★PSPゲームレビュー★
インフィニティミッションもインターネットマルチモードもすれ違い通信もばっちり楽しめる! 「ファンタシースターポータブル2インフィニティ スペシャル体験版」 |
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2月24日に発売される「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」は、「ファンタシースターポータブル2」をベースに、「インフィニティ=無限大」の名称のとおり、無限に遊べるほどにボリュームアップしたタイトル。無印版のポータブル2の段階でもたっぷり遊びごたえのある内容で好評を博したが、今作ではさらにパワーアップして、まさに限界を突破したインフィニティ級と表現するほどになっている。
発売前の現在は、たっぷり遊べてしまう「ファンタシースターポータブル2インフィニティ スペシャル体験版」をPlayStationStoreにて配信中。1月20日からはこの体験版でインターネットマルチモードもプレイできるようになる「インフィニティ・トライアルライセンス」も数量限定で配信されている。
このレビューではまず、このスペシャル体験版でどれぐらい遊べるのか? そのプレイ感や魅力はどういうものなのか? 今作の特徴を押さえつつお伝えしていこう。
■ 「インフィニティ」の追加要素や新機能をほとんど丸ごと体験できる!押さえておいて損のないスペシャル体験版
まずは「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」で追加された要素や特徴をまとめよう。またその下には「スペシャル体験版」で楽しめる要素をまとめてある。
ストーリーモードには前作の「エピソード1」と新ストーリーの「エピソード2」を両方収録! |
【『ファンタシースターポータブル2インフィニティ』の新要素や特徴】
・新ストーリー「エピソード2」を収録するだけでなく、無印版の「エピソード1」も完全収録・ミッションコードを合成してオリジナルミッションを作成できる「インフィニティミッション」
・プレーヤー作成キャラとパーティーを組める「サポートキャラクター」
・すれ違い通信機能「フレンドサーチ」で、サポートキャラクターやミッションコードを交換
・インターネットマルチモードに多数のプレーヤーが行き交う「ビジュアルロビー」が登場
・突然変異で生まれた新種族「デューマン」が登場
・新フィールド、新モンスター、新アイテムが多数登場
・「転生システム」で手にはいるポイントでキャラクターを強化しつつ新たにレベル1から育成可能
・チャット機能を強化。ケータイ入力キーボードや予測変換機能も搭載
新種族デューマンが登場!新たなストーリーの鍵になる種族であるとともに、プレーヤーキャラクターの種族としても選択できる |
【スペシャル体験版でプレイできる要素】
・キャラクターをレベル100まで、戦闘タイプレベル20まで育成可能・キャラクターを8体作成可能で、新種族「デューマン」のキャラも作れる
・ストーリーモード「エピソード1」、「エピソード2」の序盤をプレイ可能
・「マルチモード」、「インターネットマルチモード」で協力プレイ可能。「ビジュアルロビー」も搭載
・すれ違い通信機能「フレンドサーチ」で、キャラクターデータやミッションコードを交換可能
・「フリーミッション」、「バトルミッション」、「チャレンジミッション」の一部プレイ可能
・「インフィニティミッション」のプレイや合成によるミッション作成が可能
・コラボアイテムや追加ダウンロードミッションの配信
・「PSP2(PSP the Best含む)」からセーブデータをインポート可能。体験版のデータも製品版へ引き継げる
「エピソード2」の物語は、エピソード1の亜空間事件解決後。エミリアと主人公はある物質の調査依頼を受ける |
ヒューガ・ライトに案内された先には謎の少女が。彼女は調査対象の物質をどこかに消し去ってしまう |
今作は「ポータブル2」をベースに追加要素を加えた、いわば拡張版だが、単なる拡張版とは呼べないほどたくさんの追加要素が詰め込まれているのがポイント。
まず、1人プレイで楽しむストーリーモードでは、「ポータブル2」で展開された「エピソード1」の収録はもとより、エピソード1のその後に続く新ストーリー「エピソード2」も収録されているという2本立てになっている。「ポータブル2」をプレイした人も、今作の「インフィニティ」からプレイしはじめるという人も、たっぷり楽しめる。
