★PS3/Xbox 360ゲームレビュー★

ギネス級の広大な荒野を激走せよ!
吹雪や竜巻の中も突っ走るレーシングゲーム

「FUEL(フューエル)」

  • ジャンル:レーシングゲーム
  • 発売元:コードマスターズ
  • 開発元:AsoboStudio
  • 価格:7,140円
  • プラットフォーム:PS3 / Xbox 360
  • 発売日:9月17日(発売中)
  • プレイ人数:1人、最大16人のオンライン対戦
  • レーティング:CERO:A(全年齢対象)

 コードマスターズが9月17日に発売するPS3/Xbox 360向けレースゲーム「FUEL(フューエル)」は、北アメリカ大陸の1部を衛星データを利用して再現したという、桁外れのスケールのフィールドを舞台にしたレーシングゲームだ。プレーヤーの前に用意されているのは、ギネスにも登録されたという14,000平方キロメートルを超える広大な舞台である。

 「FUEL」の世界設定は地球温暖化が進み自然界のバランスが崩れた「近未来」のアメリカ。人々はこれまでの生活を捨て、新しい都市へと移住している。人のいなくなった道路は壊れ、施設はすべて廃墟となっている。そんなうち捨てられた土地を走るレーサー達がいた。クリーンな代替エネルギーで生活する人々に背を向け、時代遅れのガソリンマシンに乗り、荒廃した土地を突っ走る命知らずの野郎ども。プレーヤーはそんなレーサーの1人となり、広大なアメリカを爆走していくのだ。



■ 道なき道をマシンで強引に突き進む快感。ボリュームたっぷりのレースゲーム

荒廃したアメリカをフルスロットルで爆走する。一瞬の判断ミスが命の危険になるようなシチュエーションでの走りが楽しめる
スタートはなぜかヘリで吊り下げられて登場。この大げさな演出が面白い
竜巻が民家を空中へ! あり得ないシチュエーションでのレースも

 「FUEL」は荒廃したアメリカを爆走するレースゲームだ。プレーヤーが走るコースはひび割れたアスファルト、手入れされていない山道、荒れ放題の原野、時には林の中など、道なき道も突っ走る。チェックポイントに向かって強引にルートを“創る”ことも勝つためには大事なポイントとなる。

 本作で描写される「近未来」のアメリカの荒廃ぶりは、人類の暗い未来を予感させる。道路には多くの車がうち捨てられ、荒野には乾ききった動物の骨、都市は水没しており、家はすべて廃屋だ。植物は茂っているものの動物の影さえも見えない。「人々はクリーンな代替エネルギーを使った都市に移住した」とのことだが、本当に人類は生きているのか疑いたくなるほど静かな世界だ。自然発生的に生じた山火事を消火する者すらいないのである。

 その静かな世界を爆音と土煙で切り裂くのがプレーヤー達レーサーだ。でかいエンジンにぶっといタイヤ、煙をもくもくと出すエコという言葉にほど遠い車で、レーサー達は爆走する。バギーからバイク、4輪バギー、ハイパワーのエンジンを積んだマッスルカー、さらには改造トラックと多彩な種類の車で様々なレースを行なっていく。本作にはストーリー描写は全くないが、独特の世界観が強く伝わってくる。レースのスタート時にプレーヤーの車はなぜかヘリコプターに吊り下げられて登場する。プレーヤーは一体どういう立場の人間なのかわからないが、この演出がさらにゲームの派手さをふくらませてくれる。

 プレーヤーが走るフィールドにはレーサー達のたまり場である「ベースキャンプ」があり、北アメリカ大陸はこのベースキャンプを中心としたフィールドに区切られている。ベースキャンプではいくつものレースに挑戦できる。レースで首位を取ることで「スター」を獲得でき、スターの数に応じて新たな地域がアンロックされていく。各キャンプを周り、並み居るライバルをひれ伏させ、新たなスターを獲得していくのが本作の目的だ。

