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「バイオハザード0 HDリマスター」発売で、編集部にゾンビ襲来!
リーマンゾンビがゲームをアピール! 竹中Pのミニインタビューも収録
(2016/1/21 00:00)
- 1月21日 発売
- 価格:
- 3,694円(PS4/3/Xbox one/Xbox 360/PCダウンロード版、税別)
- 3,700円(Xbox Oneダウンロード版、税別)
- CEROレーティング:C(15歳以上対象)
カプコンは1月21日にプレイステーション 4/3、Xbox One/360、Winbdows用サバイバルアクション「バイオハザード0 HDリマスター」を発売する。同作は、2002年にニンテンドーゲームキューブ用ソフトとして発表された「バイオハザード0」のグラフィックスをリマスターし遊びやすく作り直されたもの。
2014年に、同じくニンテンドーゲームキューブ版「バイオハザード」をHD化した「バイオハザード HDリマスター」がリリースされ注目を集めた。第1作「バイオハザード」で描かれた全ての元凶とも言える“洋館事件”の前日譚としてその多くの謎が明らかになる「バイオハザード0」は、「バイオハザード」と切っても切れない関係にあり、2作品を収録した「バイオハザード オリジンズコレクション」も同日に発売される。
レベッカ・チェンバースとビリー・コーエンの2名を切り替えながら、時には2人で謎を解き、アイテムをシェアしながら物語を進めていくといった当時斬新なシステムは今も色あせることなく、ゲームを楽しむことができる。なにより、HD化されたそのグラフィックスの美しさに改めて発見できることも多いのではないだろうか。
というわけで、「バイオハザード」がリリースされると、必ずカプコンからゾンビが襲来する!事実、2014年11月にもゾンビが弊社を襲撃! 壮絶な現場をお届けしている(茶番)。というわけで、今回は竹中司プロデューサーがゾンビ化するという、更なる壮絶な現場に直撃。世界初だろうか? ゾンビへのインタビューに成功したので、お届けする!!
竹中司“ゾンビ”プロデューサーにまじめに聞く「バイオハザード0 HDリマスター」
――昨年の「バイオハザード HDリマスター」に続いて、今年は「バイオハザード0」も「HDリマスター」化されました。東京ゲームショウ 2016の会場でも試遊台に長蛇の列ができ、ファンの方は待っていらっしゃるなと感じました。
竹中氏:そうですね、オリジナル版もニンテンドーゲームキューブで「バイオハザード」が出て、そのあとで「バイオハザード0」が出たわけなんですが、やはりオリジナル版の方ともども、名作と聞いていても遊んだことがない人が多かったので、やっと自分の持っているハードで遊ぶことができるとなって喜んでくださっているのだと思います。
――なぜ「バイオハザード」に続いて「バイオハザード0」のHD化を企画されたのでしょうか?
竹中氏:やはりこの2作品というのは対の関係になっていまして、「バイオハザード」は“洋館事件”を描いていますが、その前夜が「バイオハザード0」ということですね。「バイオハザード」だけで遊んでいるとなかなかわからないことが出てくるんですよね。「バイオハザード」の冒頭で「ブラヴォー・チームが遭難したから助けに行く」という一言はあるのですが、そのあとはなんの説明もなく、いきなりどんどんとただ隊員が死んでいく状況が描かれています。どういう風にその人達がそこに至ったのかを知ることができるのが「バイオハザード0」になります。
そういった意味では、その(“洋館事件”への)流れを知っていただくためにも、「バイオハザード」と「バイオハザード0」を1度に遊んでいただくのが良いんじゃないかと思いまして、「バイオハザード0」を制作いたしました。さらに今回は、2本いっぺんに遊んでいただける「オリジンズコレクション」を発売させていただこうと思いました。
――「バイオハザード0」のHD化にあたって、気をつけられたことがあれば教えてください。
竹中氏:「バイオハザード」のリメイク版(ニンテンドーゲームキューブ版)のHD化と、今回、「バイオハザード0」のHD化の大きな違いは、動画背景を多用している点なんですね。当時、動画背景(背景で動画を再生する技術)を使用することの利点は、(画面の)あちこちが動いて、ゲームに現実感がすごく出てくるという点がありました。
これが、当時のハードが得意とする処理だったんですね。でも実は今のハードはそういった処理を行なうことを前提としていないマシン構造ですので、正直に言うと苦手としているんです。今回、その苦手な処理をHDサイズで再現するというのは、苦労した点の1つでした。
――それは初めからから、今の3Dハードに合うように、モデリングなどを再生成したということでしょうか?
竹中氏:実を言うと、14年前の元の「バイオハザード0」の開発時のモデルデータが、非常にいい状態で残っていたんですね。なので、それをもう1度レンダリングして、今の技術に合わせたライティングとか様々な加工を施して、「バイオハザード0 HDリマスター」の美しいグラフィックスが完成しました。
一部、炎の部分などは、ニンテンドーゲームキューブ版では動画背景を使用していましたが、今回は通常のエフェクトの処理に作り替えるなど切り替えていますが、基本的には前のモデルを使用しています。
逆に言うと、14年前にそれだけのクオリティのものを作っていたのですが、当時は解像度の低いブラウン管のディスプレイですとか、ゲームハードの制約などもあり、ハイクオリティなデータをお見せできなかったのですが、14年越しに本当に我々が目指していたクオリティのものを、皆様にお届けできるようになったと言うことですね。
――再レンダリングなどかなりの時間を要して制作されているのですね。
竹中氏:当時の「バイオハザード」ではカット切り替えがありますので、「1部屋」といえども1枚で済むわけではなく、何カットも何カットもあったりするので、そこを1つずつ調節していくのはかなり根気のいる作業でした。
――そのほかに難しかったり大変だった作業ってありましたか?