「エピソード2」は、エミリアと共に亜空間事件を解決したその後から始まっていく。GRM社の敷地内で発見されたという未知の物質の調査依頼を受けたエミリアと主人公。2人を出迎えたのはなんとGRM社の若き社長こと「ヒューガ・ライト」だ。
ヒューガはかつて、「ファンタシースターユニバース」の物語で英雄イーサン・ウェーバーと行動を共にした人物。だが彼は、半年前にヒューマンからデューマンへと種族が変わっていた。グラール太陽系の各地で遺伝子の変成により新たな種族「デューマン」が現われており、ヒューガもまたその1人だった。こうした異変と、今回見つかった未知の物質に関連があるのか、亜空間事件の余波なのか、それともまた別に原因があるのか。そうした調査の依頼というわけだ。ヒューガに案内され未知の物質が保管されている場所で、エミリアと主人公は謎の人物と出会うことになる……。
このようにエピソード2の物語は始まっていく。このあと謎の人物の隠された秘密、そして再会があり、スペシャル体験版の最後ではこの人物からのある依頼を受けるかどうかを迫られるのだが……。これらは実際にスペシャル体験版でプレイできるので、ぜひご自身の手でプレイ頂きたい。最後に待つ「来てくれるのを、待っている」というメッセージに応えるかは、あなた次第だ。
一流の剣の腕を持つヒューガと、謎の人物が激突! ヒューガはデューマンに変成したという違いこそあえ、かつて英雄イーサン・ウェーバーと共に戦った凄腕。だが戦いは思いがけない展開を見せる |
ノリが妙に軽い、旧文明人のワイナールも登場する。それに対するエミリアのコミカルな反応など、シリアスありポップさありのシナリオはシリーズ全体の魅力。スペシャル体験版でプレイできる最後には、謎の人物から「待っている」という言葉が。製品版でこの言葉に応えるかはあなた次第 |
ストーリーモードをエピソード1、エピソード2の両方が楽しめるので、単純にストーリーが楽しめるだけでなく、登場キャラクターたちの「パートナーカード」がもらえるというのは大きい。パートナーカードがあればそのキャラクターを呼び出してパーティーを組み、ミッションに挑むことができる。すでにエピソード1はクリア済みという方でも、例えば新キャラクターを作成してプレイしはじめたら、パートナーカードをコンプリートしたくなるかもしれない。そうした面でも、両エピソードが収録されているのは嬉しいところだ。
パートナーカードと言えば、今作ではこのキャラクターを呼び出してパーティーを組む要素がパワーアップしている。「サポートキャラクター」というもので、他のプレーヤーキャラクターや、自分が作成した別のセーブデータのキャラクターともパーティーを組めるようになった。
さらに、「サポートキャラクター」のやり取りはマルチプレイで直接やり取りする以外に、すれ違い通信「フレンドサーチ」でもやり取りできる。PSPをスリープモードにして持ち運び、近い距離の人と自動でデータをやり取りする機能。サポートキャラクターは持たせている武器やオートワード(シチュエーション別に前もって入力してあるチャットを自動で話す機能)も反映されるので、それぞれのキャラクターの個性も楽しめる。
「フレンドサーチ」でやり取りしたキャラクターと、インターネットマルチモードでそのプレーヤー本人と再会、なんて広がりもあるかもしれない。アドホック、インターネットマルチ、すれ違い通信と、通信機能を全て網羅している本作ならではの魅力だ。イベント展開も豊富に行なわれている本作なので、そういう機会にはより楽しみが増すところだろう。イベントは近いものだと「PSP2in 全国ファン感謝祭2011 インフィニティグランプリ」が2月5日より全国5会場で開催されるので、ぜひチェック頂きたい。
パートナーカードでNPCキャラクターをパーティーに参加させるだけでなく、「インフィニティ」ではプレーヤー作成のキャラクターや自分が作成した別データのキャラクターも「サポートキャラクター」として参加させられるようになった。こうした各種データをすれ違い通信でやり取りできるのも大きな魅力。右の画像のように、1人プレイ時にもパーティープレイ中のようにワイワイとした雰囲気で楽しめる |
■ スペシャル体験版を新種族デューマンでプレイ! インフィニティミッションもばっちり楽しめる
白い肌と白い髪、眼帯と貴族のようなドレス姿が特徴の新種族「デューマン」。他の種族とはずいぶんと雰囲気が異なる |
今回、スペシャル体験版でデューマンのキャラクターを新たに作成してプレイしてみた。デューマンは白い肌と白い髪、そして眼帯が特徴の種族で、攻撃性に秀でているという。少しダーティーな雰囲気を感じさせる、他種族とは違ったテイストの種族だ。
