東京ゲームショウ 2011レポート
KONAMIブースイベントレポートその4
パブリックデイ開催のステージイベントを総括
ラジオドラマ「SDATCHER」のCD発売も決定!
KONAMIブースレポート第4弾は、9月17日、18日(一般入場日)に開催されたステージイベントより、「戦律のストラタス」と「ネバーデッド」の2作品に加え、KONAMIブースでの取りを務めた小島プロスペシャルステージの様子を紹介しよう。
■ 「戦律のストラタス」スペシャルステージ。開発者のトークに加え、声優の生ボイスとエンディングテーマ曲のライブも披露!
10月27日発売予定のPSP用アクションゲーム「戦律のストラタス」のステージには、本作のプロデューサーである向峠慎吾氏、シナリオ・ディレクション担当のヌードメーカー河野一二三氏、さらに本作の鷹乃巣禊(たかのすみそぎ)の声を担当した遠藤綾さんの3名が登場、実演プレイを交えてのトークショーを中心に行なわれた。
向峠氏によると、「第1話から人類滅亡の危機という、いきなりクライマックスが来たような息もつけない展開になります。ちょうど企画を進めていた3月に大震災が起きたこともあり、みんなに生きていて欲しいという願いも込めて作りましたので、本作を通じて何か感じてもらえれば嬉しいですね」とコメント。河野氏からは「最初から追い詰められてハッピーなことがない生き残るのが精一杯な状態なので、生きてさえいればそれでいいというのがすべての人たちの願いという設定になっています。また、途中の第5話ではストーリー上のターニングポイントが出現します。その内容をヒントにしながら、クライマックスはどんな展開になるのかを推理しながらプレイすると面白いと思いますよ」という興味深い発言も飛び出した。
また禊役を演じる遠藤さんは、「初めて台本を見たときは、(SFや軍事用語が出てくるので)言葉が難し過ぎて全然読めませんでした(笑)。令嬢でありながら司令官という禊は、すごくしっかりしている一方でかなり気難しい女の子ですが、徐々に成長していくようになっているので演じていて嬉しかったです」と話し、本作のキャッチコピーでもある「生きて帰って……ただそれだけでいい……」のセリフの生ボイスも披露。そして、後から登場した森本ひより役の山口理恵さんは、自ら作詞を手掛けてタイトルも命名したエンディングテーマ曲「Embrace the Night」で見事な歌声を披露した。さらにコナミスタイルでの限定販売となる、ソフトにサウンドトラック、携帯ストラップ、設定資料集などが同梱された特別版を発売することも合わせて発表された。
■ あまりの過激なビジュアルで見る者を驚かせた「ネバーデッド」
最初に登場したのはプロデューサーの野尻真太、サウンドプロデューサーのDes-ROW両氏。「本作のコンセプトはノー・デスとノー・ルール。主人公のブライスはどんな攻撃を受けても死なず、頭だけの状態になっても転がって移動できるので便利(笑)。バトル中は不死身の体を利用して、自分の手を引きちぎって敵に投げて攻撃することもできます」と、生みの親である野尻氏は言葉にするだけでも実に過激なゲームシステムを楽しく説明。続けて「開発はイギリス在住のスタッフといっしょに行なったのですが、最初は全然英語ができなかったこともあっていろいろ衝突もしました。一見すると洋ゲーみたいですが、ゲームデザイン自体は日本人が担当しています。主人公が経験値を得ると成長して強くなったりするので、日本のゲームっぽく仕上がっていますよ」とのことだ。
一方のDes-ROW氏は、「サウンドのコンセプトは、『グシャッ!』とか『ドカーン!』とかそんな感じです(笑)」と個性的なの表現で本作の曲の特徴を紹介。また、「本作の主人公は不死身ということで、『死』と『デス』って何となく繋がるかな?」ということで、本作のテーマ曲の制作をMegadethにお願いしようと発案。1年前ほどから交渉し、今年のE3の発表までに間に合うギリギリのタイミングで完成にこぎ着けたそうだ。
スクリーンに実際のプレイ映像が映し出されると、ブライス自らが炎の中に飛び込んで火だるまになったまま攻撃した敵を炎上させたり、引き抜いた首を噴水の中に投げ込んでから水の勢いを利用して先のマップに進むなど、普段からホラークションを好んで遊ぶプレーヤーであっても非常にインパクトのあるシーンが次々に登場、またブース内に出展されたバージョンではプレイすることができない、4人同時プレイの映像も合わせて公開された。
さらにゲストとして出演したのは、ポップアイドルの少女ニキ・サマーフィールドの声を担当する中島愛さん。中島さんは本編でのセリフ以外にも、ゲーム中に流れるニキのデビュー曲にあたる歌も実際に歌っている。「音程の幅がすごく広くて、今まで出したことのない一番高い声も使ったので歌うのは本当に大変でした!ミキはまだ10代でわがままなところがある可愛らしい女の子ですが、曲の中では『愛』みたいなちょっと背伸びをした歌詞が出てくるので大人っぽさと子どもっぽさのバランスを取るのが難しかったですね……」と語っていた。こちらのテーマ曲は残念ながらステージ上で聞くことができなかったが、果たして過激なビジュアル満載の本作に登場する少女の歌とはいったいどんな曲なのか、サウンド面でもいろいろ興味が尽きないゲームとなりそうだ。
開発にあたって長期間渡英し、現地スタッフとは何度も衝突を繰り返したという野尻氏(写真左)とDes-ROW氏(写真右)。スクリーンにはMEGADETHのデイヴ・ムステインがビデオ出演し、「ずっとプレーヤーが引き込まれるような曲にした」と自信たっぷりに語っていた | ||
4人同時プレイのムービーを初公開。過激なシーンの連発するプレイ映像には中島さん(※写真左から2番目。一番左はMCの森一丁さん) |
■ 今までとはひと味違うファンサービスで大盛況の小島プロスペシャルステージ。「SUDA 51'S SDACHER」のドラマCD発売決定も明らかに!
