★PSPゲームレビュー★
前作から一変!コマンドバトルとアクションを融合させた新感覚ゲームシステムを搭載!
「シャイニング・ブレイド」
ジャンル:
  • 心に響くRPG
発売元:
開発元:
プラットフォーム:
  • PSP
価格:
6,279円
発売日:
2012年3月15日
プレイ人数:
1人
レーティング:
CERO:B(12歳以上対象)

 3月15日、株式会社セガから心に響くRPG「シャイニング・ブレイド」が発売された。

 ダークドラゴンの復活を目論むドラゴニア帝国によって混沌に包まれてしまった世界を救うべく立ち上がった、霊的な力を刃に変えて戦う「霊刃使い(ソウルブレイダー)」、汚染された大地に精霊の力を取り戻す、魔法の歌を唄うことのできる「歌姫(ローレライ)」とその仲間たちの物語が描かれている。

 

 過去シリーズからおなじみのキャラクターたちが参戦しているほか、保志総一朗さんや水樹奈々さんといった豪華声優陣の出演と、シリーズファン、声優ファンなら必ずチェックして欲しいタイトルだ。また、前作「シャイニング・ハーツ」のオーソドックスなコマンド式バトルから大きく変更されたバトルシステムにも注目してもらいたい。

 

 ロード時間を短縮できるデータインストールに対応しており、利用するには350MB以上の空き容量が必要。PSP-3000、SanDiskの8GB Ultra II Memory Stick PRO Duoの環境で、インストールに必要な時間は5分程度であった。ロードが入る頻度は多くないが、1回のロードにはそれなりの時間がかかるので是非ともデータインストールを利用してもらいたい。



■ 前作から一変!アクションやシミュレーションの要素を取り入れたアクティブ&コマンドバトル!

 前作では多くの人が慣れ親しんでいるであろうコマンド式バトルであったが、本作ではアクションとシミュレーションの要素を取り入れたアクティブ&コマンドバトルを採用している。

 まず、バトルシステムの前にゲームの大まかな流れを紹介したい。タウンでクエストを受け、ワールドマップからバトルフィールドを選択し、バトルパートへと進むのが基本となる。

 クエストは、ストーリー進行に関連する「ストーリークエスト」、タウンの人々やクエスト屋から受注する「フリークエスト」、特殊な条件を満たすことで発生する「イベントクエスト」の3種。

 クエストを受けずにバトルすることもできるが、ゲーム進行に関係するものは全てクエスト受注→バトルという流れなので、進行に迷うことがなく、スムーズにゲームを進められる。

タウンでクエストを受け、ワールドマップからクエストの対象となるポイントを選択する。シンプルでわかりやすく、進行で迷うことはないだろう

■ メンバーセレクト

 ワールドマップからバトルフィールドへ入ると、バトルメンバー5名とリザーブメンバー3名を決定する。バトルメンバーは実際に戦闘に参加するメンバーで、リザーブメンバーは複数エリアで構成されるクエストの場合に入れ替えられるメンバーとなる。

 最終的に20名以上のキャラクターが仲間になり、それぞれ射程、攻撃属性など様々な違いがある。当然、登場する敵に合わせてメンバーを組めば有利に進められるが、レベルを上げ、装備を整えてさえいれば、どんな構成でもクリアできるようになっている。そのため、一部のクエストではメンバーが固定されるものの、好きなキャラクターでバトルメンバーが構成できる。ただし、理由は後ほど説明するが、主人公のレイジと歌姫1名は入れておくといいだろう。

 リザーブメンバーには戦闘に参加せずともクエストクリア時の経験値が得られるメリットがある。レベルの低いキャラクターを育成したい場合にはリザーブメンバーに入れておくといいだろう。

クエストに合わせてメンバーを編成すれば有利にバトルが進められる。また、メンバーセレクト時には、クエストの説明やマップも確認できる

■ バトルマップ/バトルフィールド

 バトルマップでは敵・味方の位置が表示される。動かしたい味方キャラクターを決定するとバトルフィールドへと切り替わる。バトルフィールドでは、キャラクターを移動させ、攻撃・回復などを行なう。1回の行動でできるのは、アタック(装備武器での攻撃)・フォース・アイテムのいずれか1つまでと制限されている。行動を終了すると再度バトルマップへと戻る。キャラクターを選ぶ毎にバトルマップ上部にあるソウルポイントが1つ消費される。