 本作はレースだけでなく「フリーライド」で自由にフィールドを走り回ることができる。レースはコースが設定されているが、フリーライドはベースキャンプから離れてコースを意識することなく自由に探索することができる。本作のフィールドは14,000平方キロメートルを超える、“世界で最も広いプレイ環境を持つ家庭用ゲーム”(Largest playable environment in a console game)としてギネス世界記録に認定されたという。この広大なフィールドをお気に入りのマシンで走っていけるのだ。

 「レースの時に見えていたあの都市には行くことができるのか?」、「うち捨てられた廃屋を近くで見たい」、「目的もなくただアクセルベタ踏みでいつまでも走り続けたい……」などなど、プレーヤーの自由な意志でいつまでも走り続けられる。レースゲームはコース以外の場所が作られていない作品も多いが、このゲームは違う。フィールドを自由気ままにいつまでも走り続けられる。道路を外れてここまで走り回れるゲームというのは例がないだろう。

 軽快な走りが楽しめるバイク、アスファルトではスピード出しまくり、滑りまくりのマッスルカー、急勾配の山道もものともせずに上っていくバギー……ルートを選びながらアスファルトの上を疾走するのも、道を外れて荒野を突っ走るのも楽しい。フィールドは昼夜の変化だけでなく、激しい雨や雷といった天候の変化でも姿を変える。レースの楽しさと共に、旅の楽しさも体験できる。独特の魅力を持ったレースゲームである。



左と中央が津波で貨物船が打ち上げられてしまったTSUNAMI REEF。右が最初のキャンプとなるOFFSHORE SHACK
左が採掘され尽くした油井のコースDRY RIGS。中央と右が山岳地帯でのコースが多いBIG CAULDRON'S EDGE
水没した都市周辺にコースが設置されたDROWNINGTON COVE。崩壊した橋を周回トラックにしたり、竜巻の中のレースも
雪原地帯でのコースが多いPINWHEELS RIDGE。開放的なコースがある一方で、風力発電所のプロペラの間を縫うように進んだりするコースも



■ ショートカット、体当たりの進路妨害は当たり前! 激しい戦いが楽しいレース

勝利の鍵となるショートカット。敵車の挙動がヒントになる場合も
チェックポイント周辺では敵車からのチェックも厳しくなる
ルーキーは初めての走りで勝つことも可能だが、上のランクは練習が必須だ。より強いマシンが必要な場合もあると感じたコースも

 「FUEL」のメインとなるキャリアレースは大きくわけて3つのタイプがある。コースに設置されたチェックポイントを通過していく「チェックポイントレース」、トラックを設定し決められた数を周回する「サーキットレース」そして、スタート地点とゴールしか設定されていないアバウトきわまりない「レイドレース」だ。

 最も多いのが、チェックポイントレースだ。コース上にいくつものチェックポイントが設置されており、レースを進めるためにはここを通過しなくてはならない。敵車とぶつかったり、カーブで曲がりきれなくてチェックポイントの枠に入れないことがないように、チェックポイント付近では特に慎重なドライビングを心がけたい。

 チェックポイントレースでは特に細かいショートカットが重要になることがある。本作ではオフロードコースが多く、時にはコースを外れた大胆なショートカットが勝利の鍵となる。「FUEL」では走行中に搭載されているGPS機能を利用して、ナビを表示することもできるが、これに従っているだけでは勝てない。最も良いヒントは敵の挙動を見ることだ。特に上位の車はためらうことなくショートカットを使ってくる。勝つためにコースでのポイントはチェックしていきたいところだ。

 キャリアレースで挑戦するコースにはそれぞれ「ルーキー」、「エキスパート」、「レジェンド」という難易度が設定されていて上になるほど敵車が手強くなる。ルーキーはコースを覚え切れていなくても何とか勝てるが、エキスパートはショートカットやカーブの曲がり方を工夫しなくてはならないし、レジェンドはゲーム中盤からかなりハードルが高くなる。それぞれの難易度で勝利するとスターが獲得できる。スターの数に応じて挑戦できるキャンプがアンロックされ、より強力な車が購入できるようになる。

 コースでは挑戦できる車種があらかじめ決められている。バギー、トラック、マッスルカーなど挑戦する車種によって走りは全く変わってくるし、アスファルト中心、砂漠、細い林道など走る場所も多彩だ。レジェンドで勝つには練習以外にもゲームを進め、より強い車を用意するのも必要だと感じた。