KONAMIブースイベントの取りを務めたのは、小島秀夫監督プロデュースのスペシャルステージ。ゲストには「METAL GEAR」シリーズの主人公スネークの役でおなじみの大塚明夫さんをはじめ、杉田智和さん、井上喜久子さん、菊地由美さんの声優陣がステージ上に一挙集結。小島監督とともに「METAL GEAR」シリーズの歴史を振り返りつつ、収録時の思い出話を交えながら楽しいトークを展開した。
今回のイベントで特に面白かったのが、声優がステージ上で披露した生ボイスのセレクト方法。今年は例年とは違って、あらかじめTwitterでファンから募集した「METAL GEAR」シリーズの中で最も好きなシーンのうち、特に人気の高かったものを各自が演じるという形で行なわれた。このアイデアによってステージ前に集まったギャラリーはもちろん、会場に行けなった人でも間接的にイベントに参加できたことによって、より多くの人が楽しむことができただろう。
後半のラジオドラマ「SUDA 51'S SDATCHER(スダッチャー)」をテーマにしたトークのコーナーでは、上記の登壇者に加えて「SNATCHER」および本作の脚本を手掛けたグラスホッパー・マニュファクチュアの須田剛一氏と、当日飛び入りで参加したキャラクターデザイン・イラスト担当のヨシオカサトシ氏、さらにアメリカザリガニの柳原哲也さんもトークの途中で突如現われ、ステージ上は出演者たちであふれんばかりの状態に。須田氏は、すでに本作に声優として参加している小島監督に続き、自らもある男性役として近々登場する予定であると発言。急きょ駆けつけたヨシオカ氏は、リスナーが放送を聴いているときに作品のイメージがしやすくなるように意識して各キャラクターをデザインしたことを語り、柳原さんは「収録時はビッグな声優さんたちに囲まれてM-1グランプリのときよりも緊張したわ!」といつもの甲高い声で叫んで場内の笑いを誘っていた。
さらに、「SUDA 51'S SDATCHER」のサントラつきドラマCDの発売が12月14日に決定し、来年で「METAL GEAR」シリーズが生誕25周年を迎えるのを記念して、本シリーズの「PHP研究所 メタルギア手帳」(仮題)が11月に、スクウェア・エニックス プレイアーツ改からソリッド・スネークとサイボーグ忍者のフィギュアが2012年2月に、ホットトイズ製のネイキッド・スネークとザ・ボスのフィギュアが2012年春にそれぞれ発売予定であることも発表された。
小島監督をはじめ、ステージ上にズラリと並んだ、「METAL GEAR」シリーズではおなじみの声優のみなさん(左写真の左から順に大塚さん、杉田さん、井上さん、菊地さん)。ファンから寄せられた名場面をステージ上で演じるサービスは大好評を博した |
「SDATCHER」脚本担当の須田剛一氏(左上の写真)、当日の朝に大阪から自腹で高速バスに乗ってやって来たというヨシオカサトシ氏(上段中央の写真)、スティーボー役の声優として参加しているアメザリの柳原さん(右上写真の一番右側)までもが登場。須田氏自らが演じる謎の男性の名前や正確などは現時点で一切不明。その正体やいかに!? |
(C)2011 Konami Digital Entertainment
(2011年 9月 19日)