PSPゲームレビュー

ランキングの頂点を目指せ!
リアルタイムバトルが熱い新作RPG

「ラストランカー」



リアルタイムで進行するバトルを採用した本作。バトルでは常に主人公ジグ1人で戦う

 7月15日、株式会社カプコンからPSP「ラストランカー」が発売された。プレーヤーは主人公ジグとなり、ランキング1位を目指して戦う。昨今のRPGにはメジャーなパーティーによる戦闘ではなく、最初から最後までジグ1人で戦う。1人での戦闘ながら、オリジナリティが高く、奥深いバトルシステムのため、最後まで飽きずにゲームがプレイできる。

 開発は「ルミナスアーク」シリーズ、「ワールドデストラクション」、「セブンスドラゴン」を手がける株式会社イメージエポックが担当している。

 メディアインストールに対応しており、利用するには325MB以上の空き容量が必要。本作のロード時間は非常に短く、メディアインストールを利用しなくても十分なほどだが、利用すればさらに快適にプレイできる。ロードしていると実感する場面がほとんどないほどだ。

 さっそく本作の魅力を紹介していこう。



■ 生きる意味、自分の価値を実感するためにランキング1位を目指して戦う青年ジグの物語

世界人口のほとんど……
およそ10万人の戦士が、
日々戦いにあけくれる世界。

カンタレラ――
ある儀式の夜、
ただ伝統を守り続けていくだけの生活に
未来を見ることができずにいたジグは、
故郷を捨て戦侯機構バザルタに
その身を投じることを決意する。

戦い続け、強くなり、
ランカーの頂点に立つことができれば
生きる意味、そして自分自身の価値を実感することができる、
そう信じて――。

 主人公ジグは故郷カンタレラを捨て、世界を支配する権力組織である戦侯機構バザルタに入る。プレーヤーはジグとなり、95,000位から約10万人のランカーたちの頂点となるランキング1位を目指す。


 ランキングを上げる主な方法は「修練と呼ばれるミッションを達成」、「ランカーたちとのランキング戦に勝利」の2つ。修練は基本的に修練板という修練が貼り出される掲示板で確認できる。修練内容を確認したら、発行主に話しかけ、クリア条件を満たして発行主に報告すればクリアだ。修練の情報はTRIAL LOGに未参加、進行中、完了とカテゴリ分けされて保存され、修練の進捗状況、クリア条件、報酬なども確認できるため、クリア条件が複数ある場合や特別な行動が必要になる場合のみ、発行主の話をメモしておけば済む。シンプルな内容のものばかりなので迷うことなくスムーズに進められるだろう。同時に複数の修練を受けることが可能なのも嬉しいところだ。

修練を修練板で確認したら、発行主を訪れ、修練に参加。後は修練のクリア条件を満たして、報告すればOKだメニューからいつでも呼び出せるTRIAL LOGを見れば、修練の状況やクリア条件が一目でわかる。修練で何をするか忘れてしまったら、TRIAL LOGを確認しよう

 街やフィールドにいるランカーと戦うランキング戦では、勝利するだけでランキングを上げられる。基本的にランキングが近い相手しか戦うことができず、不相応なランカーに挑んでも断られてしまう。戦えるランカーについての情報は闘技場で得られるので、相手を見つけるのは容易だ。修練によっては一定以上のランキングでないと受けられないものがあるので、近いランキングのランカーがいたら、対戦を申し込むといいだろう。

 ランキングは物語中のジグの強さを示すものではあるが、パラメーターには一切関与しない。実際の強さはレベル、装備、スキルによる。レベルはランキングとは別に設定されており、戦闘でEXPを獲得することで上がっていく。

 装備箇所はメインウェポン、サブウェポン、アーマー、アクセサリの4つ。メインウェポン、サブウェポン、アクセサリは実際にキャラクターのグラフィックスとして反映され、見た目にも楽しめる。だが、装備アイテム数があまり多くないのが少し残念だ。

町やフィールドには多くのランカーが存在する。近寄るとキャラクターの上にランクが表示される。ランクの近いランカーを見つけたら□ボタンで対戦を申し込んでみよう出会ったランカーの情報はRANKERS FILEに保存され、使用武器などが閲覧できる

