★ PSPゲームレビュー★
豪華製作陣により生み出された渾身の新作
生き残りをかけたドラマチック・殲滅アクション
「戦律のストラタス」
ジャンル:
  • ドラマチック・殲滅アクション
発売元:
開発元:
/ヌードメーカー
プラットフォーム:
  • PSP
価格:
5,980円
発売日:
2011年10月27日
プレイ人数:
1人
レーティング:
CERO:C(15歳以上対象)

 10月27日、株式会社コナミデジタルエンタテインメントからドラマチック・殲滅アクション「戦律のストラタス」が発売された。プロデューサーは同社の向峠慎吾氏、シナリオ・ディレクションは株式会社ヌードメーカーの河野一二三氏、キャラクターデザインはエナミカツミ氏、ロボットデザインは石垣純哉氏、メカニカルデザインは寺岡賢司氏と豪華なメンバーにより開発されている。

 10月20日には、PlayStation Storeにて「戦律のストラタス 第一話配信版」(200円)も配信された。名前の通り1話限定で遊べるバージョンだが、セーブデータは製品版に引継ぎ可能で、製品版の第4話からキャラクター「黒犬」が使用可能になる権利もついている。この「黒犬」は「戦律のストラタス 第一話配信版」でのみ入手可能。体験版にDLCがついたものというイメージだ。

 ロード時間を短縮できるデータインストールに対応しており、利用するには334MB以上の空き容量が必要。PSP-3000、SanDisk製 8GB Ultra II Memory Stick PRO Duoの環境で、インストールに必要な時間は約5分。データインストール利用時のロード時間は2~8秒程度であった。

 早速、本作の魅力を紹介していきたい。



■ アニメーションのような1話仕立てでゲームは進行!その映像美にも注目!

西暦2058年――
人類は3年前に突如始まったミームと呼ばれる
螺旋情報柱体の侵略により
滅亡の危機に瀕していた。
ミームは実体を持たない情報だけの存在であり、
人々を次々と吸収、同化。
対ミーム特務機関“帝特六機”は
ミームの侵略に対抗するため
“汚染者”と呼ばれる者達を集結、
絶望的な闘いに挑むのだった。

汚染者――
すなわちミームの襲撃を受け
その同化からは逃れたものの
その肉体の一部をミーム情報体によって
侵食された者達である。

主人公九断征四郎は
汚染者として政府によって監禁されていたこと
政府の無策によって妹の命を失ったことから、
政府機関である六機に対して
強い不信の念を抱きながらも
ミームとの闘いに身を投じていくこととなる…。

 ゲーム本編は本格的なアクションだが、「ドラマチック・殲滅アクション」というだけあって、キャラクター、ストーリー、演出とドラマ性にも重きが置かれている。また、アニメーションのような1話仕立てになっており、オープニング、エンディング、次回予告と区切られている。

 主人公の九断征四郎役に宮野真守さん、六機の司令である鷹乃巣禊役に遠藤綾さん、禊の幼馴染で六機に所属する軍人の八神拓海役に石田彰さんを起用するなど、CVを担当するキャストは豪華な面々になっている。

九断征四郎(CV:宮野真守)
謎の敵・ミームの侵食を受けながら生き延びた過去を持つ。軍の策略により「帝特六機」に強制的に編入させられ、組織の上層部に不信感を抱きつつも、戦いに身を投じる事になる
鷹乃巣禊(CV:遠藤綾)
鷹乃巣公爵家の令嬢。祖父の設立した「帝特六機」司令に就任。少女としての自分を捨て、対生体侵攻兵器戦の先頭に立つ司令官
八神拓海(CV:石田彰)
「帝特六機」に所属する優秀な軍人。鷹乃巣家の分家の人間で、禊の幼馴染でもある。容姿端麗で快活な好青年だが、その見た目とは裏腹に戦闘能力は非常に高い
東剛弘(CV:大川徹)
六機直接戦闘員のリーダー。質実剛健を地でいく武人であり、部下達からの信頼も厚い。優れた戦闘能力を持ち、部下である隊員達を引っ張っていく
宇佐美洵(CV:梶裕貴)
見た目は中学生くらいに見えるが実は23歳。人の話を静かに聞いてくれているように思えるが、実際は耳から耳へと抜けていっており、何も聞いていない。隊員一の身軽さでナイフ投げを得意とする
笹原七瀬(CV:生天目仁美)
凛々しいしっかりもののお姉さん。女性なのに男前な性格で、特に頼られると必要以上に面倒を見てしまうところがある。主人公に対しても時に叱咤し、時に激励して良き隊員であるよう導こうとする。怒らせると隊員一怖いらしい
小清水悠馬(CV:置鮎龍太郎)
六機の科学者。アラバキを始めとする超技術の開発中心人物。自分に対して絶対の自信を持ち、自らを天才と名乗る
麻井由比(CV:豊崎愛生)
六機作戦本部のオペレーター。隊員達からはよく「アニメ声」とからかわれているが、戦闘に入ると激変する
小出トキオ(CV:新垣樽助)
六機作戦本部のオペレーター。いわゆるチャラ男系で普段はへらへらしており、まったく肝も据わっていない印象が強いが、鷹乃巣家に大きな恩を受けており、機関に対する忠誠心は人一倍強い
鷹乃巣巌(CV:麦人)
元老院の有力者であり禊の祖父。国家の危機を憂い、「帝特六機」を立ち上げた威厳ある人物
瀬戸武則(CV:松田健一郎)
企画院副総裁。また、内閣総力戦研究所のメンバー。六機へと出向し、禊の参謀格として協力する
九断命(CV:能登麻美子)
九断征四郎の妹。過去に両親を失い、残された唯一の家族である兄を慕う儚げな少女