竹中氏:手間の掛かったところとしては、画面比率が「4:3」と「16:9」の2種類から選択できるんです。よくある手法としては、「4:3」の上下を切って「16:9」にするという手段があるんですね。
実は「バイオハザード0」では、床に物を置けるシステムがあるんですね。このため、どうしても床を映しておかなければならないんです。このため、ただ単に上下を切って(見えなく)しまうと、見えなくなってしまうんです。さらに外面上部に必要な情報がある場面もありますから、1カットずつカメラを細かく調整して作り直しています。
――では「4:3」と「16:9」ではカメラワークが違う部分もあるのでしょうか?
竹中氏:いえ、細かい調整を行なうことで、違和感がないようにするために、非常に時間がかかりました。
――今回の新要素となる「ウェスカーモード」を入れるきっかけは?
竹中氏:「バイオハザード0」を遊んだことのないユーザーさんも多数いらっしゃるかと思うのですが、当時愛されたタイトルですので、すでに遊んでくださった方も多いかと思います。
今回そういった方達にもう1度遊んでいただいても、グラフィックス等のクオリティがすごく良くなっているので、新しい発見がすごくたくさんあると思うのですが、「それだけでは(物足りない)なぁ……」というカプコンらしい理由で、「なんか新しい遊びを入れないとね」と言う話になりました。こういった制作チームの意気込みがあって、とくにディレクターが当時と同じ小田晃嗣という者が担当していますので、彼が主導して「当時遊んでいたお客様により楽しんでいただきたい」ということで、新しいモードを入れました。
――「ウェスカーモード」には爽快感に重きを置いているかと思うのですが、ゲームバランスなどはどういったところにポイントを置いて作られているのでしょうか?
竹中氏:「ウェスカーモード」は当初から企画はしていたのですが、どういう風にするかについては苦労しまして、1番最初は、もう少し戦略性の高いゲームにしようかと話していたんですね。今は「赤の斬撃」という特殊攻撃がけっこう連続で出て爽快に楽しんでいくバランスになっているのですが、最初は、溜める事で使用できるようになり、使うとしばらくは使用できない仕様になっていたんです。いわゆる、エネルギーが減ってチャージすることで使用できるようになるという感じですね。つまり、いつ使えばいいのかを考える遊びを想定して、一時期ゲームバランス取っていたんですね。
でも、やはりゲームをクリアして遊べるようになるモードです。(「バイオハザード0」は恐いので)恐る恐るやってクリアしたあとですから、もう1度同じような感覚でプレイしてもらうというのはどうだろうか? と考えて、クリア後のオマケは爽快感を重視しようと言う形でバランスを取り直しました。
本編が終ったら、「ウェスカーモード」でスッキリと楽しんで欲しいですね。
――では最後に、ユーザーさんに一言お願いいたします。
竹中氏:今回「バイオハザード0」が発売されますが、同時に「バイオハザード オリジナルコレクション」という、第1作と「バイオハザード0」がセットになったゲームが出ます。こちらファンの方でしたらだいぶ忘れてしまったくらい最初の頃の話ですので、もう1度遊んでいただきたいと思います。
逆に「バイオハザード」を遊んだことのない方は、この「オリジンズコレクション」からスタートしていただければ、どの「バイオ」のシリーズでも楽しんでいただけると思いますので、ここから「バイオハザード」の世界に入っていただければと思います。
――ありがとうございました!
オマケモード:サラリーマンゾンビの悲哀……
ジョージ・A・ロメロ監督の映画「ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)」をご存じだろうか? ゾンビ映画の大御所だが、その中にこんなシーンがある。
ショッピングセンターに籠城し中のゾンビを全て排除するも、外からはどんどんゾンビが押し寄せる。「俺たちを狙ってるんだ……」と恐れるメンバーの中、1人が答える。
「ただ、ショッピングセンターに入りたいだけさ」
ゾンビの設定に、生前の記憶に縛られて行動するというものがある。となると、サラリーマンのゾンビはどういった行動を取るのだろうか? ゲーム制作者はゾンビになってもゲームを作り続けるのだろうか? その答えはここにある……。
【さらにオマケ】
あまりに素敵なゾンビメイクに、竹中プロデューサーにどうやってゾンビが作り上げられたのか、伺ってみた。
――特殊メイクするだけで、どれくらい時間がかかりましたか?
竹中氏:このメイクは、最初に型どりというのをやっていただくのですが、まず顔にシリコンを塗り、その上から石膏包帯(ギブスを作る時などに使うもの)を巻き、30分から40分ほどそのままにして、自分の顔の型を取るんです。そこに石膏を入れて僕のライブマスクを作るんです。そこに貼り付けるようにパーツを作っていきます。今日はその作っていただいたものを付け馴染ませてメイクするのに、だいたい2時間半から3時間半くらいですね。
しゃべるのは平気なんですが、笑うと引きつって(笑)。表情変える場合は別のメイクの方法があるようですね。
ちなみに、メイクをするとき社内のスタッフから「竹中さん、ひげを剃ってきてください」って言われたんですが(ひげがあるとマスクを作りづらいため)、正直「なに言ってるんだ、こいつ?」って思いましたね。ひげを剃るのは勇気がいりました。
――では今日は早朝入りなんですね?
竹中氏:そうですね、ちょっと眠いです(笑)。
――お疲れ様でした!
メイク協力:「gentil+」
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