 ジグが戦うことになる対象はランカーだけではない。ランダムエンカウントするモンスターや黒紫色の球体のアイコンで接触すると戦闘になるイビノスが存在する。イビノスは近寄るとジグを認識し、ジグより速いスピードで襲いかかってくる。モンスターはそれほど強くない相手(ときどき回復アイテムや換金アイテムをドロップ)、イビノスは通常のモンスターより多少手ごわい相手(こちらもときどき換金アイテムをドロップ)といった印象。また、モンスターやイビノス戦では同時に複数の相手をすることが多い。入手アイテムという点でいうと、ランカーとの戦闘はランキングを上げる手段だけでなく、プレーヤーを強化するスキルを入手できるので、自然とモチベーションが高くなる。

フィールドでランダムエンカウントするモンスター。倒せば経験値だけでなく、回復アイテムや換金アイテムなどをドロップすることもちょっと手ごわいイビノスは近寄ると襲いかかってくる。ジグよりも速いので逃げ切るのは難しい手に汗握るランキング戦。勝利してランキングを上げ、スキルとEXPをいただこう


■ SPゲージが行動の鍵を握るリアルタイム制のダイレクトボタンバトル

 本作の魅力はなんといってもバトルシステムにある。複雑なコマンド入力をすることなく、熱い駆け引きが楽しめる。

 バトルはリアルタイムで進行。相手が近接攻撃をしている時以外であれば、いつでも行動できる。逆にジグが近接攻撃している最中には相手も動くことができない。いつでも行動できるものの、あらゆる行動には時間で回復するSPゲージが必要。いかにSPゲージを管理して行動を決定するかが戦局を左右するわけだ。


■ 基本的な行動が全て1ボタンで行なえるシンプルな操作形態

 消費SPゲージが少ないのが□ボタンでの通常攻撃。ダメージは低いが、SPゲージの少ない序盤や連続攻撃中に残りSPゲージが少ない場合などに活躍する。

 SPゲージを一気に5つも消費していまうが、大ダメージを与えられるのが△ボタンでの強攻撃。ゲージを一気に消費してしまうリスクはあるものの1度に大ダメージを与えたい場面で有効となる。

 ダメージを軽減できるのが×ボタンでのガード。ガード成功時にはSPゲージを消費する。このため、ガードのためにSPゲージを残して攻撃するなどの駆け引きが生まれる。ガード中はSPゲージが回復しないため、相手の動きを良く見て、攻撃を受ける瞬間のみガードするようにしたい。

 銃や盾といったサブウェポンを使用するのが○ボタン。装備しているサブウェポンによって消費SPゲージは異なる。短剣を装備している場合にはメインウェポンと短剣による二刀流での攻撃となり大きなダメージが与えられ、消費SPゲージ3という点でも使い勝手いい。

 通常攻撃、強攻撃は3回まで攻撃を連続して繰り出すことで連続攻撃(コンボ)が可能。ただし、単体で使用するのと同じSPゲージが消費されるため、連続攻撃をするには多くのSPゲージが必要になる。最大連続攻撃回数は3回までで、通常攻撃→強攻撃、通常攻撃→強攻撃→通常攻撃などと連続して攻撃し、大ダメージを与えることができる。なお、短剣、篭手の場合のみ、サブウェポンを連続攻撃に組み込むことができる。同じ通常攻撃でも、単発で出した場合と連続攻撃の3回目に出した場合ではダメージに大きな差が出る。必要なSPは多くなるが、より大きなダメージを与えたいなら連続攻撃を行なうべきだろう。

SPゲージがあれば最大で3回までの連続攻撃が可能。連続攻撃に組み込める行動は全て1ボタンで繰り出せるため、簡単だ。基本となるコマンドは画面に表示されないので、頭に叩き込んでおこうダメージを軽減できるガードは重要。ガード中はSPゲージが回復しなくなってしまうため、攻撃を受ける瞬間のみガードするようにしたいガードは相手の攻撃をガードした回数に応じてSPゲージを消費してしまうため、多段ヒットの攻撃をガードすると一気にSPゲージがなくなってしまう。状況によってはあえてガードせずにSPを温存するのも手だ

 上記4つの行動以外にもRスキルという特殊な技がある。Rボタンを押すとスキルパレットが表示され、△□○×ボタンのそれぞれに対応したスキルが使用できる。Rスキルは攻撃、補助、回復など様々な効果があり、それぞれに使用可能回数が設定されている。どれも強力な効果なものばかりで、これらをどう使うかが鍵となる。もちろん、スキルの使用にもSPゲージが必要になる。

