ゲーミングデバイスレビュー「SHIELDタブレット」

SHIELDタブレット

本日発売! モバイルの常識を破壊する怪物マシン。これがゲームハードの到達点だ!

ジャンル:
発売元:
  • NVIDIA
開発元:
  • NVIDIA
プラットフォーム:
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発売日:

「SHIELD タブレット」と周辺アクセサリのフルセット

 NVIDIAが開発した最新ゲーミングタブレットが10月10日、満を持して国内発売された。その名も「SHIELD タブレット」。その名の通り、2013年にリリースされたNVIDIA謹製Androidゲームマシン「SHIELD ポータブル(旧名:NVIDIA SHIELD)」の魂を受け継ぎ、大きく発展させたAndroidタブレット端末だ。

 心臓部にはクアッドコア2.2 GHz ARM Cortex A15に、最新GPUのTegra K1を搭載。OpenGL 4.4をフルサポートし、フルスペックの3Dゲームが実行可能なはじめてのタブレット端末となった。それに加えてゲーマーのニーズを満たす機能の数々を備えた「SHIELDタブレット」は、ゲームプラットフォームとしてまさに空前、新次元の存在だ。

 本稿では本製品のレビューをお届けするが、標準的な“Androidタブレット”としての側面はあえてスルーし、ゲーミングマシンとしての能力、使い心地等を中心に評価していく。

見た目はゴツめのタブレット。性能は……ケタ外れ!

「SHIELD タブレット」本体
電源ボタンと音量コントロールボタン。外面的には標準的なAndroid端末
側面にはヘッドフォン端子、USB端子、HDMI端子、サブウーファーの穴がある

 「SHIELD タブレット」は、デバイスカテゴリー的にはAndroid 4.4(KitKat)を搭載する8インチのタブレット端末だ。ふつうのAndroidタブレットとして、WEBや動画を見たり、メールを書いたり、様々なAndroidアプリを使うことができる。

 外観も一見ふつうのAndroidタブレットだ。ちょっと変わったところといえば前面スピーカーのメッシュが左右に入っているところ。このスピーカーには小さいながらもサブウーファーも搭載されており、タブレットとしてはなかなかいい音が出る。少なくとも筆者が長く使っているNexus 7(2012)よりははるかに低音と高音のメリハリのあるサウンドが楽しめる。

 タッチパネルは一般的な静電容量方式だが、NVIDIAらしくOSレベルでの最適化が施されている。指でタッチして違いを見つけることは難しいが、付属のスタイラスペンを用いると反応の良さは一目瞭然だ。このスタイラスペンはペン先の形状に工夫があり、強く押しこむほどペン先の広い面積がパネル表面に接触し、いわば擬似感圧センサーとして動作する。この威力はプリインストールアプリのお絵かきソフト「NVIDIA Dubbler」でよく確かめられる。

 縦置きするためには別売の「SHIELD タブレットカバー」(実売5,000円前後)が必要だが、本製品を購入しようと考えている方は惜しむことなくカバーも一緒に購入して欲しい。詳しくは後述するが、本製品は縦置き時に最大の威力を発揮するからだ。

 その他、Android端末としての特性について本稿では詳しく触れないが、必要十分な解像度(1,920×1,200ドット)、感度の良いタッチセンサー、前面と背面に500万画素カメラ、サブウーファー付きのスピーカーと揃えば、本製品を単純にハイエンドタブレットの一種として評価して差し支えないと思う。しかし、本製品の本当の威力はゲームで発揮されるのだ。


【主な仕様】
液晶サイズ: 8インチ
パネル:1,920×1,200 IPS マルチタッチディスプレイ
タッチ:静電容量方式(DirectStylus)
CPU:2.2 GHz ARM Cortex A15
GPU:Tegra K1
メモリ:2GB
内部ストレージ:16GB
カメラ:500万画素(前面&背面)
インターフェイス:Micro-SDスロット×1、MiniUSB×1、Mini HDMI×1、ヘッドフォン端子×1
重量:370g

正面カメラは500万画素。スピーカー穴空きでサブウーファーも実装され、このサイズとしては驚くほどいい音が出る
別売の専用カバーはマグネット式でペコッとハマる。縦置き使用にはほぼ必須なのでぜひ合わせてゲットを。
スタイラスペンが付属。プリインストールアプリ「NVIDIA Dubbler」で水彩画や油絵ができるが、本稿ではそこは詳しく触れない

これより上はWintelタブレットPCのみ。驚異のパフォーマンス

Android版「3DMark」

 「SHIELDタブレット」のゲーミング能力を保証しているのは心臓部に搭載されたTegra K1だ。これは192個のCUDAコアからなるSM(Streaming Multiprocessor)を1基搭載したGPUで、仕組みとしてはGeForce 600番台から700番代までのKeplerアーキテクチャのデスクトップGPUと全く同等である。

 例えばハイエンドデスクトップGPUであるGeForce GTX 770~780 Tiあたりは8~15個のSMを搭載しているが、Tegra K1は1個。これではずいぶん非力なのではないかと思ってしまうのだが、そんなことはなかった。以下は3D Markの結果である。

フレームレート打ち止めで貫禄の3万点突破。これより上はPCカテゴリーである

ちなみにShadowPlayのバックグラウンド録画を付けると6000点ほど下がるが、それでも他のタブレットはぶっちぎるレベル

 なんということでしょう。Ice StormテストではフレームレートがMaxed Out(上限オーバーで打ち止め)、総合スコアは3万超え。デバイスランキングで見ると、これ以上のスコアを記録しているのはMicrsoft SurfaceであるとかAcer Iconia W701といった、Intel Coreシリーズを搭載したWintel構成のタブレットPCしかない。

 本製品より下に並ぶのは各社のハイエンドタブレットだが、同じTegra K1を搭載した中国製のXiaomi Mi Padよりも本製品のほうがスコア4000ほどの差を付けて速い。これはNVIDIA謹製によるパフォーマンスアップの成果を示すものだろう。

 いずれにしてもAndroid向け3D Markではフレームレート上限オーバーしてしまうほどの本製品、性能的にはベンチマーク開発者の想定外レベルということになる。これより速い端末が欲しければPCを持ってこい!となる。

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(佐藤カフジ)