 「FUEL」は復帰ボタンが用意されており、崖から落ちそうになったときや、カーブで失敗したときなど復帰ボタンを押せばタイムを犠牲にして瞬時にコースに復帰できる。それでもエキスパートやレジェンドに挑戦しているときはこのタイムラグで勝てなくなると感じ、リスタートすることが多かった。ちなみに、リスタートは広大なコースを再読込するためかロード時間が長いと感じた。慣れの問題もありそうだが、HDDへフルインストールしても基本的にこの状況は変わらない。この時間を短縮して欲しかったところだ。

 本作はスターを獲得するキャリアレースの他にも、資金や新しいカーデザインを獲得できるモード「チャレンジ」が用意されており、レースゲームとしてみると収録されているコースは非常に多彩だ。ストイックにギリギリの走りを極めタイムを上げていくのを目指すよりも、まずは膨大なコースを時には強引に走り抜けるというボリュームと、パワーに重点が置かれている作品だと感じた。1つ1つをレジェンドまで極めながら進むことももちろんできるが、得意なコースを攻略しつつ、次々と増えていくコースをつまみ食い的に進める、という楽しみ方もできるのだ。多彩なシチュエーションを楽しむレースゲームといえるだろう。

 特にレースでは危険なルートをハイスピードで駆け抜ける爽快さがウリだ。敵車とのギリギリの戦いを繰り広げているとき、チェックポイントを前にしてどうしても敵の前に出たいとき、自分の感覚が画面にぎゅっと集中する。激しくバウンドする車体を必死に押さえ込み、カーブでは体を思わず曲げてしまう。特に「FUEL」は野山やでこぼこの岩場など、現実では体の負担がかかりすぎる危険なコースを強引に進むことができる。崖からのダイブや、木の間をハイスピードで抜けるなど、現実では危険すぎてできない運転も体験できる。興奮し、思わずのめり込んでしまう「走り」が楽しめる作品である。



どこにチェックポイントがあるのか、効率のいいコースはどこなのか、ショートカットも重要なチェックポイントレース
サーキットコースはきついカーブも多い。敵車の前にいかにうまく出てポジションをキープするかも重要だ
ゴールのみが決められているレイドレースといえど、有利なラインがある。そこをいかに見極めるかが重要だ



■ ヘリコプターとも対決! 生き残り戦などより過酷なチャレンジモード

ヘリコプターを追跡する。本作ならではのあり得ない対決だ
ポイントごとに制限時間を課せられるブリッツ。緊張の絶えないルールだ
敵車を追いつめぶつけるデストロイチェイス

 キャリアレースがスターを稼ぐのに対し、「チャレンジ」は資金(FUEL)を稼ぐのが目的だ。本作ではキャリアレースで勝利してもFUELは稼げるが、チャレンジはより多くの資金を入手できる。チャレンジで様々な競技に挑戦し、資金を貯めてより強い車を購入していくのだ。

 チャレンジには時間内にゴールを目指す「タイムリミットラン」、ヘリコプターとのレースを繰り広げる「ヘリコプターチェイス」、敵車を追いかけぶつける「デストロイチェイス」、ゴールのみが決められている「レイド」、チェックポイントごとに制限時間が決められている「ブリッツ」、チェックポイントごとに最下位のレーサーが脱落していく「ノックアウト」、車体の耐久力をできるだけ減らさないように走る「耐久レース」といった種類がある。

 この中でもぶっ飛んでいるのはヘリコプターチェイスだろう。ヘリコプターはもちろん空を飛ぶ。こちらはそれに走って追いつき、さらに追い抜かなくてはならない。ゴールはどこなのか、道を進んだ方が早いのか、無視して荒れ地に突っ込んだ方がいいのか。上を気にしつつ目の前の障害物は避けなければいけない。敵車とレースを繰り広げる時ほどルート選択はシビアではないが、様々なポイントを意識しなくてはいけないユニークな競技である。

