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スクウェア・エニックス「フィギュアヘッズ」最新版プレイレポート

CBTから一部変更となったルールをもとに、その斬新な感触を改めて紹介

3月上旬 サービス開始予定

販売形式:基本プレイ無料アイテム課金制

 2月15日に開催されたスクウェア・エニックスのオンラインPCゲーム「フィギュアヘッズ」メディア向け体験会。開発陣による発表会の模様は別途記事にてお伝えしているが本稿ではイベントの最後に行なわれた、本作の最新バージョンによる体験プレイのプレイレポートをお届けしていく。

 なお発表会のレポートでもお伝えしている通り、昨年2回に分けて行なわれたクローズドβテストから、大幅なルールの変更や調整が行なわれている。昨年6月の先行体験会プレイレポート記事を参照していただければ、ゲームの基本情報と、変更点についてがおわかりいただけるかと思う。

3DシューターとRTS、両方のゲーム性を兼ね備えたシステム

 今回プレイできたのは、製品版に近い状態の体験バージョンで、対戦はもちろん、プレーヤー機となる「2Foot(ツーフット)」や、それに搭載するAIの「フィギュアヘッズ」などのカスタムも可能となっていた。

 ゲームには詳細なチュートリアルが用意され、特に操作についてはじっくりと覚えることができる。会場ではキーボードとマウスによるオペレーションとなっていたが、2月25~26日に行なわれるオープンβテストでは、ゲームパッドに対応するとのことだ。

 プレーヤーは5対5のチームに分かれ、1人につき3体(リーダー機1体・僚機2体)の2Footを操作し、敵陣へと攻め込んでいく「BOTgame(ボットゲーム)」をプレイすることになる。本作の最大の特徴は、リーダー機を直接操作するシューターとしてのゲーム性と、僚機にリアルタイムに指示を出していくRTSの、2つのゲーム性を兼ね備えていることだ。

リーダー機はW/A/S/Dキーでの移動(+Shiftでダッシュ)と、マウスでエイミングと射撃を行なえる。カバーシューターの要領でプレイを進めていく

 ゲームのルール上、どちらの要素もおろそかにすることはできないため、ゲームの操作や状況判断は複雑になるが、AI制御による僚機はかなり優秀なので、慣れないうちは倒されてもリスクの少ない僚機を進ませていく戦い方をするのがいいかもしれない。

僚機は半自動制御で動く。僚機を動かしたい場所にレティクルを合わせ、1/2/4キーで僚機に指示を出すコマンドリングでコマンドを選び、キーを離すと行動を始める

SF映画で人気のデザイナーが手掛けた人間型ロボットカスタマイズできる喜び

 今回プレイできた体験版では、戦いに出せるようにプリセットされた2Footが3体と、一からカスタマイズできるフレーム状態の6機体がそれぞれ用意されていた。

 2Footには軽量級・中量級・重量級の重量があり、それぞれに2つずつの兵種が設定され、それぞれ装備できる武器や装備重量、移動速度などが異なっている。筆者は今回初プレイということで、1番使いやすそうな中量級の「アサルト」をカスタマイズしてみた。

フレームを選んだら、武器と装甲をそれぞれ選択していく。総重量は右下にあるゲージで表されている
Arron Beck氏によるデザインは、同氏が手掛けた映画作品のファンなら必ずツボを突かれるはずだ

 フレームには4種類の武器と、4カ所の装甲を選択可能で、入手しているものならば全て装備できるようだが、それぞれには重さがあって、兵種ごとの装備重量を超えるとペナルティとなってしまうので、ベストな状態に調整するのが難しくも面白い。

 武器はライフルやマシンガンなどの銃器のほか、ロケットランチャーなどのミサイルを発射するような武器も装備可能だ。本作では僚機やチームの味方に制圧力のある銃器を任せ、自身は後方から支援するという戦い方ができるので、後者のような武器をメインに持ってきてもゲームは十分に楽しめた。またミサイルなどの爆発する武器は「爆熱ダメージ」によって、装甲の熱い重量級2Footに効果が高く、これらを主力にする機体がチーム内に何体かいると、敵の装甲部隊に対して非常に有効な存在となるのだ。武器の性質については、実際に入手したら使ってみて、自分に合っているかどうか確認してみるといいだろう。

筆者がカスタマイズした最初の機体と2機目の機体。キーボード操作に慣れない筆者は、2戦目では後方支援を基本とする機体を作ってみた

 そして2Footに搭載する人工知能「フィギュアヘッズ」は、選択することで装弾数やリロード速度が変わるといった「スキル」が機体に反映される。また僚機の状況を声で逐一報告してくれるのも、実際にゲームをプレイしてみると非常に有用だということがわかる。フィギュアヘッズを演じている声優さんの好みで選んでみるのも楽しいかもしれない。

各機体に搭載するフィギュアヘッズの設定画面。キャラクターやスキルのほか、髪型や服装なども変更できる

広大な戦場にて前線に出るか、それとも後方支援に回るか!?