 これらを繰り返し、ソウルポイントが0になると味方フェイズ終了となり、敵フェイズがスタートする。敵フェイズでは味方フェイズと同様に敵がバトルマップ→バトルフィールドと繰り返す。敵のソウルポイントが0になれば、味方フェイズが再び始まる。

 ソウルポイントがある限り、同じキャラクターを連続して動かすこともできるが、1度でも攻撃を行なうと疲労状態となり、攻撃力が低下してしまう。性能に大きな差がない限り、全員をまんべんなく使うことで効率良くダメージを与えられるわけだ。疲労状態になるのは“攻撃”をした場合だけなので、回復やアイテム使用では疲労状態にならない。なお、疲労はフェイズ終了、アイテム使用で回復する。

バトルマップで行動させたいキャラクターを決定し、バトルフィールドでキャラクターを動かす。ソウルポイントの分だけ、キャラクターが動かせる。これは敵も同様であり、敵の数がいくら多くてもソウルポイントの分しか行動できない。逆にソウルポイントが多くあれば、敵の数が少なくてもソウルポイント分は行動できる。ただし、敵には行動制限が設けられており、雑魚なら1体につき、1回しか行動ができなくなっているので、敵の数を減らせば基本的に有利になる

■ アタック

 敵に攻撃する手段として最も使用頻度の高いのが装備武器で攻撃するアタック。武器によって近距離、遠距離、魔法の3タイプに分類される。

 太刀や格闘などの近距離攻撃タイプは、相手に近寄らなければならない分、1度のアタックで複数回攻撃ができるなど、全体的に威力は高めに設定されている。攻撃範囲内に複数の敵がいる場合には、複数回の攻撃を分散させることも可能。近距離攻撃を行なってくる相手に対して反撃できるのもポイントだ。

 弓や銃火器といった遠距離攻撃タイプは、近距離タイプと比べると威力は低いが、遠距離から攻撃することで反撃を受けずに一方的にダメージを与えられる。弓では敵1体にしか攻撃できないが、一部の装備では範囲内にいる敵をまとめて攻撃することもできる。また、近距離タイプのように敵からの攻撃に対して反撃することはできないが、弓の場合のみ、移動中の敵が射程内に入ると自動で迎撃してくれる。

 ワンドを使用する魔法タイプは遠距離から攻撃可能なうえ、射程内かつ画面内の敵全てに攻撃できる。密集した敵を一掃できるほどの高性能だが、このタイプのキャラクターはHPや防御力が低いため、安全を確保して使うようにしたい。

 敵には斬・射・爆などの弱点属性が設定されており、弱点を突けばクリティカルヒットとなり、通常より大きなダメージを与えることができる。ただし、弱点属性の攻撃を1度当てるまでは、どれが弱点なのかはわからない。このことから、初見のクエストでは様々な属性で攻撃できるようにバトルメンバーを決定するといいだろう。

全ての攻撃には属性が設定されている。属性は物理タイプの斬・打・突・射・爆に加え、火・風・水・地・光・闇の全11種。キャラクターの武器により、属性は異なるが、後述のアーティファクトにより、属性を追加できる

■ フォース

 フォースはキャラクター固有の技で、多くのものはフォースゲージが必要になる。フォースゲージは、攻撃する、攻撃を受ける、ターン経過で増加する。

 攻撃タイプのフォースの魅力はなんといってもその威力の高さ。アタックとは比べ物にならないほど高い威力を誇る。単純に威力が高いだけでなく、敵に状態異常を付与したり、範囲攻撃ができるものもある。また、武器の属性と異なる属性攻撃が放てる点も大きい。例えば、主人公のレイジのアタックは斬属性なのだが、「零式刀技 砕」(敵1体にダメージを与える)なら打属性、「零式刀技 響」(敵1体にダメージを与える。長射程)なら射・風属性となる。

 回復・補助タイプのフォースは全てのキャラクターが使えるわけではないが、あればいざという時に便利。アイテムと違い、遠距離からの回復、範囲回復ができる。ただし、ゲーム全体の難易度は低めに設定されているので、回復役がメンバーにいなくてもゲームは進められる。