 デストロイチェイスも通常のレースでは味わえない、「追跡」を楽しめるチャレンジだ。先行する敵車にぶつかれば勝ちだが、敵車はスムースにルートを進んでいく。焦ってカーブで手こずったりしていると離されるので、慎重に、かつ確実にルートを進んで行かなくてはならない。「FUEL」のマップは広く、気を抜くとどこまでも逃げられてしまう。こちらが有利な点は、敵車はあくまで道路を進むという点だ。ルートによっては道路を外れ、荒れ地を突っ切って先回りすることも可能だ。ただし、敵車は急に脇道を選んだりするので、先回りを考える場合はきちんとマップを確認してからにしたい。

 チェックポイントごとの制限時間内に走るブリッツの緊張感も好きだ。タイムを多く残してポイントを通れば次のタイムに加算されるので、できるだけスピードを保って通過していきたい。しかしカーブや障害物に当たったりしてタイムロスをしてしまうととても焦ってしまう事も多い。一瞬の判断が命取りになりかねず、緊張を持続しなくてはならないルールである。タイマーは制限時間が4秒以下になると赤く変わり、これもまたプレーヤーを焦らせる。チェックポイントを通過してもすぐにまたやってくる制限時間との戦いが楽しい。

 キャリアレースもチャレンジも競技によって挑戦できる車種が決まっている。バイクは軽快な運動性が気持ちいいが、そのスピードのためクラッシュしやすい。マッスルカーはスピードは出るがその分滑りやすく、カーブが続くコースでは必死で押さえ込まなくてはならない。オフロードで極端にスピードが下がってしまう車、ルートによっては上れない坂や、深い川に落ちた場合は沈んでしまう。林を進むことでショートカットを狙っても木に激突してしまうこともある。アスファルトの道でも、うち捨てられたタンクローリーがそのままルートを塞いでる場合も多く安心できない。マシンの特性を把握した上で、悪路をどう進んでいくかが本作の面白さである。

 吹雪の中のレースや、山の斜面をアクセル全開で下りるなど、おもわず「これはないわ」とつぶやいてしまう現実離れしたハチャメチャな楽しさが「FUEL」のウリである。目の前で竜巻が横切る中恐れずに突っ込む、というレースすらあるのだ。リアル志向のシミュレーションタイプのレースゲームも良いが、演出重視、勢い重視のレーシングゲームにもたまらない魅力がある。「FUEL」はリアルなグラフィックスでド派手な演出と勢いが楽しめるレースゲームである。過激で危険なレースをたっぷり楽しもう。


ヘリコプターチェイスは道路のまま進んでいたら勝てない場合が多い。しかしオフロードでは最高速が出せない。どう進むかが重要となる。左はデストロイチェイス。マッスルカーは滑りやすい。焦らず敵車を追跡しなくてはならない
様々なルール、車種、コースで戦略は変わってくる。トライ&エラーを繰り返しながら課題をクリアしていく
道路上にはうち捨てられたタンクローリーが道をふさいでいることも多い。切り立った崖を進んだり、山を駆け下りたりと危険なシチュエーションをハイスピードで進まなくてはいけないこのスリルがたまらない


■ 14,000平方キロメートルをどこまでも走れる、探索が楽しいフリーライド

広大なフィールドを時間を気にせず走る。フリーライドは旅の気分も味わえる。昼夜で変化する景色も美しい
コースには様々なオブジェクトがある。かなり距離は離れているので、コース選択が重要になる
都市に近付く。残念ながら水没してしまっているため、都市の中には行けなかった

 キャリアレースやチャレンジだけでなく、14,000平方キロメートルものフィールドを自在に進めるフリーライドも本作の大きな楽しみだ。最初から全フィールドを走り回れるわけではないが、1つのキャンプの地域だけでも広大な土地が走行可能になっている。思う存分ドライブを楽しむことができるだろう。

 このモードもゲームを進めるためには必須である。最初から挑戦できるチャレンジの他、いくつかのチャレンジが隠されていて、フリーライドで走ることで挑戦できるポイントを発見できる。また所々にはチャレンジで敗れていったレーサー達の車が捨てられていて、これを回収することで自分の車のデザインをカスタマイズすることが可能になる。