 オープニングやエンディングといったアニメーションパートは「創星のアクエリオン」、「マクロスF」、「異国迷路のクロワーゼ」などで知られる株式会社サテライトが担当。同社らしい高いクオリティの映像が楽しめる。

オープニング、エンディング、次回予告とアニメーションのような1話仕立てになっており、プレイを盛り上げてくれる。アニメーション以外のパートの絵作りもとても美しいものになっている



■ 情報を集める防衛モードと戦術殻で特異点と戦う殲滅モードで構成されたアクションパート

 ゲームは特異点(ボス)の情報を集める防衛モードと、戦術殻(キャラクターが操作するロボ)で特異点と戦う殲滅モードを繰り返して進めていく。

 2つのモードがあるが、共通のものとしてあるのが、画面左下に表示される帝国総人口のカウンター。状況に応じて増減するのだが、増えるのは稀で、時間経過と共にどんどん減っていく。プレーヤーにできるのは特異点を倒し、ミームの侵略を食い止めることだけ。いかに人口を減らさずにクリアするかも目的の1つといえる。

■ 3人でパーティーを編成し、子体を倒しながら情報を集める防衛モード

横スクロールタイプだが、ステージには奥行きがあり、手前から奥に、奥から手前へと移動することも。また、足場が狭く、奈落に落ちると一気に戦闘不能になるステージもある

 防衛モードでは特異点を撃破するために必要な情報を基地や市街地で集めることになる。基本的に基地では戦闘は発生せず、基地内の人々話すことで情報を収集し、市街地では子体(ボスから生み出される小・中型の生体侵攻兵器)と戦いつつ、点在する人々に話を聞いて情報を集めていく。

 市街地で集める情報は、子体情報と人々から聞ける防衛情報(各話のボスである特異点の情報)の2つ。子体は撃破すれば情報が得られ、あらかじめ必要な子体情報の数(各話4~5程度)がわかっており、全種類を1体ずつ倒せばOKだが、人々に話を聞くには、その人の近くにいる子体を倒さなければならなかったり、強制的に発生する戦闘もあるため、同じ種類でも何体も倒すことになる。子体は倒すと勲功値(アイテム購入などに必要な値)が得られ、勲功値を貯めておけば、キャラクターが強化できるので、たくさんの子体を倒しておいて損はない。

基地や市街地で防衛情報を集める。赤文字が出たら防衛情報の証だ特異点の特徴を知るためには子体情報が欠かせない。子体を撃破して情報を集めていく。必要な子体情報の種類は事前にわかるので取りこぼしがないか確認しながらプレイしたい。市街地にいる全種類の子体を倒せば、必要な子体情報が揃う

 基本のアクション操作は、アナログパッド:移動、×ボタン:ジャンプ(2段ジャンプ可)、○ボタン:ダッシュ、□ボタン:小攻撃、△ボタン:大攻撃、Rボタン:ガード、Lボタン:ロックオン対象の切り替え、△+○ボタン:必殺技。複雑なコマンド入力は存在しないため、誰でもすぐに操作できる。