雑魚敵相手ならアタックだけでも簡単に倒せるが、ボスクラスの敵は体力が多く、攻撃力も高いので、雑魚でフォースゲージをためておき、フォースで一気に倒してしまうのがいいだろう

■ 移動/デュオ/リンクアタック

ムーヴゲージが残っている限り、移動し続けられる。敵の攻撃をかわしつつ接近しよう。背後から攻撃すれば反撃を受けずにすむ

 攻撃や回復を行なうには対象が射程内に入るように移動する必要がある。移動はキャラクター下部に表示されているムーヴゲージが尽きるまで可能。攻撃後であってもゲージが残っている限り移動できる。

 味方フェイズ中、敵が移動して襲ってくることはないが、移動中に敵の攻撃射程に入ると攻撃を仕掛けてくる。これはアクションゲームのように左右に移動することで回避可能。さらに本作ではムーヴゲージが尽きてもターン終了を行なわない限り、操作キャラクターのターンは終わらない。敵の射程内にいる状況でターン終了をしないと延々と攻撃を受けてしまうことになる。全ての行動は迅速に行なう必要があるわけだ。

 デュオは対象となるキャラクターをカメラの正面に入れて□ボタンを押すことで成立する。デュオを組んだ仲間は操作キャラクターの後を自動で追尾する。通常、操作キャラクター以外は動かすことはできないが、デュオであればその仲間のムーヴゲージを消費せずに移動させることができる。デュオで次に操作するキャラクターを事前に移動させておけば、その分移動距離が稼げるし、攻撃後に敵陣深く切り込んだ仲間を安全圏まで連れ出すこともできるわけだ。さらにデュオ中の仲間は敵の迎撃によるダメージを一切受けないというメリットもある。

 リンクアタックは、操作キャラクターのアタック時、敵から一定の距離に仲間がいると2人で連携して攻撃できるシステム。リンクアタックの回数に制限はなく、デメリットもないため、アタックで攻撃するなら可能な限りリンクアタックになるようにした方がお得だ。リンクアタックの発生は距離に依存するため、最初に操作するキャラクターは近くに味方がおらず、リンクアタックができなそうだが、デュオを使って一緒に敵の側に行ってアタックすることで1キャラクター目からでもリンクアタックは実現できる。

 アクション性のある移動、デュオによる味方キャラクターの操作は、バトルの戦略性を高めている大きな要因と言える。

味方を正面に捉えて□ボタンを入力すればデュオが成立。味方を引き連れて移動することができる。操作キャラクター以外の移動距離を稼げるだけでなく、味方を危険な場所から移動させるなど、様々な使い方ができる
攻撃対象から一定距離に味方がいればリンクアタックが発動。弓などの長射程タイプのキャラクターであれば、離れていてもリンクアタックが可能だ。リンクアタック可能なメンバーが複数いる場合には、誰か1名を選択することになる

■ フォースソング

 物語の鍵にもなっているフォースソングは、敵や味方全体に効果のある歌で、一部の歌姫キャラクターのみが使用できる。

 使用はバトルマップから行ない、ソウルポイント1つとフォースゲージ1つ以上をすべて消費する。毎ターンHP・状態異常回復など、強力な効果が得られるが、フォースソングを唄っているキャラクターは操作できなくなる。

 さらにフォースソングには特定のボスクラスの敵が持つフォースフィールドという防御障壁を打ち破れる効果がある。フォースフィールドを打ち破れるかどうかで敵の強さが大きく変化するため、バトルメンバーに最低でも1名はフォースソングを唄えるキャラクターを入れておきたい。なお、フォースフィールドは1回フォースソングを唄えば打ち破れるため、その後に歌を解除しても問題ない。

敵や味方全体に効果のあるフォースソングの効果は大きい。唄っている間、そのキャラクターは操作できないが、それを補って余るほど強力だ。ただし、フォースソングを唄っている間は敵に狙われやすくなり、さらに無防備になってしまうので、使う場合には位置取りに注意したい