 特定のランカーは奥義と呼ばれる技を持っており、これらのランカーの奥義を破って勝利すると奥義が習得できる。奥義はスキルパレットを開いて、Lボタンで発動する。ただし、奥義が使用できるのはランキング戦のみで、使用後は全スキルの残り使用回数が0になってしまう。演出が派手で、威力も高いが、リスクが高く使うのが難しい。本作はバトルの難易度がそう高くないため、意識して使わない限り、出番は少ないだろう。

Rボタンでスキルパレットを表示させ、Rスキルを発動する。どれを使うか悩んでいる間にも時間は進んでしまう。どのボタンにどのRスキルを設定したかを覚えておいて、素早く発動させたいド派手な演出の奥義。全スキルの残り使用回数がなくなったのなら、迷わず出そう

■ 2つのスタイルを切り替えて戦うスタイルスイッチ

 バトルシステムを語る上で、スタイルスイッチも欠かせない重要なシステムだ。スタイルはサブウェポンによって異なる。短剣なら二刀流のATTACK STYLE、篭手ならBREAK STYLE、銃ならSHOOT STYLE、盾ならGUARD STYLEとなる。これら4つからアクティブスタイル、サブスタイルを設定し、戦闘の状況に応じて、Lボタンで2つのスタイルを切り替えながら戦う。なお、スタイルチェンジではSPを消費しない。

 ATTACK STYLEはその名の通り攻撃に特化したスタイル。二刀流で連続攻撃を繰り出し、大ダメージを与えられる。ダメージを与えやすく、扱いやすいスタイルだ。

 BREAK STYLEは相手のガードを崩すのに特化したスタイルで、ランカーにだけあるブレイクゲージを大きく減らせるのがポイント。ブレイクゲージを0にすると相手はブレイク状態となり、大ダメージを与えることができる。ガードを使ってくるランカー相手に活躍する。

 BREAK STYLEでブレイク状態にして、ATTACK STYLEに切り替えて大ダメージを与えるということも可能。ただし、スタイルチェンジ中にも時間は経過しているため、素早くチェンジしないと、相手がブレイク状態から抜け出してしまう。

手数とダメージがウリのATTACK STYLE。使いやすいベーシックなスタイルといえるだろうブレイクゲージ削りに適したBREAK STYLE。ガードの固いランカーが相手なら、ブレイク状態にさせてダメージを与えたいジグにもブレイクゲージがあるため、ブレイク状態に陥ることも。ボタンを連打して回復しよう

 SHOOT STYLEはサブウェポンが銃なため、遠距離からの攻撃が可能。1発のダメージは高くないが、消費SPゲージ1で素早く攻撃が繰り出せ、攻撃を受けている間など一部の状況を除き、相手の行動中にもダメージを与えることができる。カウンターなど、反撃を狙ってくる相手に有効だ。

 GUARD STYLEは防御に特化したスタイル。他のスタイルよりガードでのダメージ軽減率が高いだけでなく、○ボタンでのシールドガードを使えば、ガード状態への移行に多少時間がかかるものの、SPゲージを消費することなく、かなりのダメージをカットできる。ハンマー使いなど、攻撃力の高い相手に対して効果的なスタイルだ。

消費ゲージが少ないだけに1発のダメージは高くないが、カウンター対策として有効なSHOOT STYLE攻撃力の高い相手には防御に特化したGUARD STYLEが効果的。○ボタンのシールドガードではSPゲージを消費することなく、かなりのダメージをカットできる

 このように4種類のスタイルから2つを選択することになるのだが、序盤からあるATTACK STYLEとBREAK STYLEだけでクリアすることもそれほど難しくないため、無理に4つのスタイルを使い分ける必要はない。一部のカウンタータイプの敵には苦戦するかもしれないが、これもスキルや戦い方さえ工夫すれば勝てる。4つのスタイルを使い分けようとすると、スタイル分の装備が必要になり、金銭面での負担が増えてしまう。物語をすぐに進めたい人やスタイルの特徴を把握するのが面倒な人は、ATTACK STYLEとBREAK STYLEだけでプレイするのもいいだろう。もちろん、全てのスタイルを使った方がより本作のバトルシステムを楽しめる。


■ 自由な組み合わせでジグをカスタマイズできるスキル

 スキルはランカーから手に入れたスキルチップをスキルネストというスロットにセットすることで使用できるようになる。レベルが低いうちは、スキルネストの数が少ないが、レベルを上げることによって最大25個のスキルチップがセットできるようになる。各スタイルごとにスキルネストが別になっており、スタイルに応じてスキルチップをセットしていく。