 移動やジャンプの速度は速め。さらにロックオン対象に対して、高速で接近する○ボタンのダッシュの存在が、戦闘全体をよりスピーディーにしている。

 ガードは、発動後から一定時間、敵からのダメージを大幅に軽減してくれる防御手段。ジャンプなどで回避できればベストだが、攻撃後で回避が間に合わない場合や広範囲への攻撃の際にはガードを使うことになる。とても頼りになるガードだが、ガード入力受付中でなければ発動してくれない点には注意が必要。例えば、一部の攻撃など、ガード入力を受け付けないタイミングからRボタンを押し続けてもガードは発動しない。慣れてしまえば簡単だが、慣れるまではRボタンを連打しておくといいだろう。

アクション操作には複雑なコマンド入力は要求されず、簡単に操作できる。ジャンプからのダッシュをうまく使うことができれば近距離タイプのキャラクターであっても空中の敵に効率良くダメージが与えられる

 小攻撃、大攻撃はボタンの□→□→△といった組み合わせでコンボになる(キャラクターにより、最大コンボ数が決まっている)。出は早いがダメージの小さい小攻撃、出は遅いがダメージの大きい大攻撃を状況に合わせて使い分けたい。ちなみにナイフや銃などを持つ、遠距離攻撃可能なキャラクターの場合、大攻撃が遠距離攻撃になる。攻撃はロックオン対象に向かってある程度追尾して繰り出されるのだが、近距離攻撃に特化したキャラクターであれば、ダッシュで近づいて攻撃するのがオススメ。ダッシュにはわずかながら無敵時間があり、敵の攻撃を無効化しつつの高速接近が可能なため、通常移動からよりも安全かつ短時間で攻撃できるからだ。使用武器、最大コンボ数など、キャラクター毎に様々な違いがあり、求められる戦い方も変わってくる。

一部ではあるが序盤に使用できるキャラクターの大攻撃を紹介する。左は刀を使う九断征四郎。中央はショットガンで近~中距離に強い東剛弘。右は遠距離からでも攻撃可能なサブマシンガンの笹原七瀬

 本作では、操作するのは1人だが、最大3人までのパーティが編成できる。交代は方向キー上下で行ない、控えにいるメンバーは時間経過でHPが回復する。このため、時間さえ稼げればいくらでも戦える。移動やジャンプでの回避行動に加え、ガードでのダメージ軽減率が非常に高いため、攻撃力の高くない相手であれば、多少時間はかかるが、回復アイテムを使わずとも回復させることは難しくない。メンバー交代は、アクションを行なわず、敵から攻撃を受けてさえいなければ、いつでも可能。交代時には短いながらも無敵時間があるので使いやすい。なお、控えでの回復効果は戦闘不能になっていないメンバーに限ることで、戦闘不能になったキャラクターは自動で復活せず、基地に戻るか、アイテムを使うことで復活する。

 交代を使って回復できるものの、強敵相手では一気に回復できるアイテムが頼りになる。ダメージを食らっている最中であっても使用可能なので使い勝手もいい。HP回復以外にもテンションゲージを増やしたり、倒れた隊員を復活させるアイテムなども存在する。

 多くの使用可能キャラクターが登場する本作では、どのキャラクター使うか迷ってしまうかもしれないが、どのキャラクターでも十分に戦えるので、好き嫌いでメンバーを決めても問題はない。強さを主眼に置くなら、武器の使用感、最大コンボ数など、実際に操作して決めるといいだろう。使い勝手以外にも、キャラクターの特殊スキル(ガード時の被ダメージ減少、獲得勲功値増加など)やパラメーターから決めるという手もある。

上記スクリーンショットからもわかる通り、初期パラメーターはキャラクターにより大きく異なる。詳しくは後述するが、基本的にキャラクターを強化するには勲功値が必要で、戦闘を重ねることだけでは直接的には強くはならない

 必殺技はHPゲージとは別に用意されたテンションゲージをMAXにすると発動できる高ダメージスキル。テンションゲージは敵に攻撃をヒットさせることで増加する。発動後、ロックオン対象に高速接近し、接触すると技を繰り出すので、多少距離があっても使っていける。発動中は完全無敵な点でも使いやすい。ただし、相手が空中にいたりすると、高速接近だけして技は発動せず、テンションゲージが消費されてしまう。

 さらに控えのメンバーのテンションゲージがMAXであれば、操作キャラクターの必殺技発動時にL/Rボタンを入力することで、控えのメンバーも同時に必殺技を繰り出す連携攻撃が可能。パーティーメンバー全員のテンションゲージがMAXになるようにキャラクターを交代するようにクセをつけておくと、いざという時に助かる。