 広大な風景が楽しめる地点には「ビスタポイント」が設定されており、たどり着くことで雄大な自然を堪能できる。この他にも、未発見のポイントをマップに表示させる「ドップラートラック」や、普通は購入できない特殊車両がマップに表示される。トラックや特殊車両は常に移動しており、追いつくには進行ルートをある程度予測しなくてはならない。マップにあるヘリポートか、1度見つけたビスタポイントならば瞬時に移動できるので、最短ルートを見つけて目標を捉えることでゲームは有利になる。

 フリーライドはゲーム的なメリットをただ追い求めるだけでなく、「旅情」気分をたっぷり楽しめる。このモードは時間の概念があり、走っていると朝から夜へと変化していく。朝日を浴びながら雪原を走ったり、夕闇の湖畔をフルスロットルで駆け抜けたりと、レースとはひと味違う自由な運転が楽しい。もちろん道路に沿って走る必要もない。山の中をガンガン進んで先に何があるかを確かめるのもいいだろう。

 ビスタポイントの中には山の上など高い場所に設定されていて、一見どうすればたどり着くかわからない場所もある。そういう場合は、じっくり風景を見て、マップで地形を確認しながらルートを自分なりに設定する必要がある。遠くに見える場所にどうすればたどり着けるかを試行錯誤するのも楽しいだろう。

 フリーライドで少し残念なのは、感じられる「生命」が少ないところである。野生動物は骨しか見えない。「近未来」の過酷な状況を表現するためかもしれないが、野山を歩く楽しさで大きな要素となるのが野生動物との遭遇である。色々な動物の姿を見ることができてもいいのではないかと感じた。一方、フリーライド中には何か巨大な物資を運んでいるトラックとすれ違うことがある。また、空中を凄い勢いで通り過ぎる飛行機も見えたりする。この世界に他の人々が生きているわずかな証を見ることで、世界へ想いをはせるのも面白い。

 今回のレビューでは欧米のプレーヤーと時間が合わなかったためか最大16人が楽しめるというオンライン対戦モードを体験できなかった。筆者の場合ゲームもまだ中盤でありこれからどんどん新しいコース、新しい車が出てくることを考えると、世界の強豪と戦うには力不足だ。もっと腕を磨いてから日本のプレーヤーと共に挑戦していきたい。自分でレースコースを設定できる「レースエディター」もどんなコースを造ればいいのかまだ見えてこない。こちらも他のプレーヤーを参考にしたい。

 1つレース部分で気になったのが、「敵車のスピード」である。あくまで体感だが、スタートから中盤まではこちらがフルスロットルで進んでいても敵車の方が早く、直線で追い抜かれることが多かった。ところが、終盤当たりで敵車のスピードががくんと下がるのだ。そのため後半追い抜いてレースで勝つという展開が多いのだが、これはある程度敵車の性能を調整することでプレーヤーが「勝つ」状況を作り出す仕様になっているのかなと感じた。このシステムだからこそ前半は必死に追いすがり、後半ごぼう抜きで大逆転、という爽快感のある展開にはなるのだが、もう少しスムースなチューニングができなかったかなと思った。駆け引きを楽しむための敵車のAIやゲームバランスに関して考えさせられた。

 荒廃したアメリカを思うさま自由に進み、道も山も川も障害物もお構いなしに突っ走るそれが「FUEL」の楽しさである。ガソリンエンジンで吠え狂う「荒馬」を強引に従わせ、道なき道を進む爽快感は本作ならではだ。ボリューム、ゲーム要素共にたっぷり詰まった作品だ。間口は広く、オンラインプレイで世界の強豪とも戦える。ひと味違うレースゲームとしてお薦めしたい作品だ。



緑のラインがビスタポイント。絶景が楽しめる場所だ。右はフィールドに点在しているドラム缶。FUELを獲得できる
山火事の中を進んだり、たどり着けるルートを探して遠回りしたり、月夜の雪原をどこまでも進んだりとフリーライドでは様々なアプローチで走れる
レースを進めたり、フリーライドでデザインを集めることで車やドライバーをカスタマイズできる
ポイントを決めることで自分だけのコースが造れるレースエディター

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(2009年 9月 16日)

[Reported by 勝田哲也 ]