ちなみにデューマンは外見こそ敵側のキャラクターのように見えるところがあるが、ストーリー上で敵として存在しているわけではない。遺伝子の変成により突如として生まれ増えていることが不気味に思われているところはあるようだが、特に害があるわけではなく、敵視されているということはない。デューマンを選んでも特別な何かがあるわけではなさそうだ。
どの種族でもレベル10を越えると特殊能力を発動できるが、デューマンは“インフィニティブラスト”が使えるようになる。デューマンの特性である攻撃性を解放するような能力で、戦闘クラスによって効果は異なるようだ。
今回プレイしたハンターのインフィニティブラストだと、発動すると全身が青いオーラのようなものに包まれ、そのオーラを剣のように使ってダメージを与えるというもの。□ボタンでは近距離への連続攻撃できる「ブラストアタック」、△ボタンだと限界まで巨大化させたオーラでなぎ倒す「ブラストチャージ」になる。
インフィニティブラストの効果は絶大で、与えるダメージは強烈。巨大なオーラを画面せましと豪快に振り乱すモーションは爽快感抜群だ。ただしもちろんリスクもあって、発動中は自分では回復が一切行なえない。リスクを抱えつつの大技というわけだ。デューマンという種族全体もインフィニティブラストの性質同様に攻撃に特化した爽快感重視な種族のようで、そのぶんつっこみすぎると痛い目にあうというところがあるのかもしれない。
デフォルトの状態のデューマン男女。もちろん右の画像のように好きなようにカスタマイズ可能だ | ||
レベル10以上になると発動できるようになるデューマンの特殊能力「インフィニティブラスト」。青白いオーラをまとい、それを剣のように伸ばしてド派手に攻撃する。爽快感抜群で威力も高いが、発動中は自分での回復ができないというリスクもある |
多数のプレーヤーが行き交う「ビジュアルロビー」を搭載!プレーヤーが作成したルームに入る前のロビーで、よりたくさんのプレーヤーと同時にやり取りできる |
スペシャル体験版のインターネットマルチモードは早くも盛況で、「ポータブル2」からキャラクターデータを引き継いだ高レベルのプレーヤーも、今回のタイミングから新たにプレイしはじめたと思われるプレーヤーもたくさんいた。
本作のインターネットマルチモードは最大4人が入室できるルームを作成する方式だが、インフィニティでは新たに「ビジュアルロビー」が搭載された。これはルームに入る前、以前はメニューだけだったところが、多数のキャラクターが行き交うフィールドになったもの。ここでチャットを楽しむ人の姿も多く見られる。ちなみにビジュアルロビーを使わずにシンプルなメニューでの操作も可能だ。
インターネットマルチの様子もプレーヤーが活発にプレイを楽しんでいると感じる。ルームを作成すればすぐにポンポンと参加者がきて、満室になるほどだ。
ミッションでは「フリーミッション」、「バトルミッション」、「チャレンジミッション」の一部がプレイ可能なほか、今作から搭載された「インフィニティミッション」もプレイできるのがポイント。
インフィニティミッションの管理や合成を行なう「コードカウンター」。ミッションコードをかけあわせて、新たなミッションを作成できる |
インフィニティミッションは“ミッションコード”というミッションの素のようなものから作成できるミッションで、ミッション同士を掛け合わせてオリジナルのミッションを作り出せるのが最大の特徴だ。ミッションは例えば「常夏の重装兵器」という名前になっていて、これだと「常夏」がクラッド6の海岸フィールドを示し、ボス敵がドゥガ・ドゥンガの組み合わせになる。
このほかに、敵モンスターの強さやアイテムドロップ率、ミッションのプレイ時間の長さ等の特徴が、合成次第で変化していくというわけだ。ちなみにミッションコードもプレーヤー同士で交換可能で、すれ違い通信のフレンドサーチでもやり取りできる。
インフィニティミッションを実際にプレイしてみると、フィールドとボスは個別のものが組み合わさった作りになっているようで、例えば「常夏の重装兵器」ならボスまでのフィールドは海岸フィールドだが、ボスのエリアになるとそのボスが本来登場するフィールドに切り替わる。ここはちょっと残念に感じるところではあるが、これを解消しようとすると組み合わせに制限ができてしまいそうだ。そうなるぐらいなら、この方式で問題ないと思える。