テンションゲージがたまれば必殺技の準備OK!発動すれば自動でロックオン対象との距離を詰め、大ダメージの連続攻撃を繰り出してくれる。その演出も見ものだ。テンションゲージは攻撃すればすぐにたまるので、ガンガン使っていっても問題はない。演出が過剰に長くないのがありがたい

 全種類の子体を撃破すれば、基地内にある端末から上申書の作成が可能になる。上申書では、集めた防衛情報から特異点との戦闘に役立つ情報を選択、申請する。選択した情報が正しければ承認され、殲滅モードへと移行する。

 必要な情報だけを選択する必要がある上申書の作成だが、承認へのヒントは却下された際のメッセージに含まれている。却下時のメッセージは、「不確定要素があります」、「情報不足です」の2つ。前者は余計な情報が入っている場合に、後者は余計な情報はないが、足りない場合に表示される。必要な防衛情報が揃っているなら、防衛情報を1つずつ選択、申請と繰り返し、「情報不足です」と出たもの全てを選択すれば承認されるわけだ。全て選択しても情報不足のままであれば、防衛情報が足りないことを示している。その場合には再度基地や市街地で防衛情報を集めよう。申請にはわずかだが勲功値が必要なので、勲功値を減らしたくないなら、事前にセーブしてから上申書の作成に挑むといいだろう。

必要な情報だけを選んで上申書を作成、申請すれば承認される。何が必要かすぐにわからなくても却下時のメッセージがヒントになっているので、ここで詰まってしまうことはない。メッセージをヒントにして、正しいものを選び、承認を得よう

■ 戦術殻で特異点と戦う殲滅モード

 上申書が承認されれば、上申書や子体情報を元に戦略が説明されるブリーフィングが始まる。単純に戦うだけでなく、特定の施設を防衛しながら、特定地点まで誘導など、戦略は各話で異なるため、ブリーフィングの内容はしっかり確認しておきたい。戦闘前には、再度説明を聞くこと、戦術殻のセッティング、セーブ/ロードも行なえる。

各話で要求される戦い方が異なるため、ブリーフィングの内容は聞き逃さないようにしたい。ブリーフィング後には戦術殻のセッティングが可能。基地で戦術殻の兵装を申請し忘れたとしても、セッティング時でも勲功値を消費して新たな兵装を得ることができるので安心だ。サポートキャラクターのサポート効果の確認も怠らないようにしたい

 殲滅モードでの戦術殻操作は防衛モードと基本的に同じだが、攻撃内容が一部異なる。まず、□ボタンが斬撃、△ボタンが射撃、方向キー上下が射撃兵装の切り替え、△ボタン+○ボタンで最終兵器の発射となる。

防衛モードでは2D横スクロールゲームのような横からの視点だが、殲滅モードでは見下ろし視点となる。戦術殻での戦闘は基本的に防衛モードと同じだが、攻撃が□ボタンで斬撃、△ボタンで射撃となる。遠距離攻撃可能なキャラクターと似たようなアクションだ。ジャンプ、ガード、ダッシュなどは防衛モードと全く同じ。射撃兵装は時間で残弾が回復してくれる

 攻撃内容だけでなく、ゲージも異なる。HPゲージは同じだが、テンションゲージがなく、ドーピングテンションゲージという一定時間で増えていくゲージが表示される。ゲージの量により、アイドリングモード、ドライヴモード、エクスプロージョンモードと3段階に分かれており、各段階で能力や発動できる技が異なる。また、ドーピングテンションゲージは制限時間の意味も持っており、HPがなくなる場合に加え、ドーピングテンションゲージが最大になっても戦闘不能になってしまう。

 ドーピングテンションゲージが増えるほど強くなるが、最大になると戦闘不能になってしまう戦術殻だが、3段階目のエクスプロージョンモードになると、最大火力の最終兵器の発射が可能になる。最終兵器には使用制限がなく、エクスプロージョンモード中であれば戦闘不能になるまで何度でも撃つことができる。しかしながら、発射後には一定時間行動不能となってしまうため、連射はできず、発射後には一方的に攻撃を受けてしまう。トドメをさせるだけ特異点のHPを削ってから使うようにしたい。

エクスプロージョンモードでは最終兵器が発射可能に。他の攻撃方法と比べ、圧倒的に高い火力を誇る最終兵器だが、撃った後の隙の大きさは尋常ではない。使うのはトドメをさすタイミングだけと考えておくといいだろう各話クリア後にはプレイ内容に応じて勲功値が獲得できる。ノーダメージは難しいが、必殺技(最終兵器)でのボーナスは狙いやすいので、可能な限り取るようにしたい