 カスタマイズが終わったら、いよいよ出撃だ。ゲームでは両軍にそれぞれ与えられた「ポストチャージ」というエネルギーを、「敵のリーダー機を破壊」か「敵軍のアウトポストのコアを攻撃」のどちらかによってよって減らしていき、最終的に敵のポストチャージを0にするか、もしくは制限時間内で敵より多くのポストチャージを残している方が勝利となるのだ。

戦闘前のブリーフィングでは、自身がどんなロールで戦いたいかを相手に伝えることができる。これはあくまで意思表示のためのものだ。マップの様子も表示される
開戦時にはマップを表示。☆のマークのアイコンがアウトポストだ。そのほかいくつかの施設があり、それらを制圧すれば自軍が優位に立てる

 ゲーム中での2Footの動きはさほど速くはなく、これはキーボード操作に慣れない筆者にも少し安心できた。単純な移動やある程度距離のある敵への射撃ならば問題なく行えている。接近戦はできるだけ避けようと意識してプレイしていたこともあり、これならば前線で戦うアサルトではなく、「スナイパー」や「サポート」などの兵種を選んでもよかった気はしている。

派手目の模様を入れて機体をカスタマイズしてしてみたが、予想よりも画面映えしていた。このステージの太陽光と影のコントラストも美しい
施設の場所は画面右下のミニマップのほか、画面内のアイコンでも方向が分かる。ゲームで最初に目指すべきポイントだ

ロボットの操作に不安があっても、僚機への指示次第で自軍に貢献できる

 やや逃げ腰な戦い方をしていた筆者にとって心強かったのが、僚機の存在だ。やはり直接的な操作をしなくていいのは、操作自体に不安がある筆者にとってありがたく、しかも攻撃や索敵を行なうだけでなく、ときにはリーダー機を守るための囮や壁にもなってくれる、戦場によっては味方プレーヤー以上に頼りになる。何より、倒されてもチームのポイントに絡まないため、多少無茶な指示を出して倒されてしまってもチームに迷惑をかけることが少ないのだ。

 今回プレイさせていただいたうち、2回目の対戦では前衛を完全に僚機に任せ、それを狙って現われた敵を少し離れた場所からロケットランチャーでまとめて焼き払うという戦い方をしていた。

リング中央の「移動攻撃」ならばコマンドを選ばなくとも1/2キーを押すだけで、レティクルのある場所に僚機が移動する。4キーを押せば2機が同じ指示に従う
フィギュアヘッズを搭載しておけば、その僚機の情報がプレーヤーにボイスで伝えられる
僚機が倒されてしまったときは、待機時間が画面下に表示される。これがゼロになると、リーダー機の後方にリスポーンする仕様だ
開戦時やリーダー機のリスポーン待機中のマップ画面でも、マップ上に僚機がいるなら指示を出せる。黄色の扇形の頂点が僚機の位置だ

敵陣を攻撃するために、マップ内施設の占領が最重要となる

マップ上にある丸いポイントが各種施設。弾薬補給、耐久値回復、アウトポスト防衛などの効果がある。一定時間上に乗り続けることで制圧できる

 ゲームをプレイしてみると、実はリーダー機の破壊はさほどポストチャージを減らすことにはつながっていないことがわかる。現状の設定では1機破壊につき10減らすだけなので、よほど僅差でない限り、ポストチャージ減少のために敵を積極的に倒しにいく意義は少ないように思えた。

 そうなると狙うべきは当然、敵アウトポストのコアへの攻撃だ。ところがこのアウトポストを狙うためには、マップ上の最重要施設「ポストトリガー」を制圧し、敵アウトポストに張られたシールドを解除させなければならない。ポストトリガーはマップ中に1カ所しかなく、当然ながらここを巡る攻防はし烈なものとなる。

 今回初出となった「Underground」のマップでは、両陣営のアウトポスト同士は近くにあるのに、ポストトリガーは両者から1番遠いという構造で、ポストトリガーを奪取するチームと、アウトポストを攻める、あるいは守るチームのバランス配分が戦略のカギとなるはずだ。

下向きの矢じりのようなアイコンがポストトリガーだ。味方の押し気味の戦況に乗じて、ここを制圧中の筆者の機体
シールドがなくなり、攻撃可能となった敵アウトポストのコア。真下から連続で攻撃することで、敵軍のポストチャージをどんどん減らせる

これまでに味わったことのない戦略性と緊張感は、体験する価値あり

 実のところ筆者もプレイ中はそこまでの戦略は頭になく、ここまでの要素をまとめてみて、改めて本作の奥深さに気付いた次第だ。特にRTS要素となる僚機への指示は非常に重要で、それは体験会で行われたプロゲーミングチームと開発チームの戦いを見ても明らかだった。プロゲーマーの腕をもってしても、シューターとしての技術だけでは勝つことができないゲームなのだ。

 この感触はこれまで味わったことのない戦略性と緊張感を兼ね備えていて、体験してみる価値は大いにあるかと思う。個人的には何より2Footたちのデザインがキュートで、いろいろとカスタマイズして、映画のようなシーンを再現してみたいと思った次第だ。サービス開始後でも基本プレイは無料なので、手持ちのPCスペックが許すのならぜひプレイすることをお薦めする。

(稲元徹也)