いくつかのインフィニティミッションをクリアしてみると、だいたい2、3回に1度ぐらいの確率で、クリア時の報酬アイテムに赤いレアアイテムで「ミッションディスク」が出現した。これが新たなインフィニティミッションになるわけだ。プレーヤー間でやり取りしたりミッションをプレイして集めたりし、それを合成して新しいミッションを作り出していく。まさに無限に遊び込める要素だ。
スペシャル体験版ではこのインフィニティミッションの種別にさすがに制限があるようで、フィールドとボスともに3種類ずつとなっている。だが、ミッションのレベルはかなり上まで楽しめるようになっているようで、ドロップ率アップなどの魅力的な特殊効果がある高レベルミッションの作成や交換をしているプレーヤーもいるようだ。無料のスペシャル体験版ながら、存分に遊び込めるものとなっている。
「ポータブル2」シリーズの魅力として、ミッションだけでなくプレーヤー同士のチャットのやり取りやマイルームに設置できる家具など、コミュニケーションを楽しむ要素も充実しているところにも注目したい。
これは筆者が「ポータブル2」をプレイしていたときのことだが、あるとき自分のマイルームに入ると、ルーム内がたくさんの家具で埋め尽くされていたことがあった。おそらくインターネットマルチで一緒に遊んだ方が、ミッションの合間にこっそりと設置してくれたものだろう。こうしたオンラインゲーム特有の、良い意味でのゆるい楽しみ方もできるのは大きな魅力。
実際、スペシャル体験版でも、家具等の交換やチャットをメインに楽しもうというルームもたくさんあって、プレーヤー同士がそれぞれに楽しんでいる。「インフィニティ」ではチャット入力機能にケータイ入力や予測変換機能も搭載され、よりコミュニケーションを楽しみやすくなっている。
チャットを楽しんだり、マイルームに家具を置いたりといった、オンラインゲーム発のシリーズならではな楽しみ方もしっかり押さえているところも魅力。チャット入力はケータイ入力や予測変換機能も搭載して、より扱いやすくなった。右の画像は筆者のマイルームで、「ポータブル2」をプレイ中にどなたかが設置してくれたものだ。こういうコミュニケーションも楽しめるのが嬉しい |
■ 携帯ゲーム機ながらオンラインの醍醐味を完全収録! いつまでも楽しめるインフィニティな仕上がりを体験できる
スペシャル体験版は、あくまでも無料の体験版なのに本作の要素のほぼ全てを触ることができる、まさにスペシャルな内容。さすがに奥行きやバリエーションは制限されているが、いつまでも楽しめそうな奥行きと、オンラインゲームさながらの本作の醍醐味はしっかりと掴めるはずだ |
「ファンタシースターポータブル2」のシリーズは、携帯ゲーム機で初めて“本格的なオンラインゲームの醍醐味を完全収録することができた”ゲームだろう。それでいて、敷居は高すぎず、携帯機ならではの手軽さもしっかり活かせている。今作の「インフィニティ」では、すれ違い通信でやり取りできるサポートキャラクターやミッションコードも搭載され、より広がりが増したという印象だ。
スペシャル体験版では、バリエーションや奥行きにはさすがに制限があるものの、そのほとんどの要素を触れるようになっていて、本作の魅力はばっちり味わえる。インターネットマルチでいろんなプレーヤーと一緒に遊ぶと、本作の「携帯ゲーム機でここまで実現しているんだ」という驚きを実感できるはず。
フィールドやボス、モンスターやミッションの特殊効果などを合成で作り出せる「インフィニティミッション」は、まさに無限の広がり。がっちり攻略するというより、ゆるやかなコミュニケーションを楽しみつつ、いつまでもプレイしていけるものというスタンスになりそうだが、製品版にはレベル200以上にも育成していける「転生」システムや、さらに数を増したアイテムもあるわけで、奥行きがたっぷりとある。それを楽しむプレイの中心になっていくのではと思える。
新種族デューマンも加わり、新規のユーザーが入っていくタイミングとしても最良のスペシャル体験版。シリーズ作をプレイしてきた人はもちろんすでにチェックしていることと思うが、これまで触れてこなかったという人も、この機会を逃さずに触れて頂きたい。
(C) SEGA
□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「ファンタシースターポータブル2 インフィニティ」のホームページ
http://phantasystar.sega.jp/psp2i/
□「PSP2in 全国ファン感謝祭2011 インフィニティグランプリ」のホームページ
http://phantasystar.sega.jp/psp2i/festa/infinitygp/
(2011年2月3日)