★PS3/Xbox 360ファーストインプレッション★
リアルな街で犯罪を繰り返す 背徳感あふれるスリルが味わえる 「MafiaII」 |
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11月11日、Take-Two Interactive JapanはPS3/Xbox 360用アクション「MafiaII」(以下、本作)を発売する。本作は、自由度の高いオープンワールド型アクションゲームとなっており、プレーヤーの行なう行動によってさまざまなリアクションが返ってくる内容となっている。
発売前のタイトルということで、基本的なキャラクターやストーリーの内容等は、こちらとこちらの記事を参考にしてもらうとして、このファーストインプレッションでは、ストーリー序盤をプレイしてわかった内容を中心に、どのようなことができるゲームか紹介していこう。
■ 架空都市エンパイアベイを思うがままに駆け回れ!
住人たちのさまざまな反応を見るのも面白い
猛スピードで走行中に急ハンドルを切ると簡単にスピンしてしまう。慣れないうちは車の挙動をノーマルにしておかないと、簡単にパトカーに追いつかれてしまうことだろう |
本作でのプレーヤーは、イタリア系アメリカ人のヴィト・スカレッタとなって、1940~50年代の架空都市エンパイアベイを舞台に、さまざまなミッションをクリアしていくことで、マフィアの世界でのし上がっていくストーリーが楽しめる。
プレイして最初に感じたのは、丁寧に作り込まれたステージや、当時の名曲が車のカーラジオなどから流れることもあり、1940~50年代のアメリカの雰囲気がよく出ていること。名車に乗って街を移動していると、当時の空気感がそこここで味わえる。
本作の重要な要素といえる車の挙動についてもリアリティを感じられる仕上がりで、スピードが乗った状態からハンドルを切ることで、実車さながらにドリフトやスピンターンをすることが可能だ。さらに、オプションで車の挙動をノーマルからリアルへ変更すると、序盤が雪が積もる街ということもあって、車をまっすぐ走らせるだけでも難しくなる。車の基本的な操作を習得したら、1度はオプションで挙動をリアルに切り替えて遊んでみることをオススメしたい。
街の住人については、能動的にプレーヤーに対してアクションをとってくることはないものの、こちらの行動に対しては、さまざまなリアクションをとってくる。特に、いきなり銃を抜いた際には、恐れおののくだけの人が多いものの、街のあちこちにあるレストランなどの店主は、ショットガンを持ち出して反撃してくる場合もある。あえて罪を犯すメリットはまったくないものの、住人たちがとるリアクションを見るために犯罪に巻き込んでみるというのも1つの楽しみ方といえそうだ。
エンパイアベイの住人はほとんどが無関係の通行人だが、一部にはイベントが発生する人もいる。例えば、この車が故障して困っているご婦人に対しては、修理してあげることができる。ただの通行人とは違う動きをしている人を見かけたら、近づいてみよう |
車を運転中に軽い接触事故を起こした場合には、単なる通行人とも殴りあいのケンカに発展することも。こういったケンカを警官に見られると、逮捕されかねないので、なるべくもめごとは起こさないように心がけたい |
■ 警官からの追跡をかわす方法も多数用意
無茶な行動をしても意外とゲームオーバーにはなりにくい
指名手配を解除する方法には、電話ボックスで電話して警官を買収する方法もある。高額な金がかかるものの、手っ取り早く指名手配を解除する方法として覚えておいて損はない |
プレーヤーは、ヴィトにエンパイアベイでさまざまな犯罪を繰り返すことでミッションをクリアしていくようになっている。しかし、エンパイアベイには多数の警官やパトカーが配置されており、見つかると追跡を受けたり、重大な犯罪をした際には指名手配されてしまう。
指名手配された際には、車が手配された場合、車を交換したり修理工場で車を改造すれば、手配が解除される。ヴィト本人が手配された場合には、服飾店で服を購入して着替えればいい。
そのほかにも、電話ボックスで警察官に賄賂を支払うことで指名手配を解除したり、捕まりそうになった際に警官に賄賂を支払うことで見逃してもらえることもある。
このように、罪を犯した際の回避手段が豊富に用意されていることも、本作の特徴といえるだろう。殺人などの凶悪犯罪の場合を除いて、警官に渡す賄賂として十分な額の所持金を持っていれば、逮捕されてゲームオーバーになることはないため、豪快に街の中で暴れまくってみるのもアリだ。もちろん無駄な出費を抑えたい人は、クレバーに普段は善良な市民を装いながら、必要なときだけ罪を犯すというプレイスタイルになるだろう。
警官にとりかこまれて車から引きずり出されてしまった! こんなときは…… | 所持金がないときは実力行使をするしかないが、所持金に余裕があれば、賄賂を渡して買収することもできる | 賄賂を渡すと、指名手配が解け、警官は知らんぷりを決め込む。これでいいのか!? エンパイアベイ警察! |
■ ミッションを次々とクリアすることでストーリーが進行
よりよいクリア方法を探してみよう
画面左上に現在のミッションの目的、中央には簡単な操作説明が表示されるため、何をすればいいか迷うことはない。画面左下には現在の装備、右下のレーダーには目的地の方向とヴィトの体力などが表示される |