 スキルは以下の6種類に分類される。通常攻撃やガードといった基本的な行動に関わるコマンドスキル。Rボタンでのスキルパレットから△□○×ボタンで使用するRスキル。RボタンでのスキルパレットからLボタンで使用する奥義スキル。特定の条件を満たすことで自動的に発動する自動発動スキル。HPや攻撃力などを強化できる能力上昇スキル。他のスキルチップに連結することで、連結されたスキルに特殊な効果を付与する連結スキル。

 コマンドスキルは△□○×ボタンの4つ分を必ず配置しなければならない。先に紹介した通常攻撃や強攻撃などの他に、タイミングを合わせて△ボタンを押すことで敵を迎撃する「△カウンター」、□ボタンでの通常攻撃のダメージをアップさせる「□ダメージ強化」、タイミングよく×ボタンを押すことで特別なガードが発動する「×ジャストガード」などがある。例えば、「△カウンター」をセットすると、△ボタンでの強攻撃はできなくなってしまうので、プレイスタイルにあったものをチョイスするといいだろう。

レベルが上がっていくとスキルネストのスロット数は最大で25個になる。どんなスキルをセットするか考えるのが楽しいコマンドスキルは必ず4つセットされていなければならない。コマンドスキルにはどのボタンで発動できるかが固定されているため、どのスキルをアサインするか悩ましい

 Rスキルはそれぞれに使用回数が設定されており、最大で△□○×ボタンの4つ分がセットできる。全スタイル共通のものだけでなく、篭手専用スキル、盾専用スキルなど、スタイルによって使用が限定されるものもある。高いダメージを与えられる「パワーエッジ」、敵の動きを停止させる「ウォークライ」、HPを回復する「ヒーリング」、一定時間攻撃力をアップする「パワフル」、攻撃を受け流し迎撃する「巴受け」、盾に隠れてブレイクゲージを回復する「クールダウン」、毒を凝縮した特殊弾を発射する「ベノマSHT」など、攻撃、防御、回復と様々な効果がある。これらスキルの使用回数はスキル毎に共通なため、アクティブスタイル、サブスタイルに同じものをセットしない方がいいだろう。

 また、Rスキルには発動までに時間がかかるものがあり、発動までの間に特定の攻撃を受けてしまうとスキルが中断され、使用回数も消費されてしまう。これは相手にも言えることで、瞬時に発動できるタイプのRスキルを使えば、発動までに時間のかかるスキルを中断させられる。これも戦闘を奥深くしている要素の1つといえるだろう。

 一撃必殺の奥義スキルは各スタイル1つまでしかセットできない。使えば全スキルポイントが0になってしまうので当然といえば、当然だろう。奥義スキルは単純に大ダメージを与えるだけでなく、発動後に攻撃力をアップさせる「グランタスク」など、追加効果を持つものもある。いざという時のためにセットしておくか、奥義をセットせず、その分別のスキルチップをセットするか悩みどころだ。

様々な性能のRスキルが存在する。1スタイルには4つまでしかスキルをセットできないので、よく考えて決定したい戦闘中はアイテムを使用できないので、HPを回復できるヒーリングは入れておきたいRスキルの1つだ即座に発動できるRスキルをセットしておけば、相手のスキル中断に役立つ。スキル発動までに時間のかかるものと、そうでないものを把握しておきたい

 特定の条件で発動する自動発動スキルには、HP20%以下の時にHPが自動回復する「死地ニ復回ス」、一定確率で自動ガードする「オートガード」といった戦闘に関わるものだけでなく、獲得EXPが5%増える「EXPハンター」といったものもある。運頼りという所もあるが、効果的なものも多い。

 能力上昇スキルにはHPが増える「HP+25」、攻撃力が増える「ATK+1」、防御力が増える「DEF+1」などがある。「ATK+1」、「ATK+2」と複数セットして攻撃力を特化したりとスタイルに合わせて使い分けたい。スキルネストのスロット数には限りがあるので、あまり能力上昇スキルにスロットが割けないと判断した場合には、+の値が大きいものだけを入れるのもいいだろう。