■ パーソナリティ

 パーソナリティは、キャラクターの性格や技能に由来するもので、戦闘中に一定条件を満たすとランダムで発動する。味方が近くにいると命中率アップ、迎撃ダメージを受けると防御ダウンなど、効果は様々だ。中には敵を倒した時、ムーブが回復し、バトルコマンドが再実行できるという強力なパーソナリティも存在する。物語の進行で新たなパーソナリティを習得したり、所持しているパーソナリティが別のものに変化したりもする。

パーソナリティはキャラクターにより異なる。宝箱を開けるとムーヴが回復するといったものもあり、このパーソナリティが発動すれば、宝箱を経由して長距離移動が可能。発動はランダムだが、狙ってみる価値はある



■ 特徴の異なるキャラクターたちを一部紹介!

 前述の通り、本作では最終的に20名以上のキャラクターが仲間になる。それぞれのキャラクターには特徴があり、中には戦術の幅を広げてくれる能力を持つキャラクターもいる。本項では一部ではあるが仲間になるキャラクターを紹介したい。

 ○ レイジ/ユキヒメ

 レイジは本作の主人公。「霊刀・雪姫」を扱うことができる勇者として、異世界エルデから召還された。正義感が強く、仲間想いな性格。CV:保志総一朗さん。

 ユキヒメ(霊刀・雪姫)は、クラントール王国に伝わる伝説の剣の化身。恐ろしいまでの霊力を秘めており、選ばれた勇者しか彼女に触れることはできない。CV:白石涼子さん。

 レイジは近距離タイプのアタッカー。能力値のバランスが良く、単体・範囲・遠距離のフォースを備えたバランスの良いキャラクター。アタック属性は斬。

 ユキヒメは、敵を倒すなどしてレイジが活躍すると機嫌が良くなり、一定以上機嫌が良くなるとハイテンションモードへと移行。ハイテンション中はレイジの全ステータスが上昇する上昇する、彼だけの特殊なシステムだ。ただし、女性キャラクターと一緒に出撃したり、リンクアタックを行なうとユキヒメは機嫌を損ねてしまう。

 仲間にはレイジに対する好感度が設定されており、“バトルメンバー、リザーブメンバーに選ぶ”、“レイジとリンクアタックをする”、“特定の会話で好感の得られる選択肢を選ぶ”ことで好感度が上昇する。好感度が上がるとレイジとのリンクアタック時の威力が上昇する。また、好感度はサブストーリーの発生にも関わっている。“バトルメンバー、リザーブメンバーに選ぶ”条件にレイジの出撃は関係しないが、リンクアタックで好感度を上昇させるためにレイジの使用頻度は高くなるだろう。


 ○ サクヤ

 ヴァレリア解放戦線を率いる女隊長。霊的な存在を実体化させる古の秘術を受け継ぎ、練成でソウルブレイドを生み出す特殊能力を持つ。CV:水樹奈々さん。

 サクヤは本作のもう1人の主人公。精霊王の力を剣とドレスに宿すことでバトルスタイルが変わり、攻撃属性や性能が大きく変化する。

 Mode:ノワールは万能型。武器は片手剣で、アタック属性は斬。この状態ではレイジのようなバランス型の近距離アタッカーになる。

 Mode:セルリアンは魔導師タイプ。武器はワンドで、アタック属性は水。魔導師タイプなので、アタックで1度に複数の敵に攻撃でき、回復系のフォースも使用できる。

 Mode:ゲルブリッツは素早さ特化型。武器は二丁の銃で、アタック属性は射。遠距離タイプだ。これらの各スタイルはゲームを進めることで増えて行き、最終的に5つのスタイルが使えるようになる。

 モードチェンジにより大きく性能が変わるため、あらゆる状況に対応できる。フォースもスタイルにより別のものになる。


 ○ リック

 クラントール出身の少年で、ヴァレリア解放戦線所属。隊員たちの間では、「リックと出撃すると生きて帰れない」という噂が流れており、「死神」とあだ名されている。CV:神谷浩史さん。

