルターのサイズは、136.95×77.08mm(横×縦)と、画面枠より約1.5mm小さめ。
実際に貼り付けてみると、吸い付きがよくとても扱いやすい。ただ、気泡ができた場合、それが抜きにくかったので、貼り付け時点で気泡ができないよう注意したほうがいいだろう。そこにさえ気をつければ貼りやすいフィルターと言える。
画面を見ると、透明度は高く、クセのない素直な映り。ただ、何も貼っていない画面と比べると色味が少し落ち着いていると感じられた。防指紋効果も併せ持っているためだろうか。それでも直接比較しないとわからない程度だ。
タッチペンの書き心地は、何も貼っていない画面の感触に近く非常に自然。フィルターを貼った側と貼っていない側を交互に書いても、その差がわからないぐらいに近かった。タッチペンの書き心地の自然さが非常に優れているフィルターだ。
光線透過率96.5%というトップクラスの透明度に加え、反射・指紋低減、硬度3Hのハードコート、気泡の抜けやすい特殊シリコン層と、まさに全部入りな印象のフィルターだ。パッケージにはフィルター本体のほかに布製のクリーニングクロスが付属する。
フィルターの構造は上から順に、「AR/防汚加工(指紋低減)層」、「ハードコート3H層」、「エアーレス層」、「自己吸着層」の4層構造。フィルターのサイズは、137.48×77.43mm(横×縦)と、画面枠よりも約1.2mm小さめになっている。
このフィルターはさらに、独自の貼り付け方式を採用している。まず、「固定用シール」でフィルターとWii U GamePadを固定、そこから密着面のフィルムを剥がし、表面フィルムの左右に貼ってある持ち手の部分を持ちながら、画面に貼り付けていくというものだ。
実際に貼り付けてみたが、この方法はちょっと難しいところがある。シールで固定したあとフィルターを持ち上げつつ、密着面全体に貼ってあるフィルムを右から左へと剥がすのだが、固定シールが剥がれない程度に持ち上げつつフィルムを剥がすというのは、なかなか難しい。この時に画面にフィルターがくっついてしまいがちだった。何度かフィルターを持ち上げて剥がしたりしつつの苦戦しながら最終的には貼れたのだが、もう一工夫あるとより貼りやすくなったように思う。
貼り付け後の画面は、透明度が高くて明るい。透明度の高さと反射防止効果によって、画面本来の発色と輝度がしっかりと出ているという印象だ。非常にクリアな画質となっている。
タッチペンの書き心地はというと、何も貼っていない画面に近い適度なサラサラ感がある。ほんの少しビニール質なキュッキュと止まる感触が加わるところがあったが、かなり自然な書き心地となっていた。
細かい傷が自然に消える「自己修復機能」と「抗菌効果」を備え、さらに、気泡が抜けやすい「気泡除去」の構造も持っているフィルターだ。パッケージにはフィルター本体のほか、簡易の紙クリーニングクロスが付属する。
フィルターの構造は、「傷修復+抗菌層」、「PET層」、「シリコン粘着層(エア抜け構造)」の3層構造となっている。フィルターのサイズは、136.90×78.17mm(横×縦)と、画面枠に対して横は約1.7mm小さめだが、縦は約0.5mm小さいだけと、ちょっと変則的な形状をしている。
実際に貼り付けてみた。貼り付け方式はフィルムを剥がしながら貼り付けていくスタンダードなものだが、このフィルターは非常に貼り付けやすい。吸い付きが良く、端の方からゆっくりと吸い付いていく。そのため気泡もできず、非常にキレイな仕上がりとなった。
貼り付け後の画面を見ると、透明度は高く、滑らかなツヤのある映りだ。滑らかさから、ちょっとソフトになる印象があるが、自然でクセはない。色味については、ほんの少し濃さが増すところがある。
タッチペンの書き心地については、やはりツルツルとした滑りのよさがありが印象に残った。
今回試してみた中でオススメの画面保護フィルターは?
今回試している保護フィルターは、さすがに各メーカーの代表とも言える製品を集めただけに、いずれも満足度の高いものばかり。だが、“最も美しかったフィルター”は、HORIの「液晶画面保護用フィルター"極上" for Wii U GamePad」だ。他のフィルターが競っているなか、この“極上”だけが一段高みにいると言ってもいい。フィルターのサイズが小さめなところは気になったものの、画質の凄みはそれを物ともしない。
ただ、“極上”が良いというのは、値段からすると当然の結果と言えば当然で、値段も考慮するとサイバーガジェットの「CYBER・液晶保護フィルム Premium(Wii U用)」はバランスもよく不満点がない。クリアで明るく、自然な映りの良さがあった。ラフに扱える良さという点では「激硬」も魅力的なフィルターだろう。
もうひとつ、アンサーの「自己吸着プレミアムHG」も、高透明からくるクリアな画質が好印象。「CYBER・液晶保護フィルム Premium(Wii U用)」に近い印象を受けた。独自の貼り付け方法がよりこなれて、誰でも簡単にキレイに貼れるという魅力も手に入れたら、さらにオススメできる製品となっていきそうだ。
・ 各フィルターのサイズ一覧表
最後に、画面保護フィルターのサイズを一覧にまとめておこう。任天堂「Wii U GamePad画面保護シート」はパッケージにサイズが記述されているのでその数値だが、それ以外は全て当研究所で揃えた製品を測った実測値。パッケージごとに異なる数値を持った個体差の可能性も考慮頂きたい。
また、このWii U GamePadも、当研究所でいくつかの個体の画面枠内を採寸したところ、画面枠内のスペースに0.10mm~0.15mmの差が見られた。画面枠ギリギリのサイズのフィルターでは、ひょっとすると支障が出るからか、今回試したフィルターはいずれも1mm以上小さくなっており、こうした個体差に考慮した結果かもしれない。
画面サイズ (横×縦mm) | |
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Wii U GamePadのタッチスクリーンサイズ | 138.62×78.66 |
任天堂「Wii U GamePad画面保護シート」 | 137.00×77.00 |
HORI「液晶画面保護用フィルター"極上" for Wii U GamePad」 | 136.84×76.97 |
サイバーガジェット「CYBER・液晶保護フィルム Premium(Wii U用)」 | 137.56×77.53 |
サイバーガジェット「CYBER・超硬度液晶保護フィルム・激硬(Wii U用)」 | 137.56×77.62 |
ゲームテック「目にラクシートU」 | 136.95×77.08 |
アンサー「自己吸着プレミアムHG」 | 137.48×77.43 |
デイテルジャパン「液晶画面フィルム 極」 | 136.90×78.17 |