 連結されたスキルに効果を与える連結スキルには、ダメージをアップさせる「ダメージアップ」、ランカーへのダメージが上がる「ヒューマンキル」、能力上昇スキルの効果をアップさせる「補助効果+」などがある。特徴的なのが、単体では効果を発揮せず、連結したスキルにのみ効果がある点と、右上と右下にセットされたスキルに効果を付与するというように効果を与えるスキルの方向が決まっている点。これにより、各スキルをセットする位置を考慮する必要が出てくるわけだ。セットの仕方によっては、1つのスキルに全ての連結効果を付与するといったことも可能になる。

 スキルチップのセッティングはプレーヤーによって個性が出るだろう。スタイルらしさに特化してセットしたり、弱い部分を補ったりと考えながらスキルチップをセットするのが面白い。連結スキルの効果方向が決められていることで、セットする場所も重要になっていることが、スキルセッティングをさらに面白くしている。

指定方向にセットされたスキルに効果を与える連結スキルがあるため、どの場所にスキルをセットするかも重要になってくる。セッティング次第で複数の効果を1つのスキルに与えることも可能だ「ダメージアップ」などの連結スキルはどの程度の効果があるのかは実際に試してみないとわからないが、「補助効果+」はその場でどれほどの効果があるのか一目でわかるセッティングはプレーヤーによって異なるだろう。他のプレーヤーがどんなセッティングをしているのか気になるところだ。色々試して、最強のセッティングを探し出そう


■ スムーズに進められるように配慮されたシステムの数々

 前述の通り、修練やランキング戦は容易に進めることができ、物語はスムーズに進められる。それだけではなく、移動やフィールドの形状という点においてもストレスなく進められるようになっている。ロード時間の圧倒的な短さもストレスを感じさせない点といえる。

 移動速度はそれほど早くないものの、1度踏破したマップであれば、いつでもメニューからトラベルマップを呼び出して瞬時に移動できる。イベントがある場合は自動的にその場所で止まり、イベントに突入する。修練終了後や体力的に厳しい状況など、すぐに街に戻ることができるわけだ。

 フィールドは広大なものや複雑に分岐したものはなく、迷うことはない。あらゆる面においてサクサクと進められるように配慮された結果だろうか。

 バトルに敗北した場合のリトライのしやすさも嬉しい点。同じ状況でリトライできるだけでなく、メニュー画面から装備やスキルの変更、HPやスキル使用回数を回復してからのリトライも可能になっている。

街、フィールド問わず、トラベルマップから好きな場所に一瞬で移動できる親切設計。移動経路途中で発生するイベントがあれば、自動でイベントに突入してくれるセーブや回復がすぐに行なえる場所を利用しがちかもしれないが、宿舎などを利用しないと特定のイベントが発生しないなんてことも



■ クリア後のお楽しみ「チャレンジバトル」

 クリア後には闘技場で特定のリングネームを入力することで特殊なランカーたちとの「チャレンジバトル」をプレイすることができる。リングネームの情報をゲーム内で得ることはできないが、様々なメディアで随時情報公開されていくとのこと。

 現時点で公開されているのは「真ベイガー」(ByeByeSenpai)、「真センゴク」(MurakumoKen3)の2名。入力の際には大文字、小文字の入力間違いに注意してほしい。戦ってもらえればわかると思うが、どちらも挑戦しがいのある圧倒的な強さになっている。一体何人の猛者が用意されているのか? 今後の情報公開に期待したい。



■ 最後に

 自分や相手の状況を見ながらダイレクトにボタンを入力し、スタイルを切り替えながら戦うバトルシステムはプレイする価値アリ。パーティーではなく、単独で戦うバトルを採用しているにも関わらず、奥深いバトルが楽しめる。ユーザーフレンドリーな移動手段、誰でも遊びやすい難易度、シンプルかつわかりやすいユーザーインターフェイスと操作、ロード時間の短さ、個性の出せるスキルチップと、オリジナリティがありつつも、遊びやすい秀逸なRPGと言えるだろう。RPG好きには是非プレイしてもらいたい。

 ただし、ボリュームや一定以上の難易度を求める人は物足りないと感じてしまうだろう。筆者の場合、クリアまでは21時間程度で、クリア後に追加される要素も1~2時間で終わってしまった。チャレンジバトルの追加情報公開が待ち遠しい。また、難易度はかなり低めで誰でも遊びやすい反面、凝られたバトルシステムの全てを活かすことなくクリアできてしまうので、難易度変更などが用意されていれば、と感じるプレーヤーも多いことだろう。

 このように不満を感じるのは面白いからこそ。DLCや続編に期待したい。



(C)CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.

(2010年7月26日)

[Reported by 木原卓 ]