 物語に大きく絡んでくる第3の主人公リック。サクヤと同じく、複数のバトルスタイルを持ち、その内容により性能が大きく変化する。

 Arms:エアリィでの武器は片手剣で、アタックの属性は斬。もう一方の手には盾を装備している。「ガードアトラクタ」というフォースを使うことで、敵の攻撃を自分に集中させることが可能。防御状態なので受けるダメージも軽減できる。防御の低いメンバーを活かせるフォースだ。リックだけでなく、盾を装備しているキャラクターは全員「ガードアトラクタ」を使うことができる。

 Arms:アミルは魔力特化型で、武器は両手剣。アタックの属性はエアリィと同様に斬だが、フォースが全て攻撃系かつ炎属性になる。この2つ以外にも、ゲームを進めることで攻撃力・範囲に特化したスタイルも使えるようになる。


 ○ アルティナ

 エルフ族が暮らす、森の王国フォンティーナの王女。真面目な性格で、何事もきちんとしていなければ許せない性分。CV:井上麻里奈さん。

 アルティナは真銀弓スカディを武器に戦う遠距離タイプのキャラクター。アタックの属性は射。歌姫キャラクターでもある。

 序盤で仲間になる彼女は、遠距離タイプながら防御系のステータスも悪くなく、フォースソングが使える点からもバトルメンバーに組み込みやすい。攻撃系だけでなく、回復系のフォースがある点も魅力だ。

 最初に習得するフォースソングは「翠の森の精霊詩」。敵全体の攻撃命中率がダウンする。


 ○ エルミナ

 ルーンベール辺境の貴族の娘で、世間知らずのお嬢様。アイラ王女の幼馴染で、王女の役に立ちたい一心から魔法を扱えるようになった。CV:早見沙織さん。

 エルミナは炎王の杖を装備し、炎の魔法が得意な魔法使いタイプのキャラクター。アーティファクトも炎属性のものしか装備できないため、アーティファクトに関わらずアタックの属性は炎となる。こちらも歌姫キャラクターの1人。

 炎属性に特化したアタッカーで、非常に高い魔力を持ち、繰り出す攻撃の威力は高い。その分、HPや防御が低く、敵に狙われるとあっという間にやられてしまうため、敵から距離を取るようにしておきたい。フォースも炎属性のものが大半を占める。

 最初に習得するフォースソングは「蒼き清浄なる歌」。毎ターン、味方フェイズ開始時にHPと状態異常が回復する。



■ キャラクターの性能に大きく影響するアーティファクト、フォースの強化!

 キャラクターは戦闘を重ね、クエストを達成することで経験値を得てレベルアップするが、これ以外にもキャラクターの性能に影響する要素として、アーティファクト、フォースの強化、アクセサリ、パンがある。

■ アーティファクト

 アーティファクトはキャラクターのステータス上昇、特定属性の付与に関わるアイテム。タウンの練成工房で作成・強化が可能で、作成・強化共にお金、素材、ソウルが必要になる。

 ソウルはクエストクリア時に獲得できるポイントで、累積ソウルが一定以上になるとソウルレベルが上昇する。ソウルレベルはクエストの受諾やお店の新商品入荷などに関わる。ストーリー進行に関連するクエストの受諾にもソウルレベルが設定されているため、ソウルレベルを上げることはゲームを進めるためにも必須。しかしながら、何度も同じフリークエストをこなさなければならないということはなく、ストーリークエスト、フリークエストを普通にこなしていけば、ストーリーを進めるのに充分なソウルレベルになるし、ゲームをクリアするまでに最大レベルまで上がりきるだろう。

 話は逸れてしまったが、多くのキャラクターは「ヴァルキリー」(属性無し。能力バランスに優れる)、「サラマンダー」(火属性。攻撃力に優れる)、「ウンディーネ」(水属性。攻撃と防御のバランスに優れる)、「シルフ」(風属性。素早さと命中に優れる)、「ノーム」(土属性。防御に優れる)、「ウィルオウィスプ」(光属性。魔力に優れる)、「シェイド」(闇属性。魔防に優れる)の7つアーティファクトのいずれかを装備できる。

 敵の弱点属性に合わせてアーティファクトを装備すれば、バトルを有利に進められるが、操作キャラクターをある程度固定したとしてもバトルメンバー5名に全属性のアーティファクトを持たせ、最大まで強化するのは、素材の数から言っても大変だ。最初から所持しているアーティファクトをただ強化していくだけでも充分に強いので、強化が優先で、余裕があれば新たなアーティファクトを作成する程度と考えておけばいいだろう。