ストーリーは、次々と与えられるミッションをクリアしていくことで進行していく。ミッションの目的は画面左上に次々と表示されるため、何をすればいいかわからなくなるようなこともない。また、序盤のミッションでは簡単な操作説明が画面の中央に表示されるため、まったく操作方法を知らなくても、遊びながら操作を覚えていける作りとなっている。
ミッションの目的には、時間制限があるものや、格闘戦を行なうもの、何かを盗みだすもの、どこかへ脱出するものなど、豊富に用意されている。中には、時間制限があるミッションもあるが、ほとんどは制限がないため、操作方法がよくわかっていないうちでも、楽しみながらプレイできるようになっている。特に、銃撃戦においても障害物に隠れれば、ほとんどダメージを受けずに済み、障害物に隠れながらゆっくりと狙いをつけられるので、FPSなどのシューターが苦手な人でもクリアできないといったことはないはずだ。
ストーリーは基本的に1本道になっており、ミッションをどのようにクリアしてもストーリーが分岐することはないものの、さまざまなクリア条件がつけられているミッションもある。たとえば、3章の「ガソリン券を価格管理局の金庫から盗みだす」ミッションでは、騒ぎを起こすと報酬が3分の1になってしまうという条件がついている。普通にプレイした場合に事前に入手できる情報では、金庫についた警報装置に関する情報がないため、金庫の警報装置が作動してしまい、報酬が減額されてしまう。しかし、価格管理局のどこかにある警報装置のスイッチを入れることで、警報装置を解除することができ、その場合は3倍の報酬を得ることが可能だ。
このように、ストーリーは1本道ながら、ミッションのクリア方法によっては、違った結果が得られるので、よりよい結果が得られるように何回もプレイする楽しみも用意されている。また、ゲーム開始時には難易度をイージー、ノーマル、ハードの3つから選択できるが、ノーマルではレーダーに表示されていた情報がハードでは表示されないといった違いがあるため、ハードはゲームとしてより手応えを感じられる作りになっている。ハードでプレイした際にのみアンロックされる要素もあるので、まずはノーマルで一通りプレイした後に、ハードで違ったクリア方法やプレイ感覚を楽しんでみるのも面白そうだ。
普通にプレイした場合の1章ごとのプレイ時間は30分~1時間程度となっており、ストーリーとして大きな柱があるというよりは1章ごとに完結する作りとなっている。ストーリーの最後まで一気に遊んでもいいが、時間ができたときに少しずつ進めいく遊び方でもまったく問題はない。ほかにクリア方法がないか調べながら、テレビドラマを楽しむように、毎週1章ずつ進めるという遊び方をしてもよさそうだ。
■ 細かなストーリーよりもエンタテインメント性が強いタイトル
現実世界ではできない行為を思い切りしてみたい人に
マフィアの下っ端として、危ない橋を何度も渡ることになるヴィトと親友のジョー。序盤は使いっ走りのようなリスクの大きいミッションをクリアしていくことになる |
一般的なマフィアのイメージというと、やはり映画「ゴッドファーザー」を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。「ゴッドファーザー」のマフィアは、ファミリーと掟を重んじ、裏切り者には容赦のない死を与えるものの、最後にはすべてを失うという悲劇的な内容だ。
しかし、本作の序盤をプレイした限りにおいては、主人公のヴィトに与えられる“仕事”は、盗みや何かを売りさばくといったスケールの小さなものばかり(マフィアとつながりを持った街のチンピラ的な立場だけにあたりまえだが)で、盛り上がりはまだまだこれから、と感じられた。
映画のような権謀術数が飛び交うといった複雑な要素は少ない反面、主人公が自ら銃をとって戦う銃撃戦などのアクションシーンは多く用意されており、エンターテイメント性が強い作りになっている。また、目の前のミッションに集中することでストーリーが進行するため、余計なことに頭を使う必要は少ない。アクションや犯罪をおかすスリルと、無事にミッションをやりとげた際の充実感を味わうことにフォーカスした内容だ。
個人的には、主人公のヴィトが盗みはもちろん殺人などをする際にもまったく躊躇することがないことから、感情移入しづらく感じられた。ストーリーの進行上、ヴィトは結構ひどい目に遭い続けるのだが、気の毒になるというよりは「なにやってるんだろうな、コイツ」と、どちらかといえば1歩引いた目線になりがちだ。このあたりの、現実離れした主人公の性格設定は、物語にのめり込みたい人にとっては、ちょっと入り込みにくさを感じた。
しかし、ストーリーやキャラクターにのめり込みにくいからこそ、現実にすることができない車での暴走行為や犯罪を、ゲームの中だから罪悪感なしに思いきりできる、というのもまた事実だ。このように現実ではできない悪いことを、ゲームの中でだけは思いっきりやってみたいという人には、本作は魅力的に感じられるのではないだろうか。
CEROレーティングがZ指定であることからもわかる通り、モラルがまるで感じられない内容のため、万人に勧められるわけではないが、ゲームの世界ならではの、犯罪を含めた何でもできる自由を味わいたい人にオススメしたい1本だ。
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□「MafiaII」のページ(英文)
http://www.mafia2game.com/
□「MafiaII」のページ
http://mafia2.jp/
(2010年11月8日)