■ 武器、制服、武装、トレーニングによる強化要素

 本作には経験値やレベルといった概念はなく、キャラクターや戦術殻は子体やクリアボーナスなどで得られる勲功値を使って強化する。

 キャラクターの1つ目の強化方法は装備品。武器と制服の2種類があり、武器は攻撃力を、制服は防御力や敏捷性(移動スピードやジャンプに影響)を強化できる。ゲームを進めていくことで品揃えは増えていくのだが、使用できるキャラクターは多く、1回目のプレイではとてもじゃないが、全キャラクター分の全装備を入手するのは難しいため、キャラクターを絞るといいだろう。まずは主人公の九断征四郎から強化していけば間違いはない。

 2つ目がトレーニングによるステータス上昇。「攻撃力」、「精神力(必殺技・最終兵器の威力に影響)」、「防御力」、「敏捷性」の4つがアップ可能で、最大で3人まで同時にトレーニングすることができる。人数が増えるほど必要勲功値が増えるが、組み合わせ次第ではボーナスが得られる。防衛モードでの強さに直結する「攻撃力」や「防御力」、戦術殻の攻撃力アップにも繋がる「精神力」、移動速度向上でより快適にゲームが進められる「敏捷性」と何をアップさせるか悩ましい。何度も利用することはできないが、市街地にいる人から戦いのコツを教えてもらうことでステータスが上昇することもある。

装備でキャラクターを強化。限られた勲功値で、どのキャラクターの何を強化するか悩みどころだ。なお、回復アイテムも勲功値で得られる最大3人でトレーニングができる。人数増加に応じて必要な勲功値も増えるが、その分ボーナスが得られるので、なるべく3人でトレーニングしたい。ベースステータスが強化されるトレーニングだが、ボーナスが得られても増加量は少ないので、キャラクターを強化するなら、勲功値に余裕のない初回プレイでは武器や制服を優先することをオススメしたい

 戦術殻の強化は右腕兵装、左腕兵装が強化できる。これらは攻撃方法に変化があるわけではなく、斬撃や射撃の威力が上昇する。攻撃方法、HP、防御力などはゲームを進めることでしか変化することはない。防衛モードではパーティーで戦うため、交代させることで攻撃力や防御力不足がある程度補え、アイテムによる回復手段もあるが、戦術殻は1体での戦いであり、戦闘中にアイテムを使うこともできないため、勲功値に余裕がなければ戦術殻を優先して強化した方がいいだろう。



■ 最後に

 豪華な開発スタッフとキャストにより生み出された本作。美しいグラフィックス、キャラクター/ドラマ性に目をひかれがちかもしれないが、3人を切り替えて戦う防衛モードと戦術殻での殲滅モードという2タイプが堪能できる本格派のアクションゲームに仕上がっている。

 1回クリアしたら終わりではなく、せっかく本作をプレイするなら、帝国総人口をどれだけ残してクリアできるかを目指し、何度もプレイしてもらいたい。クリア後は勲功値、ステータス、装備などを引き継げるし、プレイを重ねてゲームに慣れていくことで、クリアタイムは短縮され、クリア時の帝国総人口は多くなる。筆者の場合、ゲームに慣れておらず、勲功値稼ぎで時間を使ったこともあり、1回目のクリアタイムは12時間程度。2回目のプレイでは、基地内でキャラクターとの会話をなるべくするように心がけたものの、7時間程度でクリアでき、帝国総人口も1回目のプレイと比べて倍以上残すことができた。まだまだクリアタイムを短縮できる見込みはある。

 同じ内容をプレイするのはちょっと……と思う人もいるかもしれないが、クリアなどによりアンロックされていく要素の存在により、2回目のプレイでも新鮮な気持ちでプレイできるはず。キャラクター毎に異なるアクションや特徴、育成、3段階の難易度(クリア後にはさらなる難易度が)と、帝国総人口を残すことを目的にせずとも、複数回楽しめるように設計されている。また、ムービーのスキップや会話の高速送りが可能な点も伝えておきたい。

 必殺技が各キャラクター1つのみでバリエーションがないこと、頻度の高いマップ切り替えで発生するロード、セーブやロード時に最新ではなく、1番目のセーブデータにカーソルが合う点は少し気になった。

 続編もいいが、やはり新作タイトルの登場は嬉しい。アクションだけでなく、ドラマも楽しみたい方にオススメのタイトルだ。


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(2011年 11月 11日)

[Reported by 木原卓 ]