新たなアーティファクトの作成はともかく、その段階で上げられるだけ強化しておきたい。アーティファクトはキャラクターのステータスを底上げしてくれるため、レベルを上げれば上げるほど強くなる。最大レベルは10となっている

■ フォースの強化

 フォースの強化はアーティファクトと同様にタウンの練成工房で行なう。必要になるのはソウルのみ。最大10段階まで強化可能で、消費フォースが増えるといったこともなく、強化すれば単純に効果が高まる。序盤から中盤は何度もフリークエストをこなしたりしない限り、それほどソウルに余裕はないはずなので、まずは使用頻度の高いフォースに絞って強化していくのがいいだろう。

レベルなどにもよるが、フォースを強化しておけば、ボスクラスの敵を1撃で沈められることも。強化にはソウルが必要になるので、まずは使用頻度の高いキャラクター、フォースを優先して強化したい

■ アクセサリ

 アクセサリはステータス上昇などの効果が得られる装備品。装備しておいて損をすることはないので必ず装備しておきたい。ステータス上昇だけでなく、攻撃回数増加、アタックにアイテムスティール効果付与といったアクセサリもある。

攻撃、防御上昇などの効果が得られるアクセサリ。バトルメンバー、リザーブメンバーに選んだキャラクターには必ず装備しておくようにしたい

■ パン

 タウンにあるパン屋でパンを購入すると、パラメーター上昇、アタックに状態異常効果付与、射程が延びるといったさまざまな効果が得られる。効果はクエスト1回までで、効果が切れるまで新たなパンを購入することはできない。また、パンを購入するとスタンプが1つもらえ、10個ためると景品がもらえる。安いものでもそれなりに効果はあるし、スタンプがもらえることもあるので、クエストに挑戦する前には必ずパンを購入しておくのがオススメだ。

パンの恩恵は全員が受けられる。スタンプを集めれば景品がもらえるので、安いものでもいいからクエスト毎に購入する癖をつけておきたい。新たなパンはクエストクリアやパスワード入力で追加される。パスワードは公式ホームページや雑誌などに掲載されている。パスワードで得られるパンの中には、戦闘で得られる経験値が2倍、アイテムスティールでレアアイテムが盗みやすくなるといったものも存在する


■ 最後に

 前作から一変し、アクション要素を織り込んだバトルシステムを採用。やれることが増え、バトルの戦略性が増している。その分、難しいかというと、クエストをこなし、レベルを上げ、アーティファクトやフォースを強化していけば、決してそんなことはない。ある程度メンバーを絞ってクエストをこなせば、適正レベル(途中参加する仲間のレベルから判断)より高いレベルでクエストに挑めるだろう。戦闘が楽しく、会話パートでのテキストが簡潔にまとめてられており、何度も同じクエストをやらないとレベルが足りないといったこともないため、テンポ良く、飽きずにプレイできるのも嬉しい。

 1つ気になったのはロード時間の長さ。ロードの入る頻度はそれほど多くないが、ワールドマップからクエストに挑む場合、クエスト終了からタウンやワールドマップに戻る際には10秒程度のロードが入る。ストーリークエスト終了時には、ストーリーに関連したテキストがロード画面に表示されるため、ロード時間は気にならなかったが、それ以外の場合ではやはり気になってしまった。

 筆者のプレイタイムは、エンディングまでが23時間、クリア後のストーリーや想定し得る全サブイベントクリアまでが35時間ほど。残るは、全キャラクターをレベル最大まで上げること、アーティファクトの作成・強化、フォースの強化くらいだろうか。ちなみにエンディングの後にも隠しストーリーが用意されており、クリア後の物語が堪能できる。

 大きく変化したバトルシステムの評価は人により異なるだろうが、個人的には好印象。戦闘がより面白くなっている。アクション性という点が気になる人もいるかもしれないが、難易度は低めに設定されており、アクションが苦手でも問題なく遊べる。誰にでもオススメできる良質なRPGだ。


Amazonで購入

(2012年 4月 19日)

[Reported by